JP4071044B2 - インピーダンス整合器の出力端特性解析方法、およびインピーダンス整合器、ならびにインピーダンス整合器の出力端特性解析システム - Google Patents

インピーダンス整合器の出力端特性解析方法、およびインピーダンス整合器、ならびにインピーダンス整合器の出力端特性解析システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波電源と負荷との間に介装されて高周波電源のインピーダンスと負荷のインピーダンスとを整合させるインピーダンス整合器、およびその出力端の電気的特性を解析するインピーダンス整合器の出力端特性解析方法、ならびにインピーダンス整合器の出力端特性解析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体やフラットパネルディスプレイなどを製造する際のプロセスのうち最も重要なプロセスの一つとして、プラズマプロセスがある。
【0003】
このプラズマプロセスに用いるプラズマプロセスチャンバーには、プラズマを生成するためのエネルギー源として電極に直流電圧やマイクロ波電圧を印加するタイプのものも一部には存在するが、多くのプラズマプロセスチャンバーでは100kHz〜300MHzの無線周波帯域の高周波電圧を電極に印加する。
【0004】
このように無線周波帯域の高周波電圧を用いるプラズマプロセスチャンバーにおいては、高周波電源のインピーダンスと負荷としてのプラズマプロセスチャンバーのインピーダンス(以下、負荷インピーダンスという。)とを整合させることにより、プラズマプロセスチャンバーから高周波電源への反射電力を最小にしてプラズマプロセスチャンバーへの供給電力を最大にするために、図18に示すように、高周波電源51とプラズマプロセスチャンバー52との間にインピーダンス整合器53が介装される。
【0005】
図18に示すインピーダンス整合器53には、入力側検出器61、出力側検出器62、制御部63、インダクタL1、および可変リアクタンス素子としての可変キャパシタVC1,VC2が設けられている。
【0006】
インピーダンス整合器53において、高周波電源51からインピーダンス整合器53の入力端53aに入力される無線周波電圧Vi、無線周波電流Ii、および無線周波電圧Viと無線周波電流Iiとの位相差θiが、入力側検出器61により検出される。この検出結果Vi,Ii,θiは、制御部63に入力される。
【0007】
制御部63は、マイクロコンピュータを備えており、入力側検出器61からの検出結果Vi,Ii,θiに基づいて、下記数式1によりインピーダンス整合器53の入力インピーダンスZi、すなわちインピーダンス整合器53の入力端53aからプラズマプロセスチャンバー52側を見たインピーダンスZiを演算する。ただし、数式1において、Riは入力インピーダンスZiのレジスタンス成分、Xiは入力インピーダンスZiのリアクタンス成分である。
【0008】
そして、この入力インピーダンスZiと高周波電源51の出力インピーダンスZgとを整合させるように、可変キャパシタVC1,VC2のキャパシタンスを可変させる。具体的には高周波電源51の出力インピーダンスZgの公称値は、一般に50Ωであるから、例えば入力インピーダンスZiの絶対値|Zi|が所定の基準値Rの範囲内に入るように、または50Ωを特性インピーダンスZcとした入力端53aにおける反射係数Γi=(Zi−Zc)/(Zi+Zc)の絶対値|Γi|が所定の閾値|Γi|以下となるように、可変キャパシタVC1,VC2のキャパシタンスが調整される。
【0009】
【数1】
Figure 0004071044
【0010】
このような動作は整合動作と呼ばれており、整合動作が完了した時点では、インピーダンス整合器53の入力端53aにおける反射電力が最小になる。すなわちプラズマプロセスチャンバー52に最大の電力を供給することができる。
【0011】
プラズマプロセスチャンバー52のインピーダンスZlは、プラズマの状況などに応じて変化するので、その変化に応じて入力側検出器61による検出信号が変化し、それに応じて制御部63が可変キャパシタVC1,VC2のキャパシタンスを可変させることにより、整合状態が維持される。
【0012】
なお、可変キャパシタVC1,VC2は、制御部63によって駆動制御されるステッピングモータによって各々たとえば100段階にキャパシタンスが可変できるようになっている。すなわち、インピーダンス整合器53によって負荷インピーダンスZlを100×100=10000通りのインピーダンスに変換することができるようになっている。
【0013】
ところで、プラズマプロセスチャンバー52に入力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoは、プラズマプロセスの状態を知る上で特に重要である。
【0014】
そこで、従来のインピーダンス整合器53には、上記の整合動作とは関係しない出力側検出器62がインダクタL1と出力端53bとの間に設けられていた。
【0015】
すなわち、出力側検出器62は、インピーダンス整合器53の出力端53bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoを検出し、検出結果Vo,Io,θoを制御部63に入力する。制御部63は、出力側検出器62からの検出結果Vo,Io,θoに基づいて、下記数式2によりインピーダンス整合器53の出力インピーダンスZoを演算し、検出結果Vo,Io,θoと出力インピーダンスZoもしくはプラズマプロセスチェンバー52のインピーダンスZlとを外部のディスプレイあるいはプリンタなどに出力する。ただし、数式2において、Roは出力インピーダンスZoのレジスタンス成分、Xoは出力インピーダンスZoのリアクタンス成分である。
【0016】
【数2】
Figure 0004071044
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のインピーダンス整合器53では、出力側検出器62が設けられていたので、製作コストが高価であり、しかも出力側検出器62の検出精度を十分に高くできないという課題があった。
【0018】
すなわち、インピーダンス整合器53の出力端53bは、プラズマプロセスチャンバー52のインピーダンスZlに依存して高電圧が発生したり大電流が流れるため、出力側検出器62が大型化するとともに高耐圧が要求され、高価になる。
【0019】
また、プラズマプロセスチャンバー52のインピーダンスZlが変化したときに、インピーダンス整合器53の出力端53bにおける無線周波電圧Voおよび無線周波電流Ioのレベルが大きく変化するため、出力側検出器62の検出精度が低下し、結果として得られる出力インピーダンスZoの精度が低下する。この問題は、出力側検出器62の検出レンジを十分に広くかつ高精度にすることができれば、ある程度解消可能である。しかし、これを実現するためには極めて大型でかつ高価な出力側検出器62を製作する必要があり、インピーダンス整合器53の容積と製造コストの大部分を出力側検出器62が占めてしまう結果となって、あまりにも非現実的である。出力側検出器62はインピーダンス整合器53の整合動作に寄与しないことを考慮すると、インピーダンス整合器53から出力側検出器62を除いてインピーダンス整合器53の小型化および低コスト化が特に要望されるのである。
【0020】
なお、入力側検出器61による検出結果Vi,Ii,θiから制御部63により演算された入力インピーダンスZiと、可変キャパシタVC1,VC2のキャパシタンスC1,C2およびインダクタL1のインダクタンスL1と、高周波電源51からの無線周波電力の角周波数ωとを用いて、下記数式3により制御部63で出力インピーダンスZoを演算することも理論上は考えられる。
【0021】
【数3】
Figure 0004071044
【0022】
しかしこの場合、インピーダンス整合器53内部のリアクタンス成分は、可変キャパシタVC1,VC2およびインダクタL1以外に、これらの部品とケースとの間の浮遊容量や、これらの部品同士を接続するための銅板あるいは導波管などの部品のインダタグンス成分が存在するため、出力インピーダンスZoを正確に演算することは困難であり、精度が低い。
【0023】
【発明の開示】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、製造コストが安価でしかも出力端の電気的特性を高精度に解析できるインピーダンス整合器、およびその出力端特性解析方法、ならびに出力端特性解析システムを提供することを、その課題とする。
【0024】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0025】
本発明の第1の側面によれば、高周波電源が接続される入力端と負荷が接続される出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、前記入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器の出力端特性解析方法であって、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続する前に、前記出力端と前記負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを予め取得しておくデータ取得ステップと、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析ステップと、を有することを特徴とするインピーダンス整合器の出力解析方法が提供される(請求項1)。
【0026】
