JP3514614B2 - グラウト材及びグラウト注入工法 - Google Patents

グラウト材及びグラウト注入工法

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JP3514614B2 JP29161297A JP29161297A JP3514614B2 JP 3514614 B2 JP3514614 B2 JP 3514614B2 JP 29161297 A JP29161297 A JP 29161297A JP 29161297 A JP29161297 A JP 29161297A JP 3514614 B2 JP3514614 B2 JP 3514614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、軟弱地盤内の大
間隙や空洞、岩盤等の硬質地盤内の破砕帯やクラック
(隙間)、地盤と構造物の境界面の空洞(トンネル等の
裏込も含む)及び地盤の弱い所(地盤注入工法の前処理
として注入する)や注入管設置時に発生した隙間に充填
する非流動性の可塑状グラウトの注入工法に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】従来、大きな空洞や隙間などに充填する
グラウトとして、一液性のモルタル(主成分セメント)
が使用されている。 【0003】このモルタルには、空洞の大きさや施工性
(圧送距離や注入条件)、グラウトの特性(強度等)か
らセメントに加える骨材(又は増量材)として、砂、一
次鉱物微粉末(岩石、石英、石灰、ドロマイト等)、粘
土鉱物(ベントナイト、陶土等)や現場発生土(シル
ト、粘土分)等が用いられ、これらの骨材の1種又は2
種以上を組合わせて用いており、さらに起泡剤(エアモ
ルタル)、分散剤、遅延剤、早期強度発現材等を目的に
合わせて添加して調合されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のモルタルの
注入は、すべて一液性(調合槽で一度にモルタルを調合
して、一台のポンプで注入する方法)で行われているた
め、注入するモルタルはポンプで圧送するのに十分な流
動性を保つ必要があり、その結果どうしてもブリージン
グ(余剰水)が発生し、またセメントが硬化するには長
時間(2〜3時間)を要することから、長時間この流動
状を保ったままの状態に置かれることになる。 【0005】このため、注入されたモルタル(グラウ
ト)は、充填された後にブリージングを起こして体積が
減少し、さらに流動状であるために材料分離を起こして
均一な強度が得られないという問題がある。 【0006】また、注入個所に地下水がある場合にはグ
ラウト材が水に希釈されて流失するという問題があり、
さらに注入時点で流動状であるために不必要な遠方まで
逸走し易く、目的の空洞に確実に充填することが出来な
いという致命的な問題点を包含している。 【0007】このような問題を解決するには、モルタル
がブリージングや材料分離を起こさず、所定の空洞に確
実に充填できるグラウト材(モルタル)の開発が望まれ
ている。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明は、地盤、構造
物、あるいは地盤と構造物の境界面などの空洞や隙間に
充填するグラウト材であって、硬化発現材を主成分とし
た流動性のモルタルにモンモリロナイト粘土鉱物を含有
した流動性の膨潤液を加えることにより、前記、膨潤液
をゲル化させて非流動性の可塑状に変質させるようにし
可塑状グラウト注入工法を提案するものである。 【0009】セメント等の硬化発現材を主成分とし、こ
れに種々の骨材や添加剤を加えた流動性のモルタルに、
モンモリロナイト粘土鉱物(その代表的な鉱物はベント
ナイトであるため、以下単にベントナイトという)を含
有した流動性の膨潤液を加えることにより、硬化発現材
から溶解したアルカリ性のカルシウムイオン(陽イオ
ン)等の電解質イオンがベントナイト粒子(陰に帯電)
表面に吸着され、電気化学的作用(荷電置換)により、
