JP3014135U - 大型移動壁のパネル連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 枠体の両面上下方向に複数枚のパネルを取付
けして構成する大型移動壁において、上記枠体を裏返し
することなしにパネルの取付けを簡単に行うことが出来
るパネル連結構造の提供。 【構成】 枠体に取付けする上下パネル１ａ、１ｂ間に
は目地空間２を残し、この目地空間２に連結金具１２を
嵌入し、該連結金具１２はコ型断面の目地材９にネジ１
１を固定したもので、ネジ１１は枠体の横桟６にナット
１７を螺合して固定し、反対側のパネル間の目地空間２
にはコ型断面の押え材１９を嵌入して枠体の横桟６にネ
ジ止めする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は高さの高い大型移動壁のパネル連結構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

移動壁は骨組みとなる枠体にパネルを取り付けして構成しているが、該移動壁 が高くて大型である場合には、複数枚のパネルを上下に繋ぎ合わせた構造と成っ ている。そして、上記パネルは枠体の両面に取着されることになる訳であり、従 って、該枠体の片面側に取着した後で反対側に取付けられる。この場合、枠体の 反対側に取り付けするには該枠体を裏返しにしなくてはならず、その作業は非常 に煩わしい。

【０００３】 図７は従来の移動壁におけるパネル連結構造を示した場合である。パネル(イ) 、(イ) の上下端には表面材(ロ) を屈曲して止着片(ハ) を形成し、両止着片(ハ) 、 (ハ) 間に形成する目地空間（ニ)には押え材(ホ) をセットして止着片(ハ) を押圧し 、ネジ(ヘ) を枠体の横桟(ト) に螺合して固定している。そして、上記ネジ(ヘ) 、 (ヘ) …によって固定している押え材(ホ) をカバーする為に、目地材(チ) を目地空 間に嵌着している。

【０００４】 ところで、同図からも明らかなように、上記ネジ(ヘ) 、(ヘ) …を横桟(ト) に螺 合して押え材(ホ) を固定するにはパネル(イ) 、(イ) を枠体の上側に位置させてお かねばならず、従って、このままの状態で枠体の下側にパネル(イ) 、(イ) を取り 付けすることは出来ない。従って、枠体の片側にパネル(イ) 、(イ) …を取着した 後で、該枠体を裏返しにし、再度パネル(イ) 、(イ) …を取り付けする。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、従来の大型移動壁にパネルを取り付けする場合には上記のごとき 問題がある。本考案が解決しようとする課題はこの問題点であって、パネルを取 り付けする枠体を裏返しにしないで該枠体の両側にパネルを取り付けすることが 出来るパネル連結構造を提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のパネル連結構造は枠体を裏返しすることなしに両側にパネルを取り付 けすることが出来るように構成したパネル連結構造である。すなわち、平坦な床 面にパネルを置き、パネル上に枠体を配置して該パネルと枠体をネジ止めして上 下パネルを連結固定する構造となっている。すなわち、両パネル間に形成される 目地空間に嵌着する目地材にネジを固定し、該ネジ先端を横桟の内側に突出させ てナットを螺合する。従って、パネル上に枠体が配置された状態で両パネルの連 結が行われ得る。

【０００７】 そして、枠体の上には更に別のパネルを載せて該パネルを枠体に固定する訳で あるが、この場合には従来通りパネル表面側から両パネルの止着片をネジ止めす る。すなわち目地空間に押え材を挿入してネジ止めし、該目地空間には目地材を 嵌着する。以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案が対象とする大型移動壁を表す外観図であり、高さが高い為に上 下２枚のパネル１ａ、１ｂが枠体に取付けられて構成している。両パネル１ａ、 １ｂ間には細い目地空間２が残され、移動壁の上端両サイドには吊車３、３が取 着され、更に上下端には移動壁を固定する為の上圧接部材４と下圧接部材５を備 えている。

【０００９】 図２は上記目地部の縦断面を表しているが、枠体の中間には水平に配置してい る横桟６を有し、コ型断面をした横桟６に上記パネル１ａ、１ｂの上下端が固定 されている。パネル１の表面材７の上下端を屈曲して止着片８を形成し、該止着 片８を横桟６に固定した構造であるが、この止着片８ａ、８ｂを固定する構造は 左右両側でそれぞれ異なっている。すなわち、枠体を倒した状態で両側にパネル を取り付け出来るような連結構造となっている。

【００１０】 横桟右側におけるパネル連結構造は従来と同じであるが、左側のパネル連結構 造に特徴がある。図３は図２における左側のパネル連結に用いる連結金具を示し ている。この連結金具は同図に示すように、コ型断面の目地材９の所々にネジ受 け１０、１０…を溶接し、このネジ受け１０に形成した孔にネジ１１を挿通して 固定している。従って、ネジ１１、１１…は上記ネジ受け１０、１０…から突出 しているが、単独で回転することはない。

【００１１】 ところで、この連結金具を用いて両パネル１ａ、１ｂを連結する手順を示して いるのが図４である。表面材７を下にしたパネル１ａ、１ｂは連結金具１２を間 にして配置され、その状態でパネル１ａ、１ｂ上には枠体が載せられる。そして 枠体の横桟６が連結金具１２の上に位置してネジ１１は該横桟６の側片１３に形 成している孔を貫通して内側に延びている。

