JP2004019124A - 天井の吊り構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】吊り具の位置決めが任意に行え、施工が容易であり、吊り具固定の信頼性が高い、天井の吊り構造を提供することを目的とする。
【解決手段】上階床構造1に野縁受け5を吊り具8を用いて吊り下げ配置し、この野縁受け5に取り付けた天井野縁6の下面に天井ボード7を止着してなる天井の吊り構造であって、野縁受け5は、床梁3,4に吊り下げられ、吊り具8は、吊り下げたそれぞれの野縁受け5の下面が面一となるように、吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井の吊り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の天井の吊り構造として、実開平6−87521号公報に記載されているものが知られている。
上記公報記載のものは、天井ボード止着用の天井下地構造であって、天井ボード止着用の第1部材(天井野縁)を、天井スラブに吊り下げ配置し、天井ボード止着用の第2部材(天井野縁)を、第1部材に弾性的に嵌合保持させ、第1及び第2部材の下面を面一にして、この下面に天井ボードの周辺部をビス止めし、天井ボードの周辺部全てを拘束させるようにしたものである。これによって、ボード継ぎ目部での塗装面の亀裂発生を防止し、継ぎ目に対するパテ処理等の目地処理を省略又は軽減できるようにした。
【0003】
また、特開2000−310001号公報に記載のものは、梁などにハンガーを介して野縁受けを吊るし、この野縁受けに取付金物で野縁を保持させ、天井板材の四隅に装着した天井パネルの掛け金をこの野縁に係合させて、天井パネルを吊り下げるようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実開平6−87521号公報記載のものにおいて、天井スラブの裏面側に吊りボルトを螺着するインサート金具が予め埋設されている場合は、天井施工時に吊りボルトに取り付けた吊り子が所望の位置からずれたりして使用できないという問題が生じる。
また、天井スラブがALC床版の場合、床施工時に予めハンガーを挿入しておくので、天井施工時にこのハンガーに取り付けた吊り子も所望の位置からずれたりすることがある。
あるいはまた、天井スラブの裏面側にアンカーボルトを打ち込んで吊り具を取り付けるようにすると、アンカー打ち込みの工程の労力と時間がかかったり、アンカーの打ち込み品質によっては保持力が発揮されず、吊り具の品質欠陥を生じる恐れがある。
【0005】
特開2000−310001号公報に記載のものにおいては、天井板材の四隅に特殊な掛け金を装着した天井パネルであるから、このような掛け金のない通常の天井ボードは使用できない。
また、梁などにハンガーを介して野縁受けを吊るしているが、このハンガーには吊り下げ長さの調節手段がないので、野縁受けの取付調整に手間がかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題点を解消し、吊り具の位置決めが任意に行え、施工が容易であり、吊り具固定の信頼性が高い、天井の吊り構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、床梁で支持した上階床構造に、互いに平行な複数の野縁受けを吊り具を用いて吊り下げ配置し、この野縁受けに直交して取り付けた天井野縁の下面に天井ボードを止着してなる天井の吊り構造であって、
野縁受けは床梁に吊り下げられ、吊り具は吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の天井の吊り構造において、前記吊り具は、床梁に止着される止着具と、野縁受けを吊り下げる吊り子と、止着具と吊り子との間に介在される調整ボルト・ナットとからなり、調整ボルトは垂直方向に向けた下端部を止着具に取り付けて立設され、この調整ボルトを吊り子の上端部に遊嵌して、吊り子が調整ボルトの適宜の高さ位置に螺入されたナットで止着されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の天井の吊り構造において、前記止着具は、対向する2つの締結片を備えた断面略コ字形になされ、前記床梁の止着部が、締結片の間に挿入され、一方の締結片に設けた締結ボルトで他方の締結片に圧接して挟持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の天井の吊り構造において、前記床梁は、H形鋼で形成され、上下のフランジを水平にしフランジ間のウエブを垂直にして配置され、前記止着具は、H形鋼の下フランジに止着されていることを特徴とする。