ベントナイトの膨潤液は一種のゲル化反応を起こし、急
激(瞬時に近い短時分)に粘性が増大して流動性を失
い、非流動性の可塑状グラウトに変質する。 【0010】その結果、このグラウト材はブリージン
グ、材料分離、水の希釈及び体積の収縮も防止されるこ
とになると共に、不必要な遠方までの逸走が防止されて
目的の空洞に確実に充填され、限定注入が可能となる。 【0011】なお、ベントナイトは、主成分がモンモリ
ロナイト粘土鉱物で、その性質は水に接すると著しく膨
潤及び分散し、コロイド(粒径0.001〜0.01ミクロン)
になって著しく粘性も増大する。 【0012】このため、ベントナイトは膨潤能力が大き
いほど、セメントなどのアルカリ性も示す硬化発現材に
よるゲル化能力が大きくなり、可塑状に変質する効果も
大となる。 【0013】一液性の流動性のモルタル(A液)に膨潤
したベントナイト液(B液)を加えて、非流動性の可塑
状グラウトに変質(可塑状グラウトの強弱)させるに
は、A液中の水分や硬化発現材、骨材及び添加剤の種類
や量、またベントナイト(B液)の種類や量及びその膨
潤度に影響される。 【0014】このなかでも特に影響を及ぼすものは、第
一にベントナイトの膨潤度及びその量であり、第二にグ
ラウト中(A+B液)に含まれる水分量である。 【0015】以上のことから、A、B液の条件によって
非流動性の可塑状グラウトに変質できるかどうかが大き
く異なるため、ベントナイトの含有量の多少によって変
質条件を特定することは出来ない。 【0016】なお、本発明でいう可塑状グラウトとは、
非流動体でそれ自身流動性はないが、物理的作用(たと
えば加圧、あるいは加重など)を与えると容易に流動化
する性質をいう。 【0017】 【実施例】本発明者らは鋭意研究の結果、流動性のモル
タルに、流動性のベントナイト膨潤液を加えて膨潤液を
ゲル化させ、非流動性の可塑状グラウトに変質させるこ
とにより、ブリージング、材料分離及び水の希釈を防止
し、さらに不必要な遠方までの逸走を防止し、空洞に確
実に充填できる効果があることを突き止め、非流動性の
可塑状グラウトとしての本発明を完成したものである。 【0018】即ち、硬化発現材を主成分とし、これに種
々の骨材や添加剤を加えた一液性の流動性モルタルに、
モンモリロナイト粘土鉱物を含有した流動性の膨潤液を
加えることにより、ベントナイトの膨潤液は、セメント
等の硬化発現材から溶解したアルカリ性のカルシウムイ
オン(陽イオン)などの電解質イオンが、ベントナイト
粒子(陰に帯電)表面に吸着されて電気化学的作用(荷
電置換)により、一種のゲル化反応を起こして急激(瞬
時に近い短時分)に粘性が増大し、流動性を失って非流
動性の可塑状グラウトに変質し、ブリージング、材料分
離及び水の希釈も防止すると共に、不必要に遠方まで逸
走することを防止し、目的の空洞に確実に充填できる。 【0019】その結果この非流動性の可塑状グラウト
は、限定注入としても非常に有効であることが判明し
た。 【0020】一液性の流動状から非流動性の可塑状に変
質したか否かの判定は、グラウトの性質に若干左右され
るが、本発明では円筒フローコン測定(アクリル板に内
径80mm、高さ80mmの円筒を置き、この中にモルタルを満
たした後、円筒を静かに持ち上げ、そのときのモルタル
の広がり、即ち直径を測定し、cmの単位をもって表し
た)に準じた目安として、モルタルの下部の広がりが約
13cm以下で、かつ上部の広がりに対して、下部の広がり
が約 1.7倍以下の場合を可塑状グラウトとした。 【0021】なお、通常のグラウトポンプで、実用的な
距離まで圧送できるフロー値は、約15cm程度以上といわ
れている。 【0022】また、本発明の可塑状グラウトは非流動性
であるため、従来の流動性のモルタルのように通常のグ
ラウトポンプでは、一液性での施工はできない。 【0023】従って、本発明の可塑状グラウトの施工
は、原則として、硬化発現材を主成分とした流動性のモ
ルタルをA液とし、ベントナイトを含有した流動性の膨
潤液をB液とし、それぞれ別々のグラウトポンプで圧送
し、注入口付近でA、B液を合流混合することにより、
