JP3014467B2 - 水性分散体組成物及びそれを用いた硬化被膜ならびにその製法 - Google Patents

水性分散体組成物及びそれを用いた硬化被膜ならびにその製法

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JP3014467B2 JP3015673A JP1567391A JP3014467B2 JP 3014467 B2 JP3014467 B2 JP 3014467B2 JP 3015673 A JP3015673 A JP 3015673A JP 1567391 A JP1567391 A JP 1567391A JP 3014467 B2 JP3014467 B2 JP 3014467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非帯電性、基材との接
着性、耐熱性、耐水性等に優れた硬化被膜を形成するこ
とができる一液硬化型の水性分散体組成物に関する。本
発明はまた、かかる水性分散体組成物による基材表面の
硬化被膜の形成方法、およびかくして形成される硬化被
膜に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンと不飽和カルボン酸共重合体を
金属又はアンモニウムにより部分的に中和して得られた
重合体はアイオノマーと呼ばれている。その中、アルカ
リ金属又はアンモニウムにより中和されたアイオノマー
は、界面活性剤等の分散剤を使用することなしに、水に
分散することが知られている。水中への分散はアイオノ
マーを水に加え、100°〜200℃の高温、加圧下で
攪拌することにより達成される。アイオノマーの水性分
散体は、アルミニウム箔、紙、等の基材に被覆し、防水
性、ヒートシール性、耐折り曲げ性、表面光沢の付与な
どの目的に使用されている。又親水性の高い、K,R
b,Csイオンを高濃度に含むアイオノマーはイオン伝
導性を示し静電気に帯電をしないため、その水性分散体
は紙等の帯電防止用のコーティング剤となることが知ら
れている。
【0003】しかしながらこのような非帯電性アイオノ
マーは金属や紙、木材等への接着性は優れるものの、ポ
リエステル、ポリメチルメタクリレート、等のプラスチ
ックに対する接着性が不良なため、アイオノマーの水性
分散体をプラスチックのフィルムや成形体にコーティン
グすることが困難である。又前記アイオノマーは吸水性
が高く、その水性分散体から形成される塗膜は水に浸漬
すると基材と剥離し易い欠点があり、耐水性の向上が求
められている。さらにアイオノマーは80〜100℃に
融点を有する熱可塑性樹脂であることから、アイオノマ
ーの水性分散体から得られたコーティング塗膜は100
℃以上の温度に連続的に使用することができない。
【0004】アイオノマーの水性分散体の上記の欠点を
改良する方法として、エポキシ樹脂およびアミノ−ホル
ムアルデヒド樹脂からなる群から選択される架橋剤及び
架橋触媒をアイオノマーの水性分散体中に添加する方法
が開示されている(特公昭47−51809)。この方
法は前述のアイオノマーの水性分散体の持つ接着性及び
耐熱性の不足を改良するものであるが、架橋剤が水溶性
でないために架橋剤を水性分散体に添加するのに際し、
あらかじめ架橋剤を微粉末にするか又は架橋剤と界面活
性剤を熱して溶解して、攪拌下に水性分散体中に徐々に
添加するといった製法上の不便がある。又架橋剤とアイ
オノマーとの反応性が不足するためにハロゲン化アンモ
ニウム塩や有機アミン等の架橋触媒の添加が必要とされ
るが、これらの触媒は臭気や黄色の着色を伴い、アイオ
ノマー水性分散体が使用できる用途が著しく限定される
という欠点を有する。さらに、K,Rb,Csイオンを
高濃度に含む非帯電性アイオノマーの水性分散体では、
前記の架橋剤や架橋触媒を加えて加熱硬化すると、非帯
電性の特徴を失ってしまうことがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため非帯電性アイ
オノマーの特徴を損なうことなしに、その水性分散体の
プラスチック類との接着性、耐水性及び耐熱性を、臭気
発生や着色を伴なうことなく、また容易な方法で改良す
ることが望まれていた。そこで本発明者らはこの改良を
