JP2005036676A - ファンモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、ロータとしての組立てバラツキを低減するファンモータを提供する。
【解決手段】複数のファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17およびシャフト固定部品であるシャフトインサート19と一体に形成してなる組立体と、この組立体のシャフトインサート19に取付け固定されるシャフト11とによりロータ10を構成する。ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19との位置決めが行なわれ、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11はシャフトインサート19に取付け固定され、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17およびシャフト固定部品であるシャフトインサート19と一体に形成してなる組立体と、この組立体のシャフトインサート19に取付け固定されるシャフト11とによりロータ10を構成する。ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19との位置決めが行なわれ、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11はシャフトインサート19に取付け固定され、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャフトを中心に回転するロータを備えたファンモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にこの種のファンモータは、パーソナルコンピュータ内部のMPU(マイクロプロセッサユニット)や、液晶プロジェクターに搭載される液晶パネルなどの、各種発熱源の冷却用送風ファンとして広く使用されている。
【0003】
図3は、こうしたファンモータの一例を示すものであるが、1は扁平状をなすファンモータの外郭部材で、これはいずれも熱伝導性のよい金属からなるケーシング2と、このケーシング2の上面開口を覆うカバー3とにより構成される。また4は、ケーシング2に加締めまたはインサート成形にて直立固定された有底円筒状の筒部すなわちベアリングチューブで、このベアリングチューブ4の内部には、上下一対の軸受5が圧入固定される。
【0004】
ベアリングチューブ4の外周部には、巻線を装着した鉄心を有する固定子7と、この固定子7および他の各素子を実装する回路基板8がいずれも取付け固定される。なお、9は回路基板8との電気的接続を図るリード線である。一方、固定子7からの磁力により回転するロータ10は、前記軸受5によりベアリングチューブ4内で回動自在に支承される回転軸としてのシャフト11と、カップ状部12の外周側面に複数の羽根すなわちファンブレード13を有する樹脂成形されたファン14と、前記カップ状部12の内周面に装着され、固定子7に対向して永久磁石16を備えたロータケースとしてのヨーク17とにより構成され、シャフト11の基端がファン14の中心に取付け固定される。
【0005】
そして、固定子7に電流を与えることにより、この固定子7に対向する永久磁石16との間に吸引力および反発力を生じ、シャフト11を中心としてロータ10が回転する。これにより、発熱源で温められた空気をシャフト11の軸方向にある吸気孔18から取り込み、この吸気孔18と直交する方向に設けられた排気孔(図示せず)から外部に温かな空気を送り出すことで、発熱源の温度上昇を防ぐようにしている。
【0006】
上記図3に示すロータ10の製造方法は、例えば特許文献1などに開示されている。この特許文献1では、ファン14の樹脂成形と同時に、永久磁石16を備えたヨーク17とシャフト11が一体に構成されている。また別の方法として、ファン14の樹脂成形時にシャフト11とファン14を一体形成し、その後、ファン14のカップ状部12にヨーク17を圧入してロータ10を製造するのも一般的に行なわれる。
【0007】
一方、図4は別なファンモータの構造を示すもので、ここではシャフト11の基端がファン14ではなく、別部材であるシャフト固定部品としてのシャフトインサート19に取付け固定される。このシャフトインサート19は、カップ状部12の内面上部に設けられ、シャフトインサート19の周囲には前記永久磁石16を備えたヨーク17が設けられる。また、ここでの外郭部材1は、金属または樹脂からなる筒状のケース体21により構成され、シャフト11の軸方向一側には吸気孔18が形成される一方で、シャフト11の軸方向他側には排気孔22が形成される。そしてこの場合は、固定子7と永久磁石16との間の吸引力および反発力によって、シャフト11を回転中心としてファン14が回転すると、シャフト11の軸方向に沿った吸気孔18から排気孔22に向けて空気が流れるようになる。
【0008】