前記B液の膨潤液をゲル化させ、非流動性の可塑状に変
質させたグラウトを注入する、いわゆる二液性の施工と
なる。 【0024】 【0025】本発明のA液(モルタル)に用いる硬化発
現材は、難溶性アルカリ物質で、水と混ぜると硬化する
もので、代表的なものでは、セメント、セメントとスラ
グ、スラグと石灰(消石灰、生石灰)等もあげることが
出来る。 【0026】また、本発明のA液に加える骨材(又は増
量材)として、砂、フライアッシュ、石灰、一次鉱物微
粉末(岩石、石英、石灰石、ドロマイトなど)、粘土鉱
物(ベントナイト、陶土等)や、現場発生土(シルト、
粘土分を含んだ土及びシールド泥水など)等をあげるこ
とが出来、また、これらの骨材の一種又は二種以上を組
合わせることが出来る。 【0027】さらに従来のモルタルに添加している発泡
剤(起泡剤等)、分散剤、遅延剤、早期強度発現材等を
目的に合わせて、添加することが出来る。 【0028】また、本発明のB液に用いる膨潤液は、モ
ンモリロナイト粘土鉱物を主成分としたもので、代表的
なものとしてベントナイトをあげることが出来る。 【0029】本発明の施工方法は、二液性で行うことを
原則とする。 【0030】構造物内の空間や構造物と地盤の境界面の
空洞(トンネルの裏込等含む)の注入では、目的の箇所
に設けたグラウトホールの手前まで別々に圧送してきた
流動性のA液とB液を合流混合し、可塑状グラウトに変
質させた上で空洞内に注入する方法が一般には採られ
る。 【0031】地盤内の空洞や大きな隙間の注入では、目
的の箇所までボーリングなどで穿孔し、注入管を設けて
注入する。 【0032】なお、注入管が単管の場合は注入管の手前
でA、B液を合流混合させ、注入管が二重管の場合は、
先端部でA、B液を合流混合させて可塑状グラウトに変
質させて注入する方法が採られる。 【0033】また、地盤注入工法に用いる場合は、その
注入工法の注入管を利用して注入することになる。 【0034】以下、本発明のグラウトについて、さらに
実施例をあげて詳しく説明する。 【0035】実験に用いた材料は、A液の硬化発現材と
してセメント(普通ポルトランド)、スラグ(水さいス
ラグで商品名セラメント)、石灰(工業用消石灰)、骨
材として粘土鉱物のベントナイト(豊順洋行の200メッ
シュの商品名「浅間」などの国産品及び200メッシュの
アメリカ産)、陶土、一次鉱物微粉末としてミクロサン
ドを用いた。また、起泡剤は動物性蛋白質系を用いた。 【0036】また、B液のモンモリロナイト粘土鉱物と
しては、前記のベントナイトを用いた。 【0037】「実験−1」 【0038】本発明のA液の流動性とブリージングを測
定し、表1の結果を得た。なお、A液のモルタルには、
表1に示すように骨材を配合しない実験 No.10 のエアー
ミルクおよび実験 No. 3のセメントミルクも含まれてい
る。 【0039】 【表1】【0040】流動性の実験は、上記円筒フローコン測定
で行い、ブリージングは500mlメスシリンダーで静置し
3時間後に測定し、単位として%で表した。 【0041】表1の実験結果から、モルタルをグラウト
ポンプで圧送する限界といわれるフロー値15cm以上で
は、ブリージングは約1%以上であり、最も適した流動
性(フロー値20 30cm程度)で2〜5%であることが判
る。 【0042】なお、フロー値とブリージングは配合、特
に骨材の種類により異なる。 【0043】例外として、エアモルタル(No.9,No.1
0)は水を気泡で包含するためブリージングは発生しな
い。 【0044】 【0045】「実験−2」 【0046】上記実験−1のA液(流動性のモルタル)
にB液としてベントナイトの膨潤液を加えて、非流動性
の可塑状グラウトに変質する実験を行い、その結果を表
2に示す。 【0047】 【表2】【0048】表2より、流動性のA液に、同じく流動性
のB液を加えると、ほとんど瞬時に近い状態でブリージ
ングの全くない非流動性の可塑状グラウトに変質した。 【0049】この実施例から見ると、変質した可塑状グ
ラウトの状態は、フロー値で下部で13〜 9cm、上部で7.
