JP6762595B1 - 二液型可塑性グラウト材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ注入充填することが可能な可塑性(適度なフロー値)及び優れた長距離圧送性を有し、且つ、高い圧縮強度を発現することができるグラウト材を提供する。【解決手段】セメント及び減水剤を含有するA液と、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を含有するB液との混合物からなり、当該A液中のセメントと当該B液中のスラグとの合計量が、当該A液と当該B液との合計1m3当たり900〜1200kgである、二液型可塑性グラウト材。【選択図】なし

Description

本発明は、二液型可塑性グラウト材に関する。
従来から、地盤内の間隙、空洞等に充填するためにグラウト材が使用されている。
特に、ロック材、礫材等で構成された地盤(つまり、空隙の多い地盤)内の間隙、空洞、地盤と構造物との境界面の空洞(トンネル等の裏込も含む)、地盤の弱い所(地盤注入工法の前処理として注入充填する)、隙間等をグラウト材で充填しようとする場合、このような地盤中の間隙等が大きいためにグラウト材が逸脱しやすいため、充填することが困難であることが知られている。
このようなグラウト材の種類としては、1液型のグラウト材と2液型のグラウト材が知られている。1液型のグラウト材は、調合槽で一度にモルタルを調合するもので、1例として1:1モルタル(水とセメントの重量比:W/C=50%)がある。しかしながら、1:1モルタルは、JHS313フロー値が12〜18cmと流動性が低く、1/2インチ(内径12.7mm)、3/4インチ(内径19.0mm)等の細いホースによる40m以上の圧送が困難である。
一方、2液型のグラウト材は、A液とB液の2液を別々に調合してから別々に圧送し、注入口付近で2液を混合することにより、即時に可塑化状態(グラウト材が力を加えることによって流動性を有する状態)となる。2液型のグラウト材としては、流動性モルタルに、モンモリロナイト粘土鉱物を含有した流動性の膨潤液を加えることにより得られる非流動性の可塑性グラウト材が挙げられる(例えば、特許文献1等参照)。
長距離圧送性と適度なフロー値とを両方満足する2液型の可塑性グラウト材としては、例えば、可塑性注入材である住友大阪セメント(株)製のJETMS等が挙げられるが、圧縮強度が1〜5N/mmと低く、コンクリートに匹敵する高強度が得られない。一方、高い圧縮強度と適切なフロー値とを満足する2液型の可塑性グラウト材としては、例えば、主材液は圧送可能であるが、可塑材液を注入口近傍で混合させる日特建設(株)製のパフェグラウト3号等が挙げられるが、長距離圧送性を満足しない。
特開平11−124574号公報
上記問題を解決するために、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ注入充填することが可能な可塑性(適度なフロー値)と優れた長距離圧送性とを有し、さらに、高い圧縮強度を発現するグラウト材の開発が求められている。
本発明は、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ注入充填することが可能な可塑性(適度なフロー値)及び優れた長距離圧送性を有し、且つ、高い圧縮強度を発現することができるグラウト材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、セメント及び減水剤を含むA液と、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を含むB液との混合物からなる二液型可塑性グラウト材によれば、上記課題を達成できることを見出した。本発明は、さらに研究を重ね、完成させたものである。
本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.
セメント及び減水剤を含有するA液と、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を含有するB液との混合物からなり、
前記A液中のセメントと前記B液中のスラグとの合計量が、前記A液と前記B液との合計1m当たり900〜1200kgである、二液型可塑性グラウト材。
項2.
前記B液中の加工澱粉系増粘剤の量が、前記B液1m当たり0.2〜0.8kgである、項1に記載の二液型可塑性グラウト材。
項3.
前記A液が天然多糖類系増粘剤を含有する、項1又は2に記載の二液型可塑性グラウト材。
項4.
前記A液中の天然多糖類系増粘剤の量が、前記A液1m当たり0.01〜0.5kgである、項3に記載の二液型可塑性グラウト材。
項5.
前記A液と前記B液との混合比(容積比)が、A液:B液=2:8〜8:2である、項1〜4のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項6.
前記A液が消石灰を含有しない、項1〜5のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項7.
前記B液がセルロースエーテルを含有しない、項1〜6のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項8.
前記B液がアルミン酸ソーダを含有しない、項1〜7のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項9.
前記B液が減水剤を含有する、項1〜8のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項10.
材齢28日の圧縮強度が24N/mm以上である、項1〜9のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
項11.