なお、前記データ取得ステップは、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に負荷を接続する前に、前記入力端に前記高周波電源の出力インピーダンスと等価なインピーダンスを有する抵抗器を接続するとともに、前記出力端から前記抵抗器側を見たインピーダンスを測定する機器を出力端に接続した状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを予め取得するとよい(請求項2)。また、前記データ取得ステップは、前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続する前に、前記インピーダンス整合器の入力端に、前記高周波電源を電力計を介して接続するとともに、前記インピーダンス整合器の出力端に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むダミーロードを接続した状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値を予め定めた値に設定する第1ステップと、前記電力計で測定される反射波電力が最小または基準値以下になるように、前記ダミーロードの前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整する第2ステップと、前記インピーダンス整合器の出力端と前記ダミーロードとの接続を切り離した後に、前記ダミーロードの入力端にダミーロードのインピーダンスを測定する機器を接続した状態で、前記ダミーロードのインピーダンスを測定することによって、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスと共役なインピーダンスを測定する第3ステップと、前記第1ステップから第3ステップからなる一連のステップにおいて、前記第1ステップにおける前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値を順次変更していきながら、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを取得する第4ステップとで構成してもよい(請求項3)。また、前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な全ての値を順次変化させつつ、各可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定することにより取得すると良い(請求項)。
【0027】
あるいは、前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値のうちの一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定し、その測定結果を用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスを算出することにより取得してもよい(請求項)。さらに、予め取得される前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定したもので、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記可変リアクタンス素子の前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとこの取得済のデータを用いて補間演算により算出されるサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報のデータとに基づいて、解析されるようにしてもよい(請求項)。この場合、前記補間演算は、補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に隣接する少なくとも2個のサンプリング可変値のインピーダンス測定値を用いて比例計算により、前記補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に対するインピーダンスを算出するとよい(請求項)。
【0028】
また、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記インピーダンス整合器の出力端における出力インピーダンス、電圧、電流、当該電圧と電流との位相差、および前記負荷のインピーダンスのうちの少なくとも1を含むとよい(請求項)。
【0029】
この明細書において、「解析」とは、目的の情報の絶対的あるいは相対的な数値を、与えられた各種の情報に検索や演算などの各種の処理を施すことにより得ることをいう。
【0030】
この明細書において、「可変リアクタンス素子のリアクタンス情報」とは、可変リアクタンス素子のリアクタンス値の他、可変リアクタンス素子のリアクタンス値を可変させるための各種モータの位置情報など、可変リアクタンス素子のリアクタンス値を直接あるいは間接に特定可能な情報をいう。
【0031】
この明細書において、「インピーダンス整合器の出力インピーダンスに関する情報」とは、インピーダンス整合器の出力インピーダンス値の他、インピーダンス整合器の出力端から負荷側を見たインピーダンス値など、インピーダンス整合器の出力インピーダンス値を直接あるいは間接に特定可能な情報をいう。
【0032】
本発明の第2の側面によれば、高周波電源が接続される入力端と負荷が接続される出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、前記入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器であって、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続する前に、前記出力端と前記負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを記憶する記憶部と、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と前記記憶部の記憶されたデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部とを備えたことを特徴とする、インピーダンス整合器が提供される(請求項)。
【0033】
本発明の第3の側面によれば、入力端と出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、高周波電源が接続される入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器であって、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に負荷を接続する前に、前記出力端と負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを入力する入力部と、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と前記入力部から入力されるデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部とを備えたことを特徴とするインピーダンス整合器が提供される(請求項10)。
【0034】
なお、前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な全ての値を順次変化させつつ、各可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定することにより取得すると良い(請求項11)。
【0035】
あるいは、前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値のうちの一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定し、その測定結果を用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスを算出することにより取得してもよい(請求項12)。さらに、予め取得される前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定したもので、前記取得済のデータを用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を算出する補間演算部をさらに備え、前記解析部は、前記可変リアクタンス素子の前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとこの取得済のデータを用いて補間演算により算出されるサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報のデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析するようにしてもよい(請求項13)。この場合、前記補間演算は、補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に隣接する少なくとも2個のサンプリング可変値のインピーダンス測定値を用いて比例計算により、前記補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に対するインピーダンスを算出するとよい(請求項14)。
【0036】
好ましい実施の形態によれば、請求項ないし14のいずれかに記載のインピーダンス整合器において、前記解析部で解析されたインピーダンス整合器の出力端における電気的特性を外部に出力する出力部をさらに備えるとよい(請求項15)。また、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記インピーダンス整合器の出力端における出力インピーダンス、電圧、電流、当該電圧と電流との位相差、および前記負荷のインピーダンスのうちの少なくとも1を含むとよい(請求項16)。
【0037】
