JP3017152B2 - 静電式インクジェット記録装置 - Google Patents
静電式インクジェット記録装置Info
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- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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- B41J2/17—Ink jet characterised by ink handling
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- B41J2/17503—Ink cartridges
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- B41J2/17—Ink jet characterised by ink handling
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Ink Jet (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式インクジェ
ット記録方式を採用する記録装置に関し、特に記録ヘッ
ドのインク供給圧力の緩衝機構に関する。
ット記録方式を採用する記録装置に関し、特に記録ヘッ
ドのインク供給圧力の緩衝機構に関する。
【０００２】
【従来の技術】静電式インクジェット記録方式を採用す
る記録装置では、記録ヘッドからのインク漏れを防止す
る目的で、或いは、記録ヘッド移動時の圧力変動を緩衝
する目的で、記録ヘッド及びインクタンクの改善が図ら
れている。
る記録装置では、記録ヘッドからのインク漏れを防止す
る目的で、或いは、記録ヘッド移動時の圧力変動を緩衝
する目的で、記録ヘッド及びインクタンクの改善が図ら
れている。
【０００３】図４は、特開昭６１―１１２６４８号公報
に記載された静電式インクジェット記録装置の模式的断
面図を示す。記録ヘッド２４のインク吐出部１７に隣接
するインク室２３の一端は、インク４０を供給するイン
クタンク５０にインク流入管５１を介して接続され、他
端は、空気層５９が密封された圧力調整パイプ５８に接
続されている。この構成によって、記録ヘッド２４のイ
ンク室２３の大きな圧力変化は、密封された空気室５９
の体積変化で吸収される。
に記載された静電式インクジェット記録装置の模式的断
面図を示す。記録ヘッド２４のインク吐出部１７に隣接
するインク室２３の一端は、インク４０を供給するイン
クタンク５０にインク流入管５１を介して接続され、他
端は、空気層５９が密封された圧力調整パイプ５８に接
続されている。この構成によって、記録ヘッド２４のイ
ンク室２３の大きな圧力変化は、密封された空気室５９
の体積変化で吸収される。
【０００４】図５は、特開平７―８１０８２号公報に記
載された静電式インクジェット記録装置に使用されるイ
ンクタンクの断面図を示す。インクタンク５１は、周囲
内壁の一部が弾性膜５４で構成されており、上面の中央
部に設けられた微小孔を有する網状部材５３と、この網
状部材にインクを供給する毛細管インク誘導部５２とを
備える。毛細管インク誘導部５２から供給されたインク
によって網状部材５３の微小孔に形成される表面張力
と、インクタンク内壁の弾性膜５４との組み合わせによ
って、内部の圧力を調節している。
載された静電式インクジェット記録装置に使用されるイ
ンクタンクの断面図を示す。インクタンク５１は、周囲
内壁の一部が弾性膜５４で構成されており、上面の中央
部に設けられた微小孔を有する網状部材５３と、この網
状部材にインクを供給する毛細管インク誘導部５２とを
備える。毛細管インク誘導部５２から供給されたインク
によって網状部材５３の微小孔に形成される表面張力
と、インクタンク内壁の弾性膜５４との組み合わせによ
って、内部の圧力を調節している。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】特開昭６１―１１２６
４８号公報に記載された静電式インクジェット記録装置
の記録ヘッドでは、記録ヘッドの移動により生ずるヘッ
ド内の微小な圧力変動を効果的に吸収出来ない欠点があ
る。また、特開平７―８１０８２号公報に記載された静
電式インクジェット記録装置に使用されるインクタンク
５１の構造では、上記欠点に加えてインク循環時にイン
クに気泡が混入する欠点もある。
４８号公報に記載された静電式インクジェット記録装置
の記録ヘッドでは、記録ヘッドの移動により生ずるヘッ
ド内の微小な圧力変動を効果的に吸収出来ない欠点があ
る。また、特開平７―８１０８２号公報に記載された静
