JP2006096650A - 水硬性間隙充填材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長距離のポンプ圧送性に優れると共に空隙周囲への漏れが少なく、優れた充填性を有するセメント系間隙充填材を提供する。
【手段】 異なる二種のグラウトを注入時に混合して使用する間隙充填材であって、混合前のグラウトが何れも自硬性を有する高流動性の水硬性ペーストまたはモルタルからなり、混合後のペーストまたはモルタルが高粘性に変質することを特徴とする水硬性間隙充填材であって、例えば、一方のグラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、他方のグラウトBが高分子化合物を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、混合前の引抜きフロー値が190mm以上、混合後のフロー値が100〜180mmであって、混合後のペーストまたはモルタルの粘度が剪断強さで4×10-4N/mm2以上である水硬性間隙充填材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トンネル工事等で用いられる裏込め材、あるいはその他の注入充填材として好適であり、長距離のポンプ圧送性に優れると共に空隙周囲への漏れが少なく、優れた充填性を有する水硬性間隙充填材に関する。
トンネル工事、下水道や農水路の管渠などの各種施工において、構造物と地盤との間に裏込め材を注入して空隙を充填することが行われる。この裏込め材は、注入時の高流動性と充填時の良好な可塑性とを有することが求められる。そこで、従来、セメントモルタルにベントナイト等の膨潤性材料(粘土鉱物)を添加して粘性を高め、可塑性を有するようにしたグラウトが用いられている。さらに、早期強度が要求される場合には、セメント、粘土鉱物、水を混合したA液(モルタル液)と、水ガラスをB液(急結剤液)とを用い、注入直前に混合して使用する2液混合型のグラウトが用いられている。
例えば、粘土鉱物に代えてケイ酸カルシウム水和物を使用することによってAB両液を混合したときのゲル強度を高めると共にゲル化時間を短縮した注入材が知られている(特開平10−101393号公報)。また、A液にデンプン分解生成物とグルコン酸を併用することによって、流動性を長時間維持し、かつB液と混合したときのゲル化時間の遅延を抑制した注入材が知られている(特開2002−160955号公報)。
また、セメントと粘土鉱物を予め混合すると、セメントから生じたカルシウムイオン等と粘土鉱物との交換反応によって粘土鉱物の膨潤性が低下し、十分な粘性が得られないと云う問題を避けるために、粘土鉱物を除いた材料を予め混合してモルタルを調製し、これを施工現場に輸送し、注入直前に粘土の泥水と混合して使用する方法も知られている(特開2002−147179号公報)。また、流動性を向上させる混和割として、ポリカルボン酸系の高性能AE減水剤が知られており、この混和剤は硫酸塩による減水効果低下することが知られている(非特許文献1)。
特開平10−101393号公報 特開2002−160955号公報 特開2002−147179号公報 「コンクリートにおけるセメントと有機混和剤との組合せによる相性問題」羽原俊祐・山田一夫、生コンクリートVo1.17,No.5,May.1998
従来のグラウトは、注入時の長距離圧送に必要な高流動性、および充填箇所での十分な可塑性ないし充填性の両方の性質を十分に満足するものがない。具体的には、例えば、微細な間隙に注入するには高流動性のグラウトが良く、これはポンプ圧送にも適するが、グラウトが空隙周囲に漏れて効率の良い施工が出来ないなどの問題がある。一方、グラウトを漏らさずに充填するためには高粘性のペーストやモルタルからなるグラウトを用いるにのが良いが、高粘性のグラウトはポンプ圧送時の抵抗が大きいために長距離圧送できないと云う問題がある。
そこで、流動性の良好なペーストやモルタルに急硬剤(可塑剤)を添加して注入する方法が知られているが、ペーストやモルタルが均一な性状になり難く、ポンプ圧送時に脈動や閉塞を生じ、また充填後の強度等に問題が起きやすい。さらに、モルタル・コンクリートの流動性を向上させるために使用されるポリカルボン酸系の高性能AE減水剤の調整として硫酸塩が使用されるが、グラウトを充填する直前に添加するときに、この硫酸塩が粉末状では均一に混合できず、水溶液では水セメント比が高くなるため充填後の強度低下を起す問題がある。
本発明は、間隙に注入されるグラウトについて従来の上記問題を解決したものであり、長距離のポンプ圧送性に優れると共に空隙周囲への漏れが少なく、優れた充填性を有する水硬性間隙充填材を提供する。
本発明によれば、以下の構成からなる水硬性間隙充填材が提供される。
