JP2002338326A - 空隙充填材料及び空隙充填工法 - Google Patents

空隙充填材料及び空隙充填工法

Info

Publication number
JP2002338326A
JP2002338326A JP2001154282A JP2001154282A JP2002338326A JP 2002338326 A JP2002338326 A JP 2002338326A JP 2001154282 A JP2001154282 A JP 2001154282A JP 2001154282 A JP2001154282 A JP 2001154282A JP 2002338326 A JP2002338326 A JP 2002338326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
mortar
filling material
void
gap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001154282A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsuro Shioda
悦郎 潮田
Yoshimi Saitou
儀巳 斎藤
Itsuo Hirano
逸雄 平野
Shinichi Wakasa
慎一 若狭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2001154282A priority Critical patent/JP2002338326A/ja
Publication of JP2002338326A publication Critical patent/JP2002338326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00663Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 as filling material for cavities or the like
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/70Grouts, e.g. injection mixtures for cables for prestressed concrete
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の性質を有し、圧送性が良好であり、有
害物質の溶出がなく、良好な作業性を保つことが可能と
なる空隙充填材料を提供する。 【解決手段】 スラグ石灰系固化剤を主成分とした流動
性モルタルと、陶長石を主成分とした粘土鉱物又はベン
トナイトを混合した一次鉱物、及びアルカリ珪酸塩を含
む流動性液材と、から形成されており、両者を混合する
ことにより非流動性ゲル状物質となることを特徴とする
空隙充填材料とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル等の土木
構造物における空隙部、或いは、シールド工法における
裏込注入等に使用する空隙充填材料及び当該空隙充填材
料を使用した空隙充填工法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、山岳トンネルの新設時やリニュ
ーアル時において、地盤の空隙部に空隙充填材料を注入
して、地盤の止水性や強度を増加させる空隙充填工法が
採用される場合がある。その場合には、1液性のセメン
ト系モルタルが使用されることが一般的であったが、帯
水層や流水層の下部において使用すると、モルタル成分
が地下水や滞留水で希釈されるため均一な強度を得るこ
とが出来ないという問題点が指摘されていた。
【0003】このような問題点に対応するために、モル
タル(エアモルタルも含む)に可塑材としてのアルミニ
ウム塩類を混入する2液タイプの空隙充填材料、或い
は、セメントベントナイト液にポリマーを混入させた1
液タイプの空隙充填材料が開発、使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記アルミニ
ウム塩類を混入する2液タイプの空隙充填材料は、アル
ミニウム塩類が高価であるため材料コストを上昇させる
とともに、基本材料として多量に砂を用いるモルタルや
エアモルタルを使用していることから、圧送性に難点が
あり、注入場所付近で作液しなければならないという問
題が残ることになっていた。
【0005】また、セメントベントナイト液にポリマー
を混入する1液タイプの空隙充填材料は、ポリマーが高
価であるため材料コストを上昇させるとともに、1液性
で非流動性の空隙充填材料であるため、圧送性に難点が
あるという問題が残ることになっていた。
