JP3013564B2 - 抗菌剤 - Google Patents

抗菌剤

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JP3013564B2 JP3353913A JP35391391A JP3013564B2 JP 3013564 B2 JP3013564 B2 JP 3013564B2 JP 3353913 A JP3353913 A JP 3353913A JP 35391391 A JP35391391 A JP 35391391A JP 3013564 B2 JP3013564 B2 JP 3013564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広範囲の微生物に対し
て生育阻害作用を示す、特に食品添加に適した抗菌剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、食品の保存性を高めるために
各種抗菌剤が用いられてきた。合成抗菌剤については、
ソルビン酸塩や安息香酸などの使用が認められており、
目的に応じて利用されている。また、天然抗菌剤につい
てもリゾチーム、プロタミン、香辛料抽出物などの製剤
が商品化されてきた。
【0003】最近になって、合成抗菌剤は効果は優れる
ものの、安全性に疑問が残るため、安全性の高い天然抗
菌剤のニーズが高まってきた。そして、現在、天然抗菌
剤としてリゾチーム、プロタミン、香辛料抽出物などの
製剤が上市されている。しかし、抗菌効果が弱く、満足
の行くものではなかった。一方、本発明に用いるトラク
リソンがカッシア(Cassia tora L.)の種やシンシュウ
ダイオー(Rhei Rizoma)に存在することが柴田ら[Che
m. Pharm. Bull.,17(3), 454(1969)]や坪井[Chem. Ph
arm. Bull., 25(10), 2708(1977)]により報告されてい
る。また、二階堂らは、トラクリソンを含む種々の化合
物のアデノシン3’,5’−モノフォスフェートホスホ
ジエステラーゼ活性の阻害効果について報告している
[Chem. Pharm. Bull., 32(8), 3075(1984) ]。しか
し、トラクリソンの抗菌活性については全く知られてい
なかった。また、トラクリソンと類似の物質であるムシ
ジンの抽出法および殺菌剤としての利用については、先
行技術として特開昭53-56310号があるが、トラクリソン
の利用に関する先行技術は全くない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性に優れ、食品等に添加可能であり、広範囲の微生物に
対して生育阻害作用を有する抗菌剤を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で表されるトラクリソンを有効成分として含有す
る抗菌剤である。
【0006】
【化2】
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の原料として用いるトラクリソン(1,8−ジヒド
ロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフ
タレン)は、上記カッシアの種やシンシュウダイオーな
どのハーブから抽出精製して用いることができる。抽出
は圧搾や溶媒抽出により行うことができ、圧搾エキス
は、市販のデカンターなどを用いて製造することが可能
である。抽出エキスは、例えばカッシアの種をホモジナ
イザー、ボールミル等により粉砕後、乾燥し、適当な溶
媒と共にソックスレー抽出器等を用いて加熱還流する方
法、または、カッシアの種の粉砕物を直接溶媒と混合、
攪拌した後、残渣を濾別する方法等により製造すること
ができる。溶媒としては、例えばエタノール、アセト
ン、n−ヘキサン及び水等からなる群より選択される1
種または2種以上を用いることができる。
【0008】圧搾または抽出した後、水分や溶媒を蒸発
させて取り除くことにより濃縮エキスを得ることができ
る。また、乳糖、デキストリンなどのバインダーを用い
てスプレードライなどを行い、エキスの粉末を製造する
ことも可能である。抽出エキス中のトラクリソンの純度
は、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフ
ィーなどを用いて容易に測定することができる。例えば
カラムにシリカゲル、溶媒にノルマルヘキサン、検出器
として紫外検出計を備えた高速液体クロマトグラフィー
により、トラクリソンの純度を測定することができる。
【0009】抽出エキス中のトラクリソンの濃度が低い
場合には、工業用高速液体クロマトグラフィーなどを用
いて、さらに純度を高めることも可能である。本発明の
抗菌剤に相乗剤として、他の抗菌剤、例えばアルコー
ル、香辛料、有機酸等を、得られたエキス100 重量部に
対して、0.1 〜1,000 重量部の範囲で添加することもで
きる。
【0010】本発明に於いて、トラクリソンを含む抗菌
剤を使用するには、例えば食品等に直接添加すること等
により、バシルス サブティリス(Bacillus subtilis I
FO-13719) 、スタフィロコッカス アウレウス(Staphyl
ococcus aureus IFO-13276)などのグラム陽性菌、エセ
リシア コリ(Escherichia coli IFO-3301) 、サルモネ