【0011】
(作用)
このように構成された請求項1記載の天井の吊り構造によると、野縁受けは、吊り具を用いて床梁に吊り下げられているので、天井施工と同時に吊り具の位置決めを任意に行うことができ、床スラブに吊り下げる従来技術のように吊り具の無駄がない。
吊り具は、吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされているので、吊り下げたそれぞれの野縁受けの下面が面一となるようにできる。従って、吊り具の取付調整等の施工が容易であり、天井野縁に天井ボードを波打ちなく止着でき、仕上がりもよい。
【0012】
請求項2記載の天井の吊り構造によると、さらに、前記吊り具は、床梁に止着される止着具と、野縁受けを吊り下げる吊り子と、止着具と吊り子との間に介在される調整ボルト・ナットとからなる。
調整ボルトは、垂直方向に向けた下端部を止着具に取り付けて立設され、この調整ボルトを吊り子の上端部に遊嵌して、吊り子が調整ボルトの適宜の高さ位置に螺入されたナットで止着されているので、吊り具を床スラブと天井ボード間の天井空間にコンパクトに収めることができる。このため、調整ボルト付きの吊り具を床梁に吊り下げても、床梁に近接させて天井ボードを止着でき、居室空間を広くできる。
【0013】
請求項3記載の天井の吊り構造によると、さらに、前記止着具は、対向する2つの締結片を備えた断面略コ字形になされ、前記床梁の止着部が、締結片の間に挿入され、一方の締結片に設けた締結ボルトで他方の締結片に圧接して挟持されているので、吊り具に設けた止着具が床梁の止着部を強く挟んで固定する。このため、固定の信頼性が高くなる。
【0014】
請求項4記載の天井の吊り構造によると、さらに、前記止着具は、床梁を形成するH形鋼の水平な下フランジに止着されているので、固定の信頼性が一層高く、取付も容易である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の一実施の形態であって、図1(イ)は天井の吊り構造を示す斜視図であり、(ロ)は断面図である。図2は建物の上階床構造を示す断面図であり、図3(イ)は吊り具を分解して示す断面図であり、(ロ)は止着具の斜視図である。
【0016】
図1と図2において、1は建物の上階床構造であって、本実施の形態は、この上階床構造1に天井を吊り下げた天井の吊り構造である。
【0017】
上階床構造1は、図2に示すように、床スラブ2と、床スラブ2を下方から支持する床大梁3と床小梁4と、床スラブ2の上に支持脚21で支持して設けられたパーティクルボード22と、このパーティクルボード22の上に張設されたフローリング23と、から構成されている。
床スラブ2は、ALC(オートクレーブ養生軽量コンクリート版)で形成されている。
床大梁3の屋外側には、外壁面材15が通気層16を形成して設けられ、壁内と床大梁3の屋外側に断熱材17,18を設けている。
【0018】
床大梁3は、図1(ロ)に示すように、ウエブ31の上端と下端に上下のフランジ32,33を略H形に接合したH形鋼で形成されている。上、下のフランジ32,33間の高さとフランジ32(またはフランジ33)の幅は、300mm×150mmになされている。
床小梁4は、同じく250mm×125mmのH形鋼で形成され、適宜の間隔(例えば、1800mm)で床大梁3と平行に設けられている。
床大梁3は、上下のフランジ32,33を水平にし、ウエブ31を垂直にして配置されている。床小梁4も同様である。
【0019】
本実施の形態の天井の吊り構造は、図1に示すように、上階床構造1に、互いに平行な複数の野縁受け5,5を、吊り具8を用いて吊り下げ配置し、この野縁受け5,5に天井野縁6,6を野縁受け5と直交する方向に向けて取り付け、天井野縁6,6の下面に天井ボード7を止着したものである。
【0020】
野縁受け5は、断面コ字形の軽量形鋼で形成され、天井野縁6は、断面四角筒の軽量形鋼で形成されている。野縁受け5と天井野縁6は、ボルトまたは適宜の接合金具(不図示)を使用して接合される。
天井ボード7は、石膏ボードで形成され、天井野縁6,6の下面にタッピングビス等で止着される。