【0006】さらに、近年、所定の条件下において、セ
メント系及びセメント固化材系の空隙充填材料を用いた
場合に、対象の地山から六価クロムが溶出する恐れがあ
ることが指摘されており、国が定めた六価クロムの溶出
量の基準値を遵守することができ、周辺環境に悪影響を
与えることがない空隙充填材料を開発することが要請さ
れている。
【0007】本発明は、前記の問題点を解決するために
なされたものであり、所定の性質を有し、圧送性が良好
であり、有害物質の溶出がなく、良好な作業性を保つこ
とが可能となる空隙充填材料及び当該空隙充填材料を使
用した空隙充填工法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の空隙充填材料は、スラグ石灰系固化剤を主
成分とした流動性モルタルと、陶長石を主成分とした粘
土鉱物又はベントナイトを混合した一次鉱物、及びアル
カリ珪酸塩を含む流動性液材と、から形成されており、
両者を混合することにより非流動性ゲル状物質となるこ
とを特徴としている。
【0009】ここで、スラグ石灰系固化剤とは、スラグ
と石灰とを主要な含有成分とする固化剤をいい、スラグ
セメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、ス
ラグを含有したセメント系固化剤、スラグを含有した石
灰系固化剤等も含まれるものである。また、陶長石を主
成分とした粘土鉱物とは、一次鉱物としての長石と粘土
鉱物としての陶土やベントナイトが混在している物質で
ある。また、非流動性ゲル状物質とは、無圧下では固体
的な性状を示すが、極く僅かな圧力により容易に流動化
する性質を有する物質を意味するものであり、固体と流
動体を兼ね備えた可塑性を有する物質をいう。さらに、
流動性モルタルには、材料分離防止に必要な混和剤を添
加してもよい。
【0010】本発明の空隙充填材料は、ともに良好な流
動性を有する流動性モルタルと、流動性液材とを混合す
ることにより得られる可塑性を有する非流動性ゲル状物
質であるため、容易に圧送すること及び空隙に注入する
ことが可能となることから施工性を向上させることがで
きる。特に、流動性液材を、陶長石を主成分とした粘土
鉱物又はベントナイトを混合した一次鉱物、とアルカリ
珪酸塩とから形成したことにより、一種のゲル化反応が
認められ、可塑性を有し、ブリージングがなく圧送性に
適した材料とすることができる。
【0011】また、前記空隙充填材料において、前記流
動性モルタルと前記流動性液材の少なくとも一方に、発
泡体の粒状物を混入したものであってもよい。ここで、
発泡体は、発泡樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系重合体やポリスチレン等の各
種樹脂に発泡剤を加えたもの)を発泡させた発泡成形体
であり、各種の発泡樹脂組成物を発泡させた材料を使用
することができる。
【0012】本発明の空隙充填材料によれば、流動性モ
ルタルと流動性液材の少なくとも一方に発泡体の粒状物
を混入することにより、当該粒状物が目詰め効果を発揮
することになる。そのため、注入時に、空隙充填材料が
地山へ流出することを防止することができるため、目標
箇所への限定注入が可能となる。それに加えて、発泡体
は、各種梱包用資材、緩衝材或いは断熱材等として大量
に使用されており、その大半が産業廃棄物として排出さ
れていることから、当該産業廃棄物である発泡体を用い
た場合には、産業廃棄物の有効利用に資することができ
る。
【0013】さらに、前記空隙充填材料を使用するとと
もに、前記流動性モルタルと前記流動性液材とを別経路
で圧送し、空隙に対する注入口の近傍で両者を混合し
て、前記注入口から前記空隙に充填を行うことを特徴と
する空隙充填工法を使用することにより、各種施工場所
において容易にその施工を行うことが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。
【0015】(1)空隙充填材料 本発明の空隙充填材料は、流動性モルタルと流動性液材
とを混合することにより、非流動性ゲル状を呈する材料
である。
【0016】[流動性モルタル]前記流動性モルタル
は、硬化発現材であるスラグ石灰系固化剤を主成分とし
て、水及び必要に応じて混和剤を加えて、混練すること
により形成されている。ここで、スラグ石灰系固化剤の
主要な原材料であるスラグと石灰は、個別の物質である
スラグと石灰とを混合して使用してもよく、また、スラ
グ石灰をブレンドして使用してもよい。また、前記混和
剤は、主に材料分離(ブリージング)防止を目的に用い
るために添加されるものであり、水中不分離性混和剤や
分離低減剤(カルボキシメチルセルロース(CMC)、
ベントナイト等)などを幅広く用いることができる。
【0017】[流動性液材]前記流動性液材は、陶長石
を主成分とした粘土鉱物(以下、「陶長石含有粘土鉱