(1)異なる二種のグラウトを注入時に混合して使用する間隙充填材であって、混合前のグラウトが何れも自硬性を有する高流動性の水硬性ペーストまたはモルタルからなり、混合後のペーストまたはモルタルが高粘性に変質することを特徴とする水硬性間隙充填材。
(2)混合前のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が190mm以上であり、混合後のペーストまたはモルタルのフロー値が100〜180mmである請求項1の水硬性間隙充填材。
(3)混合前のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が240mm以上であり、混合後のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が100〜150mmである上記(1)の水硬性間隙充填材。
(4)混合後のペーストまたはモルタルの粘度が剪断強さで4×10-4N/mm2以上である上記(1)〜(3)の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
(5)グラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、グラウトBが高分子化合物を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである上記(1)〜(4)の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
(6)グラウトAが、ナフタレンスルホン酸系減水剤と共に、ギ酸塩、亜硝酸塩、硫酸ナトリウム、または硫酸カリウムの1種または2種以上を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである上記(5)の水硬性間隙充填材。
(7)グラウトBが、高分子化合物と共に、メラミン系減水剤および/またはポリカルボン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである上記(5)の水硬性間隙充填材。
(8)グラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤と共に硫酸ナトリウムおよび/または硫酸カリウムを含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、グラウトBが高分子化合物と共にポリカルボン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである上記(5)の水硬性間隙充填材。
(9)グラウトBに含まれる高分子化合物がセルロース誘導体、またはポリビニールアルコール等の水溶性ポリマー、あるいはポリマー樹脂である上記(5)〜(8)の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
(10)グラウトAとグラウトBの量比(A/B)が0.8〜1.3である上記(1)〜(9)の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
〔具体的な説明〕
以下、本発明を具体的に説明する。なお、フロー値について、振動を与えずに測定したものを引抜きフロー値と云い、振動を与えて測定したものを単にフロー値と云う。また、減水剤およびAE減水剤および高性能AE減水剤を総称して単に減水剤と云う。
本発明の充填材は、異なる二種のグラウトを注入時に混合して使用する間隙充填材であって、混合前のグラウトが何れも自硬性を有する高流動性の水硬性ペーストまたはモルタルからなり、混合後のペーストまたはモルタルが高粘性に変質することを特徴とする水硬性間隙充填材である。
具体的には、本発明の充填材は、例えば、混合前のグラウトAとグラウトBのペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が何れも190mm以上の高流動性グラウトA、Bからなるものである。すなわち、混合前のグラウトA、Bは何れも、フロー試験において振動を与えずに測定した引抜きフロー値が190mm以上、例えば190〜270mmの高流動性グラウトである。注入箇所までこの高流動性を維持してポンプ圧送するので長距離圧送が可能である。
本発明の充填材は、注入箇所の近傍でグラウトA、Bを混合し、グラウトA、Bを反応させてペーストまたはモルタルの粘性を高めて注入するので、従来のような急結剤を使用しない。このため可使時間が得やすく、施工が容易である。
混合されたグラウトAとグラウトBは、注入箇所まで上記高流動性の状態で圧送し、充填箇所の近傍で混合して注入する。グラウトAとグラウトBの混合によってペーストまたはモルタルの粘性が高くなり、これに伴ってモルタルのフロー値が低下する。具体的には、本発明の充填材は、グラウトAとグラウトBとが混合したペーストないしモルタルの粘性が剪断強さで4×10-4N/mm2以上程度であり、混合後のフロー値が100〜180mm程度、あるいは混合後の引抜きフロー値が100〜150mmである。このように、本発明の充填材は注入箇所において粘性の高いペーストやモルタルになるので、注入空隙の周囲に漏れることがなく、効率よく充填作業を行うことができる。
