JP3166960B2 - 地盤注入工法 - Google Patents

地盤注入工法

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JP3166960B2
JP3166960B2 JP4333194A JP4333194A JP3166960B2 JP 3166960 B2 JP3166960 B2 JP 3166960B2 JP 4333194 A JP4333194 A JP 4333194A JP 4333194 A JP4333194 A JP 4333194A JP 3166960 B2 JP3166960 B2 JP 3166960B2
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健二 栢原
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強化土エンジニヤリング株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B2111/00732Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for soil stabilisation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度の固結体を得ると
ともに、広範囲にわたるゲル化時間、特に比較的長時間
のゲル化時間の調整が容易であり、しかも浸透性に優れ
た地盤注入用薬液を用いた地盤注入工法に係り、このた
め、特に砂質土等の透水地盤への複合注入に適した地盤
注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】砂質土等への浸透をはかるために、従
来、無機系で低粘性を保ち、しかも長いゲル化時間を有
する注入用薬液が用いられている。しかし、これはゲル
化時間の調整が非常に困難である。しかも、この調整が
厳密な管理のもとで達成されたとしても、固結強度の劣
化はまぬがれない。すなわち、無機系の注入用薬液で
は、浸透性と強度の両面の向上を期待することは殆ど不
可能に近い。
【0003】これに対して、有機系の注入用薬液は、浸
透性と強度の両面の向上を期待できるが、一般に、これ
は非常に高価であるのみならず、公害の問題が生じる。
【0004】さらに、水ガラスと微粒子消石灰とからな
る系に、微粒子スラグおよび/または微粒子セメントを
含有せしめた注入薬液(グラウト)も知られている。
【0005】しかし、これは水ガラスのモル比を低くす
ると、粘性が大きくなってチキソトロピックな性質を呈
し、このため、細粒土の地盤には浸透しにくくなる。ま
た、水ガラスのモル比を高くするとゲル化時間が短くな
る。したがって、ゲル化時間を長くするためには水ガラ
スの使用量を少なくせざるを得ず、このため固結強度が
低下するという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】そこで、本発明の目
的は無機系の薬液であるにもかかわらず、短いゲル化時
間から長いゲル化時間までの広範囲にわたるゲル化時間
を有し、しかも、浸透性に優れ、かつ固結強度も向上さ
た地盤注入用薬液を用いた注入工法であって、特に砂
質土等の透水地盤への複合注入に適し、上述の公知技術
に存する欠点を改良した地盤注入工法を提供することに
ある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上述の目的を達成する
ため、本発明によれば、モル比が2.8〜4.0の範囲
にある水ガラスと、平均粒子径が10μm以下で比表面
積が5000cm/g以上、好ましくは8000cm
/g以上の微粒子スラグとを有効成分とし、これに必
要に応じて、さらにセメントを含有させてなる地盤注入
用薬液を用い、二重注入管の別々の管路を通して、ま