物」という場合がある)、及び、アルカリ珪酸塩を主成
分として、水を加えて混練することにより形成されてい
る。ここで、陶長石含有粘土鉱物とは、一次鉱物として
の長石と粘土鉱物としての陶土やベントナイトが混在す
るものであり、陶土やベントナイトの存在に起因して粘
土本来の持つ架橋効果が発揮され、骨材(増量材)とし
ての長石が、単体で存在する場合と比較して、大きな強
度を発現するという優れた性質を有している。
【0018】また、後記実施例で詳述するが、陶長石以
外の一次鉱物に、当該陶長石と同様の性質を有するもの
が存在するか否かについて各種試験を行ったが、その一
次鉱物単体又は水ガラスとの組合わせからは、同様の性
質は見出せなかった。しかし、一次鉱物、微粉末スラ
グ、フライアッシュ或いは石灰灰に対し、当該一次鉱物
量の20重量%〜30重量%のベントナイトを混合した
場合に、陶長石の示す作用と同様の作用が見い出され、
さらに、前記アルカリ珪酸塩を混練した場合にも同質の
結果が得られた。そのため、この場合も本発明の空隙充
填材料の構成材料として含めることとしたものである。
【0019】陶長石含有粘土鉱物は水と混合して単独で
使用することができるが、その場合には、流動性液材1
L(リットル)に相当量(0.6kg〜0.8kg)を
加えなければ、流動性モルタルと混合した際に非流動性
ゲル状になりにくい。また、流動性液材と流動性モルタ
ルとの反応は瞬時に行われるが、この配合の場合には流
動性液材の粘性が高いため、両者を均一に混合すること
が非常に難しい。そのため、本発明では、流動性液材と
して、陶長石含有粘土鉱物と水との混合物にアルカリ珪
酸塩を混合することにより、流動性モルタルと流動性液
材の粘性を同程度にして、両者を均一に混合させること
を可能としたものである。
【0020】前記流動性液1Lを作成する際には、以下
の配合で行うことが、ブリージングを防止し、流動性モ
ルタルと同程度の粘性として良好な流動性を確保するこ
とから好適である。すなわち、陶長石含有粘土鉱物0.
2kg〜0.3kgに、流動性液量(1L)に対して、
4.0容量%〜7.0容量%(40ml(ミリリット
ル)〜70ml)のアルカリ珪酸塩を加え、残りを水に
より調節することにより行うことが好適である。
【0021】なお、後記実施例で詳述するように、前記
アルカリ珪酸塩の添加量が前記範囲より少ない場合には
流動性モルタルとの混合時に非流動性ゲル状を呈さない
場合がある。また、前記アルカリ珪酸塩の添加量が前記
範囲より多い場合には、流動性液材のみにより非流動性
ゲル状を呈してしまい、流動性モルタルとの混合時に粘
性の違いから均一混合できない場合がある。
【0022】前記本発明の空隙充填材料は、ともに良好
な流動性を有する流動性モルタルと、流動性液材とを混
合することにより得られる可塑性を有する非流動性ゲル
状物質であるため、容易に圧送すること及び空隙に注入
することが可能となることから施工性を向上させること
ができる。特に、流動性液材を、陶長石を主成分とした
粘土鉱物又はベントナイトを混合した一次鉱物、とアル
カリ珪酸塩とから形成したことにより、一種のゲル化反
応が認められ、可塑性を有し、ブリージングがなく圧送
性に適した材料とすることができる。加えて、非流動性
ゲル状物質は、ポンプ等の加圧手段により加圧(0.0
1N/mm2程度)することにより再び流動化するた
め、非常に容易に取り扱うことができる。
【0023】また、流動性液材と、流動性モルタルにお
けるスラグ石灰系固化剤に含有されるカルシウムイオン
とが急激に反応し、瞬時に非流動性ゲル状の空隙充填材
料を作成することができる。加えて、流動性液材はアル
カリ珪酸塩を含有しているため、流動性モルタルと流動
性液材とを混合して非流動性ゲル状物質に変質させた場
合に、水により希釈されない空隙充填材料とすることが
できる。
【0024】さらに、前記流動性モルタルは、スラグと
石灰を含有しているため、後記流動性液材と混合されて
非流動性ゲル状物質に変質した後に、六価クロムの溶出
値を環境庁告示46号(平成3年8月23日付け環境庁
告示)の基準値(検液1リットルにつき、0.05mg
以下であること)以内にすることができ、周辺環境に悪
影響を及ぼすことを防止することが可能となる。
【0025】[発泡体粒状物]本発明の空隙充填材料に
おいて、前記流動性モルタルと前記流動性液材の少なく
とも一方に、発泡体粒状物を混入することができる。こ
れは、空隙充填材料の注入場所である地山が礫や砂礫等
により形成されており、充填すべき空隙充填材料が逸走
してしまう可能性を有している場合において、発泡体粒
状物を混入することにより、当該発泡体粒状物が目詰め
効果を発揮することを期待したものである。前記発泡体
は粒状物として混入されていることから、空隙部の形状
に応じて変形自在であり、軽量で変質しにくいため、非
常に効果的に目詰め効果を発揮することができる。その
