JP2003278144A - 注入工法 - Google Patents
注入工法Info
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- JP2003278144A JP2003278144A JP2002081092A JP2002081092A JP2003278144A JP 2003278144 A JP2003278144 A JP 2003278144A JP 2002081092 A JP2002081092 A JP 2002081092A JP 2002081092 A JP2002081092 A JP 2002081092A JP 2003278144 A JP2003278144 A JP 2003278144A
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Landscapes
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 裏込め注入剤の圧送時における配管の閉塞を
防止し、作業効率の向上および材料ロスの低減を図るこ
とを目的としている。 【解決手段】 本発明に係る注入工法は、水100重量
部に対し石灰30〜40重量部の第1の懸濁液と、水1
00重量部に対しスラグ25〜35重量部および粘土鉱
物3〜15重量部の第2の懸濁液とを、それぞれ別々の
配管を介して、施工部直前まで圧送し、第1の懸濁液と
第2の懸濁液とを混合した後、混合液を施工部に注入す
ることを特徴としている。
防止し、作業効率の向上および材料ロスの低減を図るこ
とを目的としている。 【解決手段】 本発明に係る注入工法は、水100重量
部に対し石灰30〜40重量部の第1の懸濁液と、水1
00重量部に対しスラグ25〜35重量部および粘土鉱
物3〜15重量部の第2の懸濁液とを、それぞれ別々の
配管を介して、施工部直前まで圧送し、第1の懸濁液と
第2の懸濁液とを混合した後、混合液を施工部に注入す
ることを特徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木構造物におけ
る空隙部へのグラウトの注入工法の改善に関し、さらに
詳しくはグラウトを長距離圧送する場合であっても、注
入設備のメンテナンスを簡素化できる注入工法に関す
る。
る空隙部へのグラウトの注入工法の改善に関し、さらに
詳しくはグラウトを長距離圧送する場合であっても、注
入設備のメンテナンスを簡素化できる注入工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、トンネルなどの地中構造物は常に
地盤土に接して造られるので、元々相互に作用を及ぼし
合いながら、一体として機能するように設計されてい
る。しかし、シールドトンネルを設置する場合、必ずテ
ールボイド(空洞)が生じるため、構造物(セグメン
ト)の周縁は、支保されないことになる。
地盤土に接して造られるので、元々相互に作用を及ぼし
合いながら、一体として機能するように設計されてい
る。しかし、シールドトンネルを設置する場合、必ずテ
ールボイド(空洞)が生じるため、構造物(セグメン
ト)の周縁は、支保されないことになる。
【0003】このテールボイドを放置すれば、地山の自
立性が期待できない場合や、滞水地盤では土砂のテール
ボイドへの押し出しによる地盤変化(地表沈下)が起こ
る。このような地盤変化を防止し、止水効果を高め、さ
らにトンネルを安定させる等の目的でテールボイドにグ
ラウト(裏込め材)を充填する裏込め注入工法が採用さ
れている。
立性が期待できない場合や、滞水地盤では土砂のテール
ボイドへの押し出しによる地盤変化(地表沈下)が起こ
る。このような地盤変化を防止し、止水効果を高め、さ
らにトンネルを安定させる等の目的でテールボイドにグ
ラウト(裏込め材)を充填する裏込め注入工法が採用さ
れている。
【0004】この裏込め注入工法では、一液型注入材を
用いる工法と、二液型注入材を用いる工法とが知られて
いる。二液型注入材を用いる工法では、A液と呼ばれる
スラグ系注入材と、B液と呼ばれる水ガラス系注入材と
をそれぞれ、別々の配管を介して、注入箇所近傍まで圧
送し、注入直前にこれらを混練した後、注入箇所に注
入、硬化させる。
用いる工法と、二液型注入材を用いる工法とが知られて
いる。二液型注入材を用いる工法では、A液と呼ばれる
スラグ系注入材と、B液と呼ばれる水ガラス系注入材と
をそれぞれ、別々の配管を介して、注入箇所近傍まで圧
送し、注入直前にこれらを混練した後、注入箇所に注
入、硬化させる。
【0005】A液の組成は、施工態様により様々である
が、一般的には、スラグなどのセメント系硬化材を主剤