本発明の第4の側面によれば、高周波電源が接続される入力端と、負荷が接続される出力端と、前記入力端と出力端との間に設けられ、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるための少なくとも1の可変リアクタンス素子と、前記高周波電源から前記入力端に入力される高周波電力の少なくとも電圧および電流を検出する入力側検出器と、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるべく、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて、前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整する制御部と、前記制御部により調整された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値に関する情報を外部に出力する出力部とを備えたインピーダンス整合器と、前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続する前に、前記インピーダンス整合器の出力端と負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続した状態における前記インピーダンス整合器の出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記インピーダンス整合器の出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを記憶する記憶部と、前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されたときに、前記インピーダンス整合器の出力部から出力されるリアクタンス値に関する情報を入力する入力部と、前記入力部から入力されるリアクタンス値に関する情報と前記記憶部に記憶されたデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部とを備えた出力端特性解析器とからなることを特徴とする、インピーダンス整合器の出力端特性解析システムが提供される(請求項17)。
【0038】
好ましい実施の形態によれば、請求項17に記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析システムにおいて、前記解析器は、前記解析部で解析された結果をモニタ出力する出力部をさらに備えるとよい(請求項18)。
【0039】
本発明によれば、インピーダンス整合器の入力端に高周波電源を接続するとともに、出力端に負荷を接続し、高周波電源から高周波電力が出力されると、入力端に入力される高周波電力の少なくとも電圧および電流が検出され、この検出情報に基づいて可変リアクタンス素子のリアクタンス値が高周波電源と負荷とのインピーダンスを整合させるように調整される。そして、その調整されたリアクタンス値に関する情報と記憶部に記憶されたデータとに基づいて、インピーダンス整合器の出力端における電気的特性(インピーダンス整合器の出力端における出力インピーダンス、電圧、電流および当該電圧と電流との位相差、負荷のインピーダンスなどの電気的特性)が解析される。そして、その解析結果は外部にモニタ出力される。これにより従来のインピーダンス整合器の出力端の電気的特性を検出するための出力側検出器が削減可能になり、製造コストが安価でしかも出力端の電気的特性を高精度に解析できるインピーダンス整合器、およびその出力端特性解析方法、ならびに出力端特性解析システムを実現することができる。
【0040】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0042】
図1は、本発明に係るインピーダンス整合器の回路ブロック図の一例である。このインピーダンス整合器1は、入力側検出器2、制御部3、インダクタL2、および可変リアクタンス素子としての可変キャパシタVC3,VC4を備えている。
【0043】
制御部3は、マイクロコンピュータを主要構成要素としており、CPU11、ROM12、RAM13、入出力インターフェイス回路14、およびEEPROM15を備えている。これらCPU11、ROM12、RAM13、入出力インターフェイス回路14、およびEEPROM15は、相互にバス接続されている。
【0044】
インピーダンス整合器1は、高周波電源のインピーダンスZgとプラズマプロセスチャンバーのインピーダンスZlとを整合させる。またインピーダンス整合器1は、プラズマプロセスチャンバーのインピーダンスZlやプラズマプロセスチャンバーに供給される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどをモニタ出力する。
【0045】
入力側検出器2は、高周波電源から入力端1aに入力される無線周波電圧Vi、無線周波電流Ii、および無線周波電圧Viと無線周波電流Iiとの位相差θiを検出し、検出結果Vi,Ii,θiを制御部3に入力する。
【0046】
制御部3は、入力側検出器2の検出結果Vi,Ii,θiに基づいてインピーダンス整合器1の入力インピーダンスZiを演算し、例えば入力インピーダンスZiの絶対値|Zi|が所定の基準値R(例えば50±5Ω)の範囲内に入るように、または50Ωを特性インピーダンスZcとした入力端1aにおける反射係数Γi=(Zi−Zc)/(Zi+Zc)の絶対値|Γi|が所定の閾値|Γi|(例えば0.2等)以下となるように、あるいは入力端1aにおける定在波比ρ=(1+|Γi|)/(1−|Γi|)が所定の閾値ρr(例えば1.1等)以下となるように、可変キャパシタVC3,VC4を制御する。さらに制御部3は、EEPROM15に記憶されているデータ(可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と高周波電源から高周波電力を供給しているときのインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoとの関係を示すデータ。このデータについては後述する。)と、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4とから、プラズマプロセスチャンバーのインピーダンスZl、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZo、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどの電気的特性を演算し、演算結果をインピーダンス整合器1の外部に出力する。
【0047】
CPU(central processing unit )11は、ROM12に格納されているプログラムに基づいて動作し、制御部3の全体を制御する。
【0048】
ROM(read only memory)12は、CPU11を動作させるためのプログラムや、このプログラムを実行する際に必要な固定のデータなどを記憶している。
【0049】
RAM(random access memory)13は、CPU11にワークエリアを提供し、前記プログラムの実行によって生成される各種のデータを一時記憶する。
【0050】
入出力インターフェイス回路14は、CPU11に対するデータの入出力を制御する。CPU11は、高周波電源と負荷であるプラズマプロセスチャンバーとのインピーダンスマッチングを取るために、入出力インターフェイス回路14を介して可変キャパシタVC3,VC4に制御信号を出力する。可変キャパシタVC3,VC4は、この制御信号に基づいて対向電極の面積を変化させ、キャパシタンスC3,C4を所定の制御値に設定する。本実施形態では、可変キャパシタンスVC3,VC4のキャパシタンスは、それぞれ100段階にステップ状に可変になっている。可変キャパシタンスVC3,VC4にはキャパシタンス変更用の駆動部材としてステッピングモータが設けられ、CPU11はそのステッピングモータの回転量を制御することにより、可変キャパシタンスVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を変更する。また、CPU11は、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける電気的特性の解析結果であるプラズマプロセスチャンバーのインピーダンスZl、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZo、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどを入出力インターフェイス回路14を介して外部のモニタ装置(図略)に出力する。
【0051】
EEPROM15は、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4に基づいて、プラズマプロセスチャンバーのインピーダンスZl、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどを演算するのに必要なデータ(高周波電源をインピーダンス整合器1に接続した状態における可変キャパシタVC3,VC4の各調整位置でのインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoのデータ。以下、出力インピーダンス算出用データという。)を格納するものである。なお、出力インピーダンス算出用データは、EEPROM15に代えてフラッシュメモリなどの他の不揮発性メモリに記憶させるようにしてもよい。
【0052】
従って、EEPROM15は、本発明に係るインピーダンス整合器での記憶部として機能するものであり、制御部3は、本発明に係るインピーダンス整合器での制御部と解析部として機能するものであり、インターフェイス回路14は本発明に係るインピーダンス整合器での入力部と出力部として機能するものである。
【0053】
図2は、出力インピーダンス算出用データを取得するための測定回路の第1の実施形態の構成を示す図である。
【0054】
同図に示す測定回路は、インピーダンス整合器1の入力端1aに抵抗器21を接続し、出力端1bにインピーダンス測定器22を接続し、制御部3の入出力インターフェイス回路14にパーソナルコンピュータ23を接続したものである。インピーダンス整合器1の入力端1aに接続される抵抗器21は、実際に接続される高周波電源の出力インピーダンス(公称値)や同軸ケーブルの特性インピーダンスに相当するもので、入力端1aを抵抗器21で終端することにより、等価的にインピーダンス整合器1の入力端1aに高周波電源や同軸ケーブルを接続した状態とするものである。従って、高周波電源の出力インピーダンス(公称値)や同軸ケーブルの特性インピーダンスが例えば75Ωなどの50Ω以外の値であれば、抵抗器21の抵抗値はその値に設定される。
【0055】
この測定回路では、以下の手順で出力インピーダンス算出用データが取得される。
【0056】