ため、本発明の空隙充填材料を使用した場合には、注入
された空隙充填材料が地山に逸走して流出してしまうこ
とを効果的に防止することができるため、目標箇所へピ
ンポイントで限定注入することが可能となる。
【0026】前記発泡体粒状物は、各種材料を使用する
ことができるが、発泡ポリスチレン(Expanded Polysty
rene、いわゆる発泡ポリスチロール)を用いることが好
適であり、包装材等に使用されている発泡体を再利用し
て用いることが産業廃棄物の有効利用等の面からみて、
特に好適である。なお、発泡体粒状物の粒径や、当該粒
状物の成形方法等は適切に定めることができる。
【0027】(2)空隙充填工法 本発明の空隙充填工法は、前記空隙充填材料を使用して
以下の方法で行うものである。すなわち、空隙充填工法
は、流動性モルタルと流動性液材とを別経路で圧送し、
空隙に対する注入口の近傍で両者を混合(1.5ショッ
ト)して、前記注入口から空隙に空隙充填材料の充填を
行う工法である。
【0028】例えば、図1に示すように、シールド工法
において、地山GとセグメントCの間のテールボイドV
(空隙)に裏込材である空隙充填材料を注入して地山G
の沈下を防止する場合について説明する。
【0029】まず、空隙充填材料の充填に使用する注入
装置10について説明する。トンネルTの外部における
所定位置には、流動性モルタル及び流動性液材の各構成
材料を混合撹拌するための流動性モルタル用ミキサ11
と流動性液材用ミキサ12がそれぞれ設置されており、
各ミキ11,12サは圧送ポンプ21,22を介して注
入管31,32と接続され、それぞれ別系統でテールボ
イドVの近傍にまで敷設されている。この各注入管3
1,32は、シールド掘進機SのスキンプレートPの軸
線方向に添わせるとともに、テールボイドVの開口部の
直前で両注入管31,32を連結し、その先端部を、テ
ールボイドVに連通している注入口35として開口させ
た状態で設けられている。
【0030】前記注入装置10を使用して空隙に空隙充
填材料を充填するには、まず、流動性モルタル用ミキサ
11と流動性液材用ミキサ12に構成材料を投入して混
合撹拌することにより、流動性モルタルと流動性液材を
作成する。そして、各ポンプ21,22で、流動性モル
タルと流動性液材を圧送すると、注入口35の近傍で両
材料が混合され、瞬時に非流動性のゲル状物質になり、
その状態で注入口35からテールボイドVに充填される
ことになる。そして、所定時間経過後に、注入された空
隙充填材料は硬化する。このように、本発明の空隙充填
工法によれば、特別な装置を使用することなく、容易に
空隙の充填を行うことが可能となる。
【0031】以上、本発明について、好適な実施形態の
一例を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態に限
られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることは言
うまでもない。特に、流動性モルタル及び流動性液材の
配合は、土質条件や環境条件等を考慮して、適切に定め
るものである。また、空隙充填工法の適用箇所はいずれ
の場所であってもよく、また、流動性モルタル及び流動
性液材の圧送手段及び注入手段等についても制限はな
い。
【0032】
【実施例】本発明の空隙充填材料の配合及びその効果を
検討するために、各種条件で試験を実施した。なお、説
明の便宜上、以下の表1〜表5では、流動性モルタル及
び流動性液材について、それぞれ1L当たりの構成材料
の量を示している。
【0033】[第1実施例]本発明の空隙充填材料にお
ける流動性モルタルの性質を検討するために、表1に示
す配合で各材料を混練して供試体を作成し、ブリージン
グ及び粘性についての分析を行った。ブリージングは、
1000ccのメスシリンダに作成した流動性モルタル
を入れ、混練から3時間経過後におけるブリージング率
を測定した。粘性はPロートを用い、当該Pロートに入
れられた定量(1725cc)の対象材料(混練から3
時間経過後)の落下秒数(フロー値)を測定した。
【0034】流動性モルタルは、水と混和剤をハンドミ
キサに投入して2分間〜3分間混練し、その後、さら
に、スラグ石灰系固化剤を投入して1.5分間〜2分間
混練して作成することにより2L作成した。なお、スラ
グ石灰系固化剤として、高炉セメント、早強高炉セメン
ト、スラグ(水冷スラグ)及び石灰の混合物の3種類
を、混和剤として、水中不分離混和剤(商品名:ユニシ
ョットA)と分離低減剤(ベントナイト)の2種類を使
用し、表1の配合で各供試体を作成した。
【0035】この結果から、前記配合の各供試体(供試
体番号(1−1)〜(1−6))は、圧送が可能なフロ
ー値(9秒〜12秒程度、特に好適であるのは9.5秒
〜10.5秒)を有し、ブリージングが少ない性質を有
する流動性モルタルであることが確認された。