項1〜10のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材を、間隙が大きな地盤内の間隙及び空洞へ注入充填する二液型可塑性グラウト材の注入工法であって、
前記A液と前記B液とを、それぞれ別々のポンプで圧送し、注入口付近でA液とB液とを合流混合することにより得られた混合物を注入する、二液型可塑性グラウト材の注入方法。
本発明の二液型可塑性グラウト材は、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ注入充填することが可能な可塑性(適度なフロー値)及び優れた長距離圧送性を有し、且つ、高い圧縮強度を発現することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態及び具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
1.二液型可塑性グラウト材
本発明は、セメント及び減水剤を含有するA液と、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を含有するB液との混合物からなる二液型可塑性グラウト材であり、A液中のセメントとB液中のスラグとの合計量(即ち、A液中のセメントとB液中のスラグとの合計含有量)が、A液とB液との合計1m当たり900〜1200kgである。本発明の二液型可塑性グラウト材は、このような構成を採用することにより、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ容易に注入充填することが可能な可塑性(適度なフロー値)を有し、且つ、充填後に高い圧縮強度を有する固化物を形成することができる。本発明において、A液中のセメントとB液中のスラグとの合計含有量が、上記の範囲外である場合は、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等への充填後に高い圧縮強度を発現することが困難となる。
本発明において、A液中のセメントとB液中のスラグとの合計含有量は、A液とB液との合計1m当たり900〜1200kg、特に1000〜1100kgであることにより、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙及び空洞への注入充填後に、高い圧縮強度を発現することができる。
本発明において、A液とB液との混合比(A液の量:B液の量)は、2:8〜8:2が好ましく、4:6〜6:4がより好ましく、1:1が特に好ましい。本明細書において、A液とB液との混合比(A液の量:B液の量)とは、A液とB液との容積比を意味する。
本発明において、A液とB液とをスタティックミキサーを用いて混合する観点から、A液及びB液は、同等容積、同等密度、及び同等粘度であることが望ましく、これら3つの条件を満足する配合とすることが最も望ましい。
本発明の二液型可塑性グラウト材の材齢28日の圧縮強度は、好ましくは24N/mm以上、より好ましくは27N/mm以上、特に好ましくは29N/mm以上である。本発明の二液型可塑性グラウト材の材齢28日の圧縮強度は、好ましくは34N/mm以下、より好ましくは33.5N/mm以下、特に好ましくは33N/mm以下である。本明細書において、材齢28日の圧縮強度とは、標準水中養生28日材齢における圧縮強度を意味する。
1.1 A液
本発明の二液型可塑性グラウト材において、A液は、セメント及び減水剤を必須成分として含む。
<セメント>
本発明において、セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメント等が挙げられる。これらの中でも、圧縮強度の観点から、ポルトランドセメントが好ましい。これらのセメントは、公知又は市販品を用いることができる。また、これらのセメントは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
A液中のセメントの量は、より流動性を向上させるとともにより高強度とすることができるため、A液とB液との合計1m当たり300〜700kgが好ましく、450〜550kgがより好ましい。
<減水剤>
本発明において、減水剤を使用することにより、グラウト材の流動性をより向上させることができる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、メラミン系減水剤、リグニン系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤を用いることができる。これらの中でも、グラウト材中のセメントを分散させる性能が特に高く、流動性向上の観点から、ポリカルボン酸系減水剤が好ましい。これらの減水剤は、公知又は市販品を用いることができる。また、これらの減水剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
A液中の減水剤の量は、A液とB液との合計1m当たり0.01〜1.0kgが好ましく、0.1〜0.6kgがより好ましい。この範囲内とすることにより、流動性をより向上させてより優れた長距離圧送性と流動性を保持させることができる。
<増粘剤>