電式インクジェット記録装置に使用されるインクタンク
５１の構造では、上記欠点に加えてインク循環時にイン
クに気泡が混入する欠点もある。
【０００６】本発明の目的は、記録ヘッドの移動時に起
こるヘッド内の微小な圧力変動を低減することにより、
インク室の内圧を安定に保つことができ、印字品質が安
定した静電式インクジェット記録装置を提供することに
ある。
こるヘッド内の微小な圧力変動を低減することにより、
インク室の内圧を安定に保つことができ、印字品質が安
定した静電式インクジェット記録装置を提供することに
ある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の静電式インクジ
ェット記録装置の記録ヘッドは、インクを吐出する記録
ヘッドと、インクを収容するインクタンクと、前記記録
ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させるイン
ク流入管及びインク流出管とを備える静電式インクジェ
ット記録装置において、前記記録ヘッドが、インク流入
管に接続された流入側インク室と、インク流出管に接続
された流出側インク室と、前記流入側インク室及び流出
側インク室よりも高い位置に配設され、印字のためのイ
ンクを吐出する吐出部インク室と、前記流入側インク室
のインク面よりも下方に吸い込み口を有し、前記流入側
インク室と前記吐出部インク室とを連通するサイホン管
と、前記流出側インク室のインク面よりも上方に吐出口
を有し、前記吐出部インク室から前記流出側インク室に
インクを送出するインク送出管とを備えることを特徴と
する。
ェット記録装置の記録ヘッドは、インクを吐出する記録
ヘッドと、インクを収容するインクタンクと、前記記録
ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させるイン
ク流入管及びインク流出管とを備える静電式インクジェ
ット記録装置において、前記記録ヘッドが、インク流入
管に接続された流入側インク室と、インク流出管に接続
された流出側インク室と、前記流入側インク室及び流出
側インク室よりも高い位置に配設され、印字のためのイ
ンクを吐出する吐出部インク室と、前記流入側インク室
のインク面よりも下方に吸い込み口を有し、前記流入側
インク室と前記吐出部インク室とを連通するサイホン管
と、前記流出側インク室のインク面よりも上方に吐出口
を有し、前記吐出部インク室から前記流出側インク室に
インクを送出するインク送出管とを備えることを特徴と
する。
【０００８】本発明の静電式インクジェット記録装置の
前記記録ヘッドは更に、前記インク流入側インク室に連
通し、インクが流入しない流入側空気室と、前記流出側
インク室に連通し、インクが流入しない流出側空気室と
を備えることが好ましい。この場合、大きな体積変化に
よって圧力変化を更に良く吸収できる。更に、前記各空
気室は、少なくとも一部が弾性膜からなる隔壁で区画さ
れることが好ましい。この場合、圧力変化が弾性膜によ
って更に効果的に吸収される。更に、各弾性膜が、記録
ヘッドの移動方向に平行に配設されることが好ましい。
この場合、記録ヘッドの移動時における弾性膜自身の質
量により発生する慣性力は、弾性膜に対して平行に作用
するため不要な圧力変動を起こさない。
前記記録ヘッドは更に、前記インク流入側インク室に連
通し、インクが流入しない流入側空気室と、前記流出側
インク室に連通し、インクが流入しない流出側空気室と
を備えることが好ましい。この場合、大きな体積変化に
よって圧力変化を更に良く吸収できる。更に、前記各空
気室は、少なくとも一部が弾性膜からなる隔壁で区画さ
れることが好ましい。この場合、圧力変化が弾性膜によ
って更に効果的に吸収される。更に、各弾性膜が、記録
ヘッドの移動方向に平行に配設されることが好ましい。
この場合、記録ヘッドの移動時における弾性膜自身の質
量により発生する慣性力は、弾性膜に対して平行に作用
するため不要な圧力変動を起こさない。
【０００９】一般に、静電式インクジェット記録装置の
記録ヘッドでは、記録ヘッドに生ずる衝撃的な圧力変動
を速やかに吸収し、記録ヘッドの内圧を安定に保つ必要
がある。このような圧力変動には、左右方向への高速移
動において生ずるインク室内のインク自身の波動による
圧力変動と、記録ヘッドの移動時にインク循環パイプ部
から生ずる圧力変動とがある。このような圧力変動を効
率よく吸収するためには、インク室内及びインク循環パ
イプ部をインクが適切に循環すると共に、インクを吐出
するインク室内の空間と、インク流入管と、インク流出
管との間でインクが流体として不連続であることが望ま
しい。
記録ヘッドでは、記録ヘッドに生ずる衝撃的な圧力変動
を速やかに吸収し、記録ヘッドの内圧を安定に保つ必要