上記図4に示すロータ10の製造方法も、前述の特許文献1などに開示されている。すなわちこの場合は、シャフト11の基端をシャフト固定部品であるシャフトインサート19に圧入後、このシャフトインサート19にヨーク17を加締め固定した組立体を形成し、最後に樹脂成形されたファン14に、シャフト11,ヨーク17およびシャフトインサート19からなる前記組立体を圧入,接着または溶着して製造される。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−294345号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示すファンモータの構造では、ファン14を所望の形状に樹脂成形する際に、シャフト11が一体的に取付けられるので、ファン14に対するシャフト11の固定強度が弱い。そのため、特に大型のファンモータでは、シャフト11のファン14との締結部が緩んで、ファン14のアンバランス量が大きくなり、回転時に振動が大きくなる欠点がある。
【0011】
また、こうした問題を改善するためには、図5に示すように、ファン14との締結部として、軸状に形成したシャフト11の基端円周上に切欠溝25を形成し、その切欠溝25に細かな凹凸状のローレット26を形成することが考えられる。しかし、この場合もやはり、シャフト11とファン14との固定強度が不十分で、衝撃や側圧などの外力が加わると緩みが発生する。また、ファン14との固定強度を増大させるために、シャフト11の軸経を大きくしようとすると、今度は軸受5が大型化して、シャフト11に回転力を与えたときに軸受5部分の損失が増大する問題が発生する。さらに、シャフト11の基端の大部分は、樹脂によるファン14に囲まれているために、シャフト11からの放熱性が悪く、軸受7の摩擦による温度上昇を低減できない。
【0012】
さらに、図4に示すファンモータの構造では、シャフト11,ヨーク17およびシャフトインサート19からなる組立体を予め形成する際に、寸法上のバラツキが大きくなり、この場合もやはりファン14のアンバランス量が大きくなって、ファン14の回転時に振動が大きくなる欠点がある。
【0013】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能なファンモータを提供することをその第1の目的とする。
【0014】
また本発明の第2の目的は、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもシャフトからの放熱性を向上させることが可能なファンモータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1のファンモータでは、ファンの成形と同一行程で、ヨークやシャフト固定部品との位置決めが行なわれるので、シャフト部品を後工程でファンに組み込む場合よりも、ロータとしての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフトは成形品であるファンにではなく、先にファンと一体形成された組立体に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフト部品を介してシャフトとファンとの固定強度を高めることができる。
【0016】
請求項2のファンモータでは、ファンの成形と同一行程で、ヨークやシャフト部品やシャフトとの位置決めが行なわれるので、シャフト部品やシャフトを後工程でファンに組み込む場合よりも、ロータとしての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフトは成形品であるファンにではなく、シャフト部品に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、このシャフト部品を介してシャフトとファンとの固定強度を高めることができる。
【0017】
請求項3のファンモータでは、シャフトよりも径大なフランジがファンとの締結部として作用するので、シャフトとファンとの固定強度が向上する。また、シャフトを支える軸受などから熱が発生して、この熱がシャフトに伝わると、外部に露出したフランジの部分から熱を逃がすことができる。そのため、シャフトからの放熱性を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明におけるファンモータの好ましい各実施例を、その製造方法と共に説明する。なお、これらの各実施例において、従来例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
【0019】
図1は本発明の第1実施例を示すものであり、1はファンモータの外郭部材で、これはいずれも熱伝導性のよい金属からなるケーシング2とカバー3とにより構成される。ケーシング2には、有底円筒状の筒部すなわちベアリングチューブ4が、外郭部材1の内部に直立した状態で設けられる。なお、ベアリングチューブ4はケーシング2と同一部材で形成してもよい。ベアリングチューブ4の内部には、シャフト11を支承するための上下一対の軸受5が圧入固定される。また、ベアリングチューブ4の外周部には、巻線を装着した鉄心を有する固定子7と、この固定子7および他の各素子を実装する回路基板8が取付け固定され、リード線9により回路基板8とファンモータの外部との電気的接続が図られる。
【0020】
10は、固定子7からの磁力を受けて回転するロータである。このロータ10は前述したように、軸受5によりベアリングチューブ4内で回動自在に支承され、ロータ10の回転軸として設けられる金属製のシャフト11と、前記固定子7を覆うように配置されるカップ状部12の外周側面に、同一部材のファンブレード13を複数備えてなる樹脂成形されたファン14と、前記カップ状部12の内周面に装着され、固定子7に対向して永久磁石16を備えたロータケースとしてのヨーク17と、ファン14の中心部にあって、シャフト11の基端が取付け固定されるシャフト固定部品としてのシャフトインサート19とにより構成される。
