JP3022335B2 - 多層階建物における既設柱の補強工法 - Google Patents

多層階建物における既設柱の補強工法

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JP3022335B2
JP3022335B2 JP8199736A JP19973696A JP3022335B2 JP 3022335 B2 JP3022335 B2 JP 3022335B2 JP 8199736 A JP8199736 A JP 8199736A JP 19973696 A JP19973696 A JP 19973696A JP 3022335 B2 JP3022335 B2 JP 3022335B2
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reinforcing
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三晴 加藤
幸雄 伴
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Yahagi Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルや集合住宅等
の多層階建物における既設柱の補強工法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】既設柱の補強工法としては、既設柱に鉄
板を密着させて巻き付けた後、コンクリート打設するこ
とが考えられるが、鉄板とコンクリートとの合成効果が
不良であって補強強度がそれ程強くならないことが想定
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、現場
打ちでの既設柱の補強として、優れた補強強度を確保で
きる既設柱の補強工法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明の請求項
1は、ビルや集合住宅等の多層階建物における既設柱の
補強工法であり、各階のスラブに上下方向に透設した貫
通孔に鋼板を挿通して補強しようとする各階の既設柱の
露出している柱外周部の前に、該外周端面から間隔をあ
けて鋼板を配置すると共に、該鋼板を囲んだフープ筋を
配筋し、下のスラブから上に突出している鋼板と上のス
ラブから下に突出している鋼板を連結し、ついでフープ
筋を囲む型枠をセットしてコンクリート打設することで
各階の柱の前に、鋼板が埋設された補強柱部を、柱及び
上下のスラブ間で連設することを特徴とする多層階建物
における既設柱の補強工法である。また、請求項2は、
各階のスラブに透設した貫通孔から鋼板を挿通してスラ
ブの上下に突出し、該鋼板と各階の既設柱の前に間隔を
あけて配置した中間の鋼板とを上下に連結させた既設柱
の補強工法である。そして請求項3は、請求項1乃至2
において、既設柱に通して固着したアンカーボルトに鋼
板を挿通させ、前後からナットで螺着して鋼板を固定配
置した構成である。
【0005】請求項1及び請求項2では、鋼板がフープ
筋で囲まれて埋設された補強柱部で、且つ柱及び上下の
スラブ間で一体となって既設柱の前に連設されるため、
既設柱の補強が優れ、且つ、鋼板がスラブを連通して上
下に連結されているため一層強い強度が得られるのであ
る。さらに、請求項3では、既設柱の該外周端面から間
隔をあけての鋼板の配置が確保できると共に、鋼板が既
設柱に強く保持されて一体となるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示した形
態例で説明する。図1及び図2で示す形態例は、集合住
宅における既設柱1の廊下2側に露出した外周部分に施
工するものであり、まず、図2のように、既設柱1に廊
下2側から取付孔10を穿設し、該取付孔に接着剤を介
してアンカーボルト3を前(廊下2側)に突設させて固
着する。
【0007】ついでナット31及び座板32を夫々の該
ボルト3に対向配置させ、挿通孔41からボルト3に通
した鉄板等の鋼板4を座板32の間に挟持して鋼板4を
固定保持するのである。この鋼板4は、既設柱1の廊下
2側の外周端面12から約50mmの間隔をあけて配置し
てある。また、図3のように、廊下スラブ20における
既設柱1の前方を上下方向に貫通孔21を透設し、該貫
通孔21に該鋼板4を挿通してスラブ20の上下に一枚
の鋼板4を貫通配置している。
【0008】そして、図1のように、スラブ20の下に
突出した鋼板4の下端と、その下のスラブ20の上に突
出した鋼板4の上端とを、スラブ20を介することなく
