JP3022212U - 筆圧訓練器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールペン等で筆記する場合、均一な筆圧で
筆記できる筆圧技術を習得する器具を提供する。 【解決手段】 親指と他の二指とで筆記具を持つ態様で
把持できる太さと長さを有し、外周に多数の角錐状突起
１８と軸方向に沿う凹溝２のいずれか一方又は両方を形
成した中空筒の形をした軸状本体１を設け、軸状本体１
内に収容したスプリング８により前記軸状本体１の先端
部から突出させた筆記具先端を模してなる指針部６を軸
線方向に可動的に支持させ、さらに、前記軸状本体１に
は、中間部がくびれており、かつ弓状に湾曲させた指当
て用帯５の両端に形成した孔５Ａを嵌合した構成を特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は筆圧訓練器に係り、とくにペン、鉛筆、ボールペン等の各種筆記具の 運筆技術を上達させるうえでとくに重要な均一、且つ適切な筆圧を習得すること ができる筆圧訓練器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

手指を用いて行う各種技術の上達方法は練習以外にないが、とくに運筆技術の 向上には鉛筆などを把持した状態で指先を動かすことを繰返し多数回行うことが 有効である。本考案者はすでに指先の屈伸運動を行う指先訓練器を提案している が、本考案はこれをさらに改良することにより、筆圧を適切に保って行う運筆技 術の向上を図ったものである。

【０００３】 さらに説明すると、万年筆、鉛筆、ボールペンなど各種の筆記具を用いて美し い文字を書くためには、筆記具の先端にかける圧力（これを筆圧という）が常に 均一であり、かく適度の強さを保持していることが非常に重要である。例えば、 ボールペンは、他の筆記具に比べて比較的強い筆圧が必要であり、そのため、美 しい文字を書くのが難しいと言われる。

【０００４】 一方、年少の子供達は、手の力が弱く、未だ十分訓練されていないため、とも すれば筆先にだけ力を入れすぎたり、その力がアンバランスとなりやすく、これ が、きれいな文字を書けない原因の一つとなっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように、ボールペンで筆記する場合、筆圧が強くなりがちであるし、ボ ールペン以外で筆記する場合でも、人によっては強い筆圧、不均一な筆圧で筆記 することがある。しかし、必要以上に強い筆圧で筆記することは、上手な文字を 書く上で好ましくないだけでなく、長時間に亘る筆記事務を行う場合、頸肩腕症 にかかる場合がある。

【０００６】 しかるに、従来このような問題に対処するため、適切な筆圧技術を習得する器 具が存在しなかった。

【０００７】 本考案は適切な筆圧技術を習得することができる上に、筆記具の適切な持ち方 を修得できると共に手指のツボを刺激するのにも使用できる筆圧訓練器を提供す ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る筆圧訓練器は、親指と他の二指とで筆記具を持つ態様で把持でき る太さと長さを有し、外周に多数の角錐状突起と軸方向に沿う凹溝のいずれか一 方又は両方を形成した中空筒の形をした軸状本体を設け、軸状本体内に収容した スプリングにより前記軸状本体の先端部から突出させた筆記具先端を模してなる 指針部を軸線方向に可動的に支持させ、さらに、前記軸状本体には、中間部がく びれており、かつ弓状に湾曲させた指当て用帯の両端に形成した孔を嵌合した構 成を特徴とする。

【０００９】 本考案の別の局面によれば、前記軸状本体の指針部を設けた側と反対の端部に はボールペンの芯先端部を設ける。

【００１０】 本考案のまた別の局面によれば、前記軸状本体の筒状先端に着脱自在の軸状保 持体を包含し、軸状保持体の両端には筆記具先端を模してなり、且つ互いに異な る形状の指針部を設け、これらの指針部を軸状保持体に収容したスプリングによ り軸線方向に互いに可動的に支持される。

【００１１】 軸状本体を筆記具を握るように持ち、先端の指針部を筆記練習用紙面に適当な 筆圧で押し付け、所定の文字に沿って字を書く動作を繰り返し、筆圧訓練を行う ものである。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下本考案に係る筆圧訓練器の実施の形態を説明する。

【００１３】 まず、図１〜図２によって第１の考案の実施の形態を説明すると、１は筆圧訓 練器の主要部をなす軸状本体である。軸状本体１は親指と他の二指とで筆記具を 持つ態様で把持できる太さと長さを有し、外周に多数個の軸方向に沿う手指のツ ボ刺激用の凹溝２を有している。さらに説明すると、軸状本体１は先端筒軸部１ ６と中間筒軸部４と後端筒軸部１７とからなっており、前記凹溝２は、前記各筒 軸部の外周に形成されている。