【0036】
【表1】
【0037】[第2実施例]本発明の空隙充填材料にお
ける流動性液材の配合を検討するために、表2に示す配
合で各材料を混練して、粘性及び材料分離性についての
分析を行った。粘性は第1実施例と同様の方法により、
流動性液材の混練直後においてフロー値を測定した。ま
た、材料分離性は、混練から1時間経過後に材料分離が
生じているか否かについて判断を行った。供試体を作成
するにあたり、微粉末陶長石(陶長石含有粘土鉱物)
と、水ガラス(アルカリ珪酸塩)と、水とを所定の配合
で用意し、まず、水と陶長石含有粘土鉱物をハンドミキ
サに投入して2分間混練し、さらに、アルカリ珪酸塩を
添加して、30秒〜60秒間混練することにより2Lの
流動性液材を作成した。なお、水ガラスは「JIS3
号」を使用したが、このJIS3号の水ガラスは粘性が
高いため加水して、容量比で85%溶液(比重1.3
4)として用いた。
【0038】この結果によると、圧送が可能なフロー値
(9秒〜12秒程度、特に好適であるのは、流動性モル
タルと同程度のフロー値である9.5秒〜10.5秒)
であること、及び、材料分離性がないことを満たしてい
る供試体番号は、(2−6),(2−7),(2−
9),(2−11)である。従って、流動性液材は、当
該流動性液材1L当たり、陶長石含有粘土鉱物0.2k
g〜0.3kgに、当該流動性液量(1L)に対して、
4.0容量%〜7.0容量%(40ml(ミリリット
ル)〜70ml)のアルカリ珪酸塩を加え、残りを水に
より調節する配合とすることが好適であることがわか
る。
【0039】同時に、水ガラスが含まれている供試体番
号(2−6),(2−7),(2−9),(2−11)
の流動性液材は、流動性モルタルとの混練後に生成され
る非流動性ゲル状物質を水中に浸漬した場合であって
も、希釈されないことが確認された。
【0040】なお、供試体番号(2−1)〜(2−3)
の流動性液材において、フロー値は測定不能であった
が、別途、B型粘度計でその粘度を測定したところ、3
0000CP以上の高粘性である値を示し、圧送性に難
点があるため、使用に適さないことが確認された。ま
た、供試体番号(2−4)の流動性液材は、混練直後の
フロー値が11.5秒であることから圧送に耐えられる
が、混練から1時間経過後には粘性が増加してしまうこ
とから圧送性に難点があるため、使用に適さないことが
確認された(前記供試体番号(2−6),(2−7),
(2−9),(2−11)は、1時間後のフロー値も良
好であった)。さらに、供試体番号(2−13)は、水
ガラスの添加量が多くても、陶長石含有粘土鉱物量が少
ないため、材料分離が生じてしまうため好ましくないこ
とが確認された。
【0041】
【表2】
【0042】[第3実施例]本発明の空隙充填材料にお
ける流動性液材の配合を検討するために、表3に示す配
合で各材料を混練して、粘性、材料分離性及び流動性モ
ルタルと混練した時の性状についての分析を行った。な
お、流動性モルタルと混練した時の性状は、非流動性の
ゲル状物質となるかどうかについて判断を行った。表中
において、その性状が非常に好ましい場合には「良
好」、使用に適する場合には「適」、使用に適さない場
合には「不適」として表示している。
【0043】供試体を作成するにあたり、それぞれの配
合により、流動性モルタル及び流動性材料を各2Lずつ
混練することにより、4Lの空隙充填材料を作成した。
流動性モルタルは第1実施例と同様な方法で、流動性液
材は第2実施例と同様の方法でそれぞれ作成し、流動性
モルタルと流動性液材とを、ハンドミキサにより、10
秒〜15秒間混練することにより空隙充填材料を作成し
た。なお、流動性モルタル1L当たりの配合は、早強ス
ラグセメント(石灰系固化剤)600g、ベントナイト
(混和剤)1g、水803gである。
【0044】この結果によると、圧送が可能なフロー値
(9秒〜12秒程度、特に好適であるのは、流動性モル
タルと同程度のフロー値である9.5秒〜10.5秒)
であること、材料分離性がないこと、及び、流動性モル
タルと混練した時の性状が良好であることの条件を満た
している供試体番号は、(3−2),(3−4),(3
−7),(3−9)である。従って、流動性液材は、当
該流動性液材1L当たり、陶長石含有粘土鉱物0.2k
g〜0.3kgに、当該流動性液量(1L)に対して、
4.0容量%〜7.0容量%(40ml〜70ml)の
アルカリ珪酸塩を加え、残りを水により調節する配合と
することが好適であることがわかる。
【0045】なお、一般的に、陶長石含有粘土鉱物量に
対し、水ガラス比率を高めるほど粘性が大きくなり、供
試体番号(3−13)のように陶長石含有粘土鉱物量が
少ないと、水ガラス比率を高く(10容量%)しても粘
性が足りず、流動性モルタル混合時の性状が不適となっ
てしまうことが確認された。
【0046】
【表3】
