JP2860753B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良工法

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JP2860753B2
JP2860753B2 JP8022294A JP8022294A JP2860753B2 JP 2860753 B2 JP2860753 B2 JP 2860753B2 JP 8022294 A JP8022294 A JP 8022294A JP 8022294 A JP8022294 A JP 8022294A JP 2860753 B2 JP2860753 B2 JP 2860753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラウト注入による地
盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地盤の改良のためのグラウト注入剤とし
ては、種々のものが従来から用いられてきた。現在の多
くは、水ガラス系またはセメント系のものが大半であ
る。
【0003】我が国のグラウト剤の歴史を振り返ってみ
れば、1960年代に樋口氏が開発したセメント懸濁液と希
釈水ガラス溶液とを組み合わせたゲルタイムの短い不安
定水ガラスグラウト(LW)、その後このLWに改良を
加えて、微粒子の高炉コロイドセメントと低モル比の水
ガラス希釈溶液とを組み合わせた、ゲルタイムが十数分
の高強度で恒久性の高い不安定水ガラスグラウト(C−
LW)、さらに高炉水砕スラグとポルトランドセメント
の混合比率を変化させ各モル比の水ガラス希釈溶液とを
組み合わせた比較的にゲルタイムの長いグラウト(M
S)が基礎になっている。
【0004】現在では、浸透を目的とした場合には、水
ガラスと硬化剤とを組み合わせた溶液型のものが多い。
【0005】一方、高炉水砕スラグなどのカルシウムを
含む化合物に対してアルカリを添加すると、加水分解が
生じて高炉水砕スラグの潜在水硬性が発現することは知
られている。
【0006】他方で、本出願人は、特公平2−36155 号
公報などにおいて、いわゆる活性化された水ガラスを使
用することにより、強度の高い固結体を得ることができ
ることを開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、酸化カ
ルシウム含有物に対してケイ酸塩溶液を反応させること
は、公知であるものの、この種のグラウトは、ゲルタイ
ムが比較的短く、かつ必ずしも土層中への浸透性が良好
でない。
【0008】他方、前記公報に示す活性化水ガラスを高
炉水砕スラグ微粉末に対するアルカリ刺激剤として用い
た場合、SiO2/Na2Oのモル比(以下単にモル比ともい
う)が高いと、浸透性が充分でない。また、地下水中に
電解質分を多く含む場合において、特に浸透性が悪い。
【0009】したがって、本発明の課題は、高炉水砕ス
ラグなどのカルシウム含有物の優れた水硬性を利用する
とともに、土層中への浸透性を改良し、かつ充分な強度
を発現させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、酸化カルシ
ウムの含有量が20〜50重量%であり、内部構造の5
0%以上がガラス質であり、ブレーン値が 5000cm2/g
以上の酸化カルシウム含有微粉末を懸濁液中に100 〜50
0 kg/m3の割合で有し、さらにSiO2/Na2Oのモル比が1.
45以下の活性液が、前記酸化カルシウム含有懸濁液100
kg中に10〜100リットル有するものを主剤とした地盤改
良剤を用い:前記酸化カルシウム含有微粉末と活性液と
を予め混合調合して、一液とした状態で注入管内に供給
して地盤中に注入するか、前記酸化カルシウム含有微粉
末の懸濁液と活性液とを個別に注入管に供給して注入管
内において合流させた後、地盤中に注入することで解決
できる。
【0011】この場合、前記主剤に、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムの群から選ばれた
一種または二種以上のゲル化遅延剤を添加することがで
きる。
【0012】
【作用】本発明に従って、微粉のカルシウム含有物、た
とえば高炉水砕スラグの微粉末に対して、活性液を添加
すると、そのナトリウムにより潜在水硬性が発現する。
【0013】この場合、高炉水砕スラグの微粉末のガラ
ス化率が低い場合であっても、活性化されていない通常
の水ガラス(たとえばJISで規定する3号水ガラス)
または他のアルカリの場合と異なり、高炉水砕スラグ中
からCa2+の引き出しが可能であり、凝結により硬化させ
ることができる。
【0014】しかるに、前記の公報記載の技術(以下先
行技術という)においては、SiO2/Na2Oのモル比が1.
