JP3011668B2 - 護岸ブロック - Google Patents

護岸ブロック

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JP3011668B2
JP3011668B2 JP9005623A JP562397A JP3011668B2 JP 3011668 B2 JP3011668 B2 JP 3011668B2 JP 9005623 A JP9005623 A JP 9005623A JP 562397 A JP562397 A JP 562397A JP 3011668 B2 JP3011668 B2 JP 3011668B2
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Inventor
清 片桐
Original Assignee
工藤コンクリート株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水棲生物などが生
息できるように自然調和した護岸ブロックに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年では、河川の岸沿いの護岸工事にお
いて、水棲生物の生息環境を無くさないように、護岸ブ
ロックが用いられている。従来、この種の護岸ブロック
としては、図4(a)、図4(b)に示すように垂直壁
102と水平盤103とがL字形に形成されたコンクリ
ート基礎部101を備えている。そして水平盤103の
先端に木製の柵106を設け、コンクリート基礎部10
1と柵106とからなる空間に石塊115を詰めるよう
にしたものが知られている。コンクリート基礎部101
には、垂直壁102と水平盤103とを繋ぐようにブラ
ケット105が設けられ、このブラケット105には魚
が通れるように孔105aが形成されている。そして、
このように構成された各ブロックを河川の岸に一列に並
べ、隣同志のブロックを連結して施工する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の護岸ブロックでは、コンクリート基礎部101
と柵106とからなる空間に詰められた各石塊115の
隙間がいわゆる魚巣となって、魚などの水棲生物が生息
できるとしているが、魚などが生息できる隙間をなすよ
うに石塊115の大きさおよびその配置を考慮しなけれ
ばならないので、施工時に手間がかかるという問題があ
った。
【0004】また、詰められた各石塊115の隙間に
は、虫や稚魚などの極小さい生物に対する生息環境を提
供することができるが、他の大きい生物が生息するには
狭すぎてしまい、結果的に護岸施工によってこれら大き
い生物の生息環境を無くしてしまうという問題がある。
【0005】また、魚巣として水棲生物が生息する各石
塊115の隙間は、長期の経過の後に河川を流れる土砂
によって詰まるおそれがあり、これによって魚巣の役目
が果たせなくなって水棲生物の生息環境が損なわれると
いう問題もある。
【0006】また、従来の護岸ブロックは護岸を目的と
しているためコンクリート製のものであり、水面または
水中にコンクリート部分が見えてしまうので、自然環境
への調和が損なわれてしまう。
【0007】そこで本発明は、上記課題を解消するため
に、自然環境に調和するように、水棲生物などの生息環
境をその生物の大小にかかわらず確実に提供することが
でき、さらに長期の経過においてもその生息環境を維持
することができる護岸ブロックを提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による護岸ブロックは、垂直壁部2と水平壁部3
とで断面略L字状に形成されるとともに、前記垂直壁部
2と水平壁部3とを繋ぐように一体形成された仕切壁4
を有し、河川の岸に沿って併設されるブロック本体1
と、前記仕切壁4の前側に取り付けられる柵部材8と、
前記仕切壁4を上側と下側とに分けるように形成された
段部5あるいは凹溝と、前記垂直壁部2と水平壁部3と
仕切壁4と柵部材8とによりなる部分を上側の空間9お
よび下側の空間11に分ける如く、前記仕切壁4の前記
段部5あるいは凹溝の間に架け渡される棒状に形成され
た複数の支持材7と、を備え、前記上側の空間9に石塊
10などを詰め、下側の空間11を水棲生物の生息環境
としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明による護岸
ブロックの一例を示す斜視図である。
【0010】図1に示すように、護岸ブロックは、断面
略L字状に形成されたコンクリート製のブロック本体1
を備えている。そして、ブロック本体1には、垂直壁部
2と水平壁部3とを繋ぐように所定間隔をおいて複数
(図1中二箇所)の仕切壁4が一体に形成されている。
【0011】各仕切壁4は、上側と下側とに段部5を介
して分けられていて、仕切壁4の下側には開口穴6が設
けられている。そして、各仕切壁4の段部5の間には、
図1中一点鎖線で示すように、棒状に形成された複数の
支持材7が架け渡されて棚部をなす。
【0012】仕切壁4は、前側の一辺が傾斜して形成さ
れて台形状をなしている。そして、各仕切壁4の傾斜部
分の間には柵部材8が取り付けられる。この柵部材8
は、左右方向に延長されて各仕切壁4の傾斜部分の間に
平行に架設される二つの横材8aと、この二つの横材8
aの間に架設される複数の縦材8bとを有し、それぞれ
の取付部分はボルトなどで適宜に固定される。また、縦
材8bは、図示するように長尺と短尺とを有していて、
上端を揃えて交互に配置されているが、特に交互に配置
しなくてもよく、また全ての縦材8bを同一の長さとし
てもよい。
【0013】このように構成された護岸ブロックを河川
に施工する際には、岸側に垂直壁部2を向けるようにし
て、複数のブロック本体1を岸に沿って横列に併設させ
る。隣り合う各ブロック本体1に関しては、連結プレー
トを以てボルトによって固定したり、各ブロック本体1
の側部が互いに嵌合し得るように構成して嵌合後にコン
クリートで埋めるなど適宜に連結する。
【0014】そして、隣接する全ての仕切壁4における
段部5の間に支持材7を架設するとともに、柵部材8を
取り付ける。柵部材8は、隣り合う各ブロック本体1の
間において、横材8aの端面を当接させて連続するよう
にしてもよいが、この実施の形態では、図2に示すよう
に横材8aの端部が上下に重合するようにして高い強度
を得るようにしている。
【0015】そして、図3に示すように垂直壁部2、仕
切壁4、支持材7、柵部材8によって囲まれた上側の空
間9に石塊10を詰める。この際、石塊10の大きさ、
形は特に限定する必要がない。