【0021】
前記ファン14との締結部となるシャフトインサート19は、ファン14とは別部材であって、シャフト11と同様に熱伝導性の良好な金属により形成される。また、カップ状部12の上面部に形成した段差状の開口部31と、ヨーク17の上面部に形成した開口部32に、シャフトインサート19の側面にあるフランジ部33が係合挟持され、これによりシャフトインサート19の抜け止めがなされると共に、シャフトインサート19の上面19Aが放熱面としてファン14より外方に露出するようになっている。このシャフトインサート19の上面19Aは、カップ状部12の上面と面一であっても、さらに外方に突出していてもよい。
【0022】
そして本実施例では、リード線9を通して回路基板8から固定子7に電流を与えることにより、固定子7に対向する永久磁石16との間に吸引力および反発力が発生し、シャフト11を中心としてロータ10が回転する。すると、遠心(シロッコ)ファンであるファン14は、このファン14の一側すなわち上側にある吸気孔18から空気を取り込み、吸気孔18と直交する方向に設けられた排気孔(図示せず)に空気を送り出す。
【0023】
一方、シャフト11が回転するのに伴って、シャフト11を支える軸受5の内部からは摩擦熱が発生し、その熱がいずれも金属製のシャフト11からシャフトインサート19に速やかに伝達する。シャフトインサート19の上面19Aはファン14の上面より露出して大気中に接しているため、シャフトインサート19に達した熱がその上面19Aから速やかに放熱され、軸受5の温度上昇を低減できる。またフランジ状のシャフトインサート19をシャフト11の基端に設けたことにより、軸状のシャフト11はファン14との締結面積が増大し、シャフト11とファン14との固定強度が大幅に向上する。とりわけ本実施例では、シャフトインサート19のフランジ部33が、ファン14のカップ状部12とヨーク17とにより挟持されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14とをさらに強固に固定できる。
【0024】
また、ロータ10の製造に際しては、先ず組み合わせ可能に上下分割された成形金型の下型を用意し、ヨーク17の開口部32にシャフトインサート19が係合するように、下型の所望位置に永久磁石15を備えたヨーク17とシャフトインサート19を配置する。次いで、この状態から成形金型の上型を下型に組み合わせ、この組み合わされた成形金型内に合成樹脂を封入して、所望の寸法形状のファン14を樹脂成形すると同時に、ヨーク17やシャフトインサート19を一体に構成した組立体を製造する。そして、この組立体を構成するシャフトインサート19にシャフト11の基端を圧入若しくは接着することで、ロータ10としての製造が完了する。
【0025】
上記製造方法の場合、ファン14の樹脂成形と同一の工程で、永久磁石15付きのヨーク17とシャフトインサート19の位置決めが行なわれるので、樹脂成形されたファン14に別工程でヨーク17やシャフトインサート19を組み込む場合よりも、ロータ10としての組立バラツキが低減する。また、回転軸となるシャフト11の基端は金属性のシャフトインサート19に直接取付け固定されるので、大型のファンモータであってもシャフト11の基端がシャフトインサート19から緩んだりはせず、ロータ10の回転に伴なう振動が増加する懸念を一掃できる。
【0026】
また、ロータ10の他の製造方法として、先ずシャフト11の基端をシャフトインサート19に取付け固定した後で、組み合わせ可能に上下分割された成形金型の下型を用意し、ヨーク17の開口部32にシャフトインサート19が係合するように、下型の所望位置に永久磁石15を備えたヨーク17と、シャフト11を取付けたシャフトインサート19を配置してもよい。すなわち、この状態から成形金型の上型を下型に組み合わせ、この組み合わされた成形金型内に合成樹脂を封入すれば、所望の寸法形状のファン14を樹脂成形すると同時に、ヨーク17やシャフトインサート19やシャフト11を一体に構成したロータ10が完成する。
【0027】
このような別の製造方法でも、ファン14の樹脂成形と同一の工程で、永久磁石15付きのヨーク17と、シャフト11およびシャフトインサート19の位置決めが行なわれるので、樹脂成形されたファン14に別工程でヨーク17やシャフト11付きのシャフトインサート19を組み込む場合よりも、ロータ10としての組立バラツキが低減する。また、回転軸となるシャフト11の基端が金属性のシャフトインサート19に直接取付け固定され、ロータ10の回転に伴なう振動増加の懸念は一掃される。このように、いずれの製造方法においても、シャフトインサート19をシャフト11とファン14との間に介在させるだけで、シャフト11とファン14との強固な固定構造を実現できる上に、シャフトインサート19が放熱部材として作用し、軸受5から発生する熱を効果的に放散することができる。
【0028】
以上のように本実施例では、ロータ10を備えたファンモータにおいて、複数の羽根すなわちファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17およびシャフト部品であるシャフトインサート19と一体に形成してなる組立体と、この組立体のシャフトインサート19に取付け固定されるシャフト11とによりロータ10を構成している。すなわち本実施例では、ヨーク17およびシャフトインサート19を配置した金属金型内に合成樹脂を封入し、ファンブレード13を有するファン14の樹脂成形と同時に、ヨーク17およびシャフトインサート19を備えた組立体を形成し、その後この組立体のシャフトインサート19に、例えば圧入でシャフトを取付け固定したにおけるロータ10の製造方法を採用している。