ラ タイフィムリウム(Salmonella typhimurium IFO-13
245)などのグラム陰性菌、サッカロマイセス セレヴィ
シエ(Saccharomyces cerevisiae IFO-0209) アスペルギ
ルス ニイジャー (Aspergillus niger IFO-4414) など
の真菌等、広範囲の微生物の生育を阻害することができ
る。この際、トラクリソンの最少有効濃度は、添加する
物質に対して1ppm 以上であって、添加量は10〜2,000p
pmであることが好ましい。前記添加量が1ppm 未満で
は、生育阻害効果が得られず、また2,000ppmを超える
と、添加する食品等の味を損ねたり、着色するので、好
ましくない。
【0011】
【発明の効果】本発明の抗菌剤は、天然由来であるため
安全性が高く、しかも広範囲の微生物に対して生育阻害
作用を有する。そして、食品等に添加することにより強
力な抗菌活性が期待できる。
【0012】
【実施例】以下、製造例、実施例および比較例により本
発明をさらに詳しく説明する。 製造例1 カッシアの種1kgをボールミルで粉砕し、濾布で包み、
油圧プレスで約1トンの加圧を行い、圧搾液を200g得
た。さらに、圧搾液を真空凍結乾燥し、18gのエキス乾
燥物を得た。エキス乾燥物を高速液体クロマトグラフィ
ー(カラム;Deversoil 60−10(25cm×20mm, 野村化学
製) 、溶媒;クロロホルム)を用い、抗菌性の主要成分
として二成分を純粋に分取した。
【0013】各成分について、NMRおよびIRのスペ
クトルを測定した結果、これらの成分は標品の2−アセ
チル−1,8−ジヒドロキシ−3−メチルナフタリン
(ムシジン)および1,8−ジヒドロキシ−2−アセチ
ル−3−メチル−6−メトキシナフタレン(トラクリソ
ン)と一致した。なお、二成分の抗菌性はトラクリソン
はムシジンのに比べ約10倍の強さを示すものであった。
【0014】また、得られたエキス乾燥物中には32%の
トラクリソン及び9%のムシジンが含まれていた。 製造例2 シンシュウダイオーの根1kgを良く乾燥後、ボールミル
で粉砕し、ソックスレー抽出器にエタノール5,000ml と
ともに仕込み、20時間加熱還流した。得られた濃縮液を
減圧濃縮乾固することにより、エキス乾燥物を約50g得
た。高速液体クロマトグラフィーで測定した結果、エキ
ス乾燥物中に39%のトラクリソン及び10%のムシジンが
含まれていた。
【0015】製造例3 製造例2により得られたエキス乾燥物をさらに分取用高
速液体クロマトグラフィー(カラム:野村化学(株)製
シリカゲル、ポンプ:日本分光(株)製品、溶媒:ノル
マルヘキサン)を用いて精製し、トラクリソンの純品を
調製した。純度を分析用高速液体クロマトグラフィーで
測定した結果、99%であった。
【0016】実施例1 細菌用培地としてトリプトソイ寒天培地(栄研化学株式
会社製)、真菌用培地としてサブロー寒天培地(栄研化
学株式会社製)に製造例1のカッシアエキスを1〜200p
pm添加し滅菌した。ついで、無菌シャーレに、前記調製
した培地を10mlずつ流し込み、放冷して固化したのち、
普通ブイヨン(栄研化学株式会社製)中で24時間培養し
た菌懸濁液5μl を寒天上に接種した。使用した菌は、
表1に示した細菌4種と真菌2種で、細菌は24時間、37
℃で、真菌は48時間、30℃で培養後、菌の生育を阻害す
るために必要なエキス乾燥物量(製造例1で得たもの)
を測定した。その結果は表1に示した。
【0017】実施例2 実施例1と同等の方法を用いて、製造例2で得たエキス
乾燥物について、菌の生育を阻害するために必要な添加
量を測定した。その結果は表1に示した。 実施例3 実施例1と同等の方法を用いて、製造例1で得られたエ
キス乾燥物50重量%、無水エタノール10重量%、酢酸5
重量%、水35重量%を、混合、攪拌した抗菌剤につい
て、菌の生育を阻害するために必要な添加量を測定し
た。その結果は表1に示した。
【0018】実施例4 実施例1と同等の方法を用いて、製造例3で得たトラク
リソンについて、菌の生育を阻害するために必要な添加
量を測定した。その結果は表1に示した。 比較例1 実施例1と同等の方法を用いて、無水エタノール10重量
%、酢酸5重量%、水85重量%を混合、攪拌した抗菌剤
について、菌の生育を阻害するために必要な添加量を測
定した。その結果は表2に示した。
【0019】比較例2 実施例1と同等の方法を用いて、ソルビン酸カリウムに
ついて、菌の生育を阻害するために必要な添加量を測定
した。その結果は表2に示した。 比較例3 実施例1と同等の方法を用いて、安息香酸について、菌
の生育を阻害するために必要な添加量を測定した。その
結果は表2に示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】 表1、表2より、本発明の抗菌剤が、合成抗菌剤より
格段に優れた抗菌活性を有することがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるトラクリソ
    ンを有効成分として含有する抗菌剤。 【化1】
JP3353913A 1991-12-19 1991-12-19 抗菌剤 Expired - Lifetime JP3013564B2 (ja)

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