本発明では、A液中には増粘剤を含ませることもできる。増粘剤を使用することにより、セメント粒子の沈降分離をより抑制することができる。
増粘剤としては、ダイユータンガム、キサンタンガム、グアーガム等の天然多糖類系増粘剤を用いることができる。ここで、天然多糖類系増粘剤は、温度依存性がないことから、セメントの使用温度範囲(5〜40℃)の範囲において粘度が変化しないという利点がある。天然多糖類系増粘剤の中でも、セメント粒子の沈降分離をより防ぎ、且つ、温度依存性がない観点から、ダイユータンガムが好ましい。
増粘剤を使用する場合、A液中の増粘剤の量は、A液とB液との合計1m当たり0.01〜0.5kgが好ましく、0.05〜0.25kgがより好ましい。この範囲内とすることにより、グラウト材の粘性を適度に調整して圧送性をより低下させずにセメント粒子の沈降分離をより防ぎやすくなる。
本発明において、A液は増粘剤として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のセルロースエーテルを含有しないことが好ましい。これは、増粘剤としてのセルロースエーテルは温度依存性が大きく、セルロースエーテルを使用する場合は施工時期の気温に合わせた配合調製が必要となるためである。
<消石灰>
本発明において、A液は消石灰(水酸化カルシウム)を含有しないことが好ましい。
<水>
本発明では、グラウト材の流動性向上の観点から、A液中に水を含ませることが好ましい。水としては、例えば、水道水を使用することができる。
水の量は、目的とする圧縮強度等により適宜選択され、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されず、A液中に含まれる水の量が、A液とB液との合計1m当たり、好ましくは305〜355kg、より好ましくは315〜345kgとなるように調整すればよい。
1.2 B液
本発明の二液型可塑性グラウト材において、B液は、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を必須成分として含む。
<スラグ>
本発明において、スラグとしては、例えば、高炉スラグ、鉄鋼スラグ、非鉄スラグ等を用いることができる。中でも、グラウト材の圧縮強度をより高くする観点から、高炉スラグが好ましい。B液中のスラグの量は、流動性をより低下させずに高強度をより向上させるため、A液とB液との合計1m当たり425〜575kgが好ましく、475〜525kgがより好ましい。
<加工澱粉系増粘剤>
本発明において、加工澱粉系増粘剤としては、スターチエーテルを用いることができる。B液中の加工澱粉系増粘剤の量は、A液とB液との合計1m当たり0.2〜0.8kgが好ましく、0.3〜0.7kgがより好ましい。この範囲内とすることにより、グラウト材の粘性を適度に調整して圧送性をより高めることができる。
本発明において、B液は増粘剤として、セルロースエーテルを含有しないことが好ましい。具体的には、本発明において、B液は増粘剤として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース等のセルロースエーテルを含有しないことが好ましい。
<減水剤>
本発明では、B液中には減水剤を含ませることもできる。減水剤を使用することにより、流動性をより適度に向上させて長距離圧送性をより向上させるとともに材料分離をより抑制することができる。減水剤としては、例えば、ポリカルボン酸系減水剤、ナフタレンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤を用いることができる。これらの中でも、流動性をより適度に向上させて長距離圧送性をより向上させるとともに材料分離をより抑制することができる観点から、ポリカルボン酸系減水剤が好ましい。
減水剤を使用する場合、B液中の減水剤の量は、A液とB液との合計1m当たり0.01〜0.5kgが好ましく、0.05〜0.25kgがより好ましい。この範囲内とすることにより、流動性をより適度に向上させて長距離圧送性をより向上させるとともに材料分離をより抑制することができる。
<凝集剤>
本発明において、B液は凝集剤として、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、高分子凝集剤を含有しないことが好ましい。本発明において、B液は凝集剤として毒劇物であるアルミン酸ソーダを含有しないことがより好ましい。これは、アルミン酸ソーダが毒劇物であるためである。
<水>
本発明では、グラウト材の流動性向上の観点から、B液中に水を含ませることが好ましい。水としては、例えば、水道水を使用することができる
水の量は、目的とする圧縮強度等により適宜選択され、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されず、B液中に含まれる水の量が、A液とB液との合計1m当たり、好ましくは280〜340kg、より好ましくは290〜330kgとなるように調整すればよい。
本発明において、B液はベントナイトを含有しないことが好ましい。本発明において、B液は減粘剤を含有しないことが好ましい。本発明において、B液はベントナイト及び減粘剤を含有しないことがより好ましい。
