JP3016726B2 - 地盤改良部のシールド工法 - Google Patents
地盤改良部のシールド工法Info
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- ground
- mud
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- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント系固化剤を
注入した地盤改良部をスムースに掘進するシールド工法
に関する。
注入した地盤改良部をスムースに掘進するシールド工法
に関する。
【0002】
【従来の技術】泥土圧シールド工法では,切羽安定性向
上のために粘土鉱物や水溶性高分子或いは不溶性高分子
等を主体とする加泥用材料を水に分散または溶解した加
泥材が使用されている。
上のために粘土鉱物や水溶性高分子或いは不溶性高分子
等を主体とする加泥用材料を水に分散または溶解した加
泥材が使用されている。
【0003】この加泥材の使用に当たっては,対応土質
や機械の構造等に応じてその比重や粘度が適切となるよ
うに選定され,またカッターチャンバー内への注入量お
よび注入圧を適正に調節することによって,切羽の土圧
に対抗すると共に,混練や排土が適切に行えるような塑
性流動化が確保できるような考慮が払われている。しか
し,切削土中のセメント系固化材の混入に対しての適切
な配慮はあまりなされていなかった。
や機械の構造等に応じてその比重や粘度が適切となるよ
うに選定され,またカッターチャンバー内への注入量お
よび注入圧を適正に調節することによって,切羽の土圧
に対抗すると共に,混練や排土が適切に行えるような塑
性流動化が確保できるような考慮が払われている。しか
し,切削土中のセメント系固化材の混入に対しての適切
な配慮はあまりなされていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セメント系固化剤を注
入した地盤改良部を泥土圧シールド工法によって掘削す
るさいには,未反応のセメント成分が切削土砂内に混入
することがある。この場合,前記のような水に加泥用材
料を含ませた水系加泥材がこの切削土砂とカッターチャ
ンバー内で攪拌混練されるとセメントの固化反応が進行
し,カッターやチャンバー内側に付着固化して掘削性能
を低下させたり,排土用のスクリューコンベア内で固化
して排土を不能にするといったトラブルを引き起こす。
本発明はこのようなトラブルの回避を目的としたもので
ある。
入した地盤改良部を泥土圧シールド工法によって掘削す
るさいには,未反応のセメント成分が切削土砂内に混入
することがある。この場合,前記のような水に加泥用材
料を含ませた水系加泥材がこの切削土砂とカッターチャ
ンバー内で攪拌混練されるとセメントの固化反応が進行
し,カッターやチャンバー内側に付着固化して掘削性能
を低下させたり,排土用のスクリューコンベア内で固化
して排土を不能にするといったトラブルを引き起こす。
本発明はこのようなトラブルの回避を目的としたもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,セメン
ト系固化剤を注入した地盤改良部を泥土圧シールド工法
によって掘削するさいに,セメント固化反応抑制剤を切
羽安定用加泥材に配合することを特徴とする地盤改良部
のシールド工法を提供する。セメント固化反応抑制剤と
してはグルコン酸,酒石酸またはしょ糖の少なくとも1
種を用いる。
ト系固化剤を注入した地盤改良部を泥土圧シールド工法
によって掘削するさいに,セメント固化反応抑制剤を切
羽安定用加泥材に配合することを特徴とする地盤改良部
のシールド工法を提供する。セメント固化反応抑制剤と
してはグルコン酸,酒石酸またはしょ糖の少なくとも1
種を用いる。
【0006】
【発明の実施の形態】急曲線トンネルでは余堀りが大き
いのでトンネル上方の地盤が沈下し易く,このため,急
曲線トンネルではこの地盤沈下を防ぐためにトンネル上
方の地層にセメントミルクを予め注入して地山を強くす
る対策が施されることがある。また,急曲線トンネルで
はシールドが曲がるさいに曲線の外側の地盤を水平に押
す作用が働き,軟弱地盤ではこの水平力によって地盤が
動き,シールドがうまく曲がれなかったり,地表面の状
態変化が起きたりするので,曲線外側の地盤を予めセメ
ント注入で改良することが行われる。
いのでトンネル上方の地盤が沈下し易く,このため,急
曲線トンネルではこの地盤沈下を防ぐためにトンネル上
方の地層にセメントミルクを予め注入して地山を強くす
る対策が施されることがある。また,急曲線トンネルで
はシールドが曲がるさいに曲線の外側の地盤を水平に押
す作用が働き,軟弱地盤ではこの水平力によって地盤が
動き,シールドがうまく曲がれなかったり,地表面の状
態変化が起きたりするので,曲線外側の地盤を予めセメ
ント注入で改良することが行われる。
【0007】また,シールドの発進到達の立坑周辺の地
盤は立坑工事によって緩められており,しかもシールド
の進行時に立坑の壁を取り壊すから,立坑周辺の地盤が
沈下することがある。この場合にも,周辺の地盤に予め
