JP3021093B2 - プラズマインピーダンス測定装置 - Google Patents

プラズマインピーダンス測定装置

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JP3021093B2
JP3021093B2 JP3144847A JP14484791A JP3021093B2 JP 3021093 B2 JP3021093 B2 JP 3021093B2 JP 3144847 A JP3144847 A JP 3144847A JP 14484791 A JP14484791 A JP 14484791A JP 3021093 B2 JP3021093 B2 JP 3021093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波電源から電力が
供給されているプラズマ負荷のインピーダンスを測定す
るプラズマインピーダンス測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体IC、LCD(液晶ディスプレ
イ)等の製造過程においては、エッチング、スパッタリ
ング、薄膜成長等を行う際に、プラズマを用いるプロセ
ス(プラズマプロセスという。)が行われる。プラズマ
プロセスにおいては、エッチング、スパッタリング、薄
膜成長等の処理を行うチャンバ内に設けた電極に高周波
電力を供給して、チャンバ内にプラズマを発生させてい
る。
【0003】このように、プラズマを生じさせる負荷
(プラズマ負荷という。)に高周波電力を供給する場合
には、高周波電源とプラズマ負荷との間のインピーダン
スの整合をとることが重要であり、両者間のインピーダ
ンスの整合がとれていない場合には、高周波電源の出力
端で電力の反射が生じてプラズマ負荷に高周波電力を効
率良く供給することができないため、そのプロセスにお
いて好結果を得ることができない。
【0004】そのため、高周波電源からプラズマ負荷に
電力を供給する場合には、高周波電源とプラズマ負荷と
の間にL,C回路やトランス等からなるインピーダンス
整合回路を挿入することが必要不可欠である。
【0005】図4は、高周波電源1から自動インピーダ
ンス整合回路2´と線路3とを通してプラズマ負荷4に
電力を供給する場合の回路図を示したものである。イン
ピーダンス整合回路2´は、一定のインダクタンスを有
するコイルL1 と、第1の可変コンデンサC1 と、タッ
プを選択することによりインダクタンスを調整できるよ
うになっているコイルL2 と、第2の可変コンデンサC
2 とにより構成され、第1の可変コンデンサC1 と第2
の可変コンデンサC2 の静電容量を変えることによりイ
ンピーダンスの整合を行うようになっている。
【0006】第1及び第2の可変コンデンサC1 及びC
2 の調整を自動的に行わせるため、この種の自動整合回
路では、図示しない検出器により、整合回路2´の入力
端の高周波電圧V及び高周波電流Iと、該電圧V及び電
流Iの位相差θとを検出し、該電圧Vの絶対値と電流I
の絶対値との比から、インピーダンス整合回路の入力端
より負荷側を見たインピーダンスZ1 ´を検出して、該
インピーダンスZ1 ´を電源の出力インピーダンスZo
(=50Ω、一定)に一致させ、かつ位相差θを零にす
るようにコンデンサC1 及びC2 を調節する。
【0007】上記の調節の内、インピーダンスZ1 ´を
電源の出力インピーダンスの絶対値に一致させるための
調節は、主として第1のコンデンサC1 の静電容量を調
節することにより行われ、位相差θを零にするための調
節は、主として第2のコンデンサC2 の静電容量を調節
することにより行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】無線通信用のアンテン
ナや、増幅器の入力回路等に設ける一般のインピーダン
ス整合回路においては、負荷のインピーダンスが予め分
かっているため、既知の負荷インピーダンスを用いて整
合回路の回路定数を容易に設定することができる。また
負荷インピーダンスが一定であれば、整合回路の回路定
数を一定として整合状態を保つことができる。
【0009】しかしながらプラズマ負荷の場合には、そ
のインピーダンスが時々刻々変化するため、既知のイン
ピーダンスを接続して整合回路の回路定数を決めるわけ
にはいかない。またプラズマインピーダンスが時々刻々
変化するため、固定の回路定数を有する整合回路ではイ