とし、石灰、粘土鉱物などの助剤、必要に応じ安定剤を
含む水系懸濁液である。このA液をB液と混練すると短
時間の内にゲル化し、硬化するため、上記のように、A
液、B液をそれぞれ、別々の配管を介して、注入箇所近
傍まで圧送している。
が、一般的には、スラグなどのセメント系硬化材を主剤
とし、石灰、粘土鉱物などの助剤、必要に応じ安定剤を
含む水系懸濁液である。このA液をB液と混練すると短
時間の内にゲル化し、硬化するため、上記のように、A
液、B液をそれぞれ、別々の配管を介して、注入箇所近
傍まで圧送している。
【0006】しかし、A液単独であっても、多かれ少な
かれ、時間経過とともに硬化してしまう性質(自硬性)
がある。そのため、A液貯液槽(通常地表に設置)から
注入箇所(通常トンネル内)まで配管を介してポンプ圧
送で注入する場合は、注入作業が終了毎に圧送配管内の
A液を廃棄し、配管を清掃する必要があった。このた
め、材料ロス、作業時間のロスが避けられなかった。
かれ、時間経過とともに硬化してしまう性質(自硬性)
がある。そのため、A液貯液槽(通常地表に設置)から
注入箇所(通常トンネル内)まで配管を介してポンプ圧
送で注入する場合は、注入作業が終了毎に圧送配管内の
A液を廃棄し、配管を清掃する必要があった。このた
め、材料ロス、作業時間のロスが避けられなかった。
【0007】配管内でのA液の硬化を遅らせるため、A
液に硬化遅延剤を添加することも行われている。遅延剤
を加えることで、廃棄・清掃作業の頻度を減少させ、材
料ロス、作業時間のロスを低下させることが期待でき
る。しかし、A液の液温により硬化時間に変動があり、
一定条件下ではない施工現場では、遅延剤の添加量の決
定が困難である。また、一般に遅延剤の添加量はA液の
容量に対し、約0.1〜0.6%と少量であるため、施
工現場での微調整が困難であるという課題もある。
液に硬化遅延剤を添加することも行われている。遅延剤
を加えることで、廃棄・清掃作業の頻度を減少させ、材
料ロス、作業時間のロスを低下させることが期待でき
る。しかし、A液の液温により硬化時間に変動があり、
一定条件下ではない施工現場では、遅延剤の添加量の決
定が困難である。また、一般に遅延剤の添加量はA液の
容量に対し、約0.1〜0.6%と少量であるため、施
工現場での微調整が困難であるという課題もある。
【0008】このため、遅延剤を用いた場合であって
も、A液の硬化による配管内閉塞が頻発し、注入作業に
支障を生じ満足すべきものではなかった。
も、A液の硬化による配管内閉塞が頻発し、注入作業に
支障を生じ満足すべきものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に鑑みてなされたものであって、裏込め注入
剤の圧送時における配管の閉塞を防止し、作業効率の向
上および材料ロスの低減を図ることを目的としている。
な従来技術に鑑みてなされたものであって、裏込め注入
剤の圧送時における配管の閉塞を防止し、作業効率の向
上および材料ロスの低減を図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る注入工法
は、水100重量部に対し石灰30〜40重量部の第1
の懸濁液と、水100重量部に対しスラグ25〜35重
量部および粘土鉱物3〜15重量部の第2の懸濁液と
を、それぞれ別々の配管を介して、施工部直前まで圧送
し、第1の懸濁液と第2の懸濁液とを混合した後、混合
液を施工部に注入することを特徴としている。
は、水100重量部に対し石灰30〜40重量部の第1
の懸濁液と、水100重量部に対しスラグ25〜35重
量部および粘土鉱物3〜15重量部の第2の懸濁液と
を、それぞれ別々の配管を介して、施工部直前まで圧送
し、第1の懸濁液と第2の懸濁液とを混合した後、混合
液を施工部に注入することを特徴としている。
【0011】また、本発明においては、前記第2の懸濁
液がさらに0.15〜0.5重量部の分散剤を含有する
ことが好ましい。また、前記第1の懸濁液と第2の懸濁
液とを混合した後、さらに水ガラスを混合した後、混合
液を施工部に注入することが好ましい。このような本発
明によれば、A液であるスラグ系注入材を、石灰懸濁液
およびスラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して
圧送し、施工現場においてこれらを混合するので、配管
の閉塞を招くことがなく、作業効率の向上および材料ロ
スの低減が図られる。
液がさらに0.15〜0.5重量部の分散剤を含有する
ことが好ましい。また、前記第1の懸濁液と第2の懸濁
液とを混合した後、さらに水ガラスを混合した後、混合
液を施工部に注入することが好ましい。このような本発