ず、ゲル化時間の短く調整された前記薬液を地盤中に注
入して注入管まわりの空隙にパッカーを形成し、次い
で、ゲル化時間の長く調整された前記薬液を地盤中に注
入して該地盤を固結することを特徴とする。
【0008】
【発明の具体的説明】以下、本発明を具体的に詳述す
る。
【0009】本発明に用いられる水ガラスは、JIS3
号水ガラスよりも高モル比のものであって、モル比2.8
〜4.0の範囲内のものである。
【0010】また、スラグとしては、平均粒子径が10μ
m以下で、比表面積が5000cm2/g以上、好ましくは8000
cm2/g以上の微粒子スラグである。
【0011】本発明は上述の水ガラスと、微粒子スラグ
とを有効成分として含有することにより、長時間でゲル
化し、かつゲル化に至るまで沈降を起こすことなく、均
質にして強固な固結体を得る。
【0012】さらに、本発明は上述の水ガラス−スラグ
系に、セメント、特に比表面積が5000cm2/g以上、好ま
しくは8000cm2/g以上で、平均粒子径が10μm以下の微
粒子セメントを添加混合し、ゲル化時間、浸透性あるい
は固結強度の調整をはかることもできる。
【0013】なお、上述の本発明において、カルシウム
の溶出を調整するために、重炭酸塩、炭酸塩、縮合リン
酸系を含むリン酸塩等のカルシウム溶出量調整剤、ゲル
化時間を調整するために、エステル類、アルデヒド類、
アミド類、アルコール類、酸類、石灰、石膏、セメント
等の反応剤、酸性珪酸水溶液等のゲル化促進剤、さらに
フライアッシュ、珪華、珪藻土、白土類等のポゾラン類
を併用することもできる。また、上述の本発明におい
て、非常に長いゲル化時間を要して沈降のおそれのある
場合には、分散剤を少量併用することもできる。
【0014】上述の本発明注入用薬液は注入に当たっ
て、例えば、ゲル化時間を長く調整した一液式の本発明
薬液をつくり、これをそのまま地盤中に注入し、あるい
は、あらかじめ地盤中にセメント系注入材を注入してお
き、その後この注入個所に前記薬液を注入する。
【0015】さらに、本発明にかかる水ガラスを含む配
合液をA液とし、本発明にかかる微粒子スラグを含む配
合液をB液とし、これらAB両液を合流して注入しても
よく、また、前述の水ガラスおよびスラグの両方を含む
配合液をA液とし、ゲル化促進剤あるいはその他の任意
のゲル化剤をB液とし、これらAB液を合流し、薬液の
ゲル化時間を任意に調整して注入してもよい。
【0016】さらにまた、二重注入管を用意し、ゲル化
時間を長く調整した本発明薬液をA液とし、ゲル化促進
剤配合液をB液とし、まず、AB両液を前記二重注入管
の別々の管路から地盤中に送液し、この先端部分で両液
を合流してゲル化時間の短いグラウトとし、これを注入
管まわりの空隙に注入してパッカーを形成し、次いで、
A液のみを注入することもできる。
【0017】さらに、本発明にかかる水ガラスを含む配
合液、または水ガラスとスラグの両方を含む配合液をA
液とし、ゲル化促進剤配合液(緩結性反応剤配合液また
はゲル化が緩結になるように処方した反応剤配合液)を
B液とし、瞬結用配合液をC液とし、まず、AC合流液
を注入した後、次いでAB合流液の注入に切り換え、注
入ステージを上げながら上記ステップを繰り返して注入
してもよい。
【0018】さらにまた、水ガラスとスラグの両方を含
む配合液をA液とし、ゲル化促進剤をB液とし、AB合
流液からなる瞬結性グラウトを二重管の上部吐出口か
ら、A液からなる緩結性グラウトを下部吐出口から、そ
れぞれ同時に、または交互に地盤中に注入することもで
きる。
【0019】また、前記水ガラスにスラグを加えて、あ
らかじめゲル化時間が長い薬液(ゲル化に至らない薬液
であってもよい。)をA液とし、スラグまたはさらに他
の反応剤を含む配合液をB液とし、施工の際にA液にB
液を加えて所定のゲル化時間と強度を呈する本発明薬液
をつくり、これを地盤中に注入することもできる。ま
た、B液としてモル比の低い水ガラスまたはそれに反応
