JP2006347777A - 充填材および充填材を使用した構造物の構築方法 - Google Patents

充填材および充填材を使用した構造物の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ゲルタイムが短く、短時間で必要強度が得られ、かつ、その後の強度増加が小さく、また、躯体等との付着強度が低い充填材と、この充填材を使用した構造物の構築方法を提案する。
【解決手段】 地山Gを掘削する工程と、地山Gの掘削より形成された空間の内部においてセグメント20を組み立てる工程と、地山Gとセグメント20との間に形成された空隙K2,K3に水ガラスと水とからなるA液と、水酸化カルシウムを含む懸濁液であるB液との混合体である充填材10を充填する工程とによりトンネル1を構築する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物と地山との間に形成された空隙の充填に使用される充填材とこの充填材を使用した構造物の構築方法に関する。
従来、構造物と地山との間に形成された空隙部に充填される充填材としては、セメント系の材料が使用されていた。このようなセメント系充填材は、ゲル化までに時間がかかり、充填材が地山に浸透してしまうために、注入量が増大する場合があった。また、初期強度の発現までの時間が長いことから、空隙部の安定化を図る点でも問題点を有していた。
そのため、特許文献1には、ケイ酸カルシウム水和物とセメントと水とからなるA液と、水ガラスからなるB液とを混合することにより、ゲルタイムを短縮し、初期強度を早期に発現する充填材が開示されている。この従来の充填材は、A液のケイ酸カルシウム水和物から溶出されたカルシウムイオンと水ガラス中のSiO2イオンとの反応によりゲルタイムの短縮、ゲルの強度増加を図り、また、セメントから徐々に溶出されたカルシウムイオンと水ガラスのSiO2イオンとの反応により長期強度の増加を図っている。なお、前記充填材においてケイ酸カルシウム水和物は、A液1m3当り40〜300kg添加されており、セメントは、A液1m3当り250kg以上投入されている。
特開平10−101393号公報([0015]−[0033]、図1)
ところが、前記従来の充填材は、ケイ酸カルシウム水和物と水ガラスとの反応により、早期のゲル化が実現されるものの、充填材の強度はセメントにより発現されるため、時間経過とともに強度が増加する性質を有している。そのため、必要以上の強度を発現し、当該充填材の充填後の作業に支障をきたす場合があった。
つまり、例えば、前記従来の充填材をトンネル工事等において、小口径のシールドトンネルにより先進トンネルを掘進した後、大口径の後進トンネルを構築する施工手順による大断面トンネル施工に適用した場合、先進トンネルの充填材の強度が周辺の地山よりも大きいため、後進トンネルの掘削機の掘削能力を上げる必要があるとともに、作業時間が増大する場合があった。
また、前記従来の充填材は、セメントの硬化により付着強度が強いため、前記のように先進トンネルの裏込め材として適用した場合、後進トンネルの構築の際にセグメントの解体が困難となる場合があった。
また、掘進機や躯体との付着強度により、掘進中は別途滑材を充填する必要があり、滑材の空隙への充填および滑材と充填材との置換により二度手間となるため、作業時間の短縮に支障をきたすという問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、ゲルタイムが短く、短時間で必要強度が得られ、かつ、その後の強度増加が小さく、また、躯体等との付着強度が低い充填材と、この充填材を使用した構造物の構築方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、水ガラスと水とからなるA液と、水酸化カルシウムを含む懸濁液であるB液との混合体である充填材であって、前記水酸化カルシウムが、前記混合体1m3に対して50kg以上200kg以下の範囲内で添加されることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、水ガラスと水とからなるA液と、水酸化カルシウムおよび潜在水硬性のある材料を含む懸濁液であるB液との混合体である充填材であって、前記水酸化カルシウムが、前記混合体1m3に対して50kg以上200kg以下の範囲内で添加されて、前記潜在水硬性のある材料が、前記混合体1m3に対して100kg以下添加されることを特徴としている。