明によれば、A液であるスラグ系注入材を、石灰懸濁液
およびスラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して
圧送し、施工現場においてこれらを混合するので、配管
の閉塞を招くことがなく、作業効率の向上および材料ロ
スの低減が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに具体
的に説明する。図1に本発明に係る注入工法の概略工程
図を示す。本発明においては、水100重量部に対し石
灰30〜40重量部の第1の懸濁液と、水100重量部
に対しスラグ25〜35重量部および粘土鉱物3〜15
重量部の第2の懸濁液とを、それぞれ別々の配管を介し
て、施工部直前まで圧送する。
的に説明する。図1に本発明に係る注入工法の概略工程
図を示す。本発明においては、水100重量部に対し石
灰30〜40重量部の第1の懸濁液と、水100重量部
に対しスラグ25〜35重量部および粘土鉱物3〜15
重量部の第2の懸濁液とを、それぞれ別々の配管を介し
て、施工部直前まで圧送する。
【0013】第1の懸濁液は、水100重量部に対し、
30〜40重量部、好ましくは32〜40重量部、さら
に好ましくは35〜40重量部の石灰を主成分として含
有してなる。石灰としては、生石灰、消石灰のいずれも
用いることができるが、消石灰のほうが好ましい。
30〜40重量部、好ましくは32〜40重量部、さら
に好ましくは35〜40重量部の石灰を主成分として含
有してなる。石灰としては、生石灰、消石灰のいずれも
用いることができるが、消石灰のほうが好ましい。
【0014】第1の懸濁液の石灰重量が30重量部より
も少なくなるとブリージング量の好ましくない増大を招
くことがあり、また40重量部を超えると粘性が高くな
り、流動性が低下するおそれがある。上記第1の懸濁液
には、必要に応じ、粘土鉱物であるベントナイト等の膨
潤性のあるもの、セルロース系、増粘剤を添加しておい
てもよい。
も少なくなるとブリージング量の好ましくない増大を招
くことがあり、また40重量部を超えると粘性が高くな
り、流動性が低下するおそれがある。上記第1の懸濁液
には、必要に応じ、粘土鉱物であるベントナイト等の膨
潤性のあるもの、セルロース系、増粘剤を添加しておい
てもよい。
【0015】第2の懸濁液は、水100重量部に対し
て、スラグ25〜35重量部、好ましくは28〜35重
量部、さらに好ましくは30〜35重量部および粘土鉱
物3〜15重量部、好ましくは5〜12重量部、さらに
好ましくは8〜12重量部を含有してなる。スラグとし
ては、高炉スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、非鉄金
属スラグなどが特に制限されることなく用いられる。ス
ラグの粒度は懸濁液として圧送可能な程度であれば十分
であるが、好ましくは普通ポルトランドセメント(ブレ
ーン値)約3,200cm2/g以上、さらに好ましくは
5,000cm2/g以上である。
て、スラグ25〜35重量部、好ましくは28〜35重
量部、さらに好ましくは30〜35重量部および粘土鉱
物3〜15重量部、好ましくは5〜12重量部、さらに
好ましくは8〜12重量部を含有してなる。スラグとし
ては、高炉スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、非鉄金
属スラグなどが特に制限されることなく用いられる。ス
ラグの粒度は懸濁液として圧送可能な程度であれば十分
であるが、好ましくは普通ポルトランドセメント(ブレ
ーン値)約3,200cm2/g以上、さらに好ましくは
5,000cm2/g以上である。
【0016】また粘土鉱物としては、モンモリロナイト
粘土鉱物を主成分としたベントナイト等の微粉末、カオ
リンを主成分とした陶土や、粘土鉱物と一次鉱物を含ん
だクレーサンド等、泥水や、泥土加圧シールド工法で得
られるシルト、粘土を含んだ掘削泥土液、または泥土液
そのものを用いることができる。これらの中でも本発明
においては、粘土鉱物としてベントナイトを用いること
が好ましい。なお、粘土鉱物を含有する液状体(泥土液
等)を用いる場合、上記配合割合は、固形分重量に基づ
く。
粘土鉱物を主成分としたベントナイト等の微粉末、カオ
リンを主成分とした陶土や、粘土鉱物と一次鉱物を含ん
だクレーサンド等、泥水や、泥土加圧シールド工法で得
られるシルト、粘土を含んだ掘削泥土液、または泥土液
そのものを用いることができる。これらの中でも本発明
においては、粘土鉱物としてベントナイトを用いること
が好ましい。なお、粘土鉱物を含有する液状体(泥土液
等)を用いる場合、上記配合割合は、固形分重量に基づ
く。
【0017】ここで、一次鉱物とは、岩石が長年にわた
