JP3061150B2 - 水性分散体組成物及びそれより形成される被膜ならびにその製法 - Google Patents

水性分散体組成物及びそれより形成される被膜ならびにその製法

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JP3061150B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿度依存性の改善された
優れた帯電防止性を有し、かつ室温において添加物のブ
リードがなく、基材との密着性、耐水性に優れた被膜を
形成することのできるアイオノマー水性分散体組成物お
よび該水性分散体組成物より形成される被膜ならびにそ
の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】消費財や工業製品に電気的要素が普及す
るにつれ、帯電防止効果を有するプラスチックや金属に
代わる導電性プラスチックの需要が増えている。非帯電
性プラスチックとして実用化されているものの中にアイ
オノマー系樹脂がある。アイオノマーはエチレンと不飽
和カルボン酸の共重合体を金属で部分的に中和したもの
で、アルカリ金属、特にK,Rb,Csイオンを含むも
のはそのイオン伝導により非帯電性を示すことが知られ
ている。この非帯電性アイオノマーは帯電防止剤で処理
しなくても、樹脂そのものが導電性を示すことから半永
久的に帯電防止効果を持続し、又、成形加工性が良いこ
とで注目されている。
【0003】一方、基材上に薄い樹脂層被膜を設ける方
法として樹脂の水性分散体を塗布する方法が知られてい
る。これは水性分散体をロールコーター,スプレー等を
用い基材に塗布し、加熱乾燥して水分を蒸発し、造膜さ
せる方法であり、効率的かつ経済的な方法である。
【0004】アイオノマーもこの方法に従い、アイオノ
マーと水とをオートクレーブ中で80℃以上の温度で攪
拌することにより水性分散体の調製が可能であり、この
水性分散体を塗布して基材上に非帯電性の膜を形成する
ことが知られている。このようにして得られた非帯電性
膜は、帯電防止剤等が表面にブリードアウトすることが
ないことから、基材を汚染したり、布拭きで非帯電効果
が失われることがない。このことから、帯電による基材
へのホコリの付着を嫌う電子、医療分野での利用価値が
期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの非帯
電性アイオノマーはその導電性がイオン移動に由来する
ことから湿度依存性が大きく、乾燥状態では非帯電性が
低下することが問題となっている。
【0006】そこで非帯電性アイオノマーを、その密着
強度、ブリードアウトが無い等の特性を損なわずに、導
電性の湿度依存性が小さい、即ち乾燥条件でも非帯電性
を示すように改善する処方が望まれている。
【0007】本発明者らは上記問題点の改良について研
究し、アイオノマーの水性分散体に高分子電解質溶媒で
あるポリオキシアルキレングリコールを添加することに
より、従来のものより湿度依存性の小さい帯電防止性ア
イオノマー系水性分散体が得られることを見出した。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明は不飽和カルボン酸
含有量が16〜35重量%のエチレン・不飽和カルボン
酸共重合体のアイオノマーであって、カリウム、ルビジ
ウム又はセシウムをイオン源とし、中和度が60%以上
であるアイオノマーの水性分散体に、数平均分子量が2
00〜2000のポリオキシアルキレングリコールを該
アイオノマー100重量部当り1〜100重量部の割合
で配合してなる水性分散体組成物、及びそれより形成さ
れる被膜、並びにその製法に関する。
【0009】また本発明の水性分散体組成物には、塗布
膜の基材との密着強度の向上等のために、さらにポリオ
キシアルキレングリコールのモノエポキシ又はジエポキ
シ導体をアイオノマー100重量部当り、1〜100重
量部配合することもできる。
【0010】従来からポリオキシアルキレングリコール
を熱可塑性樹脂に添加し、帯電防止能を付与することは
知られている。その添加方法としては熱可塑性樹脂の溶
融体にポリオキシアルキレン化合物を混練添加する方
法、熱可塑性樹脂の固型物又はフィルムにポリオキシア
ルキレングリコールを含浸する方法等が知られている。
【0011】本発明では上記添加法とは異なり、アイオ
ノマーの水性分散体にポリオキシアルキレンを配合する
ことを特徴としている。この水性分散体は基材に塗布乾
燥することにより導電性を示す樹脂膜を形成することが