セメントを注入して固化することが行われる。
盤は立坑工事によって緩められており,しかもシールド
の進行時に立坑の壁を取り壊すから,立坑周辺の地盤が
沈下することがある。この場合にも,周辺の地盤に予め
セメントを注入して固化することが行われる。
【0008】このような地盤改良範囲をシールドが進行
すると,切削土砂内に未反応のセメントが混入し,加泥
材中の水と反応して固化反応を起こし,前述のようなや
っかいなトラブルの原因となる。
すると,切削土砂内に未反応のセメントが混入し,加泥
材中の水と反応して固化反応を起こし,前述のようなや
っかいなトラブルの原因となる。
【0009】このようなトラブルは,加泥材にグルコン
酸,酒石酸またはしょ糖等(本明細書ではセメント固化
反応抑制剤と呼ぶ)を適量配合することによって回避す
ることができる。その配合量は,切削土砂中の未反応セ
メント量や水量にもよるが,掘削土が切羽から排土完了
までの送泥中に固化するのを抑制するに十分な量であれ
ばよい。
酸,酒石酸またはしょ糖等(本明細書ではセメント固化
反応抑制剤と呼ぶ)を適量配合することによって回避す
ることができる。その配合量は,切削土砂中の未反応セ
メント量や水量にもよるが,掘削土が切羽から排土完了
までの送泥中に固化するのを抑制するに十分な量であれ
ばよい。
【0010】具体的例を挙げると,コラムジエットグラ
ウト工法でセメントスラリーを地盤中に,セメント濃度
が700〜800Kg/m3の範囲となるように,注入
して改良地盤を構築し,この地盤改良部を掘進するさい
に,水を主体とする加泥材溶液中に当該加泥材に対して
グルコン酸を0.1〜1重量%(1〜10Kg/m3)の
範囲で混合する。この加泥材の注入量は掘削する地盤体
積の20〜200%の範囲とする。これによって,この
改良地盤の掘削土は該グルコン酸の添加量に応じて6〜
24時間固化しない。このため,切羽から排土完了まで
前述のトラブルなく,ずり出しができる。
ウト工法でセメントスラリーを地盤中に,セメント濃度
が700〜800Kg/m3の範囲となるように,注入
して改良地盤を構築し,この地盤改良部を掘進するさい
に,水を主体とする加泥材溶液中に当該加泥材に対して
グルコン酸を0.1〜1重量%(1〜10Kg/m3)の
範囲で混合する。この加泥材の注入量は掘削する地盤体
積の20〜200%の範囲とする。これによって,この
改良地盤の掘削土は該グルコン酸の添加量に応じて6〜
24時間固化しない。このため,切羽から排土完了まで
前述のトラブルなく,ずり出しができる。
【0011】グルコン酸,酒石酸またはしょ糖は,他方
において加泥材の粘性を低下させる作用がある。このた
め,加泥材に必要とされる粘性を維持すべくその添加量
には自ずと制限がある。通常は,加泥材の水量に対して
0.1〜1重量%(1〜10Kg/m3)の範囲の添加量
が好ましい。
において加泥材の粘性を低下させる作用がある。このた
め,加泥材に必要とされる粘性を維持すべくその添加量
には自ずと制限がある。通常は,加泥材の水量に対して
0.1〜1重量%(1〜10Kg/m3)の範囲の添加量
が好ましい。
【0012】改良地盤体積に対する本発明に従うセメン
ト固化反応抑制剤を配合した加泥材の添加量は,改良地
盤中の未反応セメント濃度と加泥材中のセメント固化反
応抑制剤の濃度を考慮しながら且つ切羽安定の目的を達
成できる量に調節しなければならない。一般にはその加
泥材中のセメント固化反応抑制剤の量が,地盤中の未反
応セメント量の0.1〜0.5重量%の範囲で調整すれば
よい。
ト固化反応抑制剤を配合した加泥材の添加量は,改良地
盤中の未反応セメント濃度と加泥材中のセメント固化反
応抑制剤の濃度を考慮しながら且つ切羽安定の目的を達
成できる量に調節しなければならない。一般にはその加
泥材中のセメント固化反応抑制剤の量が,地盤中の未反
応セメント量の0.1〜0.5重量%の範囲で調整すれば
よい。
【0013】すなわち,未反応セメント量に対するグル
コン酸,酒石酸またはしょ糖の配合量は0.1〜0.5重
量%の範囲であればよい。
コン酸,酒石酸またはしょ糖の配合量は0.1〜0.5重
量%の範囲であればよい。
【0014】図1は,セメント量に対するグルコン酸添
加量(対セメント濃度)の百分率と固結時間の関係を示
したものである。図1に見られるように,グルコン酸の
対セメント添加割合が0.2%付近から急激に固結時間
が長くなり,無添加では3時間程度で固結するのに対
し,例えば0.4%のグルコン酸の添加によって固結時
間は約20時間まで延長できる。
加量(対セメント濃度)の百分率と固結時間の関係を示
したものである。図1に見られるように,グルコン酸の
対セメント添加割合が0.2%付近から急激に固結時間
が長くなり,無添加では3時間程度で固結するのに対
し,例えば0.4%のグルコン酸の添加によって固結時
間は約20時間まで延長できる。
【0015】図2は,水に加泥材を1重量%溶解させた
加泥材溶液にグルコン酸を添加したときの見掛け粘度の
変化を示したものである。見掛け粘度はトキメック株式
会社製のB型粘度計で20℃で測定した。図2に見られ
るように,グルコン酸添加量が増えるとともに見掛け粘
度が低下するので,多量の添加は好ましくはなく,加泥