先ず、インピーダンス整合器1の入力端1aに抵抗器21を接続し、入力端1aを例えば50Ωで終端する。次に、インピーダンス整合器1の出力端1bにインピーダンス測定器22を接続し、制御部3により可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を順次変化させながら、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoを測定する。なお、可変キャパシタVC3,VC4は、上述したように多段階に調整可能になされており、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoは、可変キャパシタVC3,VC4の調整位置をそれぞれ1段ずつ変化させながらインピーダンス測定器22にて測定される。このとき測定するデータは、Zo=Ro+jXoであるが、Zo=|Zo|,θoの形式であってもよい。この場合、Ro=|Zo|・cos(θo)、Xo=|Zo|・sin(θo)という式を用いて抵抗分Roとリアクタンス分Xoとに変換することができる。
【0057】
データの収集数は、最大で、インピーダンス整合器1に設けられた可変リアクタンス素子、すなわち可変キャパシタVC3,VC4の調整範囲の全組み合わせ数になる。本実施形態では、可変キャパシタVC3,VC4の各可変数が100個であるから、1万組(100×100組)のデータが取得される。
【0058】
このようなデータの収集には、パーソナルコンピュータ23を利用し、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と出力インピーダンスZoとを1組とする多数組のデータを制御部3のEEPROM15に順次格納する。もちろん、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4に代えて、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を可変させるためのステッピングモータの位置情報をEEPROM15に記憶させてもよい。もちろん、ステッピングモータに代えてサーボモータなどを使用する場合、そのサーボモータなどの位置情報をEEPROM15記憶させてもよい。
【0059】
かくしてEEPROM15には、図3に示すようなデータが格納される。もちろん、実際には1万組のデータが格納されるのであるが、理解を容易にするために、図3では可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4がそれぞれ6段階に変化する例について図示している。なお、図3において、可変キャパシタVC3,VC4の欄の0〜5の数字は、各可変キャパシタVC3,VC4に設けられた6段階の調整位置に割り当てられた番号である。各調整位置に対してキャパシタンスC3,C4が既知であれば、上述のようにその値をテーブルのデータに用いても良い。
【0060】
従って、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4やそれらに代わるステッピングモータやサーボモータなどの位置情報などは、本発明に係る「可変リアクタンス素子の可変値に対する出力端におけるインピーダンスに関する情報」の「インピーダンスに関する情報」に相当するものである。
【0061】
図4は、出力インピーダンス算出用データを取得するための測定回路の第2の実施形態の構成を示す図である。
【0062】
同図に示す測定回路は、図2に示す測定回路において、インピーダンス整合器の入力端1aに抵抗器21に代えて高周波電源31を電力計24を介して接続し、インピーダンス整合器の出力端1bにスイッチ25を介設し、このスイッチ25にダミーロード26とインピーダンス測定器22を接続したものである。電力計24の測定データはパーソナルコンピュータ23に入力され、高周波電源31の出力はパーソナルコンピュータ23で制御される。スイッチ25は、ダミーロード26の接続をインピーダンス整合器1の出力端1bとインピーダンス測定器の入力端とに切り換えるもので、その切換えはパーソナルコンピュータ23で制御される。
【0063】
ダミーロード26は、プラズマプロセスチャンバーの負荷インピーダンスに相当するものである。ダミーロード26は、インダクタL3と可変リアクタンス素子である可変キャパシタVC5,VC6をT型接続したもので、可変キャパシタVC6の終端は50Ωの抵抗R1で終端されている。なお、終端抵抗R1を50Ωにしているのは、測定系の特性インピーダンスが50Ωであるからである。可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6は、パーソナルコンピュータ23により制御されるようになっている。可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6も可変キャパシタVC3,VC4と同様にステップ状に変化可能で、例えば100段階に調整することができるようになっている。可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6を変化させることで、プラズマプロセスチャンバーの負荷インピーダンスを擬似的に生成することができるようになっている。
【0064】
この測定回路では、以下の手順で出力インピーダンス算出用データ取得される。
【0065】
まず、インピーダンス整合器1の出力端1bにダミーロード26が接続されるように、スイッチ25が設定される。次に、インピーダンス整合器1内の可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4が1番目の組み合わせの値に設定される。キャパシタンスC3,C4がステップ状に可変される可変キャパシタVC3,VC4の調整位置に順番に0,1,2,…を付し、初期位置を「0番」とすると、可変キャパシタVC3,VC4の調整位置が初期位置(0,0)に設定される。同様に、可変キャパシタVC5,VC6の調整位置にも順番に0,1,2,…を付し、初期位置を「0番」とすると、可変キャパシタVC5,VC6の調整位置も初期位置(0,0)に設定される。
【0066】
次に、高周波電源31から所定の高周波電力が出力される。この高周波電力の入力端1aにおける反射電力は、電力計24で測定され、その測定結果はパーソナルコンピュータ23に入力される。パーソナルコンピュータ23は、電力計24で測定される反射電力をモニタしながら、可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6を変化させ、その反射電力が最小となるように可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6を調整する。すなわち、インピーダンス整合器1の可変キャパシタVC3,VC4を初期調整位置のキャパシタンスC3,C4に設定したとき、このインピーダンス整合器1で高周波電源31に整合される負荷インピーダンスにダミーロード26のインピーダンスが調整される。
【0067】
可変キャパシタVC5,VC6のキャパシタンスC5,C6の全ての組み合わせのスキャンが、例えば可変キャパシタVC5を初期位置(初段の位置)に設定した状態で、可変キャパシタVC6を初期位置から順番に1段ずつ変化させていき、全段数の変化が終了すると、可変キャパシタVC5を2段目の位置に変化させて、同じように可変キャパシタVC6を初期位置から順番に1段ずつ変化させていき、以下、同様の方法を繰り返して変化させて実行されるとすると、パーソナルコンピュータ23は、可変キャパシタVC5,VC6の調整位置を(0,0),(0,1),(0,2),…(100,99),(100,100)の順にスキャンして入力端1aの反射電力が最小となる可変キャパシタVC5,VC6の調整位置(h,k)を検出し、その後、可変キャパシタVC5,VC6の調整位置を(h,k)に設定する。
【0068】
なお、反射電力が予め設定された所定の基準反射電力値以下になる調整位置(h’,k’)が見つかると、その時点で可変キャパシタVC5,VC6の調整位置のスキャンを停止し、可変キャパシタVC5,VC6を調整位置(h’,k’)に設定するようにしても良い。この方法では、常に全ての調整位置をスキャンすることがないので、ダミーロード26のインピーダンス調整を迅速に行うことができる利点がある。
【0069】
ダミーロード26のインピーダンス調整が終了すると、高周波電源31からの高周波電力の出力が停止され、インピーダンス測定器22の入力端にダミーロード26が接続されるように、スイッチ25が切り換えられる。そして、インピーダンス測定器22によりダミーロード26のインピーダンスが測定され、その測定結果がパーソナルコンピュータ23に入力される。パーソナルコンピュータ23では、そのダミーロード26のインピーダンス測定値が、インピーダンス整合器1の可変キャパシタVC3,VC4の調整位置において整合する負荷インピーダンスとして記録される。これは、図3において、可変キャパシタVC3,VC4の調整位置(h”,k”)=(0,0)におけるインピーダンス値に相当するものである。尤も、図3に示すインピーダンス値は、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZo(出力端1bから高周波電源側を見たインピーダンス)であったが、図4に示す測定回路では、プラズマプロセスチャンバー52のインピーダンスZlに相当する負荷インピーダンスが測定されるので、正確には図3に示すインピーダンス値と共役なインピーダンス値に相当するものである。従って、インピーダンス測定器22での測定値の共役インピーダンスをテーブルに用いれば、図3のテーブルと同一の特性データとすることができる。
【0070】
図4に示す測定回路では、上述した手順を繰り返してインピーダンス整合器1の可変キャパシタVC3,VC4を各調整位置において整合するダミーロード26のインピーダンス値を測定し、その測定結果が図3に示すテーブルと同様の形式で、可変キャパシタVC3,VC4を調整位置もしくは調整キャパシタンスC3,C4に対応付けられて記録される。
【0071】
図5は、実際の使用時におけるインピーダンス整合器1の接続状態を説明する説明図である。
【0072】