5〜2.5が好ましいとされている。この理由は活性化
反応を生じさせる水酸化ナトリウムの使用量の増大に伴
ってコスト増を招くとともに、カルシウム塩と十分反応
せず、土中の残りアルカリ公害を招くとの考えであっ
た。また、前記先行技術においては、活性液とカルシウ
ム塩溶液とは、注入管内において合流させることなく、
地盤内において合流させて、所定の結晶を生成させるも
のであった。
【0015】しかし、本発明者らのその後の研究によれ
ば、地盤内において合流させなくとも、注入管内におい
て合流させるか、予め活性液材料と酸化カルシウム含有
微粉末とを調合して、これを注入管内に供給したとして
も、目的の結晶を得ることができることを知見した。
【0016】地盤中への浸透性の良否は、その地盤の改
良の成否をもたらす。しかるに、本発明においては、前
記の先行技術とは異なり、SiO2/Na2Oのモル比がより低
い1.45以下としているとともに、特にブレーン値が
5000 cm2 /g以上の酸化カルシウム含有微粉末を使用
している。したがって、後述の実施例のとおり、きわめ
て優れた浸透性を示す。
【0017】ところで、先行技術においては、カルシウ
ム塩、たとえば塩化カルシウムを使用しているが、この
種のカルシウム塩は必ずしも粒径が小さくないのに対し
て、本発明においては、微粉の酸化カルシウム含有微粉
末を使用している。したがって、予め活性液材料と酸化
カルシウム含有微粉末とを調合して、一液の状態で注入
管から地盤中に注入したとしても、現実に、地盤中のア
ルカリの残存が生じないことは、酸化カルシウム含有微
粉末が活性液と高い反応性を示すことに由来すると考え
られる。
【0018】酸化カルシウム含有微粉末を懸濁化させる
場合の水として電解質分を多く含む水、たとえば海岸近
くの地下水を用いると、塩析ケイ酸核が、土粒子間隙中
に生成した高炉水砕スラグ硬化物粒子の周りに、間隙を
埋めるように沈析し、止水性を高めるとともに、高炉水
砕スラグの潜在水硬性を刺激して固結体の強度を高め
る。
【0019】
【実施例】以下本発明を具体的にさらに詳説する。本発
明では、酸化カルシウムの含有量が20〜50重量%で
あり、内部構造の50%以上、好ましくは90%以上が
ガラス質であり、ブレーン値が 5000 cm2/g以上の微
粉末を用いる。この代表例としては、高炉水砕スラグの
微粉末を挙げることができる。他の冶金スラグも用いる
ことができる。酸化カルシウムの含有量はより好ましく
は25〜35重量%である。ブレーン値としては、浸透
性の点でより好ましくは8000〜16000 cm2 /gである。
粗大な粒子の場合、地盤中に対する浸透性が悪い。ブレ
ーン値がより高くとも、浸透性の向上はさほど期待でき
ず、また粉砕に要するコストの増大を招く。
【0020】この種の高炉水砕スラグ微粉末に対して、
SiO2/Na2Oのモル比が1.45以下、より好適には1.30以下
の活性液が添加される。前記公報の場合には、このモル
比は大きい。モル比が高いと、後述の実施例で示すよう
に、浸透性などの点で劣る。
【0021】本発明に係る改良剤の配合量としては、酸
化カルシウム含有微粉末が100 〜500 kg/m3、活性液が
酸化カルシウム含有懸濁液100 kg中に10〜100 リットル
添加される。
【0022】さらに、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、リン酸ナトリウムの群から選ばれた一種または二種
以上のゲル化遅延剤を添加することができる。このゲル
化遅延剤の添加量としては、0.2 〜10kg/m3とすること
ができる。
【0023】本発明に係る地盤改良剤は、通常、各材料
を予め調合し一液で対象地盤に施す、たとえば注入管を
介して地盤中に注入することを基本とするが、微粉末の
懸濁液と活性液とを別に注入管に送給し、注入管内でま
たは地盤中で合流混合させることができる。地盤中で合
流混合させる場合には、合流混合性が悪い(一般に完全
な合流混合性は望めない)場合には、活性液が地盤中に
残存し、アルカリ公害を招く危険性がある。この場合、
ゲル化遅延剤を一方の液に添加することができる。さら