ンピーダンスの整合をとることができない。
【0010】図4に示したインピーダンス整合回路にお
いて、インピーダンスの整合を的確に行わせるために
は、整合回路の回路定数(コンデンサC1 及びC2 の静
電容量の可変範囲、コイルL1 ,L2 のインダクタン
ス)をプラズマインピーダンスの変動範囲に応じて適値
に設定することが必要である。
【0011】ところが、従来は、プラズマインピーダン
スを測定する適当な方法がなく、プラズマインピーダン
スに関する情報を用いて整合回路2´の回路定数を設定
することができなかったため、整合回路2´の入力端で
測定した電圧及び電流のみに基づいて、高周波電源側へ
の反射電力を低減させるように、整合回路の回路定数を
設定していた。この回路定数の設定は、プラズマインピ
ーダンスに関する情報が与えられない状態で、経験と勘
とに頼って行う必要があるため、設定に時間を要するだ
けでなく、必ずしも最適の設定を行うことができないと
いう問題があった。回路定数の設定が適切でないと、プ
ラズマ負荷の全ての状態で整合をとることができなくな
り、自動整合回路の制御動作が不能になることがあっ
た。
【0012】その他、プラズマ負荷の状態を解析した
り、インピーダンス整合回路の動作不良の原因を解析し
たりするするためにも、プラズマインピーダンスを監視
することが好ましいが、従来はプラズマインピーダンス
を知る適当な方法が提案されていなかった。
【0013】尚プラズマインピーダンスを測定する方法
として、整合回路2´の出力側で電圧と電流とを測定す
る方法が考えられるが、整合回路2´とプラズマ負荷4
との間には定在波が発生していて、電圧が非常に高い上
にその周波数が高いため、整合回路2´の出力側で電圧
と電流を測定することによりプラズマインピーダンスを
測定することは困難である。
【0014】本発明の目的は、プラズマインピーダンス
を的確に測定することができるプラズマインピーダンス
測定装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、高周波電源1
から電力が供給されているプラズマ負荷4のインピーダ
ンスを測定するプラズマインピーダンス測定装置であ
る。
【0016】本発明のプラズマインピーダンス測定装置
では、図1に示したように、高周波電源1とプラズマ負
荷4との間にインピーダンス変換回路2を設ける。この
インピーダンス変換回路は、入出力のインピーダンスを
変換する回路であって、その回路定数が既知のものであ
ればよく、L,C回路やトランスを用いることができる
が、インピーダンス整合回路が設けられている場合に
は、該インピーダンス整合回路自体を上記インピーダン
ス変換回路2とすることができる。またインピーダンス
整合回路の一部を上記インピーダンス変換回路2として
用いることもできる。
【0017】インピーダンス整合回路としては、可変コ
ンデンサ、可変インダクタ(コイルのインダクタンス値
を微細に変化させることができる素子)またはこれらの
組み合わせを、入出力インピーダンスを調節するインピ
ーダンス調手段としたものを用いることができる。
【0018】本発明の測定装置では、インピーダンス変
換回路2の入力側の回路の任意の点に設定した測定点P
での高周波電圧の絶対値を検出する入力電圧検出手段6
と、測定点Pでの高周波電流と高周波電圧との位相差を
検出する位相差検出手段7と、測定点Pでの高周波電流
の絶対値と高周波電圧の絶対値と位相差とにより、測定
点から負荷側を見たインピーダンスを入力インピーダン
スとして演算する入力インピーダンス演算手段8と、測
定点Pとインピーダンス変換回路2の出力端との間の回
路の回路定数と前記入力インピーダンスとから、インピ
ーダンス変換回路2の出力端よりプラズマ負荷側の回路
を見たインピーダンスを負荷回路側インピーダンスとし
て演算する負荷回路側インピーダンス演算手段10とを
設ける。上記負荷回路側インピーダンス演算手段10が
演算するプラズマインピーダンスは、インピーダンス変
換回路2の出力端とプラズマ負荷4との間をつなぐ回路
のインピーダンスを含んでいるが、プラズマ負荷のイン
ピーダンスのみをプラズマインピーダンスとして測定す
る場合には、インピーダンス変換回路の出力端とプラズ
マ負荷との間をつなぐ回路の定数と負荷回路側インピー
ダンスとから、プラズマ負荷のインピーダンスを演算す
るプラズマインピーダンス演算手段11を更に設ける。
【0019】インピーダンス変換回路として、可変コン