インピーダンス整合器1の入力端1aには、高周波電源31が接続される。インピーダンス整合器1の出力端1bには、プラズマプロセスチャンバー32が接続される。
【0073】
次にインピーダンス整合器1の動作を説明する。
【0074】
先ずインピーダンス整合器1が、整合動作を行なう。この整合動作は、図18に示す従来のインピーダンス整合器53による整合動作と同様である。すなわち入力側検出器2が、インピーダンス整合器1の入力端1aに入力される高周波電源31からの無線周波電圧Vi、無線周波電流Ii、および無線周波電圧Viと無線周波電流Iiとの位相差θiとを検出し、検出結果Vi,Ii,θiを制御部3に入力する。これにより制御部3が、上記数式1を用いて入力インピーダンスZiを演算し、この入力インピーダンスZiの絶対値|Zi|=√(|Ri|2+|Xi|2)が所定の基準値Rの範囲(例えば50±5Ω)内となるように、あるいは入力端1aにおける反射係数Γi=(Zi−Zc)/(Zi+Zc)(Zcは特性インピーダンス)の絶対値|Γi|が所定の閾値|Γi|(例えば0.2等)以下となるように、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を可変させる。
【0075】
なお、入力インピーダンスZiの高周波電源31の出力インピーダンス(公称値)もしくは同軸ケーブルの特性インピーダンスZcに対する定在波比ρが所定の範囲内(例えば1.1以下など)になるように、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を可変させてもよい。定在波比ρは、高周波電源31の出力インピーダンス(公称値)もしくは同軸ケーブルの特性インピーダンスZcをR0Ωとすると、入力端1aでの反射係数ΓiはΓi=(Zi−Zc)/(Zi+Zc)=(Zi−R0)/(Zi+R0)=[(Ri−R0)+jXi]/[(Ri+R0)+jXi]で算出され、この反射係数Γiからρ=(1+|Γi|)/(1−|Γi|)の式により算出される。
【0076】
次に制御部3のCPU11が、EEPROM15に格納されているデータを検索し、整合動作を完了した時点における可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスに対応する出力インピーダンスZoを読み出す。例えば図3の例において、可変キャパシタVC3,VC4の調整位置がそれぞれ「1」と「5」であった場合、「21−j25」が出力インピーダンスZoとして読み出される。
【0077】
次に制御部3のCPU11が、出力インピーダンスZoと互いに共役関係にあるインピーダンスを、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlとして演算する。上記の例では、Zo=21−j25であるから、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlは21+j25となる。もちろん、出力インピーダンスZo(=Ro+jXo)に代えて、出力インピーダンスZoと互いに共役関係にあるインピーダンス、すなわち、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZl(=Ro−jXo)を予めEEPROM15に格納しておいてもよい。
【0078】
さらに、制御部3のCPU11が、演算したプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlと入力側検出器2からの検出結果Vi,Ii,θiとを用いて、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧と無線周波電流との位相差θoを演算する。以下、この演算の手順を説明する。
【0079】
先ず制御部3のCPU11が、入力側検出器2からの検出結果Vi,Ii,θiを用いて、インピーダンス整合器1の入力端1aにおける無線周波電力Pi=(Vi・Ii)cos(θi)を演算する。このPiは、インピーダンス整合器1の内部損失を無視すると、インピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電力Poとして用いることができる。
【0080】
次に制御部3のCPU11が、無線周波電力Po(=Pi)とプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZl(=Ro−jXo)とを用いて、下記数式4により無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧と無線周波電流との位相差θoを演算する。
【0081】
【数4】
Figure 0004071044
【0082】
すなわち、無線周波電力Poおよび出力インピーダンスZoと、無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoとの間には、下記数式5が成立することが知られている。この数式5を解くことにより、上記数式4が得られる。
【0083】
【数5】
Figure 0004071044
【0084】
次に制御部3のCPU11が、演算したプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZl(=Ro−jXo)と、無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoとを、インピーダンス整合器1の外部のディスプレイやプリンタなどに出力する。もちろん、アナログ信号の形式で波形表示機能を有する外部の各種装置に出力してもよいし、シリアル通信などにより外部の情報処理装置などに出力してもよい。
【0085】
このように、インピーダンス整合器1に出力側検出器を設けることなく、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlやインピーダンス整合器1から出力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどの出力端1bにおける電気的特性を出力できるので、インピーダンス整合器1の製造コストを良好に低減できると同時に、インピーダンス整合器1の小型化を図ることができる。
【0086】
したがって、プラズマプロセスチャンバー32における異常電圧の発生などの異常検出を精度良く行なうことができる。さらには、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlや、インピーダンス整合器1から出力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、あるいは無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどを一定の値に保つべく、プラズマプロセスチャンバー32に供給される無線周波電力、ガス流量、ガス圧力などのプロセスパラメータを制御することにより、プラズマプロセスチャンバー32におけるプラズマプロセスが良好に安定化し、再現性の良いプラズマプロセスを確保できる可能性がある。
【0087】
また、インピーダンス測定器22を用いて取得したデータは、図6に示すように、インピーダンス整合器1によるプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlの調整範囲の限界を表すデータとしても利用できる。すなわち、図6における黒丸印がインピーダンス測定器22による測定点であり、この測定点の分布範囲(図6ではr,xはそれぞれ0〜0.5の範囲となっている)が、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を可変させることによる、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoの可変範囲である。
【0088】
図7は、上記実施形態における制御部3の機能ブロック図である。すなわち、上記実施形態における制御部3は、機能の観点からは、マッチング制御部33、記憶部34、解析部35、演算部35a、および出力部36を備えている。マッチング制御部33は、入力側検出器2からの検出結果Vi,Ii,θiに基づいて、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4を可変させることにより、高周波電源31のインピーダンスZgとプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlとを整合させる。記憶部34は、予め測定された、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4とインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlとの関係を記憶する。もちろん、この場合のキャパシタンスC3,C4はインピーダンス情報の一例であって、キャパシタンスC3,C4に代えて、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンス値を可変させるためのステッピングモータなどの位置情報を採用してもよい。解析部35は、マッチング制御部33による整合動作が完了したときに、そのときの可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と記憶部34の記憶内容とに基づいて、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlを解析する。演算部35aは、入力側検出器2による検出結果Vi,Ii,θiとインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoとに基づいて、インピーダンス整合器1から出力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoを演算する。出力部36は、解析部35による負荷インピーダンスZlの解析結果と演算部35aによるプラズマプロセスチャンバー32への出力電力の演算結果とを外部に出力する。マッチング制御部33、解析部35、および演算部35aは、CPU11により実現される。出力部36は、入出力インターフェイス回路14により実現される。記憶部34は、EEPROM15により実現される。なお、演算部35aを設けずに、解析部35による解析結果だけを出力部36から出力するように構成してもよい。