【0029】
このようにすると、ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19との位置決めが行なわれるので、シャフトインサート19を後工程でファン14に組み込む場合よりも、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11は成形品であるファン14にではなく、先にファン14と一体形成されたシャフトインサート19に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【0030】
また上記構成の代わりに、複数のファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17,シャフトインサート19およびシャフト11と一体に形成して、ロータ10を構成してもよい。すなわちこれは、シャフト11を予めシャフトインサート19に例えば圧入などで取付け固定し、このシャフト11付きのシャフトインサート19とヨーク17を配置した金属金型内に合成樹脂を封入し、ファンブレード13を有するファン14の樹脂成形と同時に、ヨーク17およびシャフト11付きシャフトインサート19を一体成形するロータ10の製造方法である。
【0031】
この場合、ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19やシャフト11との位置決めが行なわれるので、シャフトインサート19やシャフト11を後工程でファン14に組み込む場合よりも、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11は成形品であるファン14にではなく、シャフトインサート19に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【0032】
さらに本実施例では、複数のファンブレード13を有するファン14をシャフト11と一体に形成してなるロータ10を備えたファンモータにおいて、ファン14との締結部としてシャフト11に例えば金属製の熱伝導性の良好なフランジとしてのシャフトインサート19を設け、このシャフトインサート19を例えばファン14の外部に露出させている。なお、ここでいうフランジは、シャフト11と同一部品であってもよい。
【0033】
この場合、シャフト11よりも径大なシャフトインサート19が、シャフト11のファン14との締結部に設けられるので、シャフト11とファン14との固定強度が向上する。また、シャフト11を支える軸受5などから熱が発生して、この熱がシャフト11に伝わると、ファン14の外部に露出したシャフトインサート19の上面19Aから熱を逃がすことができる。そのため、シャフト11からの放熱性を向上することができる。
【0034】
次に、本発明の第2実施例を図2に基づき説明する。この実施例では、第1実施例と同様に、シャフト11の基端に取付け固定される鍔状の金属部材41がフランジとして設けられている。金属部材41の上面41Aは、カップ状部12より外方上側にさらに突出して、実質的な放熱面積を増加させている。これにより、軸受5からの熱をさらに効果的に放散できる。この金属部材41は、シャフト11のファン14との締結部に設けられ、例えば圧入などにより取付けられているが、シャフト11と同一部材で構成してもよい。
【0035】
そしてこの場合も、ファン14との締結部としてシャフト11に例えば金属製のフランジとしての金属部材41を設け、この金属部材41をファン14の外部に露出させている。すなわち、シャフト11よりも径大な金属部材41が、シャフト11のファン14との締結部に設けられるので、シャフト11とファン14との固定強度が向上する。また、シャフト11を支える軸受5などから熱が発生して、この熱がシャフト11に伝わると、ファン14の外部に露出した金属部材41の上面41Aから熱を逃がすことができる。そのため、シャフト11からの放熱性を向上することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、永久磁石15をヨーク17に取り付ける方法は接着に限らず、加締めや圧入などの方法でもよい。また、シャフトインサート19とシャフト11との締結は、ここでの実施例では圧入としたが、加締めや接着などでもよい。また、ファン14はシロッコファンの他に、軸流ファン,ターボファン,斜流ファンなど何れにも適用できることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能になる。
【0038】
本発明の請求項2におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能になる。
【0039】
本発明の請求項3におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもシャフトからの放熱性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるファンモータの要部断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例におけるファンモータの要部断面図である。