同様に既設柱1にボルト3とナット31及び座板32で
間隔をあけて固定保持した中間の鋼板5を介して溶接連
結する。即ち、中間の鋼板5の上端をスラブ20の下に
突出した鋼板4の下端と裏当て突き合わせ溶接すると共
に、中間の鋼板5の下端を下のスラブ20の上に突出し
た鋼板4の上端と裏当て突き合わせ溶接するのである。
これにより鋼板4,5が上下に一連の連結状態となるの
である。
【0009】なお、鋼板4,5の連結前に鋼板4,5を水
平に囲むフープ筋6を多数配筋する。このフープ筋6の
配筋は予め鋼板4,5に固着しておいてもよく、フープ
筋6を備えた鋼板4をスラブ20の貫通孔21に挿通し
てもよい。
【0010】ついで、フープ筋6を囲んで型枠を上下の
スラブ間に配置した後、コンクリート打設して上下のス
ラブ間で既設柱1の前に補強柱部7を連設するのであ
る。
【0011】この例によると、鋼板4,5がボルト3に
よって強く保持され、鋼板4,5を囲むフープ筋6によ
って補強柱部7が強固になり、既設柱1とのコンクリー
ト密着が良好で既設柱1の補強強度が高まるのである。
即ち、既設柱1と鋼板4,5との間が開いているため補
強柱部7が既設柱1に強く密着するのである。
【0012】さらに、各階のスラブ20の貫通孔21か
ら鋼板4が上下に貫通して鋼板4,5が一体となってい
るため強堅な補強柱部7が得られて既設柱1を補強でき
るのである。また、廊下2側であるため入居者の通常生
活に支障なく施工できるのである。
【0013】形態例は前記のような工法としたが、本発
明においてはこれに限定されない。例えば、フープ筋の
配筋状態も問わず、図4のような楕円形状のフープ筋と
してもよい。また、鋼板の保持手段も任意であり、ボル
トによる保持に限定されない。なお、補強柱部の厚みは
問わず、したがって既設柱の外周端面と鋼板との間隔は
適宜であるが、フープ筋が配筋できる間隔は必要であ
る。
【0014】
【0015】各階のスラブに透設した貫通孔に鋼板を挿
通して上下に連結する場合は、本形態例のように中間の
鋼板を介在しなくてもよく、直接、上のスラブに挿通し
た鋼板と、下のスラブに挿通した鋼板を連結してもよ
い。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1によると、鋼板の埋設
によって補強柱部が強固になり、既設柱と間隔をあけた
鋼板との間のコンクリート密着が良好で既設柱の補強強
度が高まるのである。且つ、鋼板が上下に一体連結して
いるため強堅な補強柱部が得られて既設柱を補強できる
のである。請求項2では、中間の鋼板の介在によってス
ラブの貫通孔に挿通する鋼板を短くできるため、スラブ
の貫通孔への挿通作業が容易となるのである。請求項3
では、鋼板の固定保持が確実にできるのである。
【図面の簡単説明】
【図1】本発明の一施工形態例を示す一部切欠した縦断
斜視図である。
【図2】その補強柱部の縦断平面図である。
【図3】フープ配筋で囲まれた鋼板の保持状態を示す要
部の斜視図である。
【図4】別例の補強柱部の縦断平面図である。
【符号の説明】
1 既設柱 10 取付孔 12 外周端面 2 廊下 20 スラブ 21 貫通孔 3 アンカーボルト 31 ナット 32 座板 4、8 鋼板 5 中間の鋼板 6、9 フープ筋 7 補強柱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビルや集合住宅等の多層階建物における
    既設柱の補強工法であり、各階のスラブに上下方向に透
    設した貫通孔に鋼板を挿通して補強しようとする各階の
    既設柱の露出している柱外周部の前に、該外周端面から
    間隔をあけて鋼板を配置すると共に、該鋼板を囲んだフ
    ープ筋を配筋し、下のスラブから上に突出している鋼板
    と上のスラブから下に突出している鋼板を連結し、つい
    でフープ筋を囲む型枠をセットしてコンクリート打設す
    ることで各階の柱の前に、鋼板が埋設された補強柱部
    を、柱及び上下のスラブ間で連設することを特徴とする
    多層階建物における既設柱の補強工法。
  2. 【請求項2】 各階のスラブに透設した貫通孔から鋼板
    を挿通してスラブの上下に突出し、該鋼板と各階の既設
    柱の前に間隔をあけて配置した中間の鋼板とを上下に連
    結させた請求項1の既設柱の補強工法。
  3. 【請求項3】 既設柱に通して固着したアンカーボルト
    に鋼板を挿通させ、前後からナットで螺着して鋼板を固
    定配置した請求項1又は請求項2の既設柱の補強工法。
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