【0047】[第4実施例]流動性液材を構成する陶長
石以外の一次鉱物に、当該陶長石と同様の性質を有する
ものが存在するかどうかを調べるために、第2実施例で
使用した陶長石含有粘土鉱物の代わりに、以下の構成材
料を用いて流動性液材を作成して粘性を測定した。構成
材料は各種の材料を用いたが、表4には、微粉末粘土
(一次鉱物)とベントナイトの組み合わせ(供試体番号
(4−1)〜(4−3))と、微粉末砂(一次鉱物)と
ベントナイトの組み合わせ(供試体番号(4−4)〜
(4−6))について示す。
【0048】この結果によると、微粉末粘土又は微粉末
砂に一定量(当該微粉末粘土又は微粉末砂に対し20重
量%〜30重量%)のベントナイトを混合した場合であ
って、所定量の水ガラスを加えた場合に、陶長石の示し
た場合と同様の良好な粘性を示すことがわかった。
【0049】
【表4】
【0050】[第5実施例]本発明の空隙充填材料の強
度を検討するために、第3実施例と同様の方法により、
表5に示す配合で各材料を混合して供試体を作成し、一
軸圧縮強度試験を行った。前記空隙充填材料は、好適な
性状である第1実施例の配合(供試体番号(1−1)〜
(1−6))の流動性モルタルと、第2実施例の配合
(供試体番号(2−6)、(2−7)、(2−9)、
(2−11))及び第4実施例の配合(供試体番号(4
−2)、(4−3)、(4−5)、(4−6))の流動
性液材とを、表5の組み合わせで用い、両材料を混練す
ることにより作成した。また、一軸圧縮強度は、一軸圧
縮試験装置を用い、所定材齢(7日、28日、必要に応
じて1日、3日)の供試体の値を測定した。使用した供
試体の寸法は、直径5cm×高さ10cmの円柱供試体
であり、試験日までは常温20℃で水中養生した。ま
た、各材令の供試体について、それぞれ3本を採取して
試験を行った。
【0051】この結果から、各供試体は所定の一軸圧縮
強度を有することがわかり、硬化後にも実用性に耐えう
ることが確認された。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明により、所定の性質を有し、圧送
性が良好であり、有害物質の溶出がなく、安価であり、
良好な作業性を保つことが可能となる空隙充填材料及び
当該空隙充填材料を使用した空隙充填工法を提供するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空隙充填工法の一例を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】
V テールボイド(空隙) 10 注入装置 11 流動性モルタル用ミキサ 12 流動性液材用ミキサ 21,22 圧送ポンプ 31,32 注入管 35 注入口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:10 C04B 22:08 22:08 16:08 16:08) 103:44 103:44 111:70 111:70 (72)発明者 平野 逸雄 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 若狭 慎一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 2D055 BA01 JA02 KB01 KB12 KC02 KC06 LA14 4G012 MB02 PA06 PB04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラグ石灰系固化剤を主成分とした流動
    性モルタルと、 陶長石を主成分とした粘土鉱物又はベントナイトを混合
    した一次鉱物、及びアルカリ珪酸塩を含む流動性液材
    と、から形成されており、 両者を混合することにより非流動性ゲル状物質となるこ
    とを特徴とする空隙充填材料。
  2. 【請求項2】 前記流動性モルタルと前記流動性液材の
    少なくとも一方に、発泡体の粒状物を混入したことを特
    徴とする請求項1に記載の空隙充填材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれか一項に
    記載の空隙充填材料を使用するとともに、 前記流動性モルタルと前記流動性液材とを別経路で圧送
    し、空隙に対する注入口の近傍で両者を混合して、前記
    注入口から前記空隙に充填を行うことを特徴とする空隙
    充填工法。