がある。このような圧力変動には、左右方向への高速移
動において生ずるインク室内のインク自身の波動による
圧力変動と、記録ヘッドの移動時にインク循環パイプ部
から生ずる圧力変動とがある。このような圧力変動を効
率よく吸収するためには、インク室内及びインク循環パ
イプ部をインクが適切に循環すると共に、インクを吐出
するインク室内の空間と、インク流入管と、インク流出
管との間でインクが流体として不連続であることが望ま
しい。
【００１０】そこで、本発明の静電式インクジェット記
録装置の記録ヘッドによれば、圧力変動は、各インク室
が分離されることによってインク室内の空気の体積変化
によって吸収される。このため、吐出部の液面が安定す
る。
録装置の記録ヘッドによれば、圧力変動は、各インク室
が分離されることによってインク室内の空気の体積変化
によって吸収される。このため、吐出部の液面が安定す
る。
【００１１】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明を更に詳細
に説明する。図１は、本発明の静電式インクジェット記
録装置の模式的断面図である。静電式インクジェット記
録装置は、記録ヘッド２４と、インクタンク５０と、記
録ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させるイ
ンク流入管５１及びインク流出管５２とを有する。
に説明する。図１は、本発明の静電式インクジェット記
録装置の模式的断面図である。静電式インクジェット記
録装置は、記録ヘッド２４と、インクタンク５０と、記
録ヘッドとインクタンクとの間でインクを循環させるイ
ンク流入管５１及びインク流出管５２とを有する。
【００１２】インク流出管５２には、インクに負圧をか
けるための循環ポンプ５７が配設されている。記録ヘッ
ド２４は、図４に示されている一般的な構造のインク吐
出部１７及び吐出部インク室２３を有している。
けるための循環ポンプ５７が配設されている。記録ヘッ
ド２４は、図４に示されている一般的な構造のインク吐
出部１７及び吐出部インク室２３を有している。
【００１３】図２は、記録ヘッド２４の断面図で、図１
のII-II矢視図である。記録ヘッド２４は吐出部インク
室２３に加えて、その下方にインク流入側と流出側とに
合わせて４つの空間を持っている。すなわち、インク流
入側には、インク室５８ａと空気室５９ａとの２つの空
間を有し、インク流出側には、インク室５８ｂと空気室
５９ｂとの２つの空間を有している。空気室５９ａ、５
９ｂは、それぞれの一面が弾性膜５３で区画されてい
る。また、空気室５９ａ、５９ｂと各々に対応するイン
ク室５８ａ、５８ｂとは隔壁５４で隔てられている。イ
ンク流入側のインク室５８ａと空気室５９ａとの間、及
び、インク流出側のインク室５８ｂと空気室５９ｂとの
間は、小孔５５を介して各々連通している。インク流入
側とインク流出側とは、隔壁６０によって分離されてい
る。
のII-II矢視図である。記録ヘッド２４は吐出部インク
室２３に加えて、その下方にインク流入側と流出側とに
合わせて４つの空間を持っている。すなわち、インク流
入側には、インク室５８ａと空気室５９ａとの２つの空
間を有し、インク流出側には、インク室５８ｂと空気室
５９ｂとの２つの空間を有している。空気室５９ａ、５
９ｂは、それぞれの一面が弾性膜５３で区画されてい
る。また、空気室５９ａ、５９ｂと各々に対応するイン
ク室５８ａ、５８ｂとは隔壁５４で隔てられている。イ
ンク流入側のインク室５８ａと空気室５９ａとの間、及
び、インク流出側のインク室５８ｂと空気室５９ｂとの
間は、小孔５５を介して各々連通している。インク流入
側とインク流出側とは、隔壁６０によって分離されてい
る。
【００１４】図１において、インクタンク５０は、外部
のインク流入管５１及びこれから延長してインク室内に
延びている内部インク流入管２６を介して、記録ヘッド
２４の流入側インク室５８ａに接続されている。インク
流入管２６は、流入側インク室５８ａの内部上方に延
び、その上端が流入側インク室内に開放している。イン
ク吸入管２７は、上部に配設された吐出部インク室２３
から立ち下がり流入側インク室５８ａの下部に延びてお
り、その下端は開放し、上端は吐出部インク室２３に接
続され、これを介してインク流出管２５に接続されてい
る。インク流入管２６及びインク吸入管２７のインク室
５８ａ内における長さは、必要とするインク面の高さに
従って決められる。インク流出管２５の先端は、流出側
インク室５８ｂの上部で開放し、流出側インク室５８ｂ
の下部には、インク流出口２８が形成され、インク流出
口２８はインク流出管５２に接続されている。
のインク流入管５１及びこれから延長してインク室内に
延びている内部インク流入管２６を介して、記録ヘッド