本発明において、A液はセメント、減水剤、天然多糖類系増粘剤及び水のみからなり、且つ、B液はスラグ、加工澱粉系増粘剤、減水剤及び水のみからなることがより好ましい。本発明において、セメント、減水剤、天然多糖類系増粘剤及び水のみからなるA液と、スラグ、加工澱粉系増粘剤、減水剤及び水のみからなるB液との混合物からなり、前記A液中のセメントと前記B液中のスラグとの合計量が、A液とB液との合計1m当たり900〜1200kgであることが特に好ましい。
2.二液型可塑性グラウト材の注入工法
本発明の二液型可塑性グラウト材の注入工法(以下、単に「本発明の注入工法」とも称する)では、まず、A液とB液とを、それぞれ別々のポンプで圧送し、注入口付近でA液とB液とを合流混合することにより得られた混合物を注入する。
本発明の注入工法では、まず、A液とB液とをエレメント数6程度のスタティックミキサー等の静止型混合機を用いて、均一になるまで混合してゲル化させることが好ましい。スタティックミキサーを使用することにより、本発明の二液型可塑性グラウト材を、より可塑性及び流動性を向上させることができる。
本発明の注入工法では、このようにして得られた二液型可塑性グラウト材を、注入ポンプを用いて、1/2インチ(内径12.7mm)、3/4インチ(内径19.0mm)等の細いホースで圧送し、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ容易に注入充填することができる。注入方法には特に制限はなく、従来行われている地盤改良工法の中から、地盤条件、施工の目的、作業性等の現場の条件に応じて適宜選択して採用できる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
実施例及び比較例で用いた原料は以下のとおりである。
実施例では、以下の材料を使用した。
<A液調製時の使用材料>
・セメント:ポルトランドセメント、住友大阪セメント社製、製品名「普通ポルトランドセメント」
・減水剤:ポリカルボン酸系減水剤、SKWイーストアシア社製、製品名「MELFLUX 6681F」
・天然多糖類系増粘剤:ダイユータンガム、三晶社製、製品名「KELCO−VIS DG−F」
・水:現地調達の水道水
<B液調製時の使用材料>
・スラグ:高炉スラグ、デーシー社製、製品名「セラメント」
・加工澱粉系増粘剤:スターチエーテル、SKWイーストアシア社製、製品名「ESAMID HP」
・減水剤:ポリカルボン酸系減水剤、SKWイーストアシア社製、製品名「MELFLUX 6681F」
・水:現地調達の水道水
比較例では、以下の材料を使用した。
<A液調製時の使用材料>
・セメント:ポルトランドセメント、住友大阪セメント製、製品名「普通ポルトランドセメント」
・減水剤:ポリカルボン酸系減水剤、SKWイーストアシア社製、製品名「MELFLUX 6681F」
・スラグ:高炉スラグ、デーシー社製、製品名「セラメント」
・天然多糖類系増粘剤:ダイユータンガム、三晶社製、製品名「KELCO−VIS DG−F」
・水:現地調達の水道水
<B液調製時の使用材料>
・ベントナイト:クニミネ工業社製、製品名「クニゲルMB」
・減粘剤:日本化学工業社製、製品名「トリポリリン酸ナトリウム」
・炭酸カルシウム:旭鉱末社製、製品名「タンカル」
・水:現地調達の水道水
(実施例1)
以下の表1に示す組成で、ハンドミキサーを使用して400rpmで5分間攪拌することで、A液を500L調製した。また、表1に示す組成で、ハンドミキサーを使用して400rpmで5分間攪拌することで、B液を500L調製した。
Figure 0006762595
(比較例1)
以下の表2に示す組成で、実施例1と同様にして、A液とB液とをそれぞれ500L調製した。
Figure 0006762595
(回転粘度計による粘度測定)
実施例1及び比較例1で調製したA液及びB液について、リオン株式会社製のビスコテスターVT−04Fを使用し、以下の条件で粘度を3回測定した。粘度測定の結果を以下の表3に示す。
<粘度測定の条件>
・3号ローター及び3号カップを使用
・ローター回転数を62.5rpmに設定
Figure 0006762595
表3の結果から、実施例1におけるA液の粘度及びB液の粘度は、粘度測定1回目、2回目及び3回目では同程度の粘度であった。A液及びB液の2液をスタティックミキサーで攪拌混合する際、A液の粘度及びB液の粘度は同程度であることが望ましい。2液の粘度差が大きい場合は、低い粘度の液が圧送され易くなり、2液を均一に混合することが困難となり、2液の混合容積の比率に誤差が生じてしまうためである。表3の結果から、実施例1のグラウト材の製造に使用されるA液の粘度及びB液の粘度は望ましい粘度差であることが示された。
比例ポンプ(製品名:SG−40、製造販売元:新明和工業社製)を用いて実施例1及び比較例1で調製したA液及びB液を圧送するため、表3の粘度測定の結果に基づき、実施例1及び比較例1で調製したA液とB液とのフローを同程度とした。
その後、フローを同程度にした実施例1のA液とB液とをそれぞれ比例ポンプにより、1/2インチ(内径12.7mm)のホース(長さ200m)に圧送した。そして、実施例1のA液とB液とを注入パイプの手前で、スタティックミキサー(製品名:N60、製造販売元:ノリタケ)を使用して混合することにより、グラウト材を製造した。