できる。又、得られる膜は透明性が良く、また添加ポリ
オキシアルキレングリコールのブリードアウトは認めら
れない。また本発明の方法ではポリオキシアルキレング
リコールを配合する際、加熱して樹脂を溶融する必要が
なく、広範囲な配合比で容易に調製することができる。
【0012】以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。本発明の水性分散体組成物の1成分であるアイオノ
マーは不飽和カルボン酸含有量が16〜35重量%、好
ましくは18〜30重量%からなるエチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体をベースポリマーとし、不飽和カルボ
ン酸成分の全部または一部を、アルカリ金属をイオン源
として中和して得られたアイオノマーである。
【0013】共重合体中の不飽和カルボン酸の例として
はアクリル酸,メタクリル酸,無水マレイン酸,マレイ
ン酸モノエチル等を挙げることができるが、特にアクリ
ル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0014】又、必須成分ではないが、水に対する分散
性、熱接着性の補助的なコントロール等を目的として共
重合体中にはエチレン、不飽和カルボン酸単量体のほか
に他のビニル単量体を発明の効果を失わない程度で共重
合されていてもよい。そのような単量体としては上記不
飽和カルボン酸のメチルエステル,エチルエステル,イ
ソブチルエステル,n−ブチルエステル等のアルキルエ
ステル或いは酢酸ビニルなどを挙げることができる。
【0015】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を中
和してアイオノマーとするためのイオン源はカリウム,
ルビジウム又はセシウムから選ばれるアルカリ金属であ
る。即ちイオン伝導の観点から1価イオンであるアルカ
リ金属が好ましいが、そのうちイオン半径の比較的大き
く電荷密度が相対的に低いK,Rb,Csで中和したも
のが本発明の水性分散体には適している。
【0016】又、上記金属による中和度は60%以上で
あり、中和度がこれ以下であると、イオン伝導において
キャリヤイオン数が少なくなり、導電性が低下する。
【0017】本発明の水性分散体組成物は上記アイオノ
マーの水性分散体に高分子電解質溶媒である数平均分子
量200〜2000のポリオキシアルキレングリコール
をアイオノマー100重量部当り、1〜100重量部配
合したものであるが、ポリオキシアルキレングリコール
としてはアイオノマー中の金属塩の解離を促進する極性
基の含有率が多いポリエーテル系化合物が好ましく、具
体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールのような炭素数2〜4のアルキレン基を有するも
のが好ましい。
【0018】ポリオキシアルキレングリコールの平均分
子量は小さすぎると塗布、乾燥の際、揮発して含有量が
低下してしまうこと及び、塗布膜表面からのブリードし
易いことから好ましくない。また平均分子量が大きすぎ
るとポリオキシアルキレングリコールの結晶度が高くな
り、イオン伝導の効果が低下してしまう。これらのこと
から本発明の水性分散体に配合されるポリオキシアルキ
レングリコールの平均分子量は200〜2000、好ま
しくは250〜950のものが使用される。本発明のポ
リオキシアルキレングリコールの平均分子量範囲は比較
的低分子量の領域であるが、室温付近ではブリードが見
られない。これはポリオキシアルキレングリコールとア
イオノマーとの極性基の相互作用によるものと思われ
る。本発明においては2成分を配合したことにより、帯
電防止性、特に湿度依存性の改善に向上に寄与し、しか
も通常の帯電防止剤の欠点であるブリードの問題も解決
され、優れた相乗効果を奏している。
【0019】水性分散体組成物中のポリオキシアルキレ
ングリコールの配合量はアイオノマー100重量部当
り、1〜100重量部であり、ポリオキシアルキレング
リコールの配合量の増大とともに非帯電性は向上する
が、得られる膜の基材との密着性、耐水性の低下をきた
すので必要以上の配合は好ましくない。
【0020】また必須成分ではないが得られる塗布膜の
非帯電性を損なわずにより機械的安定性、基材との密着
性を良くする目的でアイオノマー,ポリオキシアルキレ
ングリコールの他に第3成分としてポリオキシアルキレ
ングリコールのモノエポキシ又はジエポキシ誘導体をア
イオノマー100重量部当り1〜100重量部、好まし
くは1〜50重量部配合することもできる。上記エポキ
