JP2802897B2 - 魚巣用コンクリートブロックおよびコンクリートブロック魚巣 - Google Patents

魚巣用コンクリートブロックおよびコンクリートブロック魚巣

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JP2802897B2
JP2802897B2 JP7024525A JP2452595A JP2802897B2 JP 2802897 B2 JP2802897 B2 JP 2802897B2 JP 7024525 A JP7024525 A JP 7024525A JP 2452595 A JP2452595 A JP 2452595A JP 2802897 B2 JP2802897 B2 JP 2802897B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は魚巣用コンクリートブロ
ックおよびコンクリートブロック魚巣に係り、餌場と共
に棲息空間を適切に組合わせて形成した魚巣用コンクリ
ートブロックおよび該ブロックによる魚巣を提供しよう
とするものである。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼などの水辺岸壁を保護するた
めのコンクリートブロックないし、このコンクリートブ
ロックを用いて形成されるコンクリートブロック護岸壁
については従来から種々の提案が重ねられ、また実施施
工されている。然しこのような河川などにおける水際法
面が単にコンクリートブロックで被覆されたままでは河
川等を棲息場所としている魚類などの生態系を大きく変
化せしめ自然環境が損われることは明かで、近時におい
ては生活環境ないし自然を保護することの重要性が論ぜ
られ、その対策が講ぜられつつある。
【0003】即ち、上記のような水辺岸壁を単に保護す
るだけでなく、魚類等の棲息に適した部分を形成するこ
とについて、例えば実開昭62-4959 号公報、実開平5-32
425号公報ではブロックの内部に空洞部分を形成し魚巣
を形成することについての手法が提案され、連設された
ブロック間に挿筋して連結構築を図り、また陽光の入射
関係などを制限して好ましい魚類などの生息条件を形成
することが提案されている。
【0004】また実開昭62-172716 号公報においては、
底板部に対して少許幅の狭い上板部を一定の間隔をおい
て対設し、かつ上板部を底板部に対し少許前後方向にず
らした状態において両側を閉塞して蓋形(平行四辺形)
の側面部を一体に形成し、該側面部に貫通孔を穿設した
魚巣ブロックが提案されている。即ち底板部から突出傾
斜した上板部が所定間隔を採って配設された魚礁ブロッ
ク群が形成されるようにしたものである。
【0005】更に実開平1-90821 号公報、実開平2-1205
19号公報においては、前壁に開口部を有し上下が連通す
る枠本体においてその前壁開口部に近接して突起を形成
した魚礁用護岸ブロックおよび該ブロックにおける上下
に連通した魚類生息室に自然石または分室ブロックを収
容させることが発表されている。
【0006】なお特開昭63-36723号公報、実開平5-6826
1 号公報においては空洞部と窓孔を形成して魚類の回遊
ないし営業をなすようにすると共に植物育生用棚面部な
いし凹部を形成し、漁礁と共に植生用として利用できる
ブロックが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来技
術によるものはそれぞれにメリットを有しているとして
も魚巣護岸ブロックとした場合において必ずしも好まし
いものとなし得ない。即ち前記した実開昭62-4959 号公
報や実開平5-32425 号公報のものにおいては成程魚類が
ブロック内に進入退避し得る程度であってそれ以上に休
息しまたは食餌するに適したような部分がなく、形成さ
れたブロック護岸の強度なども充分でない。
【0008】実開昭62-172716 号公報によるものも、魚
類がブロック内に進入し得る程度であって、また比較的
薄層の底面部から側面部を介して面積的には半減程度の
上板部が部分的に突出して形成された程度のものである
から構成された護岸ブロック壁に充分な安定性や強度に
求め難い不利がある。
【0009】また実開平1-90821 号公報や実開平2-1205
19号公報のものにおいてもブロック内空洞部に魚類が進
入退避し得る程度であることは上述同様であって、内部
に天然石材などを装入して利用し得るに過ぎず、魚巣と
してそれ以上のメリットは求めることができない。
【0010】更に特開昭63-36723号公報や実開平5-6826
1 号公報のものにおいても、魚巣と緑化に転用でき、単