デンサ、可変インダクタまたはこれらの組み合わせをイ
ンピーダンス調手段としたインピーダンス整合回路を
用いる場合には、インピーダンス調節手段の調節部の位
置を検出して、該インピーダンス調節手段のインピーダ
ンスを演算する調節用インピーダンス演算手段9を設け
る。そして負荷回路側インピーダンス演算手段では、調
節用インピーダンス演算手段9が演算したインピーダン
ス調節手段のインピーダンスとその他の回路定数とを用
いて負荷回路側インピーダンスを演算する。
【0020】また演算結果を容易に確認できるようにす
るため、上記プラズマインピーダンス演算手段の演算結
果をディスプレイ装置の画面上に表示する表示手段12
を更に設けることが好ましい。
【0021】インピーダンス変換回路2の入力側に設定
する測定点Pは、インピーダンス変換回路2と高周波電
源1の出力端子との間の回路の任意の点に設定すること
ができるが、インピーダンス変換回路2として自動イン
ピーダンス整合回路が用いられる場合には、該インピー
ダンス整合回路の入力端を測定点Pとするのがよい。こ
のように自動インピーダンス整合回路の入力端を測定点
とすれば、電流検出手段、電圧検出手段及び位相差検出
手段として、自動インピーダンス整合回路に本来設けら
れているものを利用することができる。
【0022】尚インピーダンス変換回路2の入力端より
も電源側に測定点を設定した場合には、インピーダンス
変換回路2の入力インピーダンスと、インピーダンス変
換回路の入力端子と測定点との間の線路のインピーダン
スとの和が、入力インピーダンス演算手段8により演算
されることになる。
【0023】
【作用】上記のプラズマインピーダンス測定装置におい
て、入力インピーダンス演算手段は、測定点から負荷側
を見たインピーダンスを入力インピーダンスZ1 として
演算する。測定点とインピーダンス変換回路の出力端と
の間の回路の回路定数は既知である。インピーダンス変
換回路に可変コンデンサ等の可変素子が設けられている
場合でもその定数(コンデンサの場合には静電容量)は
操作子の位置等から容易に知ることができる。負荷回路
側インピーダンス演算手段10は、インピーダンス変換
回路2の出力端子からプラズマ負荷側の回路を見た負荷
回路側インピーダンスZ2 の抵抗分及びリアクタンス分
をそれぞれ未知数として、上記既知の回路定数と演算で
求めた入力インピーダンスZ1 とから、該負荷回路側イ
ンピーダンスの抵抗分及びリアクタンス分を演算する。
【0024】インピーダンス整合回路の出力端とプラズ
マ負荷との間をつなぐ分布定数回路の定数は既知である
ため、上記負荷回路側インピーダンスが求まれば、分布
定数回路の公式よりプラズマインピーダンスZp を求め
ることができる。
【0025】上記の各演算はコンピュータを用いること
により瞬時に行うことができるため、時々刻々変化する
プラズマインピーダンスをほぼリアルタイムで測定する
ことができる。
【0026】プラズマインピーダンスを知ることができ
れば、インピーダンス整合回路の回路定数の設定を的確
に行うことができる。また時々刻々変化するプラズマイ
ンピーダンスをリアルタイムで測定することができるた
め、高周波電力に対する負荷の状態を監視することがで
きる。
【0027】更に上記の測定結果を用いてインピーダン
ス整合回路の自動制御を行うことも可能である。
【0028】
【実施例】図2は本発明の実施例の構成を示したもの
で、同図において1は高周波電源、2はインピーダンス
変換回路であり、このインピーダンス変換回路は、プラ
ズマ負荷に高周波電力を供給する際に従来から用いられ
ている自動インピーダンス整合回路からなっている。イ
ンピーダンス変換回路2は同軸ケーブル3を通してプラ
ズマ負荷4に接続されている。
【0029】インピーダンス変換回路2を構成するイン
ピーダンス整合回路は、図4に示したものと同様に、イ
ンダクタンスが一定なコイルL1 と、第1の可変コンデ
ンサC1 と、第2の可変コンデンサC2 と、タップを選
択することによりインダクタンスの調整が可能なコイル
L2 とを備えている。第1及び第2の可変コンデンサC
1 及びC2 のそれぞれの静電容量を調節する調節部(操
作軸)は、モータを駆動源とした図示しない操作機構に
連結されている。また各可変コンデンサの調節部を駆動
するモータを制御する図示しない制御部が設けられてい
て、該制御部により可変コンデンサC1 及びC2 の操作
子の回転を制御することにより、それぞれの可変コンデ