シ誘導体は分子中にポリアルキレン基−[(R−O)
n ]−を有し、片末端又は両末端グリシジル基を有する
化合物であり、
【0021】式
【0022】式 で表わされる。ここでR1 はアリール基,アルキル基,
シクロアルキル基,アリル基等の炭化水素基又は水素を
表わす。またRは炭素数2〜4の低級アルキレン基、n
は1〜100のものが好ましい。具体的にはポリオキシ
エチレンジグリシジルエーテル、ポリオキシプロピレン
ジグリシジルエーテル、フェニールポリオキシエチレン
グリシジルエーテル等を例示することができる。
【0023】これらポリオキシアルキレングリコールの
エポキシ誘導体は基材に塗布乾燥する際、グリシジル基
とアイオノマー中のカルボキシル基との反応によりエス
テル結合を生成し、グラフト化又は架橋反応を生じ、被
膜の密着性や機械的強度の向上等に寄与する。
【0024】エポキシ誘導体の配合量に関しては、少な
すぎると膜の密着性、強度の改良効果が顕著でなく、ま
た、多すぎると水性分散体中での反応により、経時につ
れ、水性分散体の粘度が増加し、保存性に支障をきた
す。
【0025】更に本発明の水性分散体にポリエチレンイ
ミンを添加することにより、帯電防止性を低下させるこ
となく水性分散体と基材の密着性および膜の耐水性を向
上させることができる。ポリエチレンイミンを添加する
場合、その配合量をあまり多くするとゲル化するので、
通常アイオノマー100重量部に対し、5重量部以下、
好ましくは1〜4重量部配合される。
【0026】本発明で得られる水性分散体には必須成分
である前記アイオノマーとポリオキシアルキレングリコ
ール、更に任意成分として挙げたポリオキシアルキレン
グリコールのモノエポキシ又はジエポキシ誘導体、ある
いはポリエチレンイミン等のほかに、通常水性分散体に
添加される公知の添加剤、例えば界面活性剤、酸化防止
剤、耐候安定剤、顔料、染料、紫外線吸収剤等を使用目
的に応じて添加してもよい。又、コストダウン、塗工性
の改善等を目的として本発明の水性分散体と相溶性のあ
るポリ酢酸ビニル,ポリ塩化ビニル,ポリエチレン,ポ
リアクリル酸等の公知の水性分散体を本発明の目的とす
る特性を失わない程度に添加することもできる。又、乾
燥促進を目的としてエタノール,イソプロピルアルコー
ル等の有機溶剤等を添加することもできる。
【0027】これら各種成分からなる水性分散体は種々
の方法、例えばあらかじめ調製したアイオノマーの水性
分散体にポリオキシアルキレングリコールその他を添加
混合して得ることができる。この場合、水性分散体中の
アイオノマー,ポリオキシアルキレングリコール等、高
分子成分の濃度は1〜60重量%、特に5〜35重量%
の範囲が好ましい。
【0028】又、本発明の水性分散体の調製はアイオノ
マーとポリオキシアルキレン化合物その他必要な成分を
水中に一緒に乳化分散させる方法によっても可能であ
る。この場合の調製後の水性分散体中の高分子成分の濃
度は乾燥させる際の蒸発に要するエネルギー、水性分散
体の粘度を考慮し、1〜60重量%特に好ましくは5〜
40重量%の範囲である。
【0029】本発明組成物を塗布することのできる基材
としては各種プラスチック,ゴム,紙,木材,布,金
属、セラミック,ガラス等のフィルム,シート又は成形
品であるが、特にプラスチックへの接着性が優れている
ことからプラスチックの帯電防止被膜として有効であ
る。プラスチックとしてはポリオレフィン系樹脂,オレ
フィン−極性モノマー共重合樹脂,ポリスチレン系樹
脂,ポリエステル系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリカー
ボネート,ポリアセタール,ポリスルホン等を例示する
ことができる。又、この様な基材はコロナ処理、火炎処
理等の表面処理を施こしたものでもよい。
【0030】基材上に本発明水性分散体を塗布する方法
は一般のプラスチックコーティング等において用いられ
ている方法、例えばロールコーター,バーコーター,ス
プレイ,エアーナイフコーター或いは刷毛を用いてコー
ティングしたり、基材を水性分散体中に浸漬する方法等
が用いられる。塗布後加熱乾燥することにより水分を蒸
発させ、塗膜を造膜させる。又、第3成分としてポリオ
キシアルキレングリコールのエポキシ誘導体を含む場合
は加熱により蒸発と同時にグラフト又は架橋反応を生
じ、機械的強度の向上に寄与する。
【0031】加熱温度は生産性の点からは高温度の方が
良いが、あまり高温にすると基材や塗膜の変質、劣化を
生じるので好ましくない。通常は100〜200℃が好
ましく、特に150℃以上で数十秒の加熱が好ましい。