って物理的作用のみを受けて土粒子化したもので、砂な
どをいう。これに対して、岩石が化学的作用を受けて、
分子構造が壊れるほど微粒になり、再び結晶化して形成
されたものを二次鉱物または粘土鉱物という。上記第2
の懸濁液には、必要に応じ、分散剤、セルロース系増粘
剤等を添加しておいてもよい。
って物理的作用のみを受けて土粒子化したもので、砂な
どをいう。これに対して、岩石が化学的作用を受けて、
分子構造が壊れるほど微粒になり、再び結晶化して形成
されたものを二次鉱物または粘土鉱物という。上記第2
の懸濁液には、必要に応じ、分散剤、セルロース系増粘
剤等を添加しておいてもよい。
【0018】必要に応じて用いられる分散剤は、スラ
グ、粘土鉱物を均一に分散させるために用いられるもの
であり、一般には界面活性剤である。第2の懸濁液に分
散剤を用いる場合、その配合割合は、水100重量部に
対し、好ましくは0.15〜0.5重量部である。さら
に好ましくは0.3〜0.5重量部である。本発明では、
上記第1の懸濁液と、第2の懸濁液とを、それぞれ別々
の配管を介して、施工部直前まで圧送し、第1の懸濁液
と第2の懸濁液とを混合した後、混合液を施工部に注入
する。
グ、粘土鉱物を均一に分散させるために用いられるもの
であり、一般には界面活性剤である。第2の懸濁液に分
散剤を用いる場合、その配合割合は、水100重量部に
対し、好ましくは0.15〜0.5重量部である。さら
に好ましくは0.3〜0.5重量部である。本発明では、
上記第1の懸濁液と、第2の懸濁液とを、それぞれ別々
の配管を介して、施工部直前まで圧送し、第1の懸濁液
と第2の懸濁液とを混合した後、混合液を施工部に注入
する。
【0019】第1の懸濁液と第2の懸濁液は、それぞれ
別々の貯液槽に貯められ、必要に応じ攪拌しつつ保持さ
れる。貯液槽の容量は施工規模に応じ様々である。これ
ら貯液槽に貯められた懸濁液を別々のポンプにより、別
々の配管を通じて施工部直前まで圧送する。ポンプおよ
び圧送配管としては、汎用のものが制限されることなく
用いられる。
別々の貯液槽に貯められ、必要に応じ攪拌しつつ保持さ
れる。貯液槽の容量は施工規模に応じ様々である。これ
ら貯液槽に貯められた懸濁液を別々のポンプにより、別
々の配管を通じて施工部直前まで圧送する。ポンプおよ
び圧送配管としては、汎用のものが制限されることなく
用いられる。
【0020】第1の懸濁液と第2の懸濁液との混合は、
施工現場の状況に応じて適宜に決められ、たとえば直接
注入ラインの混合管で混合し、施工部に注入してもよ
く、また一旦タンクで混合して、再度ポンプで注入する
方法を採用してもよい。この場合、タンク形式は、その
容量に見合った攪拌機が取り付けてあれば、攪拌機の機
種はプロペラ式、オウガ式等形式は問わない。
施工現場の状況に応じて適宜に決められ、たとえば直接
注入ラインの混合管で混合し、施工部に注入してもよ
く、また一旦タンクで混合して、再度ポンプで注入する
方法を採用してもよい。この場合、タンク形式は、その
容量に見合った攪拌機が取り付けてあれば、攪拌機の機
種はプロペラ式、オウガ式等形式は問わない。
【0021】混合場所から、実際の注入場所への距離
は、施工現場の状況により様々だが、混合から注入に至
るまでに要する時間が、60分以内、さらには好ましく
は30分以内となるように各設備を配置し、また圧送条
件を選定することが望ましい。このような本発明によれ
ば、A液であるスラグ系注入材を、石灰懸濁液およびス
ラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して圧送し、
施工現場においてこれら混合するので、配管の閉塞を招
くことがなく、作業効率の向上および材料ロスの低減が
図られる。
は、施工現場の状況により様々だが、混合から注入に至
るまでに要する時間が、60分以内、さらには好ましく
は30分以内となるように各設備を配置し、また圧送条
件を選定することが望ましい。このような本発明によれ
ば、A液であるスラグ系注入材を、石灰懸濁液およびス
ラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して圧送し、
施工現場においてこれら混合するので、配管の閉塞を招
くことがなく、作業効率の向上および材料ロスの低減が
図られる。
【0022】また、本発明では、上記第1の懸濁液およ
び第2の懸濁液を混合してなる混合液に、さらに水ガラ
スを加えた後、施工部に注入してもよい。水ガラスは、
通常の注入工法においてB液として用いられており、特
に限定するものではないが、ケイ素とアルカリのモル比
(SiO2/(A2O+B)[A;アルカリ金属、B;NH3])3以上の水ガ
ラスが好ましく用いられる。