剤を加えた液を用い、A液とB液を混合して水ガラスの
モル比を変動せしめ、ゲル化の状態をコントロールして
注入することもできる。
【0020】さらに、本発明水ガラス配合液をA液と
し、瞬結用反応剤配合液をB液とし、本発明にかかる微
粒子スラグ配合液をC液とし、AB合流液からなる瞬結
性グラウトを地盤中に注入して後、AC合流液からなる
本発明にかかる緩結性薬液を注入して、複合注入を行う
こともできる。
【0021】
【作用】セメントを主材とし、これに低モル比の水ガラ
スを作用せしめる地盤注入用薬剤が知られている。これ
はゲル化時間を延長しても、せいぜい数分〜10分程度で
ある。この理由は、セメント中には水ガラスのSiO2
に対して反応しやすいCaO分が多く含まれ、これが水
ガラスのSiO2 と急速に反応し、この結果、ゲル化時
間が早くなるためと思われる。しかも、この薬剤では、
セメントのCaOが消費されるため、セメント本来の強
度が発現され得ない。
【0022】一方、これに対して、本発明にかかる水ガ
ラス−スラグ系では、本発明スラグ中の水ガラスのSi
2 成分に対して反応しやすい形のCaO含有量がセメ
ントに比べてかなり少なく、このため、水ガラスのSi
2 とスラグとの反応が起こりにくい。
【0023】さらに本発明では、水ガラス中のアルカリ
分がスラグの潜在水硬特性を刺激してスラグからカルシ
ウムイオンを遊離する。このカルシウムイオンが水ガラ
スのSiO2 と反応するとともに、スラグのSiO2
も反応し、長いゲル化時間を要して徐々に固結して珪酸
カルシウムを形成し、固結強度の大きな固結物を得る。
【0024】上述の水ガラス−スラグ系にさらにセメン
トを加えると、セメントはそれ自体の自硬性と水ガラス
のシリカ分との反応によって水ガラス−スラグ系の反応
を促進する。このため、ゲル化時間の短縮、若干の粘性
増加は伴うが、強度は増強される。
【0025】しかも、上述スラグやセメントの平均粒子
径が10μm以下であって、比表面積が5000cm2/g以上、
好ましくは8000cm2/g以上のときに、適量の水ガラスの
アルカリ分を刺激剤として、スラグの大きなシリカ分
と、水ガラスの小さなシリカ分と、カルシウムとが結合
し、密度の大きい強固な複合シリカカルシウムのゲル化
物を形成する。
【0026】換言すれば、スラグに起因する大きなシリ
カのネットの空間に水ガラスに起因する小さなシリカが
填充され、これらをカルシウムが連結して固結し、密な
硬化物を形成する。
【0027】また、スラグの粒子径が上記範囲よりも粗
くなると、砂に対する浸透性が阻害されるのみならず、
水ガラスのアルカリとスラグとの反応が大幅に低下して
注入に適したゲル化の範囲でゲル化せず、しかも水ガラ
スのアルカリによる固結性の発現が不充分となる。
【0028】また、本発明にかかる水ガラスはモル比が
2.8〜4.0の範囲である。水ガラスのモル比が3号水ガ
ラス以上、すなわち、モル比が2.8〜4.0では、水ガラ
ス中のアルカリ分は低モル比水ガラスのそれよりも少な
い。このため、水ガラスがスラグの潜在水硬性を刺激し
て硬化するためには長時間を要するが、時間の経過とと
もに、水ガラスとスラグが徐々に反応し、高強度を発現
するようになる。
【0029】以上のとおり、本発明によれば、平均粒子
径が10μm以下で、比表面積が5000cm2/g以上の反応性
が活発になっている微粒子スラグ、およびモル比が2.8
〜4.0の水ガラスを用いることにより、広範囲にわたる
ゲル化時間を得、細粒土に対する優れた浸透性を得るこ
とができる。
【0030】しかも、このような水ガラスとスラグの系
にセメントを併用することにより、効果的にゲル化を安
定させ、かつゲル化時間を短縮することができ、セメン
ト本来の自硬性に基因した高強度の固結体を得ることが
できる。
【0031】また本発明にかかる水ガラス−微粒子スラ
グ系は水ガラス−微粒子消石灰(または生石灰)系のよ
うに粘性の増加やチキソトロピックな性状を示さず、反
