JP3016309U - 大引材の仮止め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート建造物の床や天井を構築する
際、スラブ型枠を支持する大引材の位置決め設置が一人
でも容易にでき、加えて型枠パネルを張った後も高さの
調整が可能な大引材の仮止め具を提供する。 【構成】 下方に突出した打ち込み針１を有する大引
材支持板２と、複数の釘穴３を有する係止板４とを、連
結板５によって平行に連結、一体的に成形し、さらに大
引材支持板２と連結板５との接合部付近に、打ち込み針
１方向に突出した爪６を有する爪部材７を回動自在に取
り付けてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリート建造物の床や天井を構築する際の、スラブ型枠を支持 する大引材の仮止め具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

床や天井用の型枠は、コンクリート打設時の荷重に耐えうるよう型枠パネルの 下に根太材を配し、さらにその下に大引材を配して、その大引材は床面よりサポ ートロッドで支えるのが一般的な工法であるが、その大引材のサポーティングの 際、従来であれば大引材の下にサポートロッドを立て込んで支持し終えるまで、 大引材の両端を人手によって位置決め保持していなければならず、設置作業に少 なくとも２人以上の作業員を必要としきわめて非能率的であった。

【０００３】 こうした欠点を解消するため、特許公開番号・平成４年１２４３７５号に開示 されている「大引材支持具」が発明されすでに実用化されているが、実際に使用 してみると次の問題点に気がつく。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以下、その問題点を図面に沿って説明する。この従来の大引材支持具にあって は、図３に示す如く大引材Ｃを大引材支持具Ａの支持板Ｂの上に載置して支持す る方式なので、例えば根太材Ｄの厚みの判断を誤って型枠パネルＥを張ってしま った後、全体の高さをいくぶん下げる必要が生じた時など高さの調整ができない という不便さが生じた。

【０００５】 本考案は、こうした欠点を解消するためになされたもので、すなわち一人の作 業員でも大引材の位置決め設置が容易にでき、加えて高さの調整も可能な大引材 の仮止め具を提供するものである。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

本考案による大引材の仮止め具は、下方に突出した打ち込み針１を有する大引 材支持板２と、大引材を梁または壁の型枠上に縣掛仮止めするための複数の釘穴 ３を有する係止板４とを、連結板５によって平行に連結、一体的に成形し、さら に大引材支持板２と連結板５との接合部付近に、打ち込み針１方向に突出した爪 ６を有する爪部材７を回動自在に取り付けてなるものである。

【０００７】 尚、連結板５の長さ、つまり大引材支持板２と係止板４との平行間距離は、使 用する根太材９の高さ（厚み）に等しく設定されている。

【０００８】

【作用】

したがってその使用に際しては、本仮止め具一対を用いて大引材の両端を打ち 込み針と爪とで把持し、次いで大引材を持ち上げ、両端の係止板を梁または壁の 型枠上に懸掛して位置を定め、係止板に設けられた複数の釘穴の中の適当な穴を 用いて釘により係止板を梁または壁の型枠上に仮止めする。こうして大引材を水 平懸掛した後大引材のサポーティングを行う。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に沿って説明すると、図１は本考案による大引材 の仮止め具の斜視図であり、その構成についてはすでに述べた通りである。図２ は本仮止め具を用いて大引材１０を梁または壁の型枠１１上に懸掛仮止めした状 態を示す正面図である。もちろん大引材１０のもう一方の端部も同様の状態、つ まり図２と対称をなす状態で縣掛仮止めされている。

【００１０】 続いて、施工手順を示す。 １、打ち込み針１を大引材１０の端部上面にあてがいハンマーで打ち込む。次い で爪６を大引材の頭部に打ち込み、針と爪とで端部をしっかり把持する。も う一方の端部も同様に行う。 ２、大引材を持ち上げ両端の係止板４を梁または壁の型枠１１上に懸掛し位置を 定めた後、係止板に設けられた複数の釘穴３の中の適当な穴に釘を打ち込み 仮止めする。

【００１１】 ３、以上の行程を経て水平に縣掛仮止めされた大引材をサポートロッド１２で支 持する。 ４、こうして設置した大引材上に根太材を配し、各接合部を釘止め固定した後、 仮止め具は撤去して別の新たな大引材に使用する。

【００１２】

【考案の効果】

以上の如く、本考案による大引材の仮止め具を用いれば、従来２人以上の作業 員を必要とした大引材の設置作業を１人で行うことができる。また、連結板５の 長さ、つまり大引材支持板２と係止板４との平行間距離が根太材９の高さ（厚み ）に等しく設定してあるので、容易に高さ決め、位置決めができ作業性は向上す る。加えて、本仮止め具は大引材を設置して固定するまで仮止めしておくもので 、大引材固定後は撤去するため大引材の両端は解放状態となり、したがって根太 材の厚みの判断を誤って型枠パネルを張ってしまった後、全体の高さをいくぶん 下げる必要が生じた時などでも何ら支障をきたすことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による大引材の仮止め具の斜視図。

【図２】本考案による大引材の仮止め具を用いて、大引
材を梁または壁の型枠上に懸掛仮止めした状態を示す正
面図。

【図３】従来の大引材支持具を用いて、大引材を梁また
は壁の型枠上に懸掛支持した状態を示す正面図。

【符号の説明】

１ 打ち込み針 ２ 大引材支持板 ３ 釘穴 ４ 係止板 ５ 連結板 ６ 爪 ７ 爪部材 ８ 連結ピン ９ 根太材 １０ 大引材 １１ 梁または壁の型枠 １２ サポートロッド Ａ 大引材支持具 Ｂ 支持板 Ｃ 大引材 Ｄ 根太材 Ｅ 型枠パネル Ｆ 梁または壁の型枠 Ｇ サポートロッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方に突出した打ち込み針（１）を有
   する大引材支持板（２）と、複数の釘穴（３）を有する
   係止板（４）とを、連結板（５）によって平行に連結、
   一体的に成形し、さらに大引材支持板（２）と連結板
   （５）との接合部付近に、打ち込み針（１）方向に突出
   した爪（６）を有する爪部材（７）を回動自在に取り付
   けてなる大引材の仮止め具。