さらに、本発明の充填材を形成するグラウトAとグラウトBは何れも自硬性を有するものを用いる。具体的には、例えば、グラウトAとグラウトBは何れも自硬性を有するセメントペーストまたはセメントモルタルなどのセメント系グラウトである。二種類のグラウトA、Bが何れも自硬性を有するので、混合が不十分な場合でも必要な強度を確保することができる。
セメント系グラウトの主成分であるセメントは、普通ボルトランドセメント、早強ボルトランドセメント、超早強ボルトランドセメント、中庸熱セメント、低熱セメント、耐硫酸塩セメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアツシュセメント、アルミナセメント、エコセメントなど広く使用することができる。
上記グラウトA、Bは、セメント以外の水硬性成分として、高炉スラグ、転炉スラグ、脱リンスラグ、脱ケイスラグ、脱硫スラグなどの粉末を含有することができる。
本発明の充填材に用いる二種の異なったグラウトA、Bは、混合後にペーストまたはモルタルの粘性が高くなる成分として、例えば、一方のグラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤を含有し、他方のグラウトBが高分子化合物を含有する。高分子化合物としては、水溶性高分子化合物または非水溶性高分子化合物の何れも用いることができる。例えば、水溶性高分子および/またはポリマー樹脂が好ましい。ナフタレンスルホン酸系減水剤と水溶性高分子および/またはポリマー樹脂が混合すると互いに反応して凝集を引き起こし、これによってモルタルの粘性が高くなる。
グラウトAに含まれるナフタレンスルホン酸系減水剤は、グラウトAの結合材(セメントおよび/または水硬性組成物)100重量部に対して固形分換算で0.08〜4重量部が適当である。この含有量が0.08重量部未満ではグラウトの流動性が得られず、4重量部を超えるとグラウトA、Bを混合した後のモルタルの硬化時間が遅くなるので好ましくない。
グラウトAはナフタレンスルホン酸系減水剤と共にギ酸塩を含有するものを用いることができる。グラウトAに含まれるギ酸塩は、例えば、ギ酸アルカリ金属塩(K、Na等)、ギ酸アルカリ土類金属塩(Ca、Mg等)である。ギ酸塩の含有量は、好ましくは、グラウトAの結合材100重量部に対して固形分換算で0.05〜2重量部が適当である。この含有量が0.05重量部未満では、グラウトA、Bを混合した後に高粘性が得られず、一方、2重量部を超えるとモルタルの可使時間が短くなるので好ましくない。
また、グラウトAはナフタレンスルホン酸系減水剤と共に、ギ酸塩に代えて/またはギ酸塩と共に、亜硝酸塩を含有するものを用いることができる。グラウトAに含まれる亜硝酸塩は、例えば、亜硝酸アルカリ金属塩(Li、K、Na等)、亜硝酸アルカリ土類金属塩(Ca、Mg等)である。この亜硝酸塩の含有量は、好ましくは、グラウトAの結合材100重量部に対して固形分換算で0.05〜10重量部が適当である。この含有量が0.05重量部未満では、グラウトA、Bを混合した後に高粘性が得られず、10重量部を超えるとモルタルの可使時間が短くなるので好ましくない。
さらに、グラウトAは、ナフタレンスルホン酸系減水剤と共に、硫酸ナトリウムおよび/または硫酸カリウムを含有するものを用いることができる。グラウトAに含まれる硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウムの含有量は、グラウトAの結合材100重量部に対して固形分換算で0.8〜8重量部が適当である。この含有量が0.8重量部未満ではグラウトA、Bを混合したときのモルタルが十分な粘性を得ることができず、また8重量部を超えるとグラウトA、Bを混合したモルタルが硬化不良を起すため好ましくない。
グラウトBに含まれる水溶性高分子化合物は、例えば、セルロース誘導体、ポリビニールアルコール等の水溶性ポリマーなどである。この水溶性高分子化合物の含有量は、好ましくは、グラウトBの結合材100重量部に対して固形分換算で0.05〜2重量部が適当である。この含有量が0.05重量部未満ではグラウトA、Bを混合した後に高粘性が得られず、一方、2重量部を超えるとモルタルの流動性が低下するので好ましくない。