【0089】
図8は、他の実施形態における制御部3の機能ブロック図である。同図に示すブロック構成図は、予め取得した出力インピーダンス算出用データをインピーダンス整合器1が保持せず、電気的特性を解析する際に外部から入力させるようにしたものである。すなわち、予め取得した出力インピーダンス算出用データは外部接続されるパーソナルコンピュータ23が保持しており、解析部37が、マッチング制御部33による整合動作が完了したときに、パーソナルコンピュータ23から可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と出力インピーダンスZoとの関係を示すデータ(出力インピーダンス算出用データ)を入力し、そのデータと整合動作完了時の可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4とに基づいて、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlを解析するように構成したものである。
【0090】
なお、同図には図示していないが、この実施形態ではインピーダンス整合器1に入出力インターフェイス回路14を介してパーソナルコンピュータ23が外部接続され、この入出力インターフェイス回路14を介して通信によりパーソナルコンピュータ23から出力インピーダンス算出用データがインピーダンス整合器1に入力される。また、この実施形態においても、予め測定されてパーソナルコンピュータ23から供給されるキャパシタンスC3,C4はインピーダンス情報の一例であって、キャパシタンスに代えて、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンス値を可変させるためのステッピングモータなどの位置情報を採用してもよい。演算部37aの動作は、図7の演算部35aと同様である。この場合、パーソナルコンピュータ23が出力インピーダンス算出用データを記憶しているので、記憶部34は不要であり、EEPROM15を設ける必要がない。なお、解析部37および演算部37aは、CPU11により実現される。また、演算部37aを設けずに、解析部37による解析結果だけを出力部36から出力するように構成してもよい。
【0091】
図9は、本発明のインピーダンス整合器の出力端特性解析システムの一例を示す機能ブロック図である。すなわち、図9のように、制御部3の出力部38が、マッチング制御部33による整合動作が完了したときに、そのときの可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と、入力側検出器2による検出結果Vi,Ii,θiとをパーソナルコンピュータ23に出力するように構成してもよい。この場合、パーソナルコンピュータ23が、本発明に係るインピーダンス整合器の出力端特性解析システムにおける出力端特性解析器として機能している。パーソナルコンピュータ23は出力インピーダンス算出用データを記憶しており、かつ目的のデータを解析および演算するので、記憶部34、解析部35、および演算部35aは不要である。すなわちパーソナルコンピュータ23は、予め測定された、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4とインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoとの関係(出力インピーダンス算出用データ)を記憶する記憶部41と、インピーダンス整合器1の出力部38から出力される可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンスC3,C4と記憶部41の記憶内容とに基づいて出力インピーダンスZoを解析する解析部42と、入力側検出器2による検出結果Vi,Ii,θiとインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoとに基づいて、インピーダンス整合器1から出力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoを演算する演算部43とを実現している。もちろん、記憶部41に記憶されているキャパシタンスC3,C4はインピーダンス情報の一例であって、キャパシタンスC3,C4に代えて、可変キャパシタVC3,VC4のキャパシタンス値を可変させるためのステッピングモータなどの位置情報を採用してもよい。この場合、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoあるいはプラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZl、インピーダンス整合器1から出力される無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどの出力端1bにおける電気的特性の情報を、パーソナルコンピュータ23のディスプレイの表示画面に、波形図やディジタル数値などの各種の形式で表示できる。
【0092】
なお、上記実施形態においては、出力インピーダンス算出用データを取得する際、インピーダンス整合器1の可変キャパシタVC3,VC4の全ての調整位置について、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを測定するようにしていたが、この方法は、高精度のデータが得られる反面、可変キャパシタVC3,VC4の調整数が多くなると、測定回数が膨大になり、出力インピーダンス算出用データを取得するための測定時間が長時間になるとともに、データ記録用のメモリ容量も増大するという問題が生じる。
【0093】
そこで、かかる問題を軽減するため、インピーダンス整合器1の可変キャパシタVC3,VC4の一部の調整位置についてのみインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを測定し、他の調整位置は、測定データを用いて補間演算により補間すると良い。この場合、データ取得時に測定と補間演算とにより可変キャパシタVC3,VC4の全ての可変値に対するインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを取得するようにしてもよく、図7または図8のブロック構成図において、インピーダンス測定器1に補間演算部を追加し、データ取得時には測定により可変キャパシタVC3,VC4の一部の可変値に対してだけインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを取得するようにし、解析部35,37による電気的特性の解析時に、測定により取得されていない可変キャパシタVC3,VC4の可変値に対するインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを補間演算部で算出するようにしても良い。前者の場合はデータ取得のための測定時間を低減することができる効果があるが、後者の場合は、その効果に加えて取得データを記憶するメモリの容量を低減できる効果がある。
【0094】
図10は、補間演算の方法を説明するための図である。同図に示す補間演算は、比例計算によりデータを補間するものである。
【0095】
同図において、横軸は可変キャパシタVC3の調整位置であり、縦軸は可変キャパシタVC4の調整位置である。また、黒丸の調整位置P1〜P4はインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlが測定された点であり、白丸の調整位置P5は、出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlを補間すべき点である。
【0096】
調整位置P5の出力インピーダンスZoもしくは負荷インピーダンスZlの抵抗分R5は、以下の手順により比例計算によって補間される。すなわち、点P1と点P5とを結ぶ直線Mと、点P2と点P3とを結ぶ直線Nの交点P6の抵抗分R6を点P2の抵抗分R2(測定値)と点P3の抵抗分R3(測定値)を用いて比例計算により算出し、交点P6の抵抗分R6と点P1の抵抗分R1(測定値)を用いて比例計算により補間すべき点P5の抵抗分R5を算出する。
【0097】
図11は、測定値である抵抗分R1〜R3と比例計算によって算出される抵抗分R5,R6との関係を三次元で示した図である。同図において、高さ方向は、抵抗分のレベルを示している。
【0098】
同図に示すように、点P2と点P3間の距離に対する点P2と点P6間の距離の比率をm(<1)とし、点P1と点P6間の距離に対する点P1と点P5間の距離の比率をn(<1)とすると、点P6の抵抗分R6は、R6=R2+m・(R3−R2)で算出され、点P5の抵抗分R5は、R5=R1+n・(R6−R1)で算出される。従って、両式から、点Pの抵抗分R5は、R5=(1−n)・R1+n・(1−m)・R2+n・m・R3で算出される。図10,図11の例では、m=4/10=0.4、n=5/10=0.5、R1=20、R2=50、R3=100であるから、補間すべき点P5の抵抗分R5は、R5=(1−0.5)・20+0.5・0.6・50+0.5・0.4・100=45となる。
【0099】
なお、図10の例では、補間すべき点P5が点P1〜点P4で囲まれる四角形内の点P1〜点P3で囲まれる三角形の領域に含まれるので、点P1〜点P3の測定値R1〜R3を用いて点P5の抵抗分R5を算出したが、補間すべき点P5が点P1〜点P4で囲まれる四角形内の点P1,点P3,点P4で囲まれる三角形の領域に含まれる場合は、図12に示すように、点P1,点P3,点P4の測定値R1,R3,R4を用いて点P5の抵抗分R5が算出される。
【0100】
また、図10の例では、補間すべき点P5は正方形もしくは長方形に配置された測定点P1〜P4の内部に位置していたが、図13に示すように、補間すべき点P5が平行四辺形に配置された測定点P1,P2,P7,P8の内部に位置する場合でも、上述した方法と同様の考え方で交点P6の抵抗分R6を算出し、この抵抗分R6と抵抗分R1(測定値)とを用いて比例計算により補間すべき点P5の抵抗分R5を算出することができる。