【図3】従来例を示すファンモータの要部断面図である。
【図4】別な従来例を示すファンモータの要部断面図である。
【図5】従来例を示すロータの断面図である。
【符号の説明】
10 ロータ
11 シャフト
13 ファンブレード(羽根)
14 ファン
17 ヨーク
19 シャフトインサート(シャフト部品,フランジ)
41 金属部材(フランジ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャフトを中心に回転するロータを備えたファンモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にこの種のファンモータは、パーソナルコンピュータ内部のMPU(マイクロプロセッサユニット)や、液晶プロジェクターに搭載される液晶パネルなどの、各種発熱源の冷却用送風ファンとして広く使用されている。
【0003】
図3は、こうしたファンモータの一例を示すものであるが、1は扁平状をなすファンモータの外郭部材で、これはいずれも熱伝導性のよい金属からなるケーシング2と、このケーシング2の上面開口を覆うカバー3とにより構成される。また4は、ケーシング2に加締めまたはインサート成形にて直立固定された有底円筒状の筒部すなわちベアリングチューブで、このベアリングチューブ4の内部には、上下一対の軸受5が圧入固定される。
【0004】
ベアリングチューブ4の外周部には、巻線を装着した鉄心を有する固定子7と、この固定子7および他の各素子を実装する回路基板8がいずれも取付け固定される。なお、9は回路基板8との電気的接続を図るリード線である。一方、固定子7からの磁力により回転するロータ10は、前記軸受5によりベアリングチューブ4内で回動自在に支承される回転軸としてのシャフト11と、カップ状部12の外周側面に複数の羽根すなわちファンブレード13を有する樹脂成形されたファン14と、前記カップ状部12の内周面に装着され、固定子7に対向して永久磁石16を備えたロータケースとしてのヨーク17とにより構成され、シャフト11の基端がファン14の中心に取付け固定される。
【0005】
そして、固定子7に電流を与えることにより、この固定子7に対向する永久磁石16との間に吸引力および反発力を生じ、シャフト11を中心としてロータ10が回転する。これにより、発熱源で温められた空気をシャフト11の軸方向にある吸気孔18から取り込み、この吸気孔18と直交する方向に設けられた排気孔(図示せず)から外部に温かな空気を送り出すことで、発熱源の温度上昇を防ぐようにしている。
【0006】
上記図3に示すロータ10の製造方法は、例えば特許文献1などに開示されている。この特許文献1では、ファン14の樹脂成形と同時に、永久磁石16を備えたヨーク17とシャフト11が一体に構成されている。また別の方法として、ファン14の樹脂成形時にシャフト11とファン14を一体形成し、その後、ファン14のカップ状部12にヨーク17を圧入してロータ10を製造するのも一般的に行なわれる。
【0007】
一方、図4は別なファンモータの構造を示すもので、ここではシャフト11の基端がファン14ではなく、別部材であるシャフト固定部品としてのシャフトインサート19に取付け固定される。このシャフトインサート19は、カップ状部12の内面上部に設けられ、シャフトインサート19の周囲には前記永久磁石16を備えたヨーク17が設けられる。また、ここでの外郭部材1は、金属または樹脂からなる筒状のケース体21により構成され、シャフト11の軸方向一側には吸気孔18が形成される一方で、シャフト11の軸方向他側には排気孔22が形成される。そしてこの場合は、固定子7と永久磁石16との間の吸引力および反発力によって、シャフト11を回転中心としてファン14が回転すると、シャフト11の軸方向に沿った吸気孔18から排気孔22に向けて空気が流れるようになる。
【0008】
上記図4に示すロータ10の製造方法も、前述の特許文献1などに開示されている。すなわちこの場合は、シャフト11の基端をシャフト固定部品であるシャフトインサート19に圧入後、このシャフトインサート19にヨーク17を加締め固定した組立体を形成し、最後に樹脂成形されたファン14に、シャフト11,ヨーク17およびシャフトインサート19からなる前記組立体を圧入,接着または溶着して製造される。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−294345号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示すファンモータの構造では、ファン14を所望の形状に樹脂成形する際に、シャフト11が一体的に取付けられるので、ファン14に対するシャフト11の固定強度が弱い。そのため、特に大型のファンモータでは、シャフト11のファン14との締結部が緩んで、ファン14のアンバランス量が大きくなり、回転時に振動が大きくなる欠点がある。
【0011】
また、こうした問題を改善するためには、図5に示すように、ファン14との締結部として、軸状に形成したシャフト11の基端円周上に切欠溝25を形成し、その切欠溝25に細かな凹凸状のローレット26を形成することが考えられる。しかし、この場合もやはり、シャフト11とファン14との固定強度が不十分で、衝撃や側圧などの外力が加わると緩みが発生する。また、ファン14との固定強度を増大させるために、シャフト11の軸経を大きくしようとすると、今度は軸受5が大型化して、シャフト11に回転力を与えたときに軸受5部分の損失が増大する問題が発生する。さらに、シャフト11の基端の大部分は、樹脂によるファン14に囲まれているために、シャフト11からの放熱性が悪く、軸受7の摩擦による温度上昇を低減できない。