行うべく鋭意研究を行った結果、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(メタ)アク
リル酸含有量が16〜30重量%のエチレン・(メタ)
アクリル酸共重合体のアイオノマーであって、カリウ
ム、ルビジウム又はセシウムをイオン源とし、中和度が
60%以上であるアイオノマーの水性分散体と、該アイ
オノマー100重量部当り、1〜40重量部の水溶性多
価エポキシ化合物とからなる水性分散体組成物に関す
る。本発明はまた、基材に上記水性分散体組成物を塗布
し、乾燥、硬化させることを特徴とする基材表面の硬化
被膜の形成方法に関する。本発明はまた、かくして形成
された硬化被膜に関する。
【0007】なおカルボキシル基を含む水溶性重合体と
エポキシ基を分子中に2個以上含む化合物、とりわけ水
溶性エポキシ化合物とからなる耐水性の改良された接着
剤組成物が特開昭49−26349号において提案され
ている。しかしながらこの提案においては水溶性重合体
を原料としているため、木材などの接着剤としてはかな
りの耐水性を示すものの、ポリエステルやポリメチルメ
タクリレートなどのプラスチックの被覆剤として用いる
には耐水性が充分であるとは言えなかった。またこの提
案では非帯電性アイオノマーの水性分散体の利用につい
ては全く開示していない。
【0008】本発明で使用するアイオノマーは、(
タ)アクリル酸含有量が16〜30重量%、好ましくは
18〜25重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体のアイオノマーである。ここに(メタ)アクリル酸
は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味するものであ
。このような共重合体は、通常は高圧法ポリエチレン
の製造と同様にしてラジカル重合によって得ることがで
きる。共重合体は二成分である必要はなく、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル等の
他の重合成分を含むものであってもよい。非帯電性のコ
ーティング剤を得るためには、共重合体における(
タ)アクリル酸含有量は16重量%以上のものが必要で
あるがその含有量が多くなりすぎると水溶性となり、本
発明の処方によっても耐水性が不足するので30重量%
を越えるべきではない。安定な水性分散体を得るために
は、共重合体の分子量はあまり大きくない方が良いが、
一方あまり小さくなりすぎると硬化被膜の強度が損なわ
れるので、190℃、2160g荷重におけるメルトフ
ローレートが10〜1000dg/分、とくに30〜2
00dg/分程度のものを用いるのが好ましい。
【0009】本発明におけるアイオノマーのイオン源
は、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる。
リチウムやナトリウムでは非帯電性となり難く、本発明
の目的を達成することはできない。アイオノマーの水性
分散体は、予め生成させたアイオノマーと水とをオート
クレーブ中で、80℃以上、好ましくは120℃以上の
温度において攪拌することにより容易に調製することが
できる。あるいはアイオノマーのベースポリマーである
共重合体と上記アルカリ金属の化合物とを高温加圧水中
で攪拌することにより、中和と水性分散体の製造を同時
に行う方法によっても行うことができる。
【0010】カリウム、ルビジウム又はセシウムによる
中和度は、安定した水分散体と充分な非帯電性を得るた
めに60%以上とする必要がある。尚、上記中和と水性
分散体の製造を同時に行う方法においては、水性分散体
から水を除去して得られるアイオノマーの中和度が60
%以上となっていればよい。
【0011】本発明で使用する水溶性多価エポキシ化合
物とは、エポキシ基を1分子内に2個以上有する化合物
で、室温にて水90重量部にエポキシ化合物を10重量
部添加した時に添加したエポキシ化合物の25%以上が
水に溶解するものを言う。このようなエポキシ化合物と
して、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソル
ビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポ
リグリシジルエーテル、ペンタエリストールポリグリシ
ジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テルなどの多価アルコールポリグリシジル化合物、アジ
ピン酸ジグリシジルエステルなどがある。これらの水溶
性エポキシ化合物はナガセ化成工業(株)よりディナコ
ールの商品名で販売されている。
【0012】アイオノマーは多価エポキシ化合物と10
0℃以上の温度において反応し架橋体を生成する。この
架橋反応によりアイオノマーの耐熱性が改良される。し
かしながら架橋されたアイオノマーは熱で流動すること
がないため、架橋された後は熱によりフィルム等に造膜
することができない。したがってアイオノマーの水性分
散体によるコーティング塗膜の耐熱性をエポキシ化合物
との架橋反応によって改良するためには、アイオノマー
とエポキシ化合物との混合は架橋反応を抑えるために5
0℃以下の温度で行うことが必要である。本発明では、
あらかじめ水中にアイオノマーを微粒子で分散させた後
に、50℃以下の温度でこの水性分散体中に水溶性エポ
キシ化合物を溶解させてアイオノマーと混合することに
よりこの問題を解決させた。しかもこの方法によればア
イオノマーとエポキシ化合物は均一に混合されるため
に、この組成物をプラスチックフィルム等の基材にコー
ティング後100℃以上に加熱すると透明で光沢のある
塗膜を形成すると同時に架橋反応が生じて耐熱性と基材
との密着性の良好な塗膜を形成することができる。更
に、架橋反応触媒としてアミン化合物を使用する必要が
ないため臭気や着色がなく、かつ驚くべきことに水溶性
のエポキシ化合物を使用するにもかかわらず、架橋後の
塗膜は優れた耐水性を備えていた。又非帯電性も実質的
に損なわれることがなかった。
【0013】したがって本発明の一液硬化型水性分散体
組成物は、アイオノマーの水性分散体に水溶性エポキシ
化合物を50℃以下の温度、好ましくは室温で添加混合
することにより製造する。50℃を越える温度で混合す
るとアイオノマーとエポキシ樹脂の反応が生じるので好
ましくない。
【0014】水溶性エポキシ化合物の割合は水性分散体
中のアイオノマー100重量部あたり1〜40重量部、
好ましくは1.5〜30重量部である。水溶性エポキシ
化合物の割合が1重量部未満では耐熱性プラスチック基
材との接着性、耐水性の改良が不十分で、40重量部を
越えると基材へのコーティング塗膜の透明性が失われ、
又耐水性の改良が不十分となり、さらに非帯電性が損わ
れるので好ましくない。本発明の水性分散体組成物の成
分としてアイオノマーと水溶性エポキシ化合物は必須成
分であるが、この他にアイオノマー以外のポリマー、酸
化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0015】本発明のアイオノマー水性分散体組成物の
基材へのコーティングは、基材上に水性分散体組成物を
ロールコート、バーコート、スプレイコートあるいは刷
毛を使ってコーティングしたり、成形体を水性分散体組
成物の液に浸漬することにより行われる。コーティング
後100℃以上の温度に被覆体を加熱することにより水
分を蒸発させ塗膜を形成させ同時に架橋反応を生じさせ
ることにより、接着性、耐水性、耐熱性、非帯電性の優
れた塗膜を形成する。加熱は熱風吹きつけ、加熱炉中へ
の通過、加熱ロール上の通過などにより行われる。加熱
温度としては100℃以上が必要で好ましくは130℃
以上、さらに好ましくは150℃で数秒以上の加熱時間
が適当である。230℃以上の温度で空気中での加熱は
塗膜の劣化を生じるので好ましくない。
【0016】本発明組成物は一液硬化型水性分散体組成
物であり、優れた非帯電性、耐水性、耐熱性、基材との
接着性を活かして各種基材へのコーティング剤及び帯電
防止コーティング剤や、インキ、塗料の添加剤等の用途
に利用される。コーティング剤としては紙、金属、プラ
スチック、木材等各種の基材に適用できる。特にプラス
チックへの接着性が優れているので、プラスチックの表
面被覆材料として有用であり、そのようなプラスチック
材料としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリア
ミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリ
スルホン、オレフィン重合体又は共重合体等を例示する
ことができる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を示すが、これらは本発明を限定するものではな
い。なお実施例に使用した樹脂及び基材の種類は次のと
おりである。
【0018】1.アイオノマーおよびそのベースポリマ
ー (1)エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA) EMAA−1…エチレン含量80wt%、メタクリル酸含
量20wt% MFR 60dg/min、融点85℃ EMAA−2…エチレン含量85wt%、メタクリル酸含
量15wt% MFR 60dg/min、融点90℃ (2)アイオノマー アイオノマー1…EMAA−1の71mol % 中和K塩 MFR 0.2dg/min、融点85℃ アイオノマー2…EMAA−2の60mol % 中和Na
塩 MFR 0.9dg/min、融点90℃
【0019】2.エポキシ化合物 (1)水溶性エポキシ化合物 NO. 商品名 化学名 水溶率 1.ディナコールEX−810 ポリエチレングリコールジグリシ ジルエーテル(ポリエチレングリ コール鎖重合度: n=1) 100 2.ディナコールEX−821 〃 (n=4) 100 3.ディナコールEX−832 〃 (n=9) 100 4.ディナコールEX−841 〃 (n=13) 100 5.ディナコールEX−850 〃 (n=2) 99 6.ディナコールEX−861 〃 (n=22) 100 7.ディナコールEX−614 ソルビトールポリグリシジルエーテル 78 8.ディナコールEX−313 グリセロールポリグリシジルエーテル 99 (2)水不溶性エポキシ化合物 NO. 商品名 化学名 水溶率 1.エポミックR−307 ビスフェノールA/エピクロルヒドリン型 0 エポキシ樹脂(エポキシ当量1900) 注:ディナコール…ナガセ化成工業(株)製エポキシ化
合物 エポミック …三井石油化学工業製エポキシ樹脂 水溶率 …室温にて水90重量部にエポキシ化合物
10量部を溶解したときの溶解率
【0020】3.基材 ポリエステルフィルム…東レ(株)製ルミラー 50μ
m 厚表面コロナ処理(50dyn /cm)
【0021】又得られた塗膜の物性の測定法は以下に示
すとおりである。 (1)MFR(メルトフローレート)…JIS−K−6
760 温度190℃、荷重2160g (2)表面固有抵抗(Ω)…東京電子(株)製、高抵抗
計 Model TR−3を使用 (3)塗膜密着性…セロハンテープで剥離の有無を観
察、又はセロハンテープでの碁盤目剥離テストにて剥離
しない碁盤目数を測定。 (4)塗膜耐水性…コーティングフィルムを20℃水中
に10秒間浸漬し振った後引き上げて塗膜のふくれ、剥
離等の状況観察。その後塗膜上の付着水をティシュペー
パーでふき取った後、塗膜上を指でまさつし、塗膜が剥
離するか否かで耐水性を確認する。水中浸漬時に塗膜の
ふくれ、剥離がなく、水中から引き上げた後指によるま
さつで剥離が認められないものを耐水性良好とする。 (5)塗膜耐熱性…180℃に加熱したAl板にコーテ
ィング塗膜を置き、塗膜面にAl板を接した際Al板が
塗膜に粘着するか否かで測定。Al板が塗膜に粘着しな
い時に耐熱性良好と判定。
【0022】参考例(アイオノマー水性分散体の製法)参考例1 200ml容量、攪拌機付きのステンレス製オートクレー
ブに蒸留水135ml、アイオノマー1のペレット45g
を仕込み(水性分散体中の固型分として25wt%)、5
00RPMの回転数にて攪拌下に加熱して昇温した。オ
ートクレーブ内温が150℃に昇温後その温度にて15
分間攪拌を続けた後、攪拌下にオートクレーブを冷却
し、室温まで冷却した。オートクレーブを開いたとこ
ろ、無色半透明な微粒子のアイオノマー水性分散体が生
成していた。
【0023】参考例2 参考例1のオートクレーブに、蒸留水135ml、EMA
A−1のペレット45g (固形分として25wt%)、水
酸化カリウムペレット4.7g (80mol %中和度相
当)を仕込み、参考例1と同様な操作にてアイオノマー