なお、前記潜在水硬性のある材料としては、潜在水硬性を有し、粒度が懸濁液として圧送が可能な物であればよく、例えば、高炉水砕スラグ等、好ましくはブレーン値3200cm2/g以上、さらに好ましくはブレーン値5000cm2/g以上の材料を使用することが可能である。
また、水ガラスとして、SiO2/Na2Oのモル比nが0.5〜4.2、SiO2の濃度が9.5〜38.0重量%の範囲内のものを使用してもよい。
かかる充填材は、水ガラスと水酸化カルシウム懸濁液または水酸化カルシウムとスラグを含む懸濁液とを反応させることにより、ゲルタイムが60秒以内、初期強度を1〜7日後に発現し、その後の強度発現が30%以内という性質を有している。そのため、従来の充填材と比べて、必要以上の強度を発現することが無く、また、地山空隙に漏出することが無いため、充填に要する材料費を必要最小限に抑えることが可能となるとともに、充填後の作業がある場合にも、その作業に支障をきたすことがない。
また、従来のセメント系の充填材と比べて付着強度が低いため、例えば、シールドトンネルや推進トンネル等の滑材としての使用も可能である。
また、従来のセメント系の充填材は、六価クロムの溶出等による、環境面での問題点が懸念されていたが、本実施形態に係る充填材は、六価クロムを含んでおらず、環境面に関して安全なものである。
さらに、本発明の構造物の構築方法は、地山を掘削する工程と、前記地山の掘削より形成された空間の内部において躯体を形成する工程と、前記地山と前記躯体との間に形成された空隙に請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された充填材を充填する工程と、を含むことを特徴としている。
かかる構造物の構築方法は、地山と躯体との間に形成された空隙に、ゲルタイムが60秒以内、初期強度を1〜7日後に発現し、その後の強度発現が30%以内という性質を有した充填材を充填することにより、必要最小限の注入量により地山の崩壊を防止するため、経済的かつ安全な施工を可能となる。また、周辺地山と同等の強度を発現し、躯体との付着強度の小さい充填材を使用しているため、当該構築方法により構築された構造物と隣接して新たな構造物を構築する際に支障をきたすことがない。
本発明により、ゲルタイムが短く、短時間で必要強度が得られ、かつ、その後の強度増加が小さく、また、躯体等との付着強度が低い充填材を提供することが可能となり、またこの充填材を使用した本発明の構造物の構築方法により、安全かつ経済的な施工が可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、本実施形態に係る構造物の構築方法を示す図であって、(a)は横断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
本実施形態では、図1に示すように、シールド工法によりトンネル(構造物)1を構築する際に、地山Gの崩落を防止することを目的として、セグメント(躯体)20またはシールド機30と掘削面K1との間に形成された空隙K2またはK3に充填材10の充填を行っている。
トンネル1の構築は、シールド機30により地山Gを掘削する掘削工程と、地山Gの掘削より形成された空間の内部にセグメント20を配置する躯体構築工程と、空間内において地山Gとセグメント20との間に形成された空隙K2に裏込め材11(充填材10)を充填する裏込め工程とを含んでいる。
なお、本実施形態では、シールド工法により導坑であるトンネル1を構築し、このトンネル1を利用して計画された大断面トンネルの外周囲に止水やグランドアーチの形成等を目的とした補助工法を施した後、トンネル1を拡幅して大断面トンネルを構築する場合について説明する。
空隙K2に充填される裏込め材11(充填材10)は、水ガラス(珪酸ナトリウムまたは珪酸ソーダともいう)と水とからなるA液と、水酸化カルシウムおよびスラグ(潜在水硬性のある材料)を含む懸濁液であるB液とを反応させてなる充填材(混合体)であって、水酸化カルシウムが混合体1m3に対して50〜200kgの範囲内で添加されて、スラグが混合体1m3に対して100kg以下添加されたものを使用する。
ここで、水酸化カルシウムは、限定されるものではないが、水に極僅かしか溶けない難溶性物質で、水ガラスの存在下では十分な量が溶解して水ガラスとの反応によるゲルタイムが安定しているものが好ましい。
また、本実施形態では、スラグとして、高炉水砕スラグを使用するが、スラグは、潜在水硬性を有するものであれば前記のものに限定されるものではない。また、スラグの粒度は、懸濁液として圧送可能な程度であればよく、好ましくはブレーン値3200cm2/g以上、さらに好ましくは5000cm2/g以上のものであればよい。
