JP3023524B2 - モールド電動機 - Google Patents

モールド電動機

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JP3023524B2
JP3023524B2 JP4007861A JP786192A JP3023524B2 JP 3023524 B2 JP3023524 B2 JP 3023524B2 JP 4007861 A JP4007861 A JP 4007861A JP 786192 A JP786192 A JP 786192A JP 3023524 B2 JP3023524 B2 JP 3023524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定子鉄心をプリミッ
クスなどによってモールドしフレームを形成する開放型
のモールド電動機に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】固定子の
鉄心がプリミックスによってモールドされるモールド電
動機は、モールドされるプリミックスによってフレーム
を形成し、このフレームに鋼板を絞り成型したブラケッ
トを取り付けている。
【0003】この様な構成のモールド電動機は、鉄心に
トロイダル状に巻線を施すと小形に構成できるため、室
内用の冷房装置などに好んで用いられている。
【0004】しかしながら、トロイダル巻線の場合、固
定子の鉄心の継鉄の部分に巻線が巻装されるため、外側
に磁性体があると巻線から磁束の漏洩が起こり、トルク
を消失することになる。
【0005】このため、鋼板で構成されたブラケットを
フレームに取り付けるために大きくすると固定子の磁束
が漏洩して特性に悪影響を与えることなった。
【0006】そこで、ブラケットは、できる限り小さく
してフレームに固定する努力がなされている。
【0007】しかし、この種のモールド電動機には、ブ
ラケットの構造とフレームへの固定に関し次のような問
題点を有している。
【0008】第1に、プリミックスのモールドで構成さ
れたフレームにネジが効かないため、鋼板製のブラケッ
トを固定することが容易ではない。
【0009】第2に、ブラケットの外径を大きくすると
固定子の磁束の漏洩が起こり大きくできない。
【0010】第3に、ブラケットの内径側に軸受が備え
られるため、内部を開放する透孔を形成するスペースが
少ない。
【0011】第4に、ブラケットに透孔を形成して内部
を開放すると透孔を介して直接異物が侵入する恐れがあ
る。
【0012】第5に、ブラケットとフレームとをネジな
どで固定すると固定子に対するブラケットの軸心が正確
に得られない。
【0013】これらの問題点に関し、第1の問題点に対
しては、両者を接着、圧入、ネジによる固定、あるい
は、特公昭63ー1013号公報に記載のように回転子
の軸にストップリングを取り付けてブラケットを外れな
いように構成することなど種々試みられてきた。
【0014】そこで、現在最も合理的な方法は、固定子
の鉄心に絶縁層を形成するとき、ネジ用の受け座を一体
に形成しておき、このネジの受け座をプリミックスでフ
レームを成型する際、その整形型によってフネジの受け
座をフレームの外側へ延出させ、ブラケットの取り付け
のためのネジを螺合することが試みられている。
【0015】第2の問題点に対しては、ブラケットの外
径を小さくするためにブラケットを星型にし、フレーム
への固定する部分だけを外径方向へ大きくして磁束の漏
洩をできる限り少なくしている。
【0016】そして、ブラケットの星型に突出した部分
によってフレームに対する軸心を求めている。
【0017】第3の問題点に対しては、軸受とフレーム
の内径側との間に開放用の透孔を形成しないで、フレー
ムにブラケットの外径側まで連なる透孔を形成すること
が試みられている。
【0018】第4の問題点に対しては、特に対策が構じ
られていなかった。
【0019】第5の問題点に対しては、取り付け構造に
制限を受けるがフレームにブラケットを軸心に合せるよ
うな径方向の当り面を形成して解決している。
【0020】これらの問題点は、高機能のモールド電動
機を得るのに逐次改善されて来た事項であるが、廉価
で、高効率、低騒音、安全に使用できることへの要求
は、限りのないものである。
【0021】そこで、本発明は、この様な事情に鑑み、
特に開放用に構成されるブラケットの透孔の改善を行
い、安全に使用できる高機能のモールド電動機を提供す
ることを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、トロイダル巻
線の固定子にプリミックスのモールドによってフレーム
を形成すると共に外形をドーナツ状に形成し、このフレ
ームの内径側の端面にブラケットを嵌合する環状の溝を