２４の流入側インク室５８ａに接続されている。インク
流入管２６は、流入側インク室５８ａの内部上方に延
び、その上端が流入側インク室内に開放している。イン
ク吸入管２７は、上部に配設された吐出部インク室２３
から立ち下がり流入側インク室５８ａの下部に延びてお
り、その下端は開放し、上端は吐出部インク室２３に接
続され、これを介してインク流出管２５に接続されてい
る。インク流入管２６及びインク吸入管２７のインク室
５８ａ内における長さは、必要とするインク面の高さに
従って決められる。インク流出管２５の先端は、流出側
インク室５８ｂの上部で開放し、流出側インク室５８ｂ
の下部には、インク流出口２８が形成され、インク流出
口２８はインク流出管５２に接続されている。
【００１５】循環ポンプ５７は、インクタンク５０と流
出側インク室５８ｂとを接続するインク流出管５２の中
間部に配設され、インク室内のインク４０に一定の負圧
をかけてインクを循環させている。循環ポンプ５７が記
録ヘッド内のインク４０を吸引し、インクタンク５０に
送り込むことで、吐出部インク室２３内が負圧となる。
印字の進行によってインクが消費され、空気室５９ａ、
５９ｂの圧力が低下すると、インク流入管５１から新た
にインク４０が流れ込む。また吐出部インク室２３のイ
ンク吐出部１７は、先端部の外部大気と接触する箇所で
インクメニスカス液面を形成する。循環ポンプ５７の設
定流量は、インクタンク５０から吐出部インク室２３に
至るインク流入管５１内の圧力損失よりも大きく、且
つ、インク吐出部１７に発生する最も弱い毛細管力より
も小さく設定される。従って、吐出部インク室内２３に
加えられる負圧によってインクメニスカス液面が引き込
まれることはない。
出側インク室５８ｂとを接続するインク流出管５２の中
間部に配設され、インク室内のインク４０に一定の負圧
をかけてインクを循環させている。循環ポンプ５７が記
録ヘッド内のインク４０を吸引し、インクタンク５０に
送り込むことで、吐出部インク室２３内が負圧となる。
印字の進行によってインクが消費され、空気室５９ａ、
５９ｂの圧力が低下すると、インク流入管５１から新た
にインク４０が流れ込む。また吐出部インク室２３のイ
ンク吐出部１７は、先端部の外部大気と接触する箇所で
インクメニスカス液面を形成する。循環ポンプ５７の設
定流量は、インクタンク５０から吐出部インク室２３に
至るインク流入管５１内の圧力損失よりも大きく、且
つ、インク吐出部１７に発生する最も弱い毛細管力より
も小さく設定される。従って、吐出部インク室内２３に
加えられる負圧によってインクメニスカス液面が引き込
まれることはない。
【００１６】図３（ａ）は、図１の記録ヘッドの断面図
で、インクが記録ヘッド内に流入した状態を示してい
る。循環ポンプ５７が作動し、インク吸入管２７によっ
て流入側インク室５８ａ内のインクが吸引されると、流
入側インク室５８ａ内の圧力が低下し、インクタンク５
０との間で圧力差が生ずる。これによってインク流入管
５１を通じてインク４０が吐出部インク室２３方向に向
かって流れる。インク４０は、流入側インク室５８ａ内
に流れ込み、インク流入管２６の端部より流出し、流入
側のインク室５８ａ下部に溜まり、インク室５８ａの上
部に空間を残したまま、インク吸入管２７によって吸引
され、吐出部インク室２３に到達する。吐出部インク室
２３を通過したインク４０は、インク流出管２５を通っ
て流出側インク室５８ｂに流れ、インク流出口２８を通
り、インク流出管５２を経由してインクタンク５０に戻
る。こうして定常のインク循環状態ができ、特に外部か
らの圧力が生じない限りこの循環状態が保たれる。各イ
ンク室内は負圧に保たれているので、弾性膜５３は外部
との圧力差分だけ内側に湾曲している。図３（ｂ）は、
この状態における弾性膜５３を示している。
で、インクが記録ヘッド内に流入した状態を示してい
る。循環ポンプ５７が作動し、インク吸入管２７によっ
て流入側インク室５８ａ内のインクが吸引されると、流
入側インク室５８ａ内の圧力が低下し、インクタンク５
０との間で圧力差が生ずる。これによってインク流入管
５１を通じてインク４０が吐出部インク室２３方向に向
かって流れる。インク４０は、流入側インク室５８ａ内
に流れ込み、インク流入管２６の端部より流出し、流入
側のインク室５８ａ下部に溜まり、インク室５８ａの上
部に空間を残したまま、インク吸入管２７によって吸引
され、吐出部インク室２３に到達する。吐出部インク室
２３を通過したインク４０は、インク流出管２５を通っ
て流出側インク室５８ｂに流れ、インク流出口２８を通
り、インク流出管５２を経由してインクタンク５０に戻
る。こうして定常のインク循環状態ができ、特に外部か
らの圧力が生じない限りこの循環状態が保たれる。各イ