また、本実施形態では、水ガラスとして、JISK1408の3号珪酸ソーダ(比重(15℃B’e)40以上、二酸化珪素28〜30%、酸化ナトリウム9〜10%、鉄0.02%以下、水不溶分0.2%以下)を使用する。なお、水ガラスは前記のものに限定されるものではなく、分子式がNa2O:nSiO2(nはモル比)で表されるもので、モル比n(=SiO2のモル数/Na2Oのモル数)0.5〜4.2、SiO2の濃度が9.5〜38.0重量%の範囲内のものを適宜選択して使用すればよい。
なお、本実施形態では、A液とB液との混合を図示しないタンクにおいて行った後、注入管13により圧送して、空隙K2,K3に充填する。なお、A液とB液との混合のタイミングは前記の方法に限定されるものではなく、例えば、A液とB液とをそれぞれ個別の配管により注入箇所まで圧送した後、注入直前に混合して注入するなど、充填材のゲルタイムや注入箇所までの距離、注入箇所の形状等に応じて、適宜設定すればよい。
ここで、本実施形態では、A液とB液との混合比率を1:1として、比率の変動を抑えるものとするが、A液とB液との混合比率は、適宜変更可能であることはいうまでもない。
B液の懸濁液に添加されるスラグは、地山の状況(原地盤の強度等)に応じて省略することが可能であり、充填材10として、水ガラスと水とからなるA液と、水酸化カルシウムを含む懸濁液であるB液と、の混合体である充填材であって、前記水酸化カルシウムが、前記混合体1m3に対して50kg〜200kgの範囲内で添加されたものを使用してもよい。
掘削工程は、シールド機30により地山Gを切削する工程である。シールド機30は、図1(a)に示すように、主に、地山Gの切削を行うカッターヘッド31とシールド機30の内部を保護する鋼製部材からなるシールド部32とから構成されている。
本実施形態では、図1(b)に示すように掘削断面が円形断面となるように構成されたシールド機30を使用するが、シールド機30の形状は限定されるものではなく、例えば、矩形断面のものを使用してもよい。
ここで、シールド機30のカッターヘッド31の外径は、シールド部32の外径よりも大きく形成されており、シールド機30による切削に伴い、シールド部32と掘削面K1との間には空隙K3が形成される。そして、この空隙K3には、地山Gの崩落の防止を目的として、充填材10(滑材12)を充填する。
空隙K3への滑材12の充填は、シールド部32に形成された注入孔34から行うものとし、注入孔34には、充填材10を圧送するための注入管13が取り付け部材14を介して取り付けられている。
躯体構築工程では、シールド機30のシールド部32内において、地山Gの掘進に伴い随時組み立てられたセグメント20を、地中(掘削工程において形成された空間の内部)に配置する。なお、シールド機30の推進は、推進ジャッキ35により、シールド部32内において組み立てられたセグメント20から反力を取って行う。
裏込め工程では、シールド部32とセグメント20との形状差により生じた空隙K2に、裏込め材11(充填材10)を充填する。ここで、空隙K2への裏込め材11の充填は、セグメント20の所定の位置に形成された図示しない注入孔に注入管13を介して行う。なお、図1(a)における符号36は、シールド機30内への充填材10(裏込め材11または滑材12)の流入を防止するテールシールである。
ここで、何らかの原因により、シールド機30による掘進を中断する場合には、カッターヘッド31と切羽面K4との間に形成された空隙K5にも、充填材10を充填することにより、切羽の崩壊を防止する構成としてもよい。
本実施形態に係る充填材10は、前記の配合により、ゲルタイムが60秒以内となるように構成されているため、空隙K2,K3への充填直後にゲル化して、地山G内に漏出することがないため、必要最小限の充填量による充填が可能となるため、経済的な施工が可能となる。
また、充填材10は、前記の配合により、地山と同等程度の強度(0.5N/mm2〜1.0N/mm2)を発現するため、地山の崩壊を抑止して、安全な施工が可能となる。
また、充填材10は、付着強度が低く、シールド機30に付着して、掘進の妨げとなることがなく、滑材として安全、かつ、効率的な施工を提供することを可能としている。また、トンネル1を拡幅して大断面トンネルを施工する際も、その付着強度が低いため、容易にセグメント(躯体)20を撤去することを可能としており、施工を効率的に行うことが可能となる。