【0012】
さらに、図4に示すファンモータの構造では、シャフト11,ヨーク17およびシャフトインサート19からなる組立体を予め形成する際に、寸法上のバラツキが大きくなり、この場合もやはりファン14のアンバランス量が大きくなって、ファン14の回転時に振動が大きくなる欠点がある。
【0013】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能なファンモータを提供することをその第1の目的とする。
【0014】
また本発明の第2の目的は、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもシャフトからの放熱性を向上させることが可能なファンモータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1のファンモータでは、ファンの成形と同一行程で、ヨークやシャフト固定部品との位置決めが行なわれるので、シャフト部品を後工程でファンに組み込む場合よりも、ロータとしての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフトは成形品であるファンにではなく、先にファンと一体形成された組立体に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフト部品を介してシャフトとファンとの固定強度を高めることができる。
【0016】
請求項2のファンモータでは、ファンの成形と同一行程で、ヨークやシャフト部品やシャフトとの位置決めが行なわれるので、シャフト部品やシャフトを後工程でファンに組み込む場合よりも、ロータとしての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフトは成形品であるファンにではなく、シャフト部品に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、このシャフト部品を介してシャフトとファンとの固定強度を高めることができる。
【0017】
請求項3のファンモータでは、シャフトよりも径大なフランジがファンとの締結部として作用するので、シャフトとファンとの固定強度が向上する。また、シャフトを支える軸受などから熱が発生して、この熱がシャフトに伝わると、外部に露出したフランジの部分から熱を逃がすことができる。そのため、シャフトからの放熱性を向上することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明におけるファンモータの好ましい各実施例を、その製造方法と共に説明する。なお、これらの各実施例において、従来例と同一箇所には同一符号を付し、共通する部分の説明は重複するため極力省略する。
【0019】
図1は本発明の第1実施例を示すものであり、1はファンモータの外郭部材で、これはいずれも熱伝導性のよい金属からなるケーシング2とカバー3とにより構成される。ケーシング2には、有底円筒状の筒部すなわちベアリングチューブ4が、外郭部材1の内部に直立した状態で設けられる。なお、ベアリングチューブ4はケーシング2と同一部材で形成してもよい。ベアリングチューブ4の内部には、シャフト11を支承するための上下一対の軸受5が圧入固定される。また、ベアリングチューブ4の外周部には、巻線を装着した鉄心を有する固定子7と、この固定子7および他の各素子を実装する回路基板8が取付け固定され、リード線9により回路基板8とファンモータの外部との電気的接続が図られる。
【0020】
10は、固定子7からの磁力を受けて回転するロータである。このロータ10は前述したように、軸受5によりベアリングチューブ4内で回動自在に支承され、ロータ10の回転軸として設けられる金属製のシャフト11と、前記固定子7を覆うように配置されるカップ状部12の外周側面に、同一部材のファンブレード13を複数備えてなる樹脂成形されたファン14と、前記カップ状部12の内周面に装着され、固定子7に対向して永久磁石16を備えたロータケースとしてのヨーク17と、ファン14の中心部にあって、シャフト11の基端が取付け固定されるシャフト固定部品としてのシャフトインサート19とにより構成される。
【0021】
前記ファン14との締結部となるシャフトインサート19は、ファン14とは別部材であって、シャフト11と同様に熱伝導性の良好な金属により形成される。また、カップ状部12の上面部に形成した段差状の開口部31と、ヨーク17の上面部に形成した開口部32に、シャフトインサート19の側面にあるフランジ部33が係合挟持され、これによりシャフトインサート19の抜け止めがなされると共に、シャフトインサート19の上面19Aが放熱面としてファン14より外方に露出するようになっている。このシャフトインサート19の上面19Aは、カップ状部12の上面と面一であっても、さらに外方に突出していてもよい。
【0022】
そして本実施例では、リード線9を通して回路基板8から固定子7に電流を与えることにより、固定子7に対向する永久磁石16との間に吸引力および反発力が発生し、シャフト11を中心としてロータ10が回転する。すると、遠心(シロッコ)ファンであるファン14は、このファン14の一側すなわち上側にある吸気孔18から空気を取り込み、吸気孔18と直交する方向に設けられた排気孔(図示せず)に空気を送り出す。
【0023】