【００１４】 また、先端筒軸部１６の先端部には端部固定部材７が固着されており、その中 心の孔１４を貫いて先端を膨出した軸状の指針部６が可動的に設けられている。 先端筒軸部１６内において、指針部６の基端には例えば永久磁石のごとき棒状体 １０が固着されており、棒状体１０の後端を係止板１９に係止させたスプリング ８で押圧している。

【００１５】 先端筒軸部１６の、後端は筒部１２としてあり、この筒部１２に前記中間筒軸 部４と後端筒軸部１７が回転自在に嵌合されている。筒部１２の端部には端部固 定部材７が固着されており、この端部固定部材７には固定指針６Ａが設けられて いる。１３は例えば棒状の永久磁石からなる詰め部材で、詰め部材１３の先端は ねじ部１５を介して筒部１２内にねじ込み固定されている。５は側面からみてほ ぼ弓状に湾曲させた指当て用帯で、この指当て用帯５の両端に形成した孔５Ａを 先端筒軸部１６に嵌合させてある。

【００１６】 次に第１の考案の実施の形態の作用を説明する。

【００１７】 図１に示すように軸状本体１を手１１の親指と人差し指、中指で、筆記具を持 つような態様で把持する。この状態で指針部６の先端を図８に示す模写紙３１の 文字３２の上に当てがい、この文字３２に沿って指針部６を動かす動作を繰り返 す。このとき、指針部６にはスプリング８の弾発力が作用しているから軸状本体 １を把持して指針部６に加える筆圧を適宜に加減することができる。

【００１８】 したがって、この力の入れ具合を自分で適当に加減しながら前記模写紙３１の 文字３２を指針部６でなぞることにより、きれいな文字を書くために必要な筆圧 を体で習得することができる。また、軸状本体１を把持するとき、図１に示すよ うに弓状に湾曲する指当て用帯５の両側に親指と人差し指を当てがうように把持 することにより、正しい筆記具の持ち方を習得することができる。

【００１９】 さらに、軸状本体１を把持し、指針部６又は６Ａで空中に文字や英語のスペリ ングを書く動作を行うことにより、筆記具を持つ持ち方を修正できると共に、そ こに書いた文字やスペリングの形及び意味を凹溝２による手指のツボ刺激を通し て頭脳に明確に記憶させることができる。またこのとき、中間筒軸部４と後端筒 軸部１７を回転させると、凹溝２により手指のツボをより効果的に刺激すること ができる。

【００２０】 図３〜図４は第２の考案の実施の形態を示す。この第２の考案の実施の形態に おいて、軸状本体１は、長尺の筒体２２に先端筒軸部１６と中間筒軸部４と後端 筒軸部１７を嵌合してなる。前記先端筒軸部１６と中間筒軸部４の外周には軸方 向に沿う凹溝２が多数本形成してあり、後端筒軸部１７の外周には多数の角錐状 突起１８が設けられている。さらに、筒体２２内にはボールペン軸２０が可動的 に挿入されており、このボールペン軸２０の後端を前記後端筒軸部１７の筒孔２ １内に収容したスプリング８の先端で押圧している。後端筒軸部１７の筒孔２１ には指針６を取り付けた端部固定部材７が嵌着されている。

【００２１】 また、先端筒軸部１６にほぼ弓状に湾曲させた指当て用帯５の両端の孔５Ａを 嵌合していることは第１の考案の実施の形態と同様である。

【００２２】 次に、第２の考案の実施の形態の作用を説明する。

【００２３】 図３に示すように軸状本体１を手１１の親指と人差し指、中指で筆記具を持つ 態様で把持し、ボールペン軸２０の先端を図８に示す模写紙３１の文字３２の上 に当てがい、この文字３２に沿ってボールペン軸２０の先端を動かす動作を繰り 返す。このとき、ボールペン２０の後端にはスプリング８が作用しているから、 ボールペン軸２０の先端に加える圧力を適宜に加減することにより、ボールペン 筆記などの際に必要な均等で且つ適当な強さの筆圧を習得することができる。

【００２４】 また、軸状本体１を把持し、ボールペン軸２０の先端又は後端側の指針部６で 空中に文字や英語のスペルを書く動作を行うことにより凹溝２や角錐状突起１８ による手指のツボ刺激を通して、文字やスペルを頭脳に明確に記憶できることは 第１実施例と同様である。

【００２５】 なお、第１と第２の考案の実施の形態において、可動的に設けられた指針部６ やボールペン軸２０の先端部に例えば軸方向に異なる着色を付しておくことによ り、これら指針部６やボールペン軸２０の後退移動時、軸状本体１の先端から露 出する色が変化するので、これにより筆圧訓練時の筆圧を視覚的に検知すること ができる。また、図示省略するが、スプリング８を強弱調節するように構成する ことは任意である。