また、充填材10は、初期強度からの強度増加が30%以下となるように構成されているため、周囲の地山Gと比較して充填材10が強固となることで、大断面トンネルの施工時に支障をきたすことがない。
また、掘進の中断時において、切羽面K4とカッターヘッド31との間の空隙K5に充填材10を充填すれば、切羽面K4の崩壊を抑えることが可能となる。さらに、掘進が再開しても、充填材10は、地山Gと同等の強度に構成されているため、掘進の妨げとなることがなく、さらに、付着強度が低いため、チャンバ33内や土砂搬送手段(図示省略)に付着することがなく、施工の妨げとなることがない。
また、本実施形態の充填材10は、スラグが添加されていることにより、アルカリ刺激剤(水酸化カルシウム)と潜在水硬性反応を起こし、早期に硬化反応を引き起こし、固結強度が増加されている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、構造物の構築方法として、シールド工法により行うものとしたが、例えば推進工法により行ってもよく、施工方法は限定されるものではない。
また、前記実施形態では、トンネル工法により地下構造物を構築する場合について説明したが、本発明の充填材が適用可能な構造物はトンネルに限定されるものではなく、さまざまな空隙への充填が可能であることはいうまでもない。
また、前記実施形態では、トンネルを構築した後、このトンネルを拡幅して大断面トンネルを構築する場合について説明したが、複数のトンネルを並設させて連結することにより大断面トンネルを構築する場合や、完成形状として構造物(トンネル)を構築する場合等に本発明の構造物の構築方法を採用してもよいことはいうまでもない。
また、前記実施形態では、充填材の強度増加を目的として、スラグを添加するものとしたが、スラグのほかに、ベントナイト等を添加してもよい。
また、前記実施形態では、円形断面形状のトンネルを構築する場合について説明したが、トンネルの断面形状は限定されるものではなく、例えば、矩形状の断面を有したトンネルに対して使用してもよい。つまり、掘削機による形成された掘削孔(空間)が矩形状なため、グランドアーチが形成されにくく、地山の崩落が予想される場合に、本発明の充填材を充填すれば、掘削面の崩落を抑止するため、好適である。
また、同様に、欠円形断面の函体を使用した推進工法の滑材兼裏込め材として本発明の充填材を使用してもよい。つまり、掘削機により断面円形に形成された掘削孔(空間)に欠円形の函体を配置すると、欠円部の地山保持が困難となるため、本発明の充填材を充填することにより、欠円部の地山の保持を行う。この時、充填材は、付着強度が小さいため、函体の推進のための滑材としての機能を果たし、好適である。
次に、本発明の充填材の性質に係る実証実験を行った結果を示す。
まず、水ガラス(JISK1408の3号珪酸ソーダ)と水との混合体であるA液と水酸化カルシウムと水または水酸化カルシウムと水砕スラグと水の懸濁液であるB液とを1:1で混合した充填材および従来のセメント系充填材について、ゲルタイムと1,3,7,28日経過後の一軸圧縮強度の測定を行った。
表1に示すように、本実証実験では、B液として懸濁液500lに対して水酸化カルシウムの量を20kg〜225kgの範囲内で添加した充填材(試料1〜8)、B液として懸濁液500lに対して水酸化カルシウムを50kgと水砕スラグを50kg〜100kgの範囲内で添加した充填材(試料9〜11)と、表2に示すように、従来のセメント系充填材であるポルトランドセメントとベントナイトと水ガラスと水との混合体(試料12)を採用した。
Figure 2006347777
Figure 2006347777
前記の各配合の充填材について、ゲルタイムと一軸圧縮強度の測定結果を表3に示す。
表3に示すように、試料1のように水酸化カルシウムも添加量が混合体1m3あたり20kgと少ない場合には、ゲルタイムが250秒と、長くなるため、地盤内に浸透することで、充填量が増加して不経済となることから、充填材に適さない。また、強度発現も、7日後まで発現することがなく、その強度も、0.01N/mm2と小さいため、地山の安定化にも適していない。
また、試料2のように、水酸化カルシウムの添加量を混合体1m3あたり40kgとした場合は、強度発現まで3日かかり、その初期強度が0.01N/mm2、28日強度が0.02N/mm2と小さいため、地山の安定化の面で、その機能を果たさない恐れがあるという問題点を有している。
さらに、試料8に示すように、水酸化カルシウムの量を225kgと多くすれば、適切な強度を発現するが、ゲル化が瞬時に行われて、注入作業に支障をきたす恐れがある。