【0021】
野縁受け5は、吊り具8を用いて床大梁3と床小梁4に吊り下げられているが、吊り具8は、吊り下げたそれぞれの野縁受け5,5の下面が同一の水平な平面上に面一となるように、吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされている。
【0022】
上記吊り具8は、図3に示すように、床大梁3の下フランジ33(床小梁4も同様)に止着される止着具9と、野縁受け5を吊り下げる吊り子10と、止着具9と吊り子10との間に介在される調整ボルト11・ナット12とからなる。
なお、床小梁4の吊り子10は、図1(ロ)に示すように、長さ寸法が床大梁3のものより大になされている以外、同じであり、止着具9と調整ボルト11・ナット12は、共通している。
【0023】
上記止着具9は、対向する2つの締結片91,92と、締結片91,92の一側間を連結する側板94とからなる断面略コ字形の万力状になされている。
一方の締結片91(下方側)には、内側に向けて締結ボルト93の先端部が突出するように設けられている。他方の締結片92の内側面には歯形が刻まれ、側板94には、ブラケット95が設けられている。
【0024】
上記止着具9は、前記床大梁3の止着部である下フランジ33(床小梁4の場合も同様)に止着される。この際、床大梁3の下フランジ33を締結片91,92の間に挿入し、一方の締結片91に設けた締結ボルト93で他方の締結片92に圧接して挟持するようにする。
床小梁4についても、上記と同様にして止着具9が止着される。
【0025】
吊り子10は、図3に示すように、垂直板101と、垂直板101の上端を折り曲げた水平な取付片102と、垂直板101の下端を略U字形に折り曲げた挟み板104とからなる。
取付片102には通孔102が形成されている。
挟み板104は、弾性力で野縁受け5を挟み付けるように、くの字に折り曲げられている。
【0026】
調整ボルト11は、垂直方向に向けた下端部を止着具9の側板94に設けたブラケット95に取り付けて立設される。
調整ボルト11には、予め1つのナット12が取り付けられ、その後、この調整ボルト11を吊り子10上端部の取付片102に形成した通孔103に遊嵌し、さらに調整ボルト11に別のナット12が取り付けられる。
このようにして、調整ボルト11に取り付けられた2つのナット12,12の間に吊り子10の取付片102を挟むようにして締めつけると、吊り子10が調整ボルト11の適宜の高さ位置に2つのナット12,12で止着される。
【0027】
(天井の施工方法)
前記吊り構造になされた天井の施工方法について説明する。
(1) 床大梁3の下フランジ33の長手方向に沿って、適宜の間隔で複数個の止着具9,9を止着する。
(2) 各止着具9に調整ボルト11を立設し、調整ボルト11の適宜の高さ位置に吊り子10を2つのナット11,11間に挟んで仮止めする。
(3) 吊り子10の挟み板104を押し広げるようにして野縁受け5を挿入して吊るし、吊るした野縁受け5が水平になるように各吊り子10の高さ位置を調整する。
(4) 上記(1) 〜(3) の手順と同様にして、床小梁4に野縁受け5を吊るす。
(5) 床小梁4に吊るした野縁受け5の下面が、床大梁3に吊るした野縁受け5の下面と同一の水平面で面一となるように、床小梁4の吊り子10の高さ位置を微調整する。
(6) 上記のようにして吊るした野縁受け5,5と直交する方向に天井野縁6,6を取り付ける。
(7) この天井野縁6,6の下面に天井ボード7を止着する。
【0028】
(実施の形態の作用)
このように構成された本実施の形態の天井の吊り構造によると、野縁受け5は、吊り具8を用いて床大梁3と床小梁4に吊り下げられているので、天井施工と同時に吊り具8の位置決めを任意に行うことができ、床スラブ2に吊り下げる従来技術のような吊り具の無駄がない。
吊り具8は、吊り下げたそれぞれの野縁受け5の下面が面一となるように、吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされているので、吊り具8の取付調整等の施工が容易であり、天井野縁6に天井ボード7を波打ちなく止着でき、仕上がりもよい。
【0029】
さらに、前記吊り具8は、床大梁3(または床小梁4)に止着される止着具9と、野縁受け5を吊り下げる吊り子10と、止着具9と吊り子10との間に介在される調整ボルト11・ナット12とからなる。