JP2001154282A 2001-05-23 2001-05-23 空隙充填材料及び空隙充填工法 Pending JP2002338326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154282A JP2002338326A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 空隙充填材料及び空隙充填工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001154282A JP2002338326A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 空隙充填材料及び空隙充填工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002338326A true JP2002338326A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18998647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001154282A Pending JP2002338326A (ja) 2001-05-23 2001-05-23 空隙充填材料及び空隙充填工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002338326A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213589A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Koei Co Ltd 空隙充填材料とその作成方法
JP2006347777A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Taisei Corp 充填材および充填材を使用した構造物の構築方法
CN115432970A (zh) * 2022-09-05 2022-12-06 中交一公局集团有限公司 一种自密实抗渗陶砂砂浆

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213589A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Nippon Koei Co Ltd 空隙充填材料とその作成方法
JP2006347777A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Taisei Corp 充填材および充填材を使用した構造物の構築方法
CN115432970A (zh) * 2022-09-05 2022-12-06 中交一公局集团有限公司 一种自密实抗渗陶砂砂浆
CN115432970B (zh) * 2022-09-05 2023-10-31 中交一公局集团有限公司 一种自密实抗渗陶砂砂浆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1900704A2 (en) Low density cements for use in cementing operations
CN104402376A (zh) 一种超高水无机胶结充填及防灭火材料
US5667340A (en) Cementitious composition for underwater use and a method for placing the composition underwater
JP5959096B2 (ja) 既設管ライニング用グラウト材粉粒体組成物およびその硬化物および既設管のライニング施工法
JP2014129209A (ja) グラウト組成物及びグラウト材
JP4636970B2 (ja) グラウト工法
JPH08133797A (ja) 裏込め注入材料
JP2002338326A (ja) 空隙充填材料及び空隙充填工法
JP4059335B2 (ja) 空隙充填グラウト材
JP3739823B2 (ja) 気泡モルタル空洞充填材料
JP6296600B2 (ja) プレミックスグラウト組成物
JP2004075746A (ja) 地中接合用2液性充填材
JP3706670B2 (ja) 気泡モルタル組成物
JPH11124574A (ja) グラウト材及びグラウト注入工法
KR100979180B1 (ko) 급결형 마이크로시멘트 조성물
JP2006096650A (ja) 水硬性間隙充填材
JP2005112648A (ja) セメント組成物及びボルト定着工法
JP6420043B2 (ja) モルタル組成物
JP2005163526A (ja) 山岳トンネル背面空洞充填材およびこれを用いた山岳トンネル背面空洞充填工法
JP3435122B2 (ja) 可塑性注入材
JP4636971B2 (ja) グラウト工法
JPH1081879A (ja) 中込め注入材
JP2007076944A (ja) 自己充填コンクリートの製造方法
JP6762595B1 (ja) 二液型可塑性グラウト材
JP5267545B2 (ja) グラウト工法