び第2の懸濁液を混合してなる混合液に、さらに水ガラ
スを加えた後、施工部に注入してもよい。水ガラスは、
通常の注入工法においてB液として用いられており、特
に限定するものではないが、ケイ素とアルカリのモル比
(SiO2/(A2O+B)[A;アルカリ金属、B;NH3])3以上の水ガ
ラスが好ましく用いられる。
【0023】水ガラスを添加することで、グラウトのゲ
ル化が促進され、流動状固結(ゲル化しているがグラウ
ト自体が自立する強さはなく、物理的に流動状の性質を
持っている状態)並びに可塑状固結領域(グラウト自体
は流動性はないが、若干加圧すれば容易に流動する)を
経て、固結領域(多少の加圧では流動しない)に入り、
強固なゲルを生成させる。水ガラスの混合後、可塑状固
結領域に至る時間は、10〜30分程度である。したが
って、水ガラスを混合後、10分以内に施工部に注入で
きるように、各設備を配置し、また圧送条件を選定する
ことが望ましい。
ル化が促進され、流動状固結(ゲル化しているがグラウ
ト自体が自立する強さはなく、物理的に流動状の性質を
持っている状態)並びに可塑状固結領域(グラウト自体
は流動性はないが、若干加圧すれば容易に流動する)を
経て、固結領域(多少の加圧では流動しない)に入り、
強固なゲルを生成させる。水ガラスの混合後、可塑状固
結領域に至る時間は、10〜30分程度である。したが
って、水ガラスを混合後、10分以内に施工部に注入で
きるように、各設備を配置し、また圧送条件を選定する
ことが望ましい。
【0024】
【発明の効果】このような本発明に係る注入工法によれ
ば、A液であるスラグ系注入剤を、石灰懸濁液およびス
ラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して圧送し、
施工現場においてこれらを混合するので、配管の閉塞を
招くことがなく、作業効率の向上および材料ロスの低減
が図られる。
ば、A液であるスラグ系注入剤を、石灰懸濁液およびス
ラグ懸濁液の2種として別々の配管系を介して圧送し、
施工現場においてこれらを混合するので、配管の閉塞を
招くことがなく、作業効率の向上および材料ロスの低減
が図られる。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。実験の材
料は石灰(消石灰JISRQ001)、ベントナイト
(群馬産200メッシュ、商品名豊洋200メッシ
ュ)、スラグ(水砕スラグ、商品名セラメント)を用い
た。
明はこれら実施例に限定されるものではない。実験の材
料は石灰(消石灰JISRQ001)、ベントナイト
(群馬産200メッシュ、商品名豊洋200メッシ
ュ)、スラグ(水砕スラグ、商品名セラメント)を用い
た。
【0026】また比較例用としては石灰、スラグ混合硬
化材(商品名カルメント)、ベントナイト(群馬産20
0メッシュ、商品名豊洋200メッシュ)、遅延剤(遅
延型安定剤、商品名TG−R)を用いた。また、第1の
懸濁液(石灰系)と第2の懸濁液(スラグ系)に自硬性
がなく、ポンプ圧送可能なことの実証は、懸濁液の流動
性測定とブリージング量の確認でおこなった。
化材(商品名カルメント)、ベントナイト(群馬産20
0メッシュ、商品名豊洋200メッシュ)、遅延剤(遅
延型安定剤、商品名TG−R)を用いた。また、第1の
懸濁液(石灰系)と第2の懸濁液(スラグ系)に自硬性
がなく、ポンプ圧送可能なことの実証は、懸濁液の流動
性測定とブリージング量の確認でおこなった。
【0027】
【実施例1】表1に示す配合で第1の懸濁液(石灰懸濁
液)を製造した。
液)を製造した。
【0028】
【表1】
【0029】
【比較例1】また比較例として表2に示す配合で裏込め
注入材を作製した。
注入材を作製した。
【0030】
【表2】
【0031】実施例1および比較例1の各配合の流動性
確認は、通常裏込め注入材のモルタル流動性の確認に使
用するプレパクトフローコーン(Pロート、1,725
ccの落下速度を測定、水が8.5秒±0.5)を用いて
測定した。結果を図2に示す。速度の目安は、落下速度
測定の後その容器内に懸濁液の付着がほとんど見られな
い18秒以下である。
確認は、通常裏込め注入材のモルタル流動性の確認に使
用するプレパクトフローコーン(Pロート、1,725
ccの落下速度を測定、水が8.5秒±0.5)を用いて
測定した。結果を図2に示す。速度の目安は、落下速度
測定の後その容器内に懸濁液の付着がほとんど見られな
い18秒以下である。
【0032】図2から、本発明の第1の懸濁液は、遅延
剤を含有する裏込め注入材と同程度の流動性を示すこと
が分かる。また、実施例1および比較例1の各配合のブ
リージング率の測定を行った。結果を表3に示す。
剤を含有する裏込め注入材と同程度の流動性を示すこと