ンサの静電容量を調整するようになっている。
【0030】この例では、可変コンデンサC1 及びC2
により、インピーダンス整合回路のインピーダンス調節
手段が構成されている。
【0031】インピーダンス変換回路2を構成する自動
インピーダンス整合回路の入力端には、高周波電流I
(ベクトル)の絶対値|I|と、高周波電圧V(ベクト
ル)の絶対値|V|と、電流Iと電圧Vの位相差θとを
検出する検出器2Aが設けられている。
【0032】インピーダンス変換回路の制御部は、高周
波電圧Vの絶対値と高周波電流Iの絶対値との比をとっ
て、該整合回路の入力端子から負荷側を見たインピーダ
ンスZ1 ´を演算し、主として第1のコンデンサC1 を
調整することにより、該インピーダンスZ1 ´を電源の
出力インピーダンスZo の絶対値(=50Ω、一定)に
一致させるように調節する。制御部はまた主として第2
のコンデンサC2 を調整することにより、高周波電流I
と高周波電圧Vとの位相差θを零にするように調節す
る。
【0033】本発明においては、インピーダンス変換回
路2から電源の出力端に至る回路の任意の点に設定した
測定点から該インピーダンス整合回路を見たインピーダ
ンスを入力インピーダンスZ1 として求めて、これをプ
ラズマインピーダンスの演算に用いるが、本実施例で
は、インピーダンス変換回路2の入力端を測定点とし、
該変換回路2を構成する自動インピーダンス整合回路に
本来設けられている検出器2Aが検出している電流I,
電圧V及び位相差θを入力インピーダンスZ1 の演算に
用いる。この場合の入力インピーダンスZ1 は自動イン
ピーダンス整合回路で演算されるインピーダンスZ1 ´
に等しくなる。
【0034】本発明ではまた、測定点とインピーダンス
変換回路2の出力端との間の回路の回路定数と入力イン
ピーダンスZ1 とから、インピーダンス整合回路2の出
力端よりプラズマ負荷側の回路を見たインピーダンスを
負荷回路側インピーダンスZ2 として演算する。
【0035】本実施例では、インピーダンス変換回路2
の入力端を測定点としているため、この演算には入力イ
ンピーダンスZ1 と、インピーダンス変換回路の回路定
数とを用いればよい。
【0036】インピーダンス変換回路2の回路定数は、
第1及び第2の可変コンデンサC1及びC2 の静電容量
と、コイルL1 及びL2 のインダクタンスとである。こ
れらの内、コイルL1 及びL2 のインダクタンスは既知
であるが、インピーダンス調節手段である第1及び第2
の可変コンデンサC1 及びC2 の静電容量は随時変化す
る。そこで本実施例では、可変コンデンサC1 及びC2
の静電容量を演算するため、可変抵抗器VR1 及びVR
2 を設け、これらの可変抵抗器の摺動子を可変コンデン
サC1 及びC2 の調節部と連動するようにそれぞれの可
変コンデンサの調節部の駆動機構に連結している。可変
抵抗器VR1 及びVR2 の両端には一定の直流電圧を印
加してあり、可変抵抗器VR1 及びVR2 の摺動子と接
地間にそれぞれコンデンサC1 及びC2 の調節部の位置
(回転角)に相応した位置検出信号Vp1及びVp2を得る
ようにしている。この実施例では、可変抵抗器VR1 及
びVR2 によりインピーダンス調節手段の調節部の位置
を検出する調節位置検出装置が構成され、この検出装置
の検出信号Vp1及びVp2からインピーダンス調節手段と
しての可変コンデンサC1 及びC2 のインピーダンスが
演算される。
【0037】電流の絶対値|I|、電圧の絶対値|V
|、位相差θ及び位置検出信号Vp1,Vp2はアナログ/
デジタルコンバータ(A/Dコンバータ)20に入力さ
れてデジタル信号に変換され、それぞれのデジタル信号
がコンピュータ21に入力されている。
【0038】コンピュータ21は図3に示したアルゴリ
ズムに従ってプラズマインピーダンスを演算し、その結
果をディスプレイ装置12に表示する。
【0039】図3に示したアルゴリズムに従って行われ
る処理は次の通りである。
【0040】先ず電流Iの絶対値|I|と電圧Vの絶対
値|V|とから次式(1)により入力インピーダンスZ
1 の絶対値|Z1|を演算する。 |Z1|=||/|| …(1) 次に上記インピーダンスの絶対値と、電圧、電流の位相
差θとから、次式により入力インピーダンスZ1 を演算
する。該インピーダンスZ1 の抵抗分をR1 とし、リア
クタンス分をX1 とし、Z1 =R1 +jX1 とおくと、