【0032】塗布量は基材の浸透性や平滑性によって異
なるが、数μm以下の塗膜でも非帯電性において十分な
効果を得ることができる。
【0033】かかる本発明の水性分散体を塗布すること
によって得られる被膜は湿度20%RH程度の乾燥状態
でも非帯電性を示し、配合したポリオキシアルキレング
リコールが表面にブリードアウトする不都合は見られな
い点で優れている。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、非帯電性、基材密着性
に優れた被膜を形成することができる。この様な被膜は
成膜直後から非帯電性を示し、20%RH程度の低湿度
域でも非帯電効果を有す点で優れている。又、配合した
水性分散体の粘度が適当であること、被膜からポリオキ
シアルキレン化合物がブリードアウトしないこと、非帯
電性が半永久的に持続するという長所も備えている。
【0035】このような特徴を有することから、本発明
の被膜はプラスチックを初め、様々な基材の帯電防止用
被膜として利用でき、導電性を利用した電子材料分野、
その他選択透過膜、イオン交換膜などの応用可能性を有
する。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例において用いた水性分散体を構成す
る各成分は次の通りである。
【0037】1.アイオノマーおよびそのベースポリマ
ー (1)エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA) エチレン含量80wt%,メタクリル酸含量20wt% MFR 67dg/min, 融点 85℃
【0038】(2)アイオノマー (1)のEMAAの90mol% 中和K塩 MFR 0.05dg/min, 融点85℃
【0039】(3)アイオノマーの水性分散体 (2)のアイオノマー25wt%, 水75wt%の水
性分散体
【0040】2.ポリオキシアルキレン化合物 ポリエチレングリコール 平均分子量 200 n=3〜4 平均分子量 400 n=7〜8 平均分子量 600 n=10〜12
【0041】3.ポリオキシアルキレン化合物のエポキ
シ誘導体 ナガセ化成工業(株)製のエポキシ化合物(商品名ディ
ナコール)を使用 (1)ディナコールEX145 フェニールポリオキシエチレングリシジルエーテル エポキシ当量427 粘度60CPS(25℃)
【0042】(2)ディナコールEX810 ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル n=1、エポキシ当量112 粘度15cps(25
℃)
【0043】(3)ディナコールEX850 EX810と同じ構造でn=2のもの エポキシ当量154 粘度23cps(25℃)
【0044】4.ポリエチレンイミン 商品名エポミンP−1000 (CH2 −CH2 −NH)n 分子量 約70000,樹脂分30%の透明水溶液 粘度400〜900cps−25℃,比重1.04(2
5℃) pH10〜12(5%水溶液) 又原料樹脂及び得られた塗膜の物性の測定法は以下に示
すとおりである。
【0045】(1)MFR(メルトフローレート)…J
IS−K−6760 温度190℃、荷重2160g (2)表面固有抵抗率(Ω/□)…三菱油化(株)製、
高抵抗率計ハイレスターIPを使用して測定 (3)塗膜密着性…セロハンテープで剥離の有無を観
察、又はセロハンテープでの碁盤目剥離テストにて剥離
した碁盤目数を測定。 (4)塗膜耐水性…コーティングフィルムを23℃水中
に5秒間浸漬し振った後引き上げて塗膜のふくれ、剥離
等の状況観察。その後塗膜上の付着水をティシュペーパ
ーでふき取った後、塗膜上を指でまさつし、塗膜が剥離
するか否かで耐水性を確認する。また水中浸漬時の塗膜
のふくれ、剥離の有無を目視により観察した。
【0046】実施例1 Kアイオノマーの水性分散体(固形分25wt%)4g
に室温(20℃)にてポリオキシアルキレングリコール
としてポリエチレングリコール(平均分子量400)を
0.2g(Kアイオノマー100重量部当たり20重量
部)加え、よく攪拌し均一化した。得られた透明な流動
性ある水性分散体の一部を50μm厚のポリエステルフ
ィルム上に注ぎ、12番のワイアーコーティングバーを
用いて均一に広げコーティングした。塗膜はフィルム面
ではじかれることなく、又泡が生じることなく均一に広
がった。塗膜面をドライヤーにて80℃熱風で60秒間
加熱乾燥後、150℃のホットプレート上で60秒間加
熱乾燥した。
【0047】得られた被膜は厚さ約4μmで透明、光沢
があり、表面にポリエチレングリコールのブリードは認