が分かる。また、実施例1および比較例1の各配合のブ
リージング率の測定を行った。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】第1の懸濁液(石灰懸濁液)の性状は、流
動性については各配合ともに問題はないが、ブリージン
グ率は35%以下の濃度では24時間以降で10%を越
え問題がある。このブリージング率を減少する方法と
て、懸濁液にブリージング抑制剤としベントナイトを1
%程度加えることにより、実施例1-4(石灰38%濃
度)と同様な性状を得ることができた。
動性については各配合ともに問題はないが、ブリージン
グ率は35%以下の濃度では24時間以降で10%を越
え問題がある。このブリージング率を減少する方法と
て、懸濁液にブリージング抑制剤としベントナイトを1
%程度加えることにより、実施例1-4(石灰38%濃
度)と同様な性状を得ることができた。
【0035】比較例1の配合では、ブリージング率が1
0%を越え使用には問題がある。ブリージング率を減少
する方法として、遅延剤の添加量を減少させれば良い
が、裏込め注入材の硬化開始時間が24時間以内と短く
なり当初の目的を満足することができない。
0%を越え使用には問題がある。ブリージング率を減少
する方法として、遅延剤の添加量を減少させれば良い
が、裏込め注入材の硬化開始時間が24時間以内と短く
なり当初の目的を満足することができない。
【0036】
【実施例2】表4に示す配合で第2の懸濁液(スラグ、
ベントナイト懸濁液)を製造した。
ベントナイト懸濁液)を製造した。
【0037】
【表4】
【0038】実施例2の各配合の流動性確認は、水に溶
かすと膨潤するベントナイトを添加しているので、B型
粘度計を用いて(純水が1mPa・s)で絶対粘度を測
定した。結果を表5に示す。
かすと膨潤するベントナイトを添加しているので、B型
粘度計を用いて(純水が1mPa・s)で絶対粘度を測
定した。結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】流動性の目安の粘度はその性状が良く似て
いるシールド掘削用補助材「加泥材」と同様に無理なく
ポンプ圧送できる3,000mPa・s以下が好適であ
り、上記第2の懸濁液は何れもこの範囲にあった。ま
た、実施例2の各配合のブリージング率の測定を行っ
た。結果を表6に示す。
いるシールド掘削用補助材「加泥材」と同様に無理なく
ポンプ圧送できる3,000mPa・s以下が好適であ
り、上記第2の懸濁液は何れもこの範囲にあった。ま
た、実施例2の各配合のブリージング率の測定を行っ
た。結果を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】第2の懸濁液(スラグとベントナイト懸濁
液)は流動性、ブリージング率ともに各配合問題はな
い。また施工上、圧送ポンプ等の問題でスラグとベント
ナイト懸濁液の粘性を減少させたい場合は、オキシ酸等
の分散剤を0.1%程度加えると、粘性が約20〜50
%減少できる。さらに、スラグ重量を40%まで増加す
る場合にも、同様の効果がある。
液)は流動性、ブリージング率ともに各配合問題はな
い。また施工上、圧送ポンプ等の問題でスラグとベント
ナイト懸濁液の粘性を減少させたい場合は、オキシ酸等
の分散剤を0.1%程度加えると、粘性が約20〜50
%減少できる。さらに、スラグ重量を40%まで増加す
る場合にも、同様の効果がある。
【0043】
【実施例3】前記第1の懸濁液(石灰懸濁液)と、第2
の懸濁液(スラグとベントナイト懸濁液)を混合し(以
下この混合液を「A液」という)、通常の二液性水ガラ
ス系可塑状グラウトの硬化材懸濁液と同様に使用した。
「A液」の混合比率は、「A液」中の石灰重量とスラグ
重量で決定する。表7に記載の配合割合で、A液を調整
した。
の懸濁液(スラグとベントナイト懸濁液)を混合し(以
下この混合液を「A液」という)、通常の二液性水ガラ
ス系可塑状グラウトの硬化材懸濁液と同様に使用した。
「A液」の混合比率は、「A液」中の石灰重量とスラグ
重量で決定する。表7に記載の配合割合で、A液を調整
した。
【0044】
【表7】
【0045】「A液」中の石灰重量とスラグ重量の混合
比率別で、水ガラスを混合した後の、グラウト材のゲル
タイム、強度を表8に示す。
比率別で、水ガラスを混合した後の、グラウト材のゲル
タイム、強度を表8に示す。
【0046】
【表8】
【0047】さらに混合後の性状の確認として、配合3
の作製直後の混合液を「A液」として用いた場合と、混
合後7日間放置したものを「A液」として用いた場合と
で比較をした。「A液」1m3に対して、水ガラスの添
加量は、表8と同量の80Lである。結果を表9に示