応剤の量を多くしても浸透性に優れている。さらに、水
ガラス−微粒子スラグに微粒子セメントを加えた系は、
微粒子消石灰を加えたものに比べて同様に粘性の増加が
少なくて細粒土に対する目ずまりが少なく、したがって
浸透性に優れている。
【0032】水ガラスモル比の本発明にかかる範囲で
は、セメントの添加量は少量でも効果的にゲル化時間を
短縮せしめる。このため、粘度の大幅な増加をきたすこ
となく、したがって、浸透性を阻害しない。なお、水ガ
ラスモル比の本発明にかかる範囲では、スラグは水ガラ
スとの共存下で石灰やセメントのようなチキソトロピッ
クな性状を示さない。これはスラグのCaO中には石灰
やセメントのように遊離しやすいCaOが少なく、アル
カリの存在によってはじめて遊離してくるためと思われ
る。また、セメントと消石灰では、セメントの方が消石
灰より遊離しやすいCaOが少ないことが上記現象の理
由と思われる。
【0033】
【発明の実施例】以下、本発明を実施例によって具体的
に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではな
い。 1.使用材料 (1)水ガラス 表1に示すモル比を異にした4種類の水ガラスを使用し
た。
【0034】
【表1】
【0035】(2)スラグ SiO2 :33.02%、CaO:41.94%、Al2
3 :12.83%、MgO:8.61%、Fe2 3 :0.3
7%の成分組成からなる水さいスラグを粉砕し、表2に
示す比表面積および平均粒子径を異にした5種類の水さ
いスラグを使用した。
【0036】
【表2】
【0037】(3)セメント SiO2 :22.2%、CaO:64.6%、Al2 3 :5.4
%、Fe2 3 :3.1%の成分組成からなるポルトラン
ドセメントを粉砕し、表3に示す比表面積および平均粒
子径を異にした3種類のポルトランドセメントを使用し
た。
【0038】
【表3】
【0039】(4)消石灰 平均粒子径が8μmの微粒子の水酸化カルシウムを使用
した。
【0040】2.水ガラス−スラグ系 表1の水ガラスと表2のNo.1〜4のスラグからなる系に
ついて、その配合とゲル化時間、粘性、一軸圧縮強度を
表4に示す。一軸圧縮強度はモールド中に標準砂と配合
液を混合しながら填充して得たサンドゲルの供試体を用
いて測定した。ただし、7日強度はモールド中養生後、
49日強度は7日モールド中養生後、水中養生後の強度を
それぞれ示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4では、全容1000g中に表1の4種類の
水ガラスのSiO2 濃度がすべて8.0%になるように
し、それぞれに表2のNo.1〜4の4種類のスラグを混合
した例が示される。何れの系もスラグが微粒子化されて
いる程、低粘性でありながらゲル化時間は短縮され、強
度は強化されている。
【0043】すなわち、表2のスラグNo.2、3、4の平
均粒子径10μm以下で比表面積が5000cm2/g以上の場
合、特にスラグNo.3、4の比表面積が8000cm2/g以上で
はその傾向が著しい。そして、ゲル化時間は本発明の高
モル比水ガラスを使用した実施No.5〜16の方が低モル比
水ガラスを使用した実施No.1〜4よりもかなり長時間を
要し、本発明の水ガラスのモル比の範囲内ではゲル化時
間、強度、粘性ともに大きな変動がみられない。
【0044】なお、スラグにおいて比表面積は5000cm2/
g以上(5300cm2/g) であるが、平均粒子径が10μm以
上(13μm) である表2のNo.5のスラグを使用した場合
は、スラグとして表2のNo.1を使用した実施No.1、5、
9、13と表2のNo.2を使用した実施No.2、6、10、14と
の間でむしろ実施No.1、5、9、13に近いデーターが得
られた。このことからも比表面積と平均粒子径がともに
本発明の範囲にあることが好ましいことがわかる。
【0045】3.水ガラス−消石灰系 水ガラス−消石灰の系を上記2の水ガラス−スラグ系と