められなかった。この塗膜を恒温恒室槽内でRH(相対
湿度)20%、40%および60%に調湿し、それぞれ
表面固有抵抗率を測定したところ、表1の結果を得た。
【0048】実施例2〜4 ポリオキシアルキレングリコールとして平均分子量40
0および平均分子量600のポリエチレングリコールを
表1に記載の添加量で添加した以外は実施例1と同様に
して水性分散体組成物を調製し、実施例1と同様の方法
でポリエステルフィルム上にコーティングして塗膜を形
成し、表面固有抵抗率を測定した。結果を表1にあわせ
て示す。
【0049】比較例1 実施例1で用いたアイオノマーの水性分散体にポリエチ
レングリコールを添加しないで、実施例1と同様にポリ
エステルフィルム上にコーティングした後加熱乾燥し、
厚さ約4μmの透明で光沢を有する被膜が得られた。こ
の塗膜を実施例1と同様の方法で恒温恒湿槽内で調湿
し、表面固有抵抗率を測定した。結果を表1にあわせて
示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例5〜7 実施例2で用いたアイオノマー及びポリエチレングリコ
ール(平均分子量400)のほかに表2に記載のポリオ
キシアルキレン化合物のエポキシ誘導体(ナガセ化成工
業(株)製、商品名ディナコール)を表2に記載の添加
量で加え、実施例2と同様にポリエステルフィルム上に
コーティングし、加熱乾燥して厚さ約4μmの透明で光
沢を有する被膜が得られた。この塗膜を実施例2と同様
の方法で調湿し、表面固有抵抗率を測定した。結果を表
2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例8 実施例2で用いたアイオノマーとポリエチレングリコー
ルに更にポリエチレンイミン(商品名エポミンP−10
00)を加え、実施例2と同様にポリエステルフィルム
上にコーティングし、加熱乾燥して厚さ約4μmの透明
で光沢を有する被膜が得られた。この塗膜の基材密着性
を碁盤目テストにより測定したところ、剥離した碁盤目
数は0であり、密着性は良好であった。結果を他の実施
例、比較例の結果とともに表3に示す。
【0054】更に同じサンプルを水道水(水温23℃)
に5秒間浸漬した後、目視及び爪で擦った時の剥離状態
により塗膜の耐水性を観察したところ、浮きや膨潤は見
られず、爪でこすって始めてはがれが生ずる程度で耐水
性の良好な塗膜が生成した。
【0055】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63:00) (C09D 123/26 171:02 163:00) (56)参考文献 特開 平4−314748(JP,A) 特開 平4−57998(JP,A) 特開 昭60−84141(JP,A) 特開 昭60−15447(JP,A) 特開 昭57−137336(JP,A) 特開 昭56−36504(JP,A) 特開 平4−314748(JP,A) 特公 昭47−51809(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/26 C09D 123/26 C08J 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸含有量が16〜35重
    量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノ
    マーであって、カリウム、ルビジウム又はセシウムをイ
    オン源とし、中和度が60%以上であるアイオノマーの
    水性分散体に、数平均分子量が200〜2000のポリ
    オキシアルキレングリコールを該アイオノマー100重
    量部当り1〜100重量部の割合で配合してなる水性分
    散体組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水性分散体組成物にポリ
    オキシアルキレングリコールのモノ又はジエポキシ誘導
    体を、該アイオノマー100重量部当り1〜100重量
    部配合してなる水性分散体組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の水性分散体を基
    材に塗布し乾燥、固化させることを特徴とする被膜の形
    成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の水性分散体から
    基材上に形成された被膜。
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