材中の水量に対して1.0重量%以内に制限すべきであ
る。
加泥材溶液にグルコン酸を添加したときの見掛け粘度の
変化を示したものである。見掛け粘度はトキメック株式
会社製のB型粘度計で20℃で測定した。図2に見られ
るように,グルコン酸添加量が増えるとともに見掛け粘
度が低下するので,多量の添加は好ましくはなく,加泥
材中の水量に対して1.0重量%以内に制限すべきであ
る。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
セメントを注入した改良地盤範囲をシールドが進行する
さいにも,未反応セメントと水系加泥材との反応によっ
てシールドの運転に支障が生ずるのを防止できるという
優れた効果を奏する。
セメントを注入した改良地盤範囲をシールドが進行する
さいにも,未反応セメントと水系加泥材との反応によっ
てシールドの運転に支障が生ずるのを防止できるという
優れた効果を奏する。
【図1】セメント量に対するグルコン酸添加割合(%)
と固結時間の関係を示す図である。
と固結時間の関係を示す図である。
【図2】加泥材溶液に対するグルコン酸の添加量と加泥
材溶液の見掛け粘度の変化を示す図である。
材溶液の見掛け粘度の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C04B 103:22 C09K 103:00 (72)発明者 五十嵐 寛昌 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特公 平6−100056(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 301 E21D 9/12
Claims (3)
- 【請求項1】 セメント系固化剤を注入した地盤改良部
を泥土圧シールド工法によって掘削するさいに,セメン
ト固化反応抑制剤を切羽安定用加泥材に配合することを
特徴とする地盤改良部のシールド工法。 - 【請求項2】 セメント固化反応抑制剤は,グルコン
酸,酒石酸またはしょ糖の少なくとも1種である請求項
1に記載の地盤改良部のシールド工法。 - 【請求項3】 セメント固化反応抑制剤は,切羽から排
土完了までの送泥の固化を抑制するに十分な量で配合す
る請求項1または2に記載の地盤改良部のシールド工
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3010596A JP3016726B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 地盤改良部のシールド工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3010596A JP3016726B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 地盤改良部のシールド工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09203292A JPH09203292A (ja) | 1997-08-05 |
JP3016726B2 true JP3016726B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=12294508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3010596A Expired - Fee Related JP3016726B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | 地盤改良部のシールド工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016726B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006206711A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Shikoku Chem Corp | 掘削泥水用添加剤および掘削泥水 |
JP5499447B2 (ja) * | 2008-07-10 | 2014-05-21 | 栗田工業株式会社 | 無機スラリーの流動性向上剤及び流動性向上方法 |
JP2011200764A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Kumagai Gumi Co Ltd | セメント系余剰物の廃棄処理方法 |
CN115788461B (zh) * | 2022-12-16 | 2023-08-04 | 盾科工程装备有限公司 | 一种泥水抽吸式盾构机 |
-
1996
- 1996-01-25 JP JP3010596A patent/JP3016726B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09203292A (ja) | 1997-08-05 |
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