形成し、この溝の一部に前記フレームの内径側に連なる
凹部を前記溝の幅とほぼ同じ大きさで形成し、この凹部
を覆うように前記溝にブラケットを嵌合し、このブラケ
ットの円形の外周と前記溝の外径側内周面との間に隙間
を形成して前記溝の一部で前記凹部を外部へ連通して通
気口を設けたことによって問題点を解決している。
【0023】
【作用】フレームの内径側に階段状に形成されたブラケ
ット嵌合用の溝と通気を行う凹部とを介して内部と外部
とが連通され、この内外を連通する凹部と溝とを覆うブ
ラケットは、溝の内周とブラケットの外周側との間に隙
間が形成されているため、この隙間および凹部を介して
くの字状に連通された透孔である通気口を形成しモール
ド電動機を開放型に構成する。
【0024】
【実施例】本発明を図面に示された一実施例に基づいて
説明すると、図1は、本発明の一実施例によるモールド
電動機の縦断面図である。
【0025】図2は、本発明の一実施例によるモールド
電動機の平面図である。
【0026】図3は、フレームに形成される溝と凹部と
の関係を示す要部斜視図である。
【0027】図4は、ブラケット、溝と凹部との関係を
示す要部縦断面図である。
【0028】図5は、フレームをプリミックスのモール
ドによって形成する整形型の要部を示す縦断面図であ
る。
【0029】図1において、モールド電動機は、鉄心1
に巻線2がトロイダル状に巻装されており、外側からプ
リミックスによるモールドでフレーム3が形成されてい
る。
【0030】そして、フレーム3には、軸方向の一方に
フレーム3と一体に形成された軸受ハウジング4が設け
られ、軸受5aを介して回転子6を支承している。
【0031】さらに、フレーム3の軸方向の他方には、
ブラケット7が備えられており、ブラケット7は、フレ
ーム3の軸方向端面の内径側に形成された環状の溝8に
嵌合されており、この溝8の一部には、凹部9が形成さ
れ、少なくともこの凹部9の部分では、ブラケット7の
外径側と溝8の外径側の内周との間に隙間10が形成さ
れている。
【0032】したがって、凹部9および隙間10を介し
てブラケット7の内外が連通される構造になっている。
【0033】ブラケット7は、フレーム3に対して、鉄
心1を絶縁する絶縁層と一体に形成されたネジの受け座
11にネジ12を螺合して固定されている。
【0034】そして、ブラケット7は、軸心に軸受5b
を備えており、回転子6を支承している。
【0035】さらに、鉄心1と巻線2とで構成される固
定子は、ホール素子13を備えたプリント基板14を有
しており、プリント基板14は、ブッシング15を介し
てリード線16が接続されている。
【0036】さらに、ホール素子13に対向するように
回転子6にリング状のマグネット17が取り付けられて
いる。
【0037】図2において、ブラケット7は、突出部1
8を有し、星型に形成され、この星型のブラケット7を
嵌合できるようにフレーム3の溝10が突出部18を収
容でするように延設部19を有している。
【0038】そして、延設部19は、ブラケット7の突
出部18が3個であるのに対して、6個形成されてお
り、ブラケット7を180度反転して取り付けられるよ
うに構成されており、また、延設部19には、ネジの受
け座11が露出している。
【0039】図3において、フレーム3の溝8は、フレ
ーム3の端面内径側に環状に形成されており、この溝8
に軸方向に重複するように凹部9が形成されており、ブ
ラケット7が溝8に嵌合されても凹部9がフレーム3と
の間に空隙を形成するように構成されている。
【0040】そして、溝8と連なるように外径方向へ延
設部19が形成されており、この部分にブラケットの突
出部18が嵌合されるように構成されている。
【0041】さらに、延設部19の外径側には、ブラケ
ット7の突出部18の外径側と衝合する当り面20が形
成されており、この当り面20の外側がテーパー部21
で構成されている。
【0042】図4において、ブラケット7は、フレーム
3にネジ12によって固定されており、この状態で溝8
の内周とブラケット7の外周との間に隙間10が形成さ
れており、この隙間10と凹部9を介してブラケット7
の内外が連通している。
【0043】図5において、軸状の治具23に巻線2が
施された鉄心1が装着されており、上方になる整形型2
4aと下方になる整形型24bとに収容されている。
【0044】そして、整形型24a、24bと鉄心1お
よび巻線2との間には、隙間25が形成されている。
【0045】さらに、この隙間25に図示されないプレ
モールドが充填され、加熱されて硬化し、フレーム3を
形成するように構成されている。
【0046】この様な構成において、モールド電動機
は、鉄心1にプレモードあるいは、予め形成された絶縁
層を備え、この絶縁層の上から継鉄部に巻線2を施し、
外側にプリミックスによるフレーム3を形成する。