水性分散体を得た。
【0024】参考例3 参考例1のオートクレーブに、蒸留水135ml、アイオ
ノマー2のペレット50g を仕込み(固型分として27
wt%)、参考例1と同様な操作にてアイオノマー水性分
散体を得た。水性分散体は乳白色半透明であった。
【0025】実施例1 参考例1で作成したKアイオノマーの水性分散体(固型
分25wt%)20g に同量の純水を加えて固型分濃度1
2.5wt%の水性分散体に希釈した。この希釈した水性
分散体1.8g に、室温(23℃)にて水溶性エポキシ
化合物(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル
(ディナコールEX810)を0.04g (Kアイオノ
マー100重量部あたり18重量部)加えて溶解させ
た。この分散体を50μm 厚ポリエステルフィルム上に
そそぎ、その上から2番のワイアーバーを使ってポリエ
ステルフィルム上に液を均一に広げてコーティングし
た。塗膜はポリエステルフィルムにはじかれることなく
均一に広がった。塗膜上を80℃温風で30秒間加熱し
て水分を除去後、180℃のホットプレート上で15秒
間加熱硬化を行ったところ約3μm 厚みの透明で光沢の
ある塗膜を得た。加熱硬化後30秒間25℃65%相対
湿度の雰囲気下でエージング後、塗膜の表面固有抵抗、
塗膜密着性を測定したところ、表面固有抵抗5×1010
Ωで良好な非帯電性を示し、又良好な塗膜密着性を示し
た。さらにこの塗膜を水中に10秒間浸漬して塗膜の耐
水性を測定したところ塗膜の膨潤、浮きは認められず又
塗膜上からの指による摩擦で塗膜の剥離もなく良好な耐
水性であった。又塗膜の耐熱性も良好であった。結果を
表1に示す。
【0026】実施例2〜6 実施例1において水溶性エポキシ化合物として、ポリエ
チレングリコール鎖の重合度の異るディナコールEX8
21(例2)、EX832(例3)、EX841(例
4)、EX−850(例5)、EX−861(例6)に
代え、実施例1と同じ方法で水性分散体組成物を調製
し、ポリエステルフィルムに塗布後加熱硬化して表面に
塗膜を形成させた。塗膜はいずれも透明、良光沢で、良
好な非帯電性(低い表面固有抵抗)を示した。その他耐
水性、基材との密着性、塗膜の耐熱性のいずれも表1に
示すように良好であった。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1 実施例1において、水溶性エポキシ化合物を添加しない
以外は実施例1と同様にして、Kアイオノマーの水性分
散体をポリエステルフィルムに塗布し、硬化被膜を形成
させた。実施例1と同様に透明で光沢ある被膜が得ら
れ、表面固有抵抗3×107 Ωの良効な非帯電性を示し
た。塗膜上から指の摩擦では塗膜の剥離はなかったが、
セロハンテープによる塗膜密着性テストでは塗膜が容易
に剥離した。又積層体を10秒間水に浸漬塗膜の耐水性
を測定したところ、塗膜の膨潤、浮きは認められなかっ
たが、塗膜上からの指の摩擦により塗膜が容易に基材よ
り剥離し、耐水性が不良であった。180℃温度で塗膜
のAL板との粘着性を測定したところ、塗膜が溶融して
AL板に粘着し、塗膜の耐熱性が不良であった。結果を
表1に示す。
【0029】実施例7 参考例2で作成したKアイオノマーの水性分散体(固型
分25wt%)10g に水溶性エポキシ化合物ディナコー
ルEX614(ソルビトールポリグリシジルエーテル)
0.125g(アイオノマー100重量部あたり5重量
部)を加えて溶解させた。実施例1と同様にして50μ
m 厚のポリエステルフィルム上に塗布後加熱して硬化さ
せたところコーティング厚み約4μm の透明光沢の良い
塗膜を得た。塗膜の基材との密着性、耐水性は良好で、
表面固有抵抗は5×109 Ωで良好な非帯電性を示し
た。
【0030】実施例8 実施例7において水溶性エポキシ化合物ディナコールE
X313(グリセロールポリグリシジルエーテル)を使
用した。加熱硬化後の塗膜は透明で良光沢であった。塗
膜の基材との密着性、耐水性は良好で、表面固有抵抗4
×1010で良好な非帯電性を示した。
【0031】比較例2 参考例1のアイオノマー水性分散体40g に水不溶性エ
ポキシ化合物エポミックR−307(ビスフェノールA
/エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂)の微粉末1.5
g (アイオノマー100重量部あたり15重量部)を添
加して良く混合した。実施例1と同様にしてこの混合液
を50μm 厚のポリエステルフィルムに塗布後加熱して
硬化させた。コーティング塗膜は白色半透明であった。
基材との密着性をセロハンテープによりテストしたとこ
ろ塗膜がセロハンテープにより剥離した。塗膜の表面固
有抵抗は1012Ω以上で、塗膜上から綿布で摩擦すると
著しい帯電を生じた。塗膜を水中に10秒間浸漬しても
塗膜のふくれ、剥離は生じなかったが、塗膜上からの指
のまさつにより塗膜が容易に剥離した。
【0032】比較例3 参考例3のNaアイオノマーの水性分散体20g に純水
20g を加えて固型分濃度135wt%の水性分散体を得
た。これに水可溶性エポキシ樹脂ディナコールEX−8
50を0.54g (アイオノマー100重量部あたり1
0重量部)加えて溶解させた。実施例と同様にしてポリ
エステル基材上にこれをコーティングし加熱硬化させて
厚さ約3μm の透明良光沢の塗膜を得た。塗膜の基材と
の密着性、耐水性を測定したところ良好な密着性、耐水
性であった。塗膜の表面固有抵抗は1012Ω以上であ
り、摩擦により帯電した。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、非帯電性、耐水性、耐
熱性、基材との接着性に優れた硬化被膜を形成できる一
液硬化型水性分散体組成物が提供できる。とりわけポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタ
ール、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、オレフ
ィン重合体又は共重合体などのプラスチック材料にも良
好な接着性を示す組成物が提供できる。
【表1】
【表1】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C08L 23/26 63:00) (C09D 123/26 163:00) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/26 C09D 123/26 B05D 3/02 B05D 7/24 C08F 8/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸含有量が16〜30
    重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイ
    オノマーであって、カリウム、ルビジウム又はセシウム
    をイオン源とし、中和度が60%以上であるアイオノマ
    ーの水性分散体と、該アイオノマー100重量部当り1
    〜40重量部の水溶性多価エポキシ化合物とからなる水
    性分散体組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の水性分散体組成物を基材に塗
    布し、乾燥、硬化させることを特徴とする基材表面の硬
    化被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】アイオノマーの水性分散体中に50℃以下
    の温度で水溶性多価エポキシ化合物を溶解、混合し、得
    られた水性分散体組成物を基材に塗布した後、100℃
    以上に加熱し、乾燥、硬化させることを特徴とする請求
    項2記載の基材表面の硬化被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 (メタ)アクリル酸含有量が16〜30
    重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のアイ
    オノマーであって、カリウム、ルビジウム又はセシウム
    をイオン源とし、中和度が60%以上であるアイオノマ
    ー100重量部と水溶性多価エポキシ化合物1〜40重
    量部とから形成される硬化被膜。
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