ンク室内は負圧に保たれているので、弾性膜５３は外部
との圧力差分だけ内側に湾曲している。図３（ｂ）は、
この状態における弾性膜５３を示している。
【００１７】記録ヘッドの左右方向への移動により、イ
ンク流入管５１及びインク流出管５２内のインク４０に
記録ヘッド移動時の慣性力が加えられると、インク４０
内に圧力変動が起き、圧力波が伝播する。また、インク
流出管５２は循環ポンプ５７を内蔵しているので、循環
ポンプ５７周辺の振動もインク４０を介して伝播する。
これら圧力波は、空気室５９ａ、５９ｂ内の空気の体積
変化によって減衰され、ヘッド本体２４内の吐出部イン
ク室２３に到達する圧力波は振動周期及び最大値ともに
減衰されて伝わる。空気室５９ａ、５９ｂ内の圧力が変
動したとき、弾性膜５３も圧力変化に応じて変形する。
例えば、空気室５９の圧力をＰ(Pa)、体積をＶ(ｍ３)、
弾性膜５３の膜変形体積係数をＫ(ｍ３/Pa)とし、圧力
がΔＰ(Pa)変化してＰ＋ΔＰ(Pa)となったとき、膜の変
形体積ΔＶ(ｍ３)は Ｋ×ΔＰに等しい。体積変化によ
る圧力変化（Ｐ＋ΔＰ）×Ｖは、（Ｐ＋ΔＰ２）×（Ｖ
＋ΔＶ）に等しく、また、（Ｐ＋ΔＰ２）×（Ｖ＋ Ｋ
×ΔＰ）とも等しい。よってゲージ圧でＰ＝０としたと
き、圧力の減衰率、ΔＰ２／ΔＰ は、 Ｖ／（Ｖ＋Ｋ
ΔＰ）と等しい。一例として、ＫΔＰ＝０.５Ｖのとき
圧力減衰率は６７％となる。空気室内は正圧になること
があり、この場合、弾性膜５３は、図３（ｃ）に示す外
側に向かって湾曲する形状変化を示す。
ンク流入管５１及びインク流出管５２内のインク４０に
記録ヘッド移動時の慣性力が加えられると、インク４０
内に圧力変動が起き、圧力波が伝播する。また、インク
流出管５２は循環ポンプ５７を内蔵しているので、循環
ポンプ５７周辺の振動もインク４０を介して伝播する。
これら圧力波は、空気室５９ａ、５９ｂ内の空気の体積
変化によって減衰され、ヘッド本体２４内の吐出部イン
ク室２３に到達する圧力波は振動周期及び最大値ともに
減衰されて伝わる。空気室５９ａ、５９ｂ内の圧力が変
動したとき、弾性膜５３も圧力変化に応じて変形する。
例えば、空気室５９の圧力をＰ(Pa)、体積をＶ(ｍ３)、
弾性膜５３の膜変形体積係数をＫ(ｍ３/Pa)とし、圧力
がΔＰ(Pa)変化してＰ＋ΔＰ(Pa)となったとき、膜の変
形体積ΔＶ(ｍ３)は Ｋ×ΔＰに等しい。体積変化によ
る圧力変化（Ｐ＋ΔＰ）×Ｖは、（Ｐ＋ΔＰ２）×（Ｖ
＋ΔＶ）に等しく、また、（Ｐ＋ΔＰ２）×（Ｖ＋ Ｋ
×ΔＰ）とも等しい。よってゲージ圧でＰ＝０としたと
き、圧力の減衰率、ΔＰ２／ΔＰ は、 Ｖ／（Ｖ＋Ｋ
ΔＰ）と等しい。一例として、ＫΔＰ＝０.５Ｖのとき
圧力減衰率は６７％となる。空気室内は正圧になること
があり、この場合、弾性膜５３は、図３（ｃ）に示す外
側に向かって湾曲する形状変化を示す。
【００１８】弾性膜５３を有する空気室５９ａ、５９ｂ
と、インク４０の通過するインク室５８ａ、５８ｂと
は、前記の通り、小孔５５を有する隔壁５４によって仕
切られている。この小孔５５は、インク４０のインク面
に接触しない高い位置にあるため、空気は通過するがイ
ンク４０は通過せず、そのため弾性膜５３はインク４０
と直接に接しない。このため、接液に起因する弾性膜の
劣化は生じない。さらに弾性膜５３の表面はヘッドの移
動方向と平行に構成されているため、記録ヘッドの移動
時に、弾性膜５３自身の質量により発生する慣性力は、
弾性膜５３に対して平行に作用するため、不要な圧力変
動を起こさない。
と、インク４０の通過するインク室５８ａ、５８ｂと
は、前記の通り、小孔５５を有する隔壁５４によって仕
切られている。この小孔５５は、インク４０のインク面
に接触しない高い位置にあるため、空気は通過するがイ
ンク４０は通過せず、そのため弾性膜５３はインク４０
と直接に接しない。このため、接液に起因する弾性膜の
劣化は生じない。さらに弾性膜５３の表面はヘッドの移
動方向と平行に構成されているため、記録ヘッドの移動
時に、弾性膜５３自身の質量により発生する慣性力は、
弾性膜５３に対して平行に作用するため、不要な圧力変
動を起こさない。
【００１９】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の静電式インクジェット記録
ヘッドは、上記実施形態例の構成にのみ限定されるもの
でなく、上記実施形態例の構成から種々の修正および変
更を施した静電式インクジェット記録ヘッドも、本発明
の範囲に含まれる。
づいて説明したが、本発明の静電式インクジェット記録
ヘッドは、上記実施形態例の構成にのみ限定されるもの
でなく、上記実施形態例の構成から種々の修正および変
更を施した静電式インクジェット記録ヘッドも、本発明
の範囲に含まれる。
【００２０】
【発明の効果】本発明の静電式インクジェット記録装置