比較するために実施した結果の一例を表5に示す。一軸
圧縮強度の表示は表4の場合と同じである。
【0046】
【表5】
【0047】表5の実施No.17 、18は表4の実施No.6、
7、8に対応するもので、使用する水ガラス量は同じで
加える消石灰の量は実施No.6、7、8のスラグの量に比
べると非常に少量であるが、高粘性でチキソトロピック
の現象がみられ、ゲル化時間は不明瞭で極めて短く、し
かも強度は弱体である。
【0048】4.水ガラス−スラグ−セメント系 前記2の水ガラス−スラグ系をベースとして、この系に
セメントを混合した系について、その配合とゲル化時
間、粘性、一軸圧縮強度を表6に示す。表6にはさらに
水ガラス−スラグの対照系に対するセメント添加による
粘性上昇率と一軸圧縮強度の上昇率を算出して併記し
た。7日強度、49日強度は表4の場合と同じ表示であ
る。
【0049】
【表6】
【0050】表6において、実施No.(3)は対照として水
ガラスとスラグとのみからなる表4の実施No.3を、実施
No.(7)は表4の実施No.7を、実施No.(11) は表4の実施
No.11 を、実施No.(15) は表4の実施No.15 を再記した
ものである。
【0051】これらのそれぞれに対して、スラグの一部
をセメントで置き換えた実施No.19〜21、実施No.22 〜2
4、実施No.25 〜27、実施No.28 〜30では対照の実施No.
(3)、(7) 、(11)、(15)よりゲル化時間は短縮され、強
度、粘性は上昇を示している。そのうち、ゲル化時間の
短縮、強度の上昇はセメントが微粒子化されている程大
きく、粘性の上昇はセメントが微粒子化されている程少
なくなっている。なかでも、平均粒子径が10μm以下で
比表面積が5000cm2/g以上の場合、特に8000cm2/g以上
の場合にその効果は著しいことがわかる。
【0052】また、低モル比水ガラス(モル比2.63)を
使用している実施No.19 〜21に比べて本発明にかかる高
モル比の水ガラス(モル比2.8以上)を使用している実
施No.22 〜24、実施No.25 〜27、実施No.28 〜30ではゲ
ル化時間の短縮、強度増加の程度はさらに著しく、49日
強度ではほぼ低モル比水ガラスの場合に比適する程の値
にまで到達している。すなわち、強度上昇率は低モル比
水ガラスを使用した場合に比べて高モル比の水ガラスを
使用した本発明の場合は著しく、特に49日後の上昇率が
大きいのが特徴的である。
【0053】このことは長期的にみれば、本発明の高モ
ル比水ガラスを使用した場合でも充分高強度が期待でき
る。それにも拘らず、粘性の上昇率は逆に低モル比水ガ
ラスを使用した場合よりも本発明の高モル比水ガラスを
使用した場合の方が低く、配合時の粘性は高くても、経
時的粘性の上昇は低く、ゲル化時間は一般に長いので浸
透性においても、本発明の高モル比水ガラスを使用した
場合は低モル比水ガラスを使用した場合に比べてそれ程
遜色があるとは考えられない。むしろ長期的には勝って
いるとも思われる。
【0054】5.水ガラス−スラグ−消石灰系 前記4のセメントのかわりに消石灰を使用した例の一部
を表7に示し、本発明の水ガラス−スラグ−セメント系
と比較した。この場合、水ガラス−スラグ−消石灰を同
時に混合した系と水ガラス−スラグを予め充分混合した
上で消石灰の水懸濁液を加えた系とに分けて実施した。
一軸圧縮強度の表示は表4の場合と同一である。
【0055】
【表7】
【0056】表7は表6の実施No.22 〜24において、セ
メントのかわりに消石灰を使用した例で、いずれも表6
の実施No.22 〜24に比べて高粘性でチキソトロピックな
現象を呈して明確なゲル化時間を示すことなく何れも非
常に早く、固結体の強度は弱く高強度を得るためには非
常に高粘性でゲル化時間も極めて早いものとなる。(実
施No.33 、36)
【0057】表7の中で、実施No.31 〜33は水ガラス、