【0016】このように、上述した護岸ブロックは、垂
直壁部2および水平壁部3によって護岸作用を得ること
ができるとともに、仕切壁4によって左右に分けられた
部分を支持材7を以て上下に分け、さらに上側に空間9
に石塊10を詰めるように構成したので、自然環境に調
和するように、石塊10の上に水草などが育つととも
に、下側の空間11において水棲生物の生息環境(いわ
ゆる魚巣)を得ることが可能となる。この下側の空間1
1は、余裕のある空間であり、仕切壁4に設けられた開
口穴6により生物の行き来ができるように構成されてい
るので、水棲生物の大きさに対応することができる。
【0017】さらに、水棲生物の生息環境とされた下側
の空間11には、長期の経過においても土砂が体積する
程度で、上記生息環境を損なうようなことがない。ま
た、下側の空間11に対し、そこを閉鎖させることなく
予め土砂や石塊10などを載置しておけば、水棲生物の
生息環境としてさらに適したものとなる。
【0018】なお、上述の護岸ブロックでは、石塊10
を詰める上側の空間9と魚巣をなす下側の空間11とを
なすように構成されているため、図3に一点鎖線で示す
ように、石塊10を詰めた上から、土砂12を盛り付け
てブロック本体1および柵部材8などの上側を隠蔽する
ことができる。これによれば、護岸ブロックのコンクリ
ート部分が水面または水中から隠されて見えないので、
さらなる自然環境への調和が図られるとともに、土砂1
2に対して水草などが育ちやすくなる。さらにこの場
合、コンクリート部分が隠されているので、人が河川に
落ちた時でもコンクリート部分によって大きな怪我をす
ることがない。
【0019】また、石塊10を詰める上側の空間9にお
いて、柵部材8に沿って前側の開口部分を閉塞してもよ
く、これによれば小さな石塊10が柵部材8から抜け出
ることがないとともに、石塊10に代えて上側の空間9
に土砂を詰めることができる。
【0020】また、上述した実施の形態では、二つの仕
切壁4を有して、各仕切壁4の間およびブロック本体1
を併設させた際の仕切壁4の間に支持材7が設けられる
ように構成されているが、一つのブロック本体1に対し
て仕切壁4を単一とし、このブロック本体1を併設させ
た際の仕切壁4の間に支持材7が設けられるようにして
もよい。
【0021】また、支持材7を備える構成として仕切壁
4に段部5を形成しているが、例えば仕切壁4に支持材
7が嵌合される凹溝を形成したり、仕切壁4に支持材7
を一体に形成するなど特に限定することはない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明による護岸ブ
ロックは、断面略L字状に形成された垂直壁部および水
平壁部によって護岸作用を得ることができる。また、仕
切壁によって分けられた部分を支持材を以て上側の空間
および下側の空間に分け、この上側に空間に石塊などを
詰めるように構成したので、石塊などの上に水草などが
育ち、下側の空間が水棲生物の生息環境となり、自然環
境に十分調和することができる。
【0023】また、下側の空間を独立した生物生息環境
としたことにより、水棲生物の大きさにこだわることな
く、その生息環境を得ることができる。さらに下側の空
間には、長期の経過においても土砂が体積する程度で閉
塞されず、上記生息環境を損なうようなことがない。
【0024】また、この護岸ブロックでは、石塊などを
詰める上側の空間と、魚巣をなす下側の空間とをなすよ
うに構成されているため、石塊などを詰めた上から、土
砂を盛り付けてブロック本体および柵部材などの上側を
隠蔽することができる。これによれば、コンクリート部
分が水面または水中から隠されて見えないので、さらな
る自然環境への調和を図ることができ、土砂に対して水
草などが育ちやすくなる。この場合、コンクリート部分
が隠されているので、人が河川に落ちた時でもコンクリ
ート部分によって大きな怪我をすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による護岸ブロックの一例を示す斜視
図。
【図2】同護岸ブロックの連結状態の正面図。
【図3】同護岸ブロックの使用状態を示す側断面図。
【図4】(a)従来の護岸ブロックの斜視図。 (b)従来の護岸ブロックの使用状態を示す側断面図。
【符号の説明】
1…ブロック本体、2…垂直壁部、3…水平壁部、4…
仕切壁、5…段部、6…開口穴、7…支持材、8…棚部
材、8a…横材、8b…縦材。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/14 A01K 61/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直壁部と水平壁部とで断面略L字状に
    形成されるとともに、前記垂直壁部と水平壁部とを繋ぐ
    ように一体形成された仕切壁を有し、河川の岸に沿って
    併設されるブロック本体と、 前記仕切壁の前側に取り付けられる柵部材と、前記仕切壁を上側と下側とに分けるように形成された段
    部あるいは凹溝と、 前記垂直壁部と水平壁部と仕切壁と柵部材とによりなる
    部分を上側の空間および下側の空間に分ける如く、前記
    仕切壁の前記段部あるいは凹溝の間に架け渡される棒状
    に形成された複数の支持材と、 を備え、前記上側の空間に石塊などを詰め、下側の空間
    を水棲生物の生息環境としたことを特徴とする護岸ブロ
    ック。
JP9005623A 1997-01-16 1997-01-16 護岸ブロック Expired - Lifetime JP3011668B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015097008A1 (fr) * 2013-12-19 2015-07-02 Stream And River Consult Sprl Abri artificiel pour la biodiversite aquatique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015097008A1 (fr) * 2013-12-19 2015-07-02 Stream And River Consult Sprl Abri artificiel pour la biodiversite aquatique

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JPH10195842A (ja) 1998-07-28

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