の記録ヘッドによれば、圧力変動は、各インク室が分離
されることによってインク室内の空気の体積変化によっ
て吸収される。このため、吐出部の液面が安定し、印字
品質を向上させることができ、内部圧力の緩衝機構を一
体化した小型の記録ヘッドが実現できる。
の記録ヘッドによれば、圧力変動は、各インク室が分離
されることによってインク室内の空気の体積変化によっ
て吸収される。このため、吐出部の液面が安定し、印字
品質を向上させることができ、内部圧力の緩衝機構を一
体化した小型の記録ヘッドが実現できる。
【図１】本発明の一実施形態例の静電式インクジェット
記録装置の模式的断面図である。
記録装置の模式的断面図である。
【図２】図１の記録ヘッドの断面図で、図１のII-II矢
視図である。
視図である。
【図３】図１の記録ヘッドのインクと空気圧の状況を示
す断面図である。（ａ）は、インクが流入した状態、
（ｂ）は、空気室の負圧発生時、（ｃ）は、空気室の正
圧発生時を示す。
す断面図である。（ａ）は、インクが流入した状態、
（ｂ）は、空気室の負圧発生時、（ｃ）は、空気室の正
圧発生時を示す。
【図４】従来の静電式インクジェット記録装置の模式的
断面図である。
断面図である。
【図５】従来の静電式インクジェット記録装置のインク
タンクの断面図である。
タンクの断面図である。
１７ インク吐出部 ２３ 吐出部インク室 ２４ 記録ヘッド ２５ インク流出管 ２６ インク流入管 ２７ インク吸入管 ２８ インク流出口 ４０ インク ５０ インクタンク ５１ インク流入管 ５２ インク流出管 ５３ 弾性膜 ５４ インク室と空気室の隔壁 ５５ 小孔 ５７ 循環ポンプ ５８ インク室 ５８ａ 流入側インク室 ５８ｂ 流出側インク室 ５９ 空気室 ５９ａ 流入側空気室 ５９ｂ 流出側空気室 ６０ インク流入側とインク流出側の隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峯本 仁史 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 竹本 人司 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 島 和男 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 薬師寺 徹 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平６−64185（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−169254（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−112648（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B41J 2/06 B41J 2/175
Claims (4)
- 【請求項１】 インクを吐出する記録ヘッドと、インク
を収容するインクタンクと、前記記録ヘッドとインクタ
ンクとの間でインクを循環させるインク流入管及びイン
ク流出管とを備える静電式インクジェット記録装置にお
いて、 前記記録ヘッドが、インク流入管に接続された流入側イ
ンク室と、インク流出管に接続された流出側インク室
と、前記流入側インク室及び前記流出側インク室よりも
高い位置に配設され、印字のためのインクを吐出する吐
出部インク室と、前記流入側インク室のインク面よりも
下方に吸い込み口を有し、前記流入側インク室と前記吐
出部インク室とを連通するサイホン管と、前記流出側イ
ンク室のインク面よりも上方に吐出口を有し、前記吐出
部インク室から前記流出側インク室にインクを送出する
インク送出管と、前記流入側インク室に連通し圧力変化
に応じて体積変化を生ずる流入側空気室と、前記流出側
インク室に連通し圧力変化に応じて体積変化を生ずる流
出側空気室とを備えることを特徴とする静電式インクジ
ェット記録装置。 - 【請求項２】 前記流入側空気室及び前記流出側空気室
にインクが侵入しない、請求項１に記載の静電式インク
ジェット記録装置。 - 【請求項３】 前記各空気室は、少なくとも一部が弾性
膜からなる隔壁で区画される、請求項２に記載の静電式
インクジェット記録装置。 - 【請求項４】 前記弾性膜が記録ヘッドの移動方向に平
行に配設される、請求項３に記載の静電式インクジェッ
ト記録装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9356455A JP3017152B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 静電式インクジェット記録装置 |