調整ボルト11は、垂直方向に向けた下端部を止着具9に取り付けて立設され、この調整ボルト11を吊り子10の上端部に遊嵌して、吊り子10が調整ボルト11の適宜の高さ位置に螺入されたナット12で止着されているので、吊り具8を床スラブ2と天井ボード7間の天井空間にコンパクトに収めることができる。このため、調整ボルト11付きの吊り具8を床大梁3(または床小梁4)に吊り下げても、床大梁3に近接させて天井ボード7を止着でき、居室空間を広くできる。
【0030】
さらに、前記止着具9は、対向する2つの締結片91,92を備えた断面略コ字形の万力状になされ、前記床大梁3(または床小梁4)の下フランジ33(止着部)が、締結片91,92の間に挿入され、一方の締結片91に設けた締結ボルト93で他方の締結片92に圧接して挟持されているので、吊り具8に設けた止着具9が床大梁3の下フランジ33を強く挟んで固定する。このため、固定の信頼性が高くなる。
【0031】
さらに、前記止着具9は、床大梁3を形成するH形鋼の水平な下フランジ33に止着されているので、固定の信頼性が一層高く、取付も容易である。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0033】
【発明の効果】
このように構成された請求項1記載の天井の吊り構造によると、天井施工と同時に吊り具の位置決めを任意に行うことができ、床スラブに吊り下げる従来技術のように吊り具の無駄がない。
また、吊り具の取付調整等の施工が容易であり、天井野縁に天井ボードを波打ちなく止着でき、仕上がりもよい。
【0034】
請求項2記載の天井の吊り構造によると、さらに、吊り具を床スラブと天井ボード間の天井空間にコンパクトに収めることができるため、調整ボルト付きの吊り具を床梁に吊り下げても、床梁に近接させて天井ボードを止着でき、居室空間を広くできる。
【0035】
請求項3記載の天井の吊り構造によると、さらに、止着具が床梁の止着部を強く挟んで固定するため、吊り具の固定の信頼性が高くなる。
【0036】
請求項4記載の天井の吊り構造によると、さらに、前記止着具は、床梁を形成するH形鋼の水平な下フランジに止着されているので、吊り具の固定の信頼性が一層高く、取付も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であって、(イ)は天井の吊り構造を示す斜視図であり、(ロ)は断面図である。
【図2】建物の上階床構造を示す断面図である。
【図3】(イ)は吊り具を分解して示す断面図であり、(ロ)は止着具の斜視図である。
【符号の説明】
1     上階床構造
2     床スラブ
3     床大梁
31    ウエブ
32,33 フランジ
4     床小梁
5     野縁受け
6     天井野縁
7     天井ボード
8     吊り具
9     止着具
91,92 締結片
93    締結ボルト
10    吊り子
11    調整ボルト
12    ナット

Claims (4)

  1. 床梁で支持した上階床構造に、互いに平行な複数の野縁受けを吊り具を用いて吊り下げ配置し、この野縁受けに直交して取り付けた天井野縁の下面に天井ボードを止着してなる天井の吊り構造であって、
    野縁受けは床梁に吊り下げられ、吊り具は吊り下げ方向の長さ寸法を調整可能になされていることを特徴とする天井の吊り構造。
  2. 前記吊り具は、床梁に止着される止着具と、野縁受けを吊り下げる吊り子と、止着具と吊り子との間に介在される調整ボルト・ナットとからなり、調整ボルトは垂直方向に向けた下端部を止着具に取り付けて立設され、この調整ボルトを吊り子の上端部に遊嵌して、吊り子が調整ボルトの適宜の高さ位置に螺入されたナットで止着されていることを特徴とする請求項1記載の天井の吊り構造。
  3. 前記止着具は、対向する2つの締結片を備えた断面略コ字形になされ、前記床梁の止着部が、締結片の間に挿入され、一方の締結片に設けた締結ボルトで他方の締結片に圧接して挟持されていることを特徴とする請求項2記載の天井の吊り構造。
  4. 前記床梁は、H形鋼で形成され、上下のフランジを水平にしフランジ間のウエブを垂直にして配置され、前記止着具は、H形鋼の下フランジに止着されていることを特徴とする請求項2または3記載の天井の吊り構造。
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