一方、シャフト11が回転するのに伴って、シャフト11を支える軸受5の内部からは摩擦熱が発生し、その熱がいずれも金属製のシャフト11からシャフトインサート19に速やかに伝達する。シャフトインサート19の上面19Aはファン14の上面より露出して大気中に接しているため、シャフトインサート19に達した熱がその上面19Aから速やかに放熱され、軸受5の温度上昇を低減できる。またフランジ状のシャフトインサート19をシャフト11の基端に設けたことにより、軸状のシャフト11はファン14との締結面積が増大し、シャフト11とファン14との固定強度が大幅に向上する。とりわけ本実施例では、シャフトインサート19のフランジ部33が、ファン14のカップ状部12とヨーク17とにより挟持されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14とをさらに強固に固定できる。
【0024】
また、ロータ10の製造に際しては、先ず組み合わせ可能に上下分割された成形金型の下型を用意し、ヨーク17の開口部32にシャフトインサート19が係合するように、下型の所望位置に永久磁石15を備えたヨーク17とシャフトインサート19を配置する。次いで、この状態から成形金型の上型を下型に組み合わせ、この組み合わされた成形金型内に合成樹脂を封入して、所望の寸法形状のファン14を樹脂成形すると同時に、ヨーク17やシャフトインサート19を一体に構成した組立体を製造する。そして、この組立体を構成するシャフトインサート19にシャフト11の基端を圧入若しくは接着することで、ロータ10としての製造が完了する。
【0025】
上記製造方法の場合、ファン14の樹脂成形と同一の工程で、永久磁石15付きのヨーク17とシャフトインサート19の位置決めが行なわれるので、樹脂成形されたファン14に別工程でヨーク17やシャフトインサート19を組み込む場合よりも、ロータ10としての組立バラツキが低減する。また、回転軸となるシャフト11の基端は金属性のシャフトインサート19に直接取付け固定されるので、大型のファンモータであってもシャフト11の基端がシャフトインサート19から緩んだりはせず、ロータ10の回転に伴なう振動が増加する懸念を一掃できる。
【0026】
また、ロータ10の他の製造方法として、先ずシャフト11の基端をシャフトインサート19に取付け固定した後で、組み合わせ可能に上下分割された成形金型の下型を用意し、ヨーク17の開口部32にシャフトインサート19が係合するように、下型の所望位置に永久磁石15を備えたヨーク17と、シャフト11を取付けたシャフトインサート19を配置してもよい。すなわち、この状態から成形金型の上型を下型に組み合わせ、この組み合わされた成形金型内に合成樹脂を封入すれば、所望の寸法形状のファン14を樹脂成形すると同時に、ヨーク17やシャフトインサート19やシャフト11を一体に構成したロータ10が完成する。
【0027】
このような別の製造方法でも、ファン14の樹脂成形と同一の工程で、永久磁石15付きのヨーク17と、シャフト11およびシャフトインサート19の位置決めが行なわれるので、樹脂成形されたファン14に別工程でヨーク17やシャフト11付きのシャフトインサート19を組み込む場合よりも、ロータ10としての組立バラツキが低減する。また、回転軸となるシャフト11の基端が金属性のシャフトインサート19に直接取付け固定され、ロータ10の回転に伴なう振動増加の懸念は一掃される。このように、いずれの製造方法においても、シャフトインサート19をシャフト11とファン14との間に介在させるだけで、シャフト11とファン14との強固な固定構造を実現できる上に、シャフトインサート19が放熱部材として作用し、軸受5から発生する熱を効果的に放散することができる。
【0028】
以上のように本実施例では、ロータ10を備えたファンモータにおいて、複数の羽根すなわちファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17およびシャフト部品であるシャフトインサート19と一体に形成してなる組立体と、この組立体のシャフトインサート19に取付け固定されるシャフト11とによりロータ10を構成している。すなわち本実施例では、ヨーク17およびシャフトインサート19を配置した金属金型内に合成樹脂を封入し、ファンブレード13を有するファン14の樹脂成形と同時に、ヨーク17およびシャフトインサート19を備えた組立体を形成し、その後この組立体のシャフトインサート19に、例えば圧入でシャフトを取付け固定したにおけるロータ10の製造方法を採用している。
【0029】
このようにすると、ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19との位置決めが行なわれるので、シャフトインサート19を後工程でファン14に組み込む場合よりも、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11は成形品であるファン14にではなく、先にファン14と一体形成されたシャフトインサート19に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【0030】
また上記構成の代わりに、複数のファンブレード13を有するファン14を、ヨーク17,シャフトインサート19およびシャフト11と一体に形成して、ロータ10を構成してもよい。すなわちこれは、シャフト11を予めシャフトインサート19に例えば圧入などで取付け固定し、このシャフト11付きのシャフトインサート19とヨーク17を配置した金属金型内に合成樹脂を封入し、ファンブレード13を有するファン14の樹脂成形と同時に、ヨーク17およびシャフト11付きシャフトインサート19を一体成形するロータ10の製造方法である。