R1 及びX1 は次の式で与えられる。 R1 =|Z1|cos θ …(2) X1 =|Z1|sin θ …(3) 次いで位置検出信号Vp1及びVp2から可変コンデンサC
1 及びC2 の静電容量を演算し、その結果に基づいて可
変コンデンサC1 及びC2 のインピーダンス−jXC1及
び−jXC2を演算する。可変コンデンサC1 及びC2 の
静電容量をそれぞれ同じ符号C1 及びC2 で表わすと、
可変コンデンサC1 及びC2 のインピーダンス−jXC1
及び−jXC2はそれぞれ−jXC1=j(1/jωC1)及
び−jXC2=j(1/jωC2)(…ωは角周波数)で与
えられる。 ここでコイルL1 及びコイルL2 のインダク
タンスをそれぞれ同じ符号L1 及びL2 で表わして、両
コイルのインピーダンスjXL1及びjXL2はそれぞれj
XL1=jωL1 及びjXL2=jωL2 とする。
【0041】次に変換回路の出力端から負荷側の回路を
見た負荷回路側インピーダンスZ2を、Z2 =R2 +j
X2 とおいて、該R2 及びX2 を未知数とし、入力イン
ピーダンスZ1 の抵抗分R1 及びリアクタンス分X1
と、変換回路の構成要素のリアクタンスXC1XC2
L1及びXL2とを既知数として、R2 及びX2 を求める。
これらR2 及びX2 は次の式により与えられる。尚
「*」は乗算記号を示す。
【0042】 R2 =R1 *(XC12 /B …(4) X2 ={R1 2 XC1+(X+XC1XC1*X}/B+XC2−XL2 …(5) 但し、 X=X1 −XL1 …(6) B=R1 2 +(X+XC12 …(7) 次に変換回路2とプラズマ負荷との間を接続する同軸ケ
ーブルの特性インピーダンスを50Ω、該同軸ケーブル
の長さをd[m]、インピーダンス変換回路2とプラズマ
負荷4との間を接続する分布定数回路の位相定数をβと
すると、プラズマインピーダンスZp は次の式により求
められる。 Zp =50*zp …(8) 但し、 zp ={z2 −jtan (βd)}/{1−jz2 tan (βd)} …(9) z2 =Z2 /50 …(10) 本実施例では、図3のフローチャートの、インピーダン
スZ1 の絶対値を演算する過程と、インピーダンスZ1
のベクトルを求める過程とにより、入力インピーダンス
演算手段8が実現される。また可変コンデンサC1 ,C
2 のインピーダンスを計算する過程と、インピーダンス
変換回路の回路定数及び入力インピーダンスZ1 から負
荷回路側インピーダンスZ2 を演算する過程とにより負
荷回路側インピーダンス演算手段が実現される。更にプ
ラズマインピーダンスZp を計算する過程により、プラ
ズマインピーダンス演算手段11が実現される。
【0043】上記プラズマインピーダンスZp と、入力
インピーダンスZ1 と、負荷回路側インピーダンスZ2
とをコンピュータのデイスプレイ装置の画面上に表示さ
せる。この過程により、表示手段12が実現される。
【0044】上記の各インピーダンスは例えば、自動イ
ンピーダンス整合回路のインピーダンスの整合範囲を表
示したスミスチャート上に表示して、自動インピーダン
ス整合回路の出力インピーダンス(負荷インピーダンス
により決まる。)が整合範囲にあるか否かを判断するた
めの判断基準として用いることができる。尚スミスチャ
ートを用いる代りに、インピーダンスの直交座標系を用
いて上記インピーダンスZp ,Z1 及びZ2 を表示させ
るようにしてもよい。
【0045】上記の実施例では、インピーダンス変換回
路2として自動インピーダンス整合回路を用いている
が、自動インピーダンス整合回路の構成は図示の例に限
られるものではない。例えば図2において、コイルL1
は省略される場合がある。また図2のインピーダンス整
合回路において、可変コンデンサC2 は、該コンデンサ
C2 とコイルL2 との直列回路の等価的なインダクタン
スを変化させるために設けられているが、インダクタン
ス値を微細に調整し得る可変インダクタを使用できる場
合(周波数帯域によっては使用できない場合もある。)
には、可変コンデンサC2 及びコイルL2 の直列回路を
可変インダクタ単体で置き換えて、該可変インダクタを
インピーダンス整合回路のインピーダンス調節手段とす
ることもできる。その場合には、可変インダクタの調節
部の位置を検出して、検出した位置から可変インダクタ
のインピーダンス値を演算するようにする。
【0046】その他インピーダンス整合回路の構成には
無数の変形を考えることができ、可変コンデンサと可変