7〜7.8cmの円錐形を示していた。 【0050】なお、上部の値がフローコーンの内径 8.0
cmに対して、若干小さいのは、グラウトの自重による影
響である。 【0051】すなわち、ベントナイトの膨潤液B液は、
A液中のセメント等の硬化発現材から溶解したアルカリ
性のカルシウムイオン(陽イオン)などの電解質イオン
が、ベントナイト粒子(陰に帯電)表面に吸着され電気
化学的作用(荷電置換)により一種のゲル化反応(グラ
ウト中の水分を包含)を起こし、急激(瞬時に近い短時
分)に粘性が増大して流動性を失い、非流動性の可塑状
グラウトに変質させることになる。 【0052】「実験−3」 【0053】本発明のグラウトが、空洞にどのように充
填するかをみるため、次のような実験も行った。 【0054】実験装置は組立式の鉄製の巾40cm、長さ 1
20cm、高さ80cmの容器(一面は透明なアクリル板)の一
方の側面の下部に注入口、他方の側面上部に排出口を設
けている。 【0055】一方、別々のモルタルミキサー(200 リットル
用)にA液とB液を別々に調合し、2台のグラウトポン
プをそれぞれのミキサーに注入ホースで接続し、別々の
ポンプから出たグラウトは注入ホースの注入孔の手前で
合流混合して容器に注入されるような装置になってい
る。 【0056】「比較例−1」 【0057】空の注入容器(水のない空洞を想定)に、
実施例6の配合のA液(従来のモルタルに相当)を調合
し、1台の注入ポンプで毎分40リットルで計 200リットル注入し
たところ、グラウトは、注入容器全体にわたっており、
その傾斜角度は約 5度で充填された。 【0058】その注入し、固結されたグラウト量は約 1
95リットルであった。 【0059】固結後、脱枠してグラウトの固結状態をみ
たところ、骨材(ミクロサンド)が下部に幾分多くて上
部には幾分少なく、材料分離していることが判った。 【0060】また、同様の条件で実施例7のA液を注入
したところ、グラウトは全域にわたって傾斜角度約 4度
で充填されており、また骨材は実施例6よりも材料分離
が少なかった。 【0061】次に、水を入れた注入容器(地下水下の空
洞を想定)に、前記の実施例6と同じ条件でA液を注入
したところ、水に接したグラウトは希釈されながら注入
容器全体にわたって平らに充填されていた。 【0062】その注入された固結量は約 190リットルであっ
たが、その上部約15%は水に希釈されており、実用的な
強度(水道ホースの水圧で破れる程度の強度)はなかっ
た。 【0063】固結後、脱枠してグラウトの固結状態をみ
たところ、骨材は下部に多くて上部に少なく、明らかに
材料分離を起こして強度が不均一であることが判った。 【0064】一方、水入れた容器に、上記実施例7
A液注入したところ、水に接したグラウトは希釈され
て材料分離が激しく、骨材及びセメントは下部に沈殿
し、気泡は分離して水面に浮上する現象がみられた。 【0065】また、グラウトは容器全体にわたって充填
されていた。 【0066】その注入された固結量は、約180 リットルであ
ったが、その上部約30%は、水に希釈されており、実用
的な強度はなかった。 【0067】以上の実験から、一液性のモルタルは流動
性であるため、加圧すれば不必要に遠方まで限りなく逸
走し、目的の箇所に充填することは出来ない。 【0068】また、地下水が存在する空洞では、グラウ
トは水に接すると希釈され、材料分離(強度の不均一)
を起こし、歩留(注入量)が悪くなることが確認され
た。 【0069】「実施例」 【0070】空の注入容器に、実施例6の配合のA液と
B液を別々にモルタルミキサーで調合し、2台の注入ポ
ンプで毎分20リットルづつ(計40 リットル)で200リットル注入した
ところ、グラウトはムクムクした状態で充填され、先に
注入されたグラウトは、後で注入されたグラウトによっ
て押し出され、注入付近を中心とした山形状になり、そ
の傾斜角度は約35度であった。 【0071】また、注入されたグラウト量は、ほぼ200リ
ットル(注入量と同じ)であった。 【0072】固結後、脱枠してグラウトの固結状態をみ
たところ、骨材やセメントの材料分離は全くなく、強度
も均一であった。 【0073】また、実施例6と同様の条件で実施例7
配合のA液とB液を注入したところ、グラウトは、注入