スラグ、消石灰を同時に混合した例であり、実施No.34
〜36は水ガラスとスラグを予め水と充分混合した後、消
石灰の水懸濁液を添加した例である。この双方の配合量
は同一であっても後者の実施No.34 〜36の方がゲル化時
間は若干早目であるが低粘性で高強度を示している。こ
れはスラグが予め水ガラスのアルカリに刺激されてスラ
グ本来の潜在水硬性を充分帯びるからと思われる。
【0058】6.水ガラス−スラグ−セメント−消石灰
系 5の場合と同じように、水ガラス−スラグ−セメント−
消石灰を同時に混合した場合と、水ガラス−スラグ−セ
メントを予め水中で充分混合した上で消石灰の水懸濁液
を添加した場合について実施し、比較した。結果を表8
に示す。一軸圧縮強度の表示は表4の場合と同一であ
る。
【0059】
【表8】
【0060】表8において、実施No.(23) は表6の実施
No.23 を対照のために再記したもので、実施No.37 〜42
はこの系にさらに消石灰を添加した系である。何れも消
石灰の少量の添加で比較的高強度が得られるが、ゲル化
時間は極端に短縮され粘性も一挙に上昇してくる。
【0061】このうち、実施No.37 〜39は水ガラス−ス
ラグ−セメント−消石灰−水を同時に混合した系であ
り、実施No.40 〜42は水ガラス−スラグ−セメント−水
を予め充分混合した後に消石灰の水懸濁液を添加した系
である。後者の場合の方がゲル化時間はさらに短縮され
るが、粘性は低く強度は若干優っている。これは前回同
様スラグが予め水ガラスのアルカリに刺激されてスラグ
本来の潜在水硬性を充分発揮するようになるからと思わ
れる。
【0062】7.浸透試験とアルカリ溶出試験 図1の注入装置を用いて本発明にかかる薬液の浸透試験
を行った。図1において、1はコンプレッサー、2、3
は圧力計である。コンプレッサー1に連結された攪拌器
4を備えた水槽5の中に本発明にかかる薬液6を充填す
る。7はアクリルモールドであって、この中に砂8が充
填される。水槽5中に充填された薬液6はコンプレッサ
ー1の作動によってアクリルモールド7中の砂8に導入
される。ここで、薬液6は砂8に浸透され、やがて透過
された薬液6はメスシリンダー11に採取され、浸透状況
が測定される。9、10は金網である。アクリルモールド
7に充填される砂8を表9に示し、かつ浸透試験の測定
結果を表10に示す。
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】〇: モールドから排出してきた注入液は
正常にゲル化し、内部の固結状況は均一に固結した。 △: モールドから排出してきた注入液は正常にゲル化
したが、内部の固結は上部において不均一な箇所がみら
れ、全般に下部は固いが上部の固結は弱い。 ×: モールドからの注入液の排出は目ずまりを起こし
て不規則かつ不充分で内部の固結は不均一で弱い
【0066】表10において、実験No.1〜12は水ガラス−
微粒子スラグの系で、本発明の高モル比水ガラス使用の
場合(実験No.5〜12) の注入液の粘性は低モル比水ガラ
スの場合(実験No.1〜4)よりも高いが、ゲル化時間は
非常に長く、浸透はいずれも良好である。
【0067】実験No.13 〜16は水ガラス−微粒子消石灰
の系で高粘性で浸透も良好とはいえない。実験No.17 〜
24は水ガラス−微粒子スラグ−微粒子セメントの系でセ
メントが混入されているので、実験No.1〜12の水ガラス
−微粒子スラグの系には及ばないが比較的浸透は良好で
あった。実験No.25 〜28は水ガラス−微粒子スラグ−微
粒子消石灰の系、実験No.29 〜32は水ガラス−微粒子ス
ラグ−微粒子セメント−微粒子消石灰の系で何れも高粘
性で浸透状態も悪かった。
【0068】このように、水ガラス−微粒子スラグの系
では浸透状態は良好で、この系に微粒子セメントを混合
すると当然粘性は増し、浸透も阻害されるがその程度は
消石灰が混入されている系に比べると非常に少ないこと
がわかる。