【0101】
上記説明では、抵抗分R5について説明したが、同様の方法で、点P5のリアクタンス分X5も補間することができる。
【0102】
なお、上記各実施形態においては、可変リアクタンス素子として可変キャパシタVC3,VC4を用いたが、図14〜図17に示すように、可変キャパシタVCに代えて可変インダクタVLを用いてもよく、それらの回路構成もT型、π型など、自由に採用できる。さらには、可変リアクタンス素子の設置個数も2個に限定されるものではなく、1個もしくは3個以上の任意の個数にすることができる。
【0103】
また、上記各実施形態においては、インピーダンス整合器1の内部損失が無いものと仮定してインピーダンス整合器1の出力端1bにおける無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoを演算したが、インピーダンス整合器1の内部損失を演算するためのプログラムを採用してもよい。このようにすれば、より一層高い精度で無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどをモニタできる。
【0104】
また、インピーダンス整合器1内部の各素子の抵抗分を予め測定しておき、出力端1bにおける無線周波電流Ioからインピーダンス整合器1の内部損失を推定するように構成してもよい。この場合、出力端1bにおける無線周波電力Poは、入力端1aにおける無線周波電力Piとインピーダンス整合器1の内部損失との差となる。このようにすれば、インピーダンス整合器1の出力インピーダンスZo、無線周波電圧Vo、無線周波電流Io、および無線周波電圧Voと無線周波電流Ioとの位相差θoなどの精度はより一層高くなる。
【0105】
また、上記各実施形態においては、高周波電源31やプラズマプロセスチャンバー32とインピーダンス整合器1との間の伝送路のインピーダンスを無視したが、これらを予め測定しておき、補正データとして採用してもよい。このようにすれば、モニタの精度がより一層向上し、たとえばプラズマプロセスチャンバー32の電極に印加される無線周波電圧などを精度良く測定できる。
【0106】
また、上記各実施形態においては、入力側検出器2によりVi,Ii,θiの全てを検出したが、入力側検出器2によりVi,Iiを検出し、このVi,Iiを用いて制御部3によりθiを演算するように構成してもよい。
【0107】
また、上記各実施形態においては、プラズマプロセスチャンバー32のインピーダンスZlを直接モニタするように構成したが、これと共役関係にあるインピーダンス整合器1の出力インピーダンスZoをモニタするように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインピーダンス整合器の回路ブロック図の一例である。
【図2】出力インピーダンス算出用データを取得するための測定回路の第1の実施形態の構成を示す図である。
【図3】EEPROMに格納されるデータの説明図である。
【図4】出力インピーダンス算出用データを取得するための測定回路の第2の実施形態の構成を示す図である。
【図5】実際の使用時におけるインピーダンス整合器の接続状態を説明する説明図である。
【図6】インピーダンス整合器によるプラズマプロセスチャンバーのインピーダンスの調整範囲の限界を表す説明図である。
【図7】制御部の機能ブロック図である。
【図8】他の実施形態における制御部の機能ブロック図である。
【図9】本発明のインピーダンス整合器の出力端特性解析システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図10】補間演算の方法を説明するための図である。
【図11】測定値である抵抗分R1〜R3と比例計算によって算出される抵抗分R5,R6との関係を三次元で示した図である。
【図12】測定値である抵抗分R1,R3,R4と比例計算によって算出される抵抗分R5,R6との関係を三次元で示した図である。
【図13】補間演算の方法の変形例を説明するための図である。
【図14】他の実施形態における可変リアクタンス素子の回路図である。
【図15】さらに他の実施形態における可変リアクタンス素子の回路図である。
【図16】さらに他の実施形態における可変リアクタンス素子の回路図である。
【図17】さらに他の実施形態における可変リアクタンス素子の回路図である。
【図18】従来のインピーダンス整合器の実際の使用時における接続状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 インピーダンス整合器
1a 入力端
1b 出力端
2 入力側検出器
3 制御部(解析部,補間演算部)
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 入出力インターフェイス回路(入力部,出力部)
15 EEPROM(記憶部)
21 抵抗器
22 インピーダンス測定器
23 パーソナルコンピュータ(出力端特性解析器)
24 電力計
25 スイッチ
26 ダミーロード
31 高周波電源
32 プラズマプロセスチャンバー(負荷)
35,37,42 解析部
35a,37a,43 演算部
36,38 出力部
VC3 可変キャパシタ(可変リアクタンス素子)
VC4 可変キャパシタ(可変リアクタンス素子)
L2 インダクタ

Claims (18)

  1. 高周波電源が接続される入力端と負荷が接続される出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、
    前記入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器の出力端特性解析方法であって、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続する前に、前記出力端と前記負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを予め取得しておくデータ取得ステップと
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析ステップと、
    を有することを特徴とする、インピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  2. 前記データ取得ステップは、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に負荷を接続する前に、前記入力端に前記高周波電源の出力インピーダンスと等価なインピーダンスを有する抵抗器を接続するとともに、前記出力端から前記抵抗器側を見たインピーダンスを測定する機器を出力端に接続した状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを予め取得することを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  3. 前記データ取得ステップは、
    前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続する前に、前記インピーダンス整合器の入力端に、前記高周波電源を電力計を介して接続するとともに、前記インピーダンス整合器の出力端に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むダミーロードを接続した状態で、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値を予め定めた値に設定する第1ステップと、
    前記電力計で測定される反射波電力が最小または基準値以下になるように、前記ダミーロードの前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整する第2ステップと、
    前記インピーダンス整合器の出力端と前記ダミーロードとの接続を切り離した後に、前記ダミーロードの入力端にダミーロードのインピーダンスを測定する機器を接続した状態で、前記ダミーロードのインピーダンスを測定することによって、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスと共役なインピーダンスを測定する第3ステップと、
    前記第1ステップから第3ステップからなる一連のステップにおいて、前記第1ステップにおける前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値を順次変更していきながら、前記インピーダンス整合器の前記可変リアクタンス素子の可変値に対する 前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを取得する第4ステップと、
    からなることを特徴とする、請求項1に記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  4. 前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な全ての値を順次変化させつつ、各可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定することにより取得されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  5. 前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定し、その測定結果を用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を算出することにより取得されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  6. 予め取得される前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定したもので、