【0047】そして、フレーム3を形成するとき、溝8
および凹部9を同時に形成する。
【0048】さらに、ブラケット7は、別の工程で鋼板
をプレスによって絞り成型して製作し、回転子6、軸受
5a、5bと共にフレーム3に組み付ける。
【0049】この様に組み立てられると、ブラケット7
は、凹部9に密着することがなく、しかも、ブラケット
7の外径側と溝8の外径側との間に隙間10が形成され
るため、凹部9と隙間10とを介してブラケット7の内
外が連通されることになる。
【0050】この様にブラケット7の内外が連通される
と、モールド電動機の内部の温度上昇などによって空気
の膨脹があった場合、容易に膨脹する空気を外部へ逃が
し、圧力の緩和を行うことができる。
【0051】そして、また、凹部9と隙間10を介して
モールド電動機の内外に空気が流通することになるた
め、内部の冷却にも効果が大きい。
【0052】そして、この様なブラケット7の内外、す
なわちモールド電動機の内外を連通する透孔となる凹部
9は、ブラケット7と溝8との間に形成される隙間10
から真っ直ぐに回転子6のあるモールド電動機の内部へ
連通するものではなく、くの字状に曲がって構成されて
いるため、異物の侵入に対して抵抗を示すことになる。
【0053】したがって、塵芥の多い場所での使用など
環境の悪い場所での使用に効果的である。
【0054】また、本実施例の如く、凹部9を溝8から
延設される延設部19に渡って形成すると、ブラケット
7の取り付け位置を変えて延出部19に突出部18が位
置する場合と位置しない場合とでは凹部9の開口面積が
異なることになり、開口の大きさを調整したい場合に都
合が良い。
【0055】このように形成される凹部9と隙間10と
によるモールド電動機の開放は、凹部9および隙間10
をそれぞれある程度大きくしてもブラケットの取り付け
に何等支承を与えないため、任意の断面積の通気口とな
る透孔を形成することができる。
【0056】また、ブラケット7には、凹部9と隙間1
0によってブラケット7の内外を連通することができる
ため、ブラケット7に透孔を形成する必要がなくなり、
ブラケット7に備えられる軸受5a、5bが大きくな
り、固定子の内径に近い大きさとなっても開放型のモー
ルド電動機を構成することができる。
【0057】さらに、ブラケット7とフレーム3との間
に形成される隙間10は、ブラケット7のフレーム3に
対する軸心向きの位置決めに何等支承を及ぼさないた
め、ブラケット7の軸心が別の部分で容易に得られる。
【0058】このブラケット7の軸心は、本実施例で
は、突出部18の外周と延設部19の内周によって行な
われており、第5の問題点を損うことはない。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、第1および第2の問題
点については、従来の技術を利用し、第3および第4の
問題点については、本発明によって解決されることにな
り、塵芥などの多い環境で使用されても直接異物などが
モールド電動機の内部へ侵入することが少なく、しか
も、第5の問題点は、ブラケットがフレームとの間に軸
方向の隙間を形成しても、これが凹部の部分で十分であ
ることから問題となることはなく、高機能のモールド電
動機を得ることができ、その効果は現実的に極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるモールド電動機の縦断
面図である。
【図2】本発明の一実施例によるモールド電動機の平面
図である。
【図3】フレームに形成される溝と凹部との関係を示す
要部斜視図である。
【図4】ブラケット、溝と凹部との関係を示す要部縦断
面図である。
【図5】フレームをプリミックスのモールドによって形
成する整形型の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1……鉄心 2……巻線 3……フレーム 6……回転子 7……ブラケット 8……溝 9……凹部 12……ネジ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トロイダル巻線の固定子にプリミックスの
    モールドによってフレームを形成すると共に外形をドー
    ナツ状に形成し、 このフレームの内径側の端面にブラケットを嵌合する環
    状の溝を形成し、 この溝の一部に前記フレームの内径側に連なる凹部を
    記溝の幅とほぼ同じ大きさで形成し、 この凹部を覆うように前記溝にブラケットを嵌合し、 このブラケットの円形の外周と前記溝の外径側内周面と
    の間に隙間を形成して前記溝の一部で前記凹部を外部へ
    連通して通気口を設けたことを特徴とするモールド電動
    機。
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