また、グラウトBに含まれるポリマー樹脂は、例えば、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロブレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体およびメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体などのゴムラテックス、ポリプロピレン、ポリクロロビレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ステレン・アクリル共重合体、酢酸ビニル・アクリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂およびエポキシ樹脂等の合成樹脂等である。これらの形態は混和用ポリマーディスバージョンまたは再乳化粉末樹脂の何れでもよい。このポリマー樹脂の含有量は、好ましくは、グラウトBの結合材100重量部に対して固形分換算で0.5〜10重量部が適当である。この含有量が0.5重量部未満ではグラウトA、Bを混合した後に高粘性が得られず、一方、10重量部を超えると硬化体の強度が低下するので好ましくない。
一方、グラウトBは高分子化合物と共にメラミン系減水剤および/またはポリカルボン酸系減水剤を含有するものを用いることができる。グラウトBに含まれるメラミン系減水剤の含有量は、好ましくは、グラウトBの結合材100重量部に対して固形分換算で0.05〜2重量部が適当である。この量が0.05重量部未満ではモルタルの流動性が得られない。一方、この量が2重量部を超えるとグラウトA、Bを混合した後のモルタルがダレて間隙内に高充填されず、また硬化体の強度が低下するので好ましくない。
グラウトBに含まれるポリカルポン酸系減水剤の含有量は、好ましくは、グラウトBの結合材100重量部に対して固形分換算で0.05〜1重量部が適当である。この量が0.05重量部未満ではモルタルの流動性が得られない。一方、この量が1重量部を超えるとグラウトA、Bを混合した後のモルタルがダレて間隙内に高充填されず、また硬化体の強度が低下するので好ましくない。
グラウトA、Bにそれぞれ上記添加剤を含有することによって混合後のモルタルの粘性、可使時間、あるいは強度等を調整することができる。具体的には、特に、グラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤と共に硫酸ナトリウムおよび/または硫酸カリウムを含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであって、グラウトBが高分子化合物と共にポリカルボン酸系高性能減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである組合せが好ましい。この組合せは、例えば、混合前の引抜きフロー値が200mm以上の高い流動性を示す一方、混合後の引抜きフロー値が125mm以下の粘性を有するものを得ることができる。
グラウトA、Bは、初期性状や硬化体の強度発現性に特段の支障を及ぼさない限り、上記成分以外の成分を含有することができる。含有可能な成分としては、例えば、硫酸カルシウムやポゾラン物質(シリカヒューム,フライアツシュ)などの無機物質、これ以外にも例えば膨張、凝結調整、硬化促進、硬化遅延、減水、増粘、保水、消泡、撥水、防水等の性状を付与できるグラウトに使用可能な混和剤、更には金属や高分子や炭素などの材質からなる繊維、顔料、増量材、発泡材、ゼオライト等の粘土鉱物などのグラウトに使用可能な混和材を挙げることができる。
上記グラウトAと上記グラウトBの量比(A/B)は0.8〜1.3の範囲であれば良い。グラウトAとグラウトBの混合比率がほぼ等重量であるので、簡単な混合操作によって安定な性状を得るのが容易である。グラウトAとグラウトBの混合・混練方法は限定されず、ラインミキサ、連続ミキサ、スネークポンプなどを使用することができる。
本発明の充填材は、異なった二種の高流動性グラウトA、Bを注入箇所まで混合せずに高流動性のまま圧送するので長距離のポンプ圧送性に優れる。また、急結剤を使用しないので十分な可使時間を得ることができる。注入箇所近傍で混合した後はグラウトA、Bの反応が進み、ペーストないしモルタルの粘性が高くなるので充填箇所周囲への漏れがなく、効率よく充填作業を行うことができ、また充填部分の強度が高い。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。流動性試験、粘着性試験、圧縮強度試験はそれぞれ次のように行った。
〔流動性試験〕
規格(JIS R 5201)「セメントの物理試験方法11」に示されるフロー試験に準じてフロー値を測定した。また、このフロー試験においてフローテーブルを振動させずにフロー値を測定し、これを引抜きフロー値として示した。
〔粘着性試験〕
調製したモルタルを、規格(JHS419)に準じて、垂直な基板に厚さ10mmに塗布し、その付着性によって評価した。○印はダレずに形を保持して基板に付着しているもの、△印は形を保持したが基板からズリ落ちたもの、×印は形を保持せずに基板から流れ落ちたものである。
