JP3016847B2 - 香味の改良法 - Google Patents

香味の改良法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、食品、化粧品、医薬部外品、医薬品の香
味を改良する方法に係るものであって、詳しくは各種の
食品、たとえばチューイングガム、キャンデー、錠菓、
キャラメル、その他菓子類、ゼリー、プリン、その他デ
ザート食品、炭酸飲料、無炭酸飲料、その他清涼飲料、
アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク、シャー
ベット、その他冷菓、及び歯みがき、マウスウオッシ
ュ、その他化粧品、口中清涼剤、薬用歯みがき、その他
医薬部外品、トローチ、うがい薬、その他医薬品などの
香味を改良し、嗜好性を高めることに係るものである。
〔従来の技術〕
これまで、食品、化粧品、医薬部外品、医薬品などに
清涼感を付与する方法ととしてペパーミント(Mentha p
iperita)より得られる精油、和種ハッカ(Mentha arve
nsis)より得られる精油が単独又は配合して使用されて
きた。これらの精油に更に清涼感を増強させる目的で、
l−メントールを併用することも試みられてきた。しか
しながらペーパーミントより得られる精油及び和種ハッ
カより得られる精油に含まれるl−メントールや、別に
配合するl−メントールは苦味や刺激臭が強く、嗜好性
に必ずしも良好な影響を与えないという欠点が指摘され
てきた。また、そのような欠点を補うためにスペアミン
ト(Mentha spicata)より得られる精油などを併用する
手段なども講じられてきたが、スペアミント油はその香
り立ちの特性上かえって清涼感が阻害されるというマイ
ナス効果を生じるという欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために本発明は、これまで一般
によく知られているハッカ属(Mentha)のペパーミン
ト、和種ハッカおよびスペアミント以外のハッカ属の品
種について研究を重ね、l−メントール及び、又はペー
パーミント(Mentha piperita)より得られる精油(以
下ペパーミント油と記す)及び、又は和種ハッカ(Ment
ha arvensis)より得られる精油(以下ハッカ油と記
す)と、シソ科ハッカ属(Mentha)の他の品種であるア
ップルミント(Mentha rotundifolia)より得られる精
油(以下アップルミント油と記す)、ベルガモットミン
ト(別名:オーデコロンミントMentha citrata)より得
られる精油(以下ベルガモットミント油と記す)、パイ
ナップルミント(Mentha suaveolens)より得られる精
油(以下パイナップルミント油と記す)から選ばれた1
種又は2種以上の精油を配合することにより、l−メン
トールやl−メントールを含む精油例えばペパーミント
油、ハッカ油の持つ苦味や刺激臭を抑えマイルドでしか
も清涼感の増強された嗜好性の高い香味に改良する効果
があることを見出した。
なお、l−メントールやペパーミント油、ハッカ油に
対するアップルミント、ベルガモットミント及びパイナ
ップルミントより夫々得られる精油の配合比率は1:99〜
99:1(重量比)の範囲において効果を発揮するが、とく
に10:90〜90:10の範囲が望ましい。
ここにこの発明は目的を達し得る。
以下に本発明を実験例により説明する。
実験例1 香料組成物A:アップルミント油10部、ペパーミント油
60部。l−メントール30部。
香料組成物B:ペパーミント油70部、l−メントール30
部。
チューイングガムとしてガムベース25部、砂糖20部、
含水ブトウ糖52部、水飴3部を加温混練し、これに上記
香料組成物Aを1%添加し混練して調製したもの及び香
料組成物Aの代りに香料組成物Bを1%添加し混練して
調製したものを8名の専門パネラー(男性6名、女性2
名、年齢20才〜40才)にて官能評価を行ったところ次表
に示すような結果を得た。
このことからアップルミント油を配合した香料組成物
の方がいずれの官能評価項目においても優れた効果を示
すことが明かとなった。
実験例2 香料組成物C:アップルミント油6部、ベルガモットミ
ント油2部、パイナップルミント油2部、ペパーミント