【0069】また、上記浸透試験後の供試体を深さ20c
m、横50cm、縦50cmの水槽中に作った深さ10cmまでの山
砂中に埋め、水を10cmまで浸して10日後に水槽端部から
水を採取してpHを測定した。その結果を表11に示す。
【0070】
【表11】
【0071】pH判定表示 〇:pH<10.0 △:pH10.0〜10.5
×:pH10.5〜11.0 ××:pH>11.0
【0072】表11から水ガラスと微粒子スラグからなる
系(実験No.33 〜44) では採取水のpHは、低モル比水
ガラスを使用した一部(実験No.36)を除いてすべて10以
下である。水ガラス−微粒子スラグ−微粒子セメントか
らなる系(実験No.49 〜56)はセメントのアルカリのた
め若干pHは上昇している。そのうち、低モル比水ガラ
ス使用の場合(実験No.49 〜52) よりも本発明にかかる
高モル比水ガラス使用の場合(実験No.53 〜56) の方が
幾分低いpHを示す傾向がみられる。消石灰を使用した
系(実験No.45 〜48、57〜64) では何れもpHは大きく
上昇している。
【0073】以上の結果から、本発明にかかる系では明
らかにアルカリによる環境汚染が少なくなることが期待
できる。
【0074】
【発明の効果】
1.水ガラスとスラグとからなる地盤注入用薬液におい
て、モル比が2.8〜4.0の範囲内にある水ガラスと平均
粒子径が約10μm以下で比表面積が約5000cm2/g以上、
好ましくは8000cm2/g以上の微粒子スラグを使用するこ
とにより、モル比が2.8以下の水ガラスの場合よりは高
い粘性を示すにも拘らず、浸透性に優れ長いゲル化時間
を要して確実に固結し長期にわたって高強度の固結体が
得られる。
【0075】2.上記1の水ガラス−スラグ系をベース
として、これにセメント中でも平均粒子径が約10μm以
下で比表面積が約5000cm2/g以上、さらに好ましくは80
00cm2/g以上のセメントを混合して粘性の増加が比較的
少なく、ゲル化時間を早めるように調整でき、強度の増
強をはかることができる。
【0076】3.上記1、2において、使用水ガラスが
高モル比、すなわち低アルカリのため固結体からのアル
カリの溶出量が少なく、アルカリ公害を極力避けるとい
う面からも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬液を砂中へ注入する装置の略図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサー 4 攪拌器 5 水槽 6 薬液 7 アクリルモールド 8 砂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−107542(JP,A) 特開 昭61−283683(JP,A) 特開 平2−311615(JP,A) 特開 平7−166163(JP,A) 特公 昭45−41262(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル比が2.8〜4.0の範囲にある水ガラ
    スと、平均粒子径が10μm以下で比表面積が5000
    cm2/g以上の微粒子スラグとを有効成分として含有する
    地盤注入用薬液を用い、二重注入管の別々の管路を通し
    て、まず、ゲル化時間の短く調整された前記薬液を地盤
    中に注入して注入管まわりの空隙にパッカーを形成し、
    次いで、ゲル化時間の長く調整された前記薬液を地盤中
    に注入して該地盤を固結することを特徴とする地盤注入
    工法。
  2. 【請求項2】 請求項1の地盤注入用薬液にさらに、セ
    メントを含有させることを特徴とし、このセメントの平
    均粒子径が10μm以下で、比表面積が5000cm/ 2
    以上である請求項1の地盤注入工法。
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