孔付近を中心とした山形状になり、その傾斜角度もほぼ
同じであった。 【0074】固結後、脱枠してグラウトの固結状態をみ
たところ、エアと材料(骨材及びセメント)が分離する
ことなく均一であり、固結強度もばらつきがなかった。 【0075】次に、水を入れた注入容器に前記の実施例
と同じ条件で注入したところ、水に接したグラウトの
表面のごく一部は希釈されたが、空の容器の注入と同様
に山形状になり、その傾斜角度及び固結グラウト量もほ
ぼ同じであった。 【0076】固結後、脱枠してグラウトの固結状態をみ
たところ、表面のごく一部を除いて、骨材やセメントの
材料分離はなく、強度も均一であった。 【0077】また、実施例6と同様の条件で実施例7
配合を水を入れた容器に注入したところ、水に接したグ
ラウトの表面のごく一部(1〜2%)は希釈され、微量
の気泡は水面に浮上したが、全体として固結状態におい
て材料分離はなく、均一強度が確認できた。 【0078】以上のように、流動性のモルタル(A液)
に、同じく流動性のベントナイトの膨潤液(B液)も加
えて得られた非流動性の可塑状グラウトを空洞に注入す
れば、ブリージングがないために、全量注入孔を中心と
した限定範囲に充填することができた。 【0079】特に、地下水の存在する空洞においても、
水に希釈されることなく、材料分離を起こすことなく、
均一な強度が得られた。 【0080】 【発明の効果】以上の通り本発明のグラウト材及びグラ
ウト注入工法によれば、ブリージング、材料分離及び水
の希釈を防止し、均一な強度が得られると共に、不必要
に遠方まで逸走することを防止し、目的の空洞に確実に
充填できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 利田 靖治 神奈川県横浜市西之谷町58 (56)参考文献 特開 平7−206503(JP,A) 特開 平8−120662(JP,A) 特開 昭51−107610(JP,A) 特開 平5−280032(JP,A) 特開 昭48−98611(JP,A) 特開 平9−157646(JP,A) 特開 昭63−268812(JP,A) 特開 平7−247543(JP,A) 特開 平11−310779(JP,A) 三木五三郎(外3名),裏込め注入工 法の設計と施工,株式会社山海堂,1990 年 6月 1日,45 第32回地盤工学研究発表会 平成9年 度発表講演集 2分冊の2 ,社団法人 地盤工学会,1997年 5月26日,2335 −2336 第52回年次学術講演会 講演概要集 第3部(B),社団法人 土木学会, 1997年 8月 1日,458−549 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 17/00 - 17/50 E02D 3/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】地盤、構造物及び地盤と構造物の境界面の
    空洞や隙間にグラウト材を注入充填するグラウト注入工
    法において、硬化発現材を主成分とした流動性のモルタ
    ルをA液とし、モンモリロナイト粘土鉱物を含有した流
    動性の膨潤液をB液とし、それぞれ別々のポンプで圧送
    し、注入口付近で前記A液とB液を合流混合することに
    より、前記B液の膨潤液をゲル化させて非流動性の可塑
    状に変質させたグラウト材を注入することを特徴とする
    二液性グラウト注入工法。
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Title
三木五三郎(外3名),裏込め注入工法の設計と施工,株式会社山海堂,1990年 6月 1日,45
第32回地盤工学研究発表会 平成9年度発表講演集 2分冊の2 ,社団法人 地盤工学会,1997年 5月26日,2335−2336
第52回年次学術講演会 講演概要集 第3部(B),社団法人 土木学会,1997年 8月 1日,458−549

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JPH11124574A (ja) 1999-05-11

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