【0031】
この場合、ファン14の成形と同一行程で、ヨーク17やシャフトインサート19やシャフト11との位置決めが行なわれるので、シャフトインサート19やシャフト11を後工程でファン14に組み込む場合よりも、ロータ10としての組立てバラツキが小さくなる。しかも、シャフト11は成形品であるファン14にではなく、シャフトインサート19に例えば圧入や接着などで強固に取付け固定されるので、シャフトインサート19を介してシャフト11とファン14との固定強度を高めることができる。
【0032】
さらに本実施例では、複数のファンブレード13を有するファン14をシャフト11と一体に形成してなるロータ10を備えたファンモータにおいて、ファン14との締結部としてシャフト11に例えば金属製の熱伝導性の良好なフランジとしてのシャフトインサート19を設け、このシャフトインサート19を例えばファン14の外部に露出させている。なお、ここでいうフランジは、シャフト11と同一部品であってもよい。
【0033】
この場合、シャフト11よりも径大なシャフトインサート19が、シャフト11のファン14との締結部に設けられるので、シャフト11とファン14との固定強度が向上する。また、シャフト11を支える軸受5などから熱が発生して、この熱がシャフト11に伝わると、ファン14の外部に露出したシャフトインサート19の上面19Aから熱を逃がすことができる。そのため、シャフト11からの放熱性を向上することができる。
【0034】
次に、本発明の第2実施例を図2に基づき説明する。この実施例では、第1実施例と同様に、シャフト11の基端に取付け固定される鍔状の金属部材41がフランジとして設けられている。金属部材41の上面41Aは、カップ状部12より外方上側にさらに突出して、実質的な放熱面積を増加させている。これにより、軸受5からの熱をさらに効果的に放散できる。この金属部材41は、シャフト11のファン14との締結部に設けられ、例えば圧入などにより取付けられているが、シャフト11と同一部材で構成してもよい。
【0035】
そしてこの場合も、ファン14との締結部としてシャフト11に例えば金属製のフランジとしての金属部材41を設け、この金属部材41をファン14の外部に露出させている。すなわち、シャフト11よりも径大な金属部材41が、シャフト11のファン14との締結部に設けられるので、シャフト11とファン14との固定強度が向上する。また、シャフト11を支える軸受5などから熱が発生して、この熱がシャフト11に伝わると、ファン14の外部に露出した金属部材41の上面41Aから熱を逃がすことができる。そのため、シャフト11からの放熱性を向上することができる。
【0036】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、永久磁石15をヨーク17に取り付ける方法は接着に限らず、加締めや圧入などの方法でもよい。また、シャフトインサート19とシャフト11との締結は、ここでの実施例では圧入としたが、加締めや接着などでもよい。また、ファン14はシロッコファンの他に、軸流ファン,ターボファン,斜流ファンなど何れにも適用できることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能になる。
【0038】
本発明の請求項2におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもロータとしての組立てバラツキを低減することが可能になる。
【0039】
本発明の請求項3におけるファンモータによれば、シャフトとファンとの固定強度を高めることができ、しかもシャフトからの放熱性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるファンモータの要部断面図である。
【図2】本発明の第2の実施例におけるファンモータの要部断面図である。
【図3】従来例を示すファンモータの要部断面図である。
【図4】別な従来例を示すファンモータの要部断面図である。
【図5】従来例を示すロータの断面図である。
【符号の説明】
10 ロータ
11 シャフト
13 ファンブレード(羽根)
14 ファン
17 ヨーク
19 シャフトインサート(シャフト部品,フランジ)
41 金属部材(フランジ)
Claims (3)
- ロータを備えたファンモータにおいて、前記ロータは、羽根を有するファンを、ヨークおよびシャフト部品と一体に形成してなる組立体と、この組立体に取付けられるシャフトとにより構成されることを特徴とするファンモータ。
- ロータを備えたファンモータにおいて、前記ロータは、羽根を有するファンを、ヨーク,シャフト部品およびシャフトと一体に形成して構成されるものであることを特徴とするファンモータ。
- ロータを備えたファンモータにおいて、ファンとの締結部としてシャフトにフランジを設け、このフランジを外部に露出させたことを特徴とするファンモータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-07-16 JP JP2003198014A patent/JP2005036676A/ja active Pending
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