に、本発明に係る地盤改良剤は、グラウト注入の場合の
ほか、攪拌混合工法などの他の工法にも用いることがで
きる。
【0024】〔実施例〕 以下に実施例を示し本発明の効果を明らかにする。 (実施例1) 高炉水砕スラグの微粉末(ブレーン値10000 cm2 /g)
200kg/m3に対して、モル比の異なる活性液を種々の
量をもって添加し、ゲルタイム、浸透性を調べた。浸透
実験においては、注入管により、豊浦標準砂を充填した
(充填密度1.63g/cm3 )モールドに対して、注入圧力
0.1kg /cm2 で一液注入を行った。結果を表1に示す。
併せて、同モールドに対して、二次元注入を行い、28
日後の強度(qu28)および透水係数(K28)を調べた結
果も同表に示した。
【0025】
【表1】
【0026】この結果から、活性液のモル比が低く、添
加量が少ないほど、浸透性が高まることが判った。しか
し、強度は逆に低下することも判明した。
【0027】(実施例2) 活性液のモル比を1.0 として、高炉水砕スラグ微粉末量
を変化させた結果を表2に示す。高炉水砕スラグ微粉末
量は浸透性にほとんど影響しないことが判る。
【0028】この理由は、地盤の浸透に十分なブレーン
値を有していたためと考えられる。併せて、高炉水砕ス
ラグ微粉末のブレーン値を変化させた結果も、表2に示
す。ブレーン値が大きいほど、浸透性が良好である。
【0029】
【表2】
【0030】(実施例3) 高炉水砕スラグ200kg/m3、モル比1.3 の活性液40
0リットル/m3に対して、ゲルタイム遅延剤として、リ
ン酸ナトリウムを0.5 kg添加したところ、図1に示すよ
うに、ゲル化時間が確実に遅延した。他に炭酸ナトリウ
ムまたは重炭酸ナトリウムを同量添加した場合も、同様
であった。
【0031】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高炉水砕
スラグ微粉末などのカルシウム含有物の水硬性を利用す
るとともに、ブレーン値がきわめて大きい高炉水砕スラ
グ微粉末およびモル比が小さい活性液を使用することに
より、浸透性を改良し、かつ充分な強度を発現させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル化遅延剤の添加した場合の強度変化グラフ
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E02D 3/12 101 E02D 3/12 101 // C09K 103:00 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 17/02 C04B 28/08 C04B 28/24 C09K 17/06 C09K 17/12 E02D 3/12 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化カルシウムの含有量が20〜50重量
    %であり、内部構造の50%以上がガラス質であり、ブ
    レーン値が 5000cm2/g以上の酸化カルシウム含有微粉
    末を懸濁液中に100 〜500 kg/m3の割合で有し、さらに
    SiO2/Na2Oのモル比が1.45以下の活性液が、前記酸化カ
    ルシウム含有懸濁液100 kg中に10〜100リットル有する
    ものを主剤とした地盤改良剤を用い: 前記酸化カルシウム含有微粉末と活性液とを予め混合調
    合して、一液とした状態で注入管内に供給して地盤中に
    注入するか、前記酸化カルシウム含有微粉末の懸濁液と
    活性液とを個別に注入管に供給して注入管内において合
    流させた後、地盤中に注入することを特徴とする地盤改
    良工法。
  2. 【請求項2】前記主剤に、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
    リウム、リン酸ナトリウムの群から選ばれた一種または
    二種以上のゲル化遅延剤が添加されている請求項1記載
    の地盤改良工法。
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