【００２６】 図５〜図８は第３の考案の実施の形態を示す。この第３の考案の実施の形態に おいて、軸状本体１は先端筒軸部１６と後端筒軸部４Ａとからなっており、先端 筒軸部１６の外周には多数の角錐状突起１８が設けられており、後端筒軸部４Ａ の外周には軸方向に沿う凹溝２が設けられている。また、先端筒軸部１６には、 弓状に曲げた指当て用帯５の両端の孔５Ａが係合されている。

【００２７】 さらに、軸状本体１の両端には筆圧練習具２３と筆記具２５とが着脱自在に設 けられている。筆圧練習具２３は筒状の軸状保持体３０を有し、この軸状保持体 ３０の両端からスプリング８の弾発力により進退自在にボールペン軸先端部２０ と指針部６Ａとが設けられている。前記軸状保持体３０は図６示のように先端筒 軸部１６の先端に着脱自在に装着することができる。

【００２８】 筆記具２５は外周に多数の角錐状突起１８を有しており、その中心部の軸孔２ ８にボールペンの芯軸２６の基端を挿入固着している。この筆記具２５のボール ペン芯軸２６と反対側の端部２７は、図５，図６示のように後端筒軸部４Ａの内 側に着脱自在に装着することができる。

【００２９】 次に、第３の考案の実施の形態の使用例を説明する。

【００３０】 まず、図５に示すように軸状本体１を手１１の親指と人差し指、中指で筆記具 を持つ態様で把持し、ボールペン軸２０の先端を図８に示す模写紙３１の文字３ ２の上に当てがい、この文字３２に沿ってボールペン軸２０の先端を動かす動作 を繰り返す。このとき、ボールペン軸２０の後端にはスプリング８が作用してい るから、ボールペン軸２０の先端に加える圧力を適宜に加減することによりボー ルペン筆記などの際に必要な均等で且つ適当な強さの筆圧を習得することができ る。

【００３１】 また、図７に示すように筆記練習具３０を図５の場合と逆にして先端筒軸部１ ６の先端に嵌合することにより指針部６Ａを用いて前記の場合と全く同様に筆記 の際の適当筆圧を習得することができる。さらに、図５，図６の状態に筆記具２ ５を軸状本体１に装着しているときは、この筆記具２５を用いて実際に文字を書 くことができる。この筆記具２５は、不使用時は図７に示すようにボールペン芯 軸２６が筒状部内に入るようにして軸状本体１の端部に固着しておくとよいもの である。

【００３２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る筆圧訓練器によると、軸状本体を、ペンを 握るごとく把持して指針部に適切な圧力をかけながら模写紙の文字などの上をな ぞる動作を繰り返すことにより、文字上達にとって重要な条件である適切な強さ で且つ均一な筆圧を訓練し、習得することができる。また、正しい筆記具の持ち 方を修得することができる。さらに、軸状本体の外周に角錐状突起や凹溝を設け たときは、軸状本体を把持したときの滑りを止めると共に、手指のツボを刺激す ることができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の考案の実施の形態に係る筆圧訓練器の使
用状態の斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】第２の考案の実施の形態に係る筆圧訓練器の使
用状態の斜視図である。

【図４】図３の断面図である。

【図５】第３の考案の実施の形態に係る筆圧訓練器の使
用状態の斜視図である。

【図６】図５の断面図である。

【図７】第３の考案の実施の形態の変形態様を示す図で
ある。

【図８】文字の模写紙の説明図である。

【符号の説明】

１ 軸状本体 ２ 凹溝 ４ 中間筒軸部 ５ 指当て用帯 ６ 指針部 ８ スプリング １６ 先端筒軸部 １８ 角錐状突起 ２０ ボールペン軸 ２３ 筆記具 ２５ 後端筒軸部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 親指と他の二指とで筆記具を持つ態様で
   把持できる太さと長さを有し、外周に多数の角錐状突起
   と軸方向に沿う凹溝のいずれか一方又は両方を形成した
   中空筒の形をした軸状本体を設け、軸状本体内に収容し
   たスプリングにより前記軸状本体の先端部から突出させ
   た筆記具先端を模してなる指針部を軸線方向に可動的に
   支持させ、さらに、前記軸状本体には、中間部がくびれ
   ており、かつ弓状に湾曲させた指当て用帯の両端に形成
   した孔を嵌合した構成を特徴とする筆圧訓練器。
2. 【請求項２】 前記軸状本体の指針部を設けた側と反対
   の端部にはボールペンの芯先端部を設けた構成を特徴と
   する請求項１に記載の筆圧訓練器。
3. 【請求項３】 前記軸状本体の筒状先端に着脱自在の軸
   状保持体を包含し、軸状保持体の両端には筆記具先端を
   模してなり、且つ互いに異なる形状の指針部を設け、こ
   れらの指針部を軸状保持体に収容したスプリングにより
   軸線方向に互いに可動的に支持させた構成を特徴とする
   請求項１に記載の筆圧訓練器。