| US09/220,747 US6152557A (en) | 1997-12-25 | 1998-12-23 | Electrostatic ink jet recorder |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9356455A JP3017152B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 静電式インクジェット記録装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11179899A JPH11179899A (ja) | 1999-07-06 |
| JP3017152B2 true JP3017152B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=18449101
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9356455A Expired - Fee Related JP3017152B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 静電式インクジェット記録装置 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6152557A (ja) |
| JP (1) | JP3017152B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102214213B1 (ko) * | 2019-06-25 | 2021-02-08 | 김진섭 | 알루미늄 조립 팔레트 |
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|---|---|---|---|---|
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| JP4543952B2 (ja) * | 2004-11-17 | 2010-09-15 | ブラザー工業株式会社 | インクジェットヘッド |
| JP5248421B2 (ja) * | 2009-06-22 | 2013-07-31 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出装置 |
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| JPS61112648A (ja) * | 1984-11-07 | 1986-05-30 | Nec Corp | マルチノズル印字ヘツド |
| JPS61169254A (ja) * | 1985-01-23 | 1986-07-30 | Nec Corp | ドロツプオンデマンド型インクジエツトヘツド |
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| JPH0820111A (ja) * | 1994-07-05 | 1996-01-23 | Canon Inc | 液体噴射記録ヘッドおよびこれを搭載する液体噴射記録装置 |
| US5818485A (en) * | 1996-11-22 | 1998-10-06 | Xerox Corporation | Thermal ink jet printing system with continuous ink circulation through a printhead |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP9356455A patent/JP3017152B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1998
- 1998-12-23 US US09/220,747 patent/US6152557A/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102214213B1 (ko) * | 2019-06-25 | 2021-02-08 | 김진섭 | 알루미늄 조립 팔레트 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11179899A (ja) | 1999-07-06 |
| US6152557A (en) | 2000-11-28 |
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