す。
の作製直後の混合液を「A液」として用いた場合と、混
合後7日間放置したものを「A液」として用いた場合と
で比較をした。「A液」1m3に対して、水ガラスの添
加量は、表8と同量の80Lである。結果を表9に示
す。
【0048】
【表9】
【0049】上記より、混合液の経時劣化はほぼ無視で
きるものであることがわかる。
きるものであることがわかる。
【図1】 本発明に係る注入工法の概略工程図を示す。
【図2】 実施例1および比較例1の各配合の流動性確
認結果を示す。
認結果を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 溝 口 英 光
千葉県八千代市ゆりのき台4丁目5番6号
4棟304号
Fターム(参考) 2D040 AA06 AB01 BB03 CA02 CA04
CA10 CB03 CD01
4H026 CA02 CA03 CB07 CC03 CC06
Claims (3)
- 【請求項1】 水100重量部に対し石灰30〜40重
量部の第1の懸濁液と、 水100重量部に対しスラグ25〜35重量部および粘
土鉱物3〜15重量部の第2の懸濁液とを、それぞれ別
々の配管を介して、施工部直前まで圧送し、 第1の懸濁液と第2の懸濁液とを混合した後、 混合液を施工部に注入することを特徴とする注入工法。 - 【請求項2】 第2の懸濁液がさらに0.15〜0.5
重量部の分散剤を含有することを特徴とする請求項1に
記載の注入工法。 - 【請求項3】 第1の懸濁液と第2の懸濁液とを混合し
た後、さらに水ガラスを混合した後、混合液を施工部に
注入することを特徴とする請求項1または2に記載の注
入工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002081092A JP2003278144A (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | 注入工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002081092A JP2003278144A (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | 注入工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003278144A true JP2003278144A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29229861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002081092A Pending JP2003278144A (ja) | 2002-03-22 | 2002-03-22 | 注入工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003278144A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005281586A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 二液性注入材とその製造方法 |
JP2006347777A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Taisei Corp | 充填材および充填材を使用した構造物の構築方法 |
JP2009209522A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Ohbayashi Corp | 充填材、充填材の作製方法及び地山の安定化方法 |
JP2016147931A (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | 住友大阪セメント株式会社 | 可塑性注入材、可塑性注入材の製造方法、及び、可塑性注入材の施工方法 |
JP2017172253A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 東興ジオテック株式会社 | 液状化対策用ジェットグラウト工法 |
-
2002
- 2002-03-22 JP JP2002081092A patent/JP2003278144A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070123 |
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