インダクタとの双方をインピーダンス調節手段とする場
合もある。
【0047】尚本発明においてプラズマインピーダンス
の測定のために用いるインピーダンス変換回路は、入出
力のインピーダンスを変換するものであって、その回路
定数が既知のもの、または回路定数を知り得るものであ
ればよく、該インピーダンス変換回路としてトランス
や、L,C回路等を用いることもできる。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、プラズ
マに印加されている電圧及び電流を測定せずに、プラズ
マインピーダンスをほぼリアルタイムで測定することが
できる利点がある。
【0049】プラズマインピーダンスを測定することに
より、高周波電力に対する負荷の状態を知ることができ
るだけでなく、高周波電源とプラズマ負荷との間に設け
られるインピーダンス整合回路の回路定数の測定を的確
に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の各手段を実現するコンピュータソフト
のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図4】高周波電源からプラズマ負荷に電力を供給する
回路の構成を概略的に示した回路図である。
【符号の説明】
1…高周波電源、2…インピーダンス変換回路、4…プ
ラズマ負荷、5…入力電流検出手段、6…入力電圧検出
手段、7…位相差検出手段、8…入力インピーダンス演
算手段、9…調節用インピーダンス演算手段、10…負
荷回路側インピーダンス演算手段、11…プラズマイン
ピーダンス演算手段、12…表示手段。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電源から電力が供給されているプ
    ラズマ負荷のインピーダンスを測定するプラズマインピ
    ーダンス測定装置において、 前記高周波電源とブラズマ負荷との間にインピーダンス
    変換回路を挿入しておき、 前記インピーダンス変換回路の入力側の回路の任意の点
    に設定した測定点での高周波電流の絶対値を検出する入
    力電流検出手段と、 前記測定点での高周波電圧の絶対値を検出する入力電圧
    検出手段と、 前記測定点での高周波電流と高周波電圧との位相差を検
    出する位相差検出手段と、 前記測定点での高周波電流の絶対値と高周波電圧の絶対
    値と前記位相差とから、前記測定点より負荷側を見たイ
    ンピーダンスを入力インピーダンスとして演算する入力
    インピーダンス演算手段と、 前記測定点とインピーダンス変換回路の出力端との間の
    回路の回路定数と前記入力インピーダンスとから、前記
    インピーダンス変換回路の出力端より前記プラズマ負荷
    側の回路を見たインピーダンスを負荷回路側インピーダ
    ンスとして演算する負荷回路側インピーダンス演算手段
    とを備えてなるプラズマインピーダンス測定装置。
  2. 【請求項2】 前記インピーダンス変換回路の出力端と
    前記プラズマ負荷との間をつなぐ回路の定数と前記負荷
    回路側インピーダンスとから、前記プラズマ負荷のイン
    ピーダンスを演算するプラズマインピーダンス演算手段
    を更に備えてなる請求項1に記載のプラズマインピーダ
    ンス測定装置。
  3. 【請求項3】 前記インピーダンス変換回路は、可変コ
    ンデンサ、可変インダクタまたはこれらの組み合わせを
    インピーダンス調手段としたインピーダンス整合回路
    からなり、 前記インピーダンス調節手段の調節部の位置を検出し
    て、該インピーダンス調節手段のインピーダンスを演算
    するインピーダンス演算手段を有し、 前記負荷回路側インピーダンス演算手段は、前記インピ
    ーダンス演算手段が演算したインピーダンス調節手段の
    インピーダンスとその他の回路定数とを用いて前記負荷
    回路側インピーダンスを演算する請求項1または2に記
    載のプラズマインピーダンス測定装置。
  4. 【請求項4】 前記プラズマインピーダンス演算手段の
    演算結果をディスプレイ装置の画面上に表示する表示手
    段を更に備えている請求項1ないし3のいずれか1つに
    記載のプラズマインピーダンス測定装置。
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