フローを同程度にした比較例1のA液とB液とをもそれぞれ比例ポンプにより、1/2インチ(内径12.7mm)のホース(長さ200m)に圧送した。そして、比較例1のA液とB液とを注入パイプの手前で、スタティックミキサーを使用して混合することにより、グラウト材を製造した。
実施例1で製造されたグラウト材を以下のように評価した。
(試験例1)
(1)流動性試験
規格(JHS 313)「コンシステンシー試験方法のシリンダー法」に示されるフロー試験に準じてフロー値を測定した。2液型のグラウト材は、2液が混合されてからの経過時間によってフロー値が変化するため、経過時間とフロー値の関係を把握するものとした。実施例1で製造されたグラウト材についての試験結果を表4に示す。静置フローは、JHS 313コンシステンシー試験方法のシリンダー法によるものであり、グラウトポンプで圧入される(力が加えられる)状況を表すために打撃フローも測定した。打撃フローは、JHS R5201フロー試験に準じるが、フローコーンに代わって、JHS 313コンシステンシー試験方法のシリンダー法で適用する硬質プラスチック製シリンダーを用いて測定した。
Figure 0006762595
(2)圧縮強度試験
規格「JIS A 1108」に示される圧縮強度試験に準じて、直径50mm×高さ100mmの供試体を作製し、実施例1で製造されたグラウト材の材齢28日における圧縮強度(N/mm)を測定したところ、材齢28日の圧縮強度は29.4N/mmであった。このようにコンクリートに匹敵する高強度が得られるのは、実施例1におけるA液中のセメントとB液中のスラグとの合計量が、A液とB液との合計1m当たり1000kgであることに起因する。
比較例1で製造されたグラウト材を以下のように評価した。
(試験例2)
(1)流動性試験
比較例1で製造されたグラウト材について、試験例1と同様にして、静置フロー及び打撃フローの値を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 0006762595
(2)圧縮強度試験
規格「JIS A 1108」に示される圧縮強度試験に準じて、直径50mm×高さ100mmの供試体を作製し、比較例1で製造されたグラウト材の材齢28日における圧縮強度(N/mm)を測定したところ、材齢28日の圧縮強度は1.5N/mmであった。
実施例1で製造されたグラウト材は、1/2インチのホースで200mの長距離圧送が可能であることが示された。また、実施例1で製造されたグラウト材は、静置フロー及び打撃フローが基準フロー値に収まることから可塑性を有すること、及び調整ホースによりによりフロー値のコントロールが容易であることが示された。そして、実施例1で製造されたグラウト材は、材齢28日の圧縮強度が29.4N/mmであることから、コンクリートに匹敵する高い圧縮強度が得られることが示された。
本発明の二液型可塑性グラウト材は、ロック材、礫材等で構成された間隙が大きな地盤内の間隙、空洞等へ確実に注入することが可能な可塑性(適度なフロー値)と長距離圧送性を有し、さらに、高い圧縮強度を発現するため、地盤補強に関する産業において好適に利用することができる。

Claims (11)

  1. セメント及び減水剤を含有するA液と、スラグ及び加工澱粉系増粘剤を含有するB液との混合物からなり、
    前記A液中のセメントと前記B液中のスラグとの合計量が、前記A液と前記B液との合計1m当たり900〜1200kgである、二液型可塑性グラウト材。
  2. 前記B液中の加工澱粉系増粘剤の量が、前記B液1m当たり0.2〜0.8kgである、請求項1に記載の二液型可塑性グラウト材。
  3. 前記A液が天然多糖類系増粘剤を含有する、請求項1又は2に記載の二液型可塑性グラウト材。
  4. 前記A液中の天然多糖類系増粘剤の量が、前記A液1m当たり0.01〜0.5kgである、請求項3に記載の二液型可塑性グラウト材。
  5. 前記A液と前記B液との混合比が、A液:B液=2:8〜8:2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  6. 前記A液が消石灰を含有しない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  7. 前記B液がセルロースエーテルを含有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  8. 前記B液がアルミン酸ソーダを含有しない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  9. 前記B液が減水剤を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  10. 材齢28日の圧縮強度が24N/mm以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の二液型可塑性グラウト材を、間隙が大きな地盤内の間隙及び空洞へ注入充填する二液型可塑性グラウト材の注入工法であって、
    前記A液と前記B液とを、それぞれ別々のポンプで圧送し、注入口付近でA液とB液とを合流混合することにより得られた混合物を注入する、二液型可塑性グラウト材の注入方法。
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