油60部、スペアミント油30部。
香料組成物D:ペパーミント油66.7部、スペアミント油
33.3部。
ハードキャンデーとして砂糖60部、水飴40部、水20部
を約150℃まで煮つめて攪拌しながら放冷し約120℃まで
温度を下げた時点でこれに上記香料組成物Cを0.1%添
加し型に流して調製したもの及び香料組成物Cの代りに
Dを0.1%添加し調製したものを実験例1と同様に8名
の専門パネラーにて官能評価を行ったところ次表に示す
ような結果を得た。
上記の結果から明らかなように、香料組成物Dに示す
ペパーミント油とスペアミント油の配合品、いわゆる従
来のダブルミントより、これに他のハッカ属の品種より
得られる精油(アップルミント油、ベルガモットミント
油、パイナップルミント油)を配合したものの方がペパ
ーミント油の苦味を抑え、清涼感を増強し、全体として
嗜好性が高まるという効果が明らかとなった。
実施例1 香料組成物E:アップルミント油0.2部、l−メントー
ル0.1部、酢酸イソアミル1部、酪酸エチル0.5部、エタ
ノール56.2部、水42部。
飲料処方として果糖ぶどう糖液糖11部、クエン酸(結
晶)0.2部、カラメル0.1部、香料組成物E0.2部、水88.5
部を攪拌溶解して93℃まで加熱、直ちにびん詰して密
栓、水冷して調製されたものを官能評価した。その結
果、苦味がなく清涼感のある嗜好性の高い飲料が得られ
た。
実施例2 香料組成物F:アップルミント油10部、パイナップルミ
ント10部、ペパーミント油50部、スペアミント油30部 歯みがき処方として炭酸カルシウム45部、プロピレン
グリコール10部、ソルビット液(70%)14部、ラウリル
硫酸ナトリウム2部、安息香酸ナトリウム0.1部、サッ
カリンナトリウム0.1部、CMC1.1部、無水ケイ酸2.5部、
香料組成物F1部、水24.2部を真空ニーダー中でよく混練
しプラスチックチューブに充填して調製されたものを官
能評価した。その結果これまでの歯みがきにはなかった
幅広いミント系の香り立ちで、且つ清涼感の強い歯みが
きの香味であることが認められた。
実施例3 香料組成物G:アップルミント油0.2部、パイナップル
ミント油0.2部、l−メントール0.2部、酢酸イソアミル
1部、バニリン5部、エタノール53.4部、水40部、 アイスクリーム処方を、加糖れん乳12.25部、無塩バ
ター5部、生クリーム6.5部、脱脂粉乳5部、砂糖5
部、水飴(75%)10部、安定剤0.3部、乳化剤0.25部、
香料組成物G0.2部、水55.5部としたものにおいて、まず
溶解タンクに水55部を入れ攪拌しながら脱脂粉乳5部、
砂糖5部、安定剤0.3部、乳化剤0.25部を混合したもの
を徐々に加えた後、加糖れん乳12.25部、生クリーム6.5
部、水飴(75%)10部、溶かした無塩バター10部、香料
組成物G0.2部を加えて、80℃前後になったら同温度で10
分間攪拌溶解し、残りの水を加えて全量を100部に調製
し、150kg/cm2で均質化し、95℃、10秒間プレート殺菌
後、7℃までプレート冷却し、5℃で3時間エージング
し、フリージング後オーバーラン80%で取り出しアイス
クリームを調製した。
その結果、これまであまり試みられなかったミント系
の香料のアイスクリームへの応用という点で、清涼感の
ある苦味のない新しいタイプの嗜好性の高い香りを持つ
アイスクリームであることが認められた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)l−メントール、ペーパーミント
    (Mentha piperita)より得られる精油、和種ハッカ(M
    entha arvensia)より得られる精油の1種又は2種以上
    と、 (b)アップルミント(Mentha rotundifolia)、ベル
    ガモット(別名:オーデコロンミントMentha citrat
    a)、パイナップルミント(Mentha suaveolens)より得
    られる精油から選ばれる1種又は2種以上の 上記(a)成分と(b)成分とを配合してなる組成物を
    用いることを特徴とする香味の改良方法。
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