【００１２】 従って、コ型断面をした横桟６の開口１４から手を入れて上記ネジ１１に平ワ ッシャ１５及びスプリングワッシャ１６をセットした状態でナット１７を螺合し て締め付けする。すなわち、パネル１ａ、１ｂの表側からネジ止めしないで、裏 側から固定することが出来る。この場合、ナット１７を締め付けするならば両パ ネル１ａ、１ｂの止着片８ａ、８ｂは連結金具１２の目地材９に押圧されて横桟 ６の側片１３に固定される。

【００１３】 このように、枠体の下側に置いたパネル１ａ、１ｂが連結されたところで該枠 体の上には別のパネル１ａ、１ｂが載せられる。図５はこの状態を示しているが 、該枠体の上側に載ったパネル１ａ、１ｂは表面側からネジ止めされる構造とな っている。すなわち、この連結構造は枠体を裏返しにすることなしに両パネル１ ａ、１ｂ間の目地空間２に断面コ型の押え材１９を嵌入し、そしてネジ２０を挿 入して横桟６の側片１３に固定する。従って、両パネル１ａ、１ｂの止着片８ａ 、８ｂは該押え材１９によって押圧・固定され、該押え材１９をカバーする為に 目地材２１を目地空間１８に嵌着する。

【００１４】 図６は本考案に係るパネル連結構造を示す他の実施例である。基本的な構造は 前記図２の場合と同じであるが、該実施例では目地材２２に直接ネジ１１を固定 している。前記実施例の連結金具は目地材９に溶接したネジ受け１０にネジ１１ を固定している為に、該ネジの頭は目地材９から露出しないが、この場合にはネ ジ１１の頭が目地材２２の表面に現れる。以上述べたように、本考案のパネル連 結構造は断面コ型の目地材にネジを固定し、連結金具を用いて両パネルを連結し たものであり、次のような効果を得ることが出来る。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は高さの高い大型移動壁のパネル連結構造に関するものであるが、上下 の両パネルの目地空間には目地材にネジを固定した連結金具を使用し、該連結金 具を間にして両パネルを配置し、そして該パネル上に載せた枠体の横桟に固定す ることで両パネルを連結することが出来る。すなわち、パネルの表側でなく裏側 から横桟に固定することが可能であり、さらに枠体の上に載せた別のパネルはそ の表面側からネジ止めして連結する。従って、従来のように枠体を裏返ししてパ ネルを取り付けする必要はなく、大型移動壁におけるパネル取り付け作業性は非 常に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】大型移動壁の外観図。

【図２】上下パネルの目地部における断面図で、本考案
の実施例。

【図３】両パネルを連結する連結金具。

【図４】床面に置かれた両パネルを連結する場合を示
す。

【図５】枠体上に置かれた両パネルを連結する場合を示
す。

【図６】本考案の他の実施例。

【図７】従来のパネル連結構造。

【符号の説明】

１ パネル ２ 目地空間 ３ 吊車 ４ 上圧接部材 ５ 下圧接部材 ６ 横桟 ７ 表面材 ８ 止着片 ９ 目地材 10 ネジ受け 11 ネジ 12 連結金具 13 側片 14 開口 15 平ワッシャ 16 スプリングワッシャ 17 ナット 19 押え材 20 ネジ 21 目地材 22 目地材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体の両面側にパネルを取り付けして成
   る大型移動壁の上下パネル間の連結構造において、片面
   側のパネル間に形成する目地空間には連結金具を嵌入
   し、該連結金具はコ型断面の目地材にネジを固定し、該
   ネジは枠体の横桟にナットを螺合して固定し、一方、反
   対側のパネル間の目地空間にはコ型断面の押え材を嵌入
   して枠体の横桟にネジ止めし、更に該目地空間には目地
   材を嵌着したことを特徴とする大型移動壁のパネル連結
   構造。
2. 【請求項２】 枠体の両面側にパネルを取り付けして成
   る大型移動壁の上下パネル間の連結構造において、片面
   側のパネル間に形成する目地空間には連結金具を嵌入
   し、該連結金具はコ型断面の目地材内にネジ受けを固定
   すると共に該ネジ受けにはネジの頭を固定して構成し、
   該ネジは枠体の横桟にナットを螺合して固定し、一方、
   反対側のパネル間の目地空間にはコ型断面の押え材を嵌
   入して枠体の横桟にネジ止めし、更に該目地空間には目
   地材を嵌着したことを特徴とする大型移動壁のパネル連
   結構造。
3. 【請求項３】 枠体の両面側にパネルを取り付けして成
   る大型移動壁の上下パネル間の連結構造において、片面
   側のパネル間に形成する目地空間には連結金具を嵌入
   し、該連結金具はコ型断面の目地材表面にネジの頭を固
   定して構成し、該ネジは枠体の横桟にナットを螺合して
   固定し、一方、反対側のパネル間の目地空間にはコ型断
   面の押え材を嵌入して枠体の横桟にネジ止めし、更に該
   目地空間には目地材を嵌着したことを特徴とする大型移
   動壁のパネル連結構造。