〔剪断強さ試験〕
ベーン試験機を用い、ロッド先端のベーンを混合後のペーストないしモルタルに挿入して剪断強さを測定した。
〔圧縮強度試験〕
円柱供試体(φ5×10cm)を用い、規格(JIS A 1108)「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて行った。
使用材料は、セメントは太平洋セメント社製普通ポルトランドセメント、高炉スラグはディ・シー社製ファインセラメント10A、ナフタレンスルホン酸系減水剤は花王社製マィティ100、メチルセルロースは信越化学工業社製90SH−2000、ポリビニールアルコールは信越化学工業社製PA−05S、ポリマー樹脂は旭化成RE524Z、ギ酸カルシウムは関東化学社製鹿1級品、亜硝酸カルシウムは関東化学社製鹿1級品、メラミン系減水剤はピーシーエス社製メルメントF10M、ポリカルボン酸系減水剤は太平洋マテリアル社製コアフローNF−100、水ガラスは関東化学社製鹿1級品、骨材は前田建材工業製品山形硅砂6・7号をおのおの使用した。
表1および表2に示す材料と配合量に従って、グラウトA、Bを調製して各々の流動性(引抜きフロー値)を測定し、また混合後の流動性(フロー値)および粘着性を測定した。さらに混合前と混合後の圧縮強度を測定した。この結果を表1および表2に示した。
表1および表2に示すように、本発明の充填材(実施例1〜6)は何れも混合直後の流動性が高く、かつ充填注入後の粘性が高い。また、混合後の硬化体の圧縮強度は混合しない場合と殆ど変わらず、高い圧縮強度を得ることができる。一方、単独使用型の比較例1および2は、流動性は良いが粘着性が不良であり、比較例3は粘着性は良いが流動性が不良である。混合使用型の比較例4は、流動性は良いが粘着性がやや不良であり、かつ比較例4および5は硬化後の圧縮強度が何れも大幅に低い。
Figure 2006096650
Figure 2006096650

Claims (10)

  1. 異なる二種のグラウトを注入時に混合して使用する間隙充填材であって、混合前のグラウトが何れも自硬性を有する高流動性の水硬性ペーストまたはモルタルからなり、混合後のペーストまたはモルタルが高粘性に変質することを特徴とする水硬性間隙充填材。
  2. 混合前のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が190mm以上であり、混合後のペーストまたはモルタルのフロー値が100〜180mmである請求項1の水硬性間隙充填材。
  3. 混合前のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が240mm以上であり、混合後のペーストまたはモルタルの引抜きフロー値が100〜150mmである請求項1の水硬性間隙充填材。
  4. 混合後のペーストまたはモルタルの粘度が剪断強さで4×10-4N/mm2以上である請求項1〜3の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
  5. グラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、グラウトBが高分子化合物を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである請求項1〜4の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
  6. グラウトAが、ナフタレンスルホン酸系減水剤と共に、ギ酸塩、亜硝酸塩、硫酸ナトリウム、または硫酸カリウムの1種または2種以上を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである請求項5の水硬性間隙充填材。
  7. グラウトBが、高分子化合物と共に、メラミン系減水剤および/またはポリカルボン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである請求項5の水硬性間隙充填材。
  8. グラウトAがナフタレンスルホン酸系減水剤と共に硫酸ナトリウムおよび/または硫酸カリウムを含有するセメントペーストまたはセメントモルタルであり、グラウトBが高分子化合物と共にポリカルボン酸系減水剤を含有するセメントペーストまたはセメントモルタルである請求項5の水硬性間隙充填材。
  9. グラウトBに含まれる高分子化合物がセルロース誘導体、またはポリビニールアルコール等の水溶性ポリマー、あるいはポリマー樹脂である請求項5〜8の何れかに記載する水硬性間隙充填材。
  10. グラウトAとグラウトBの量比(A/B)が0.8〜1.3である請求項1〜9の何れかに記載する水硬性間隙充填材。


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