また、試料12に示すように、モルタルからなる従来のセメント系充填材は、28日強度で2.2N/mm2となり、必要以上に強度が発現される。
一方、試料3〜7に示すように、水酸化カルシウムを50kg〜200kgの間で添加すれば、ゲルタイムが60秒以内で、初期強度も早期に発現するため、地山に漏出することなく、地山の崩壊を防止して、充填材としての機能を果たすことが証明された。また、試料3の一軸圧縮強度と試料9〜11の一軸圧縮強度を比較すれば、水砕スラグをB液に添加することにより一軸圧縮強度が増加することがわかる。特に、混合体1m3に対して、水酸化カルシウムを50kg、水砕スラグを75〜100kg添加すれば、充填材の一軸圧縮強度が地山の強度(0.5〜1.0N/mm2)と同等以上の強度を示すため、好適である。なお、試料11の結果から、水砕スラグを100kg添加すると、充填材の28日強度が1.01N/mm2となるため、水砕スラグの投入量が100kgを超えると、地山の強度(0.5〜1.0N/mm2)に対して充填材の一軸圧縮強度が高くなり、過剰となることが証明された。
以上の結果から、混合体1m3に対して、水酸化カルシウムが50〜200kgの範囲内で添加されれば、早期のゲル化、および早期の強度発現が実現される、望ましい充填材が生成されることが実証された。また、混合体1m3に対して50〜200kgの範囲内の水酸化カルシウムと100kg以下のスラグを投入すれば、充填材の強度増加が可能となり、好適である。
Figure 2006347777
また、本発明に係る充填材の付着強度について、検証することを目的として、幅100×長さ100×高さ50mmでその上下面の中心に45×45mmの挿通孔が形成された型枠に、40×40×160mmに形成されたコンクリート部材を挿通孔に相通させた後、このコンクリート部材と型枠との隙間にグラウトを充填し、一定時間後にコンクリート部材の上部から圧力を付加して、コンクリート部材の移動時の付着強度を測定した。この結果を表4に示す。
Figure 2006347777
表4に示すように、本発明による充填材(試料4および試料11)は、セメント系充填材(試料12)に比べてその付着強度がはるかに小さいことが実証された。そのため、当該充填材を滑材として使用しても、摩擦抵抗が少なく、地山の掘進の妨げとなることがなく、さらに、所定の強度を有していることから、地山の崩壊を抑止するため、好適である。
本実施形態に係る構造物の構築方法を示す図であって、(a)は横断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
符号の説明
1 トンネル(構造物)
10 充填材
11 裏込め材
12 滑材
20 セグメント(躯体)
30 シールド機
K1 掘削面
K2,K3 空隙
G 地山

Claims (5)

  1. 水ガラスと水とからなるA液と、
    水酸化カルシウムを含む懸濁液であるB液と、の混合体である充填材であって、
    前記水酸化カルシウムが、前記混合体1m3に対して50kg以上200kg以下の範囲内で添加されることを特徴とする、充填材。
  2. 水ガラスと水とからなるA液と、
    水酸化カルシウムおよび潜在水硬性のある材料を含む懸濁液であるB液と、の混合体である充填材であって、
    前記水酸化カルシウムが、前記混合体1m3に対して50kg以上200kg以下の範囲内で添加されて、
    前記潜在水硬性のある材料が、前記混合体1m3に対して100kg以下添加されることを特徴とする充填材。
  3. 前記潜在水硬性のある材料が、ブレーン値3200cm2/g以上、好ましくは5000cm2/g以上であることを特徴とする、請求項2に記載の充填材。
  4. 前記水ガラスが、SiO2/Na2Oのモル比が0.5〜4.2、SiO2の濃度が9.5〜38.0重量%の範囲内のものであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の充填材。
  5. 地山を掘削する工程と、
    前記地山の掘削より形成された空間の内部において躯体を形成する工程と、
    前記地山と前記躯体との間に形成された空隙に請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された充填材を充填する工程と、を含むことを特徴とする、構造物の構築方法。
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