    前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記可変リアクタンス素子の前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとこの取得済のデータを用いて補間演算により算出されるサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報のデータとに基づいて、解析されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  7. 前記補間演算は、補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に隣接する少なくとも2個のサンプリング可変値のインピーダンス測定値を用いて比例計算により、前記補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に対するインピーダンスに関する情報を算出するものであることを特徴とする、請求項またはに記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  8. 前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記インピーダンス整合器の出力端における出力インピーダンス、電圧、電流、当該電圧と電流との位相差、および前記負荷のインピーダンスのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析方法。
  9. 高周波電源が接続される入力端と負荷が接続される出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、
    前記入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器であって、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続する前に、前記出力端と前記負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器に よって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを記憶する記憶部と、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と前記記憶部の記憶されたデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部と
    を備えたことを特徴とする、インピーダンス整合器。
  10. 高周波電源が接続される入力端と負荷が接続される出力端との間に少なくとも1の可変リアクタンス素子を含むリアクタンス回路と、
    前記入力端と前記リアクタンス回路との間に設けられ、前記高周波電源から入力される高周波の少なくとも電圧、電流を検出する入力側検出器と、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整することにより前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる制御部と、を含むインピーダンス整合器であって、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続する前に、前記出力端と前記負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態における前記出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを入力する入力部と、
    前記入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されると、そのリアクタンス値に関する情報と前記入力部から入力されるデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部と
    を備えたことを特徴とする、インピーダンス整合器。
  11. 前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な全ての値を順次変化させつつ、各可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定することにより取得されることを特徴とする、請求項または10に記載のインピーダンス整合器。
  12. 前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定し、その測定結果を用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を算出することにより取得されることを特徴とする、請求項または10に記載のインピーダンス整合器。
  13. 請求項9または10に記載のインピーダンス整合器において、
    予め取得される前記データは、前記可変リアクタンス素子の変更可能な値の一部をサンプリングし、そのサンプリング値を順次変化させつつ、各サンプリング可変値における前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を測定したもので、前記取得済のデータを用いて補間演算によりサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報を算出する補間演算部をさらに備え、
    前記解析部は、前記可変リアクタンス素子の前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるリアクタンス値に関する情報と予め取得された前記データとこの取得済のデータを用いて補間演算により算出されるサンプリングされなかった前記可変リアクタンス素子の残りの可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報のデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析することを特徴とするインピーダンス整合器。
  14. 前記補間演算は、補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に隣接する少なくとも2個のサンプリング可変値のインピーダンス測定値を用いて比例計算により、前記補間すべき可変リアクタンス素子の可変値に対するインピーダンスに関する情報を算出するものであることを特徴とする、請求項12または13に記載のインピーダンス整合器。
  15. 請求項ないし14のいずれかに記載のインピーダンス整合器において、
    前記解析部で解析されたインピーダンス整合器の出力端における電気的特性を外部に出力する出力部をさらに備えたことを特徴とする、インピーダンス整合器。
  16. 前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性は、前記インピーダンス整合器の出力端における出力インピーダンス、電圧、電流、当該電圧と電流との位相差、および前記負荷のインピーダンスのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項ないし15のいずれかに記載のインピーダンス整合器。
  17. 高周波電源が接続される入力端と、負荷が接続される出力端と、前記入力端と出力端との間に設けられ、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるための少なくとも1の可変リアクタンス素子と、前記高周波電源から前記入力端に入力される高周波電力の少なくとも電圧および電流を検出する入力側検出器と、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させるべく、前記入力側検出器からの検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を調整する制御部と、前記制御部により調整された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値に関する情報を外部に出力する出力部とを備えたインピーダンス整合器と、
    前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続する前に、前記インピーダンス整合器の出力端と負荷との接続を切り離した状態にし、且つ、前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に負荷を接続した状態における前記インピーダンス整合器の出力端から前記高周波電源側を見たインピーダンスと等価なインピーダンス、または前記インピーダンス整合器の出力端から負荷側を見たインピーダンスと等価なインピーダンスを、インピーダンスを測定する機器によって測定できる接続にした状態で、予め測定された前記可変リアクタンス素子の可変値に対する前記インピーダンス整合器の出力端におけるインピーダンスに関する情報の関係を示すデータを記憶する記憶部と、
    前記インピーダンス整合器の入力端に前記高周波電源を接続するとともに前記インピーダンス整合器の出力端に前記負荷を接続した状態で、前記入力側検出器の検出情報に基づいて前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値が前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンスを整合させる値に調整されたときに、前記インピーダンス整合器の出力部から出力されるリアクタンス値に関する情報を入力する入力部と、
    前記入力部から入力されるリアクタンス値に関する情報と前記記憶部に記憶されたデータとに基づいて、前記インピーダンス整合器の出力端における電気的特性を解析する解析部とを備えた出力端特性解析器と
    からなることを特徴とする、インピーダンス整合器の出力端特性解析システム。
  18. 請求項17に記載のインピーダンス整合器の出力端特性解析システムにおいて、前記出力端特性解析器は、前記解析部で解析された結果をモニタ出力する出力部をさらに備えることを特徴とする、インピーダンス整合器の出力端特性解析システム。
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