一品種ブロックの量産によって製造コストを節減できる
ということにすぎず、魚巣用とした場合には魚類が単に
進入退避し得る程度であって休息や食餌などに適したも
のとなし得ない。又、魚巣ブロック設置による集魚状況
の観察結果からも魚巣ブロック周辺に水草を配置するこ
とによって数倍の魚体数が観測されているとの報告もあ
り、単なる魚巣ブロックのみではあまり集魚効果がない
ことが判明しつつある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、魚類の進入退避と共に藻類の付着や水草などを生育
せしめ、食餌や休息と共に好ましい運動域を護岸ブロッ
ク内に形成し、しかも該ブロック護岸壁に充分な強度性
を確保することに成功したものであって、以下の如くで
ある。
【0012】(1) 外面が実質的に平行状態の前面部と
後面部を有し、それら前後面部の内面は底部側を漸次厚
肉とした傾斜を採った空洞状部分とすると共に中間部に
おける両端側に仕切壁を対設し、それら仕切壁間の底面
を開放面とし、しかもこれら仕切壁より両端側に底面部
を設けると共に該両端側の前面部上方又は全面をも開放
部としたことを特徴とする魚巣用コンクリートブロッ
ク。
【0013】(2) 後面部を前面部より厚肉とし、該後
面部における仕切壁との交点部分に補強鉄筋挿通孔を設
けたことを特徴とする前記(1)項に記載の魚巣用コンク
リートブロック。
【0014】(3) 後面部における仕切壁との交点部分
を部分的な厚肉部とし、該部分的厚肉部に補強鉄筋挿通
孔を設けたことを特徴とする前記(1) 項に記載の魚巣用
コンクリートブロック。
【0015】(4) 中間部における両端側に対設された仕
切壁の上部に切込み部を形成し、積層したブロック間連
結のための凹凸を仕切壁、後面壁の何れか一方または双
方に設けると共に仕切壁部分の前面部に突出部を形成し
たことを特徴とする前記(1)〜(3) 項の何れか1つに記
載の魚巣用コンクリートブロック。
【0016】(5) 中間部における両端側に対設された
仕切壁間の前面部頂部または中間部に開口部を設けたこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)項の何れか1つに記載の
魚巣用コンクリートブロック。
【0017】(6) 前面部の外面に擬石、擬木等の天然
または人工的模様を形成し、無色またはカラーコンクリ
ートや表面部の浸透着色や塗料による美化層を形成した
ことを特徴とする前記(1)〜(5)項の何れか1つに記載
の魚巣用コンクリートブロック。
【0018】(7) 前面部における仕切壁間の両端側頂
部に部分的切欠部を形成し、後面部両端側の頂部または
中央部に開口部を設けたことを特徴とする前記(1)〜
(3)項の何れか1つに記載の魚巣用コンクリートブロ
ック。
【0019】(8) 前記(1)〜(6)項の何れか1つ
に記載したコンクリートブロックを多段且つ煉瓦積み状
に法面勾配に即応させて積層した護岸壁を形成し、それ
らコンクリートブロックの前後面部間に形成された空洞
状部分が中間部両端側の仕切壁間底面における開放面に
おいて連通し、しかも前面部における仕切壁より両端側
の開放部により外部水域に開放したことを特徴とするコ
ンクリートブロック魚巣。
【0020】(9) 前記(7)項に記載のコンクリート
ブロックを反転し底面部を上方とすると共に後面部を前
面側として設定し、支持壁間の中間部に基礎部からのア
ンカー鉄筋を介してコンクリートで一体化し、補強筋挿
通孔に木材杆その他による支持柱を挿入支持せしめ、該
支持柱に丸太やそだ等によって柵を設けて石材投入部を
餌場とし支持壁の両端の空間部を魚巣部とするようにし
たことを特徴とするコンクリートブロック魚巣。
【0021】
【作用】外面が実質的に平行状態の前面部と後面部を有
し、それら前後面部の内面は底部側を漸次厚肉とした傾
斜を採った空洞状部分とすると共に中間部における両端
側に仕切壁を対設し、それら仕切壁間の底面を開放面と
し、しかもこれら仕切壁より両端側に底面図を設けると
共に該両端部の前面部上方又は全面をも開放部としたこ
とにより、コンクリートブロックに適当な強度を付与し
て複数個のブロックによる多段の積載設定を可能とし、
また仕切壁より両端側の前面部上方又は中間部に形成さ
れた開放部を外部水域に対する出入口とし空洞状部分を
棲息域や避難所とした魚巣を形成する。
【0022】後面部を前面部より厚肉とし、該後面部に
おける仕切壁との交点部分に補強鉄筋挿通孔を設けたこ
とにより強固なコンクリートブロック護岸壁などを形成
し、しかもそうした護岸壁ブロック内を有効な魚巣とし
て利用せしめる。
【0023】後面部における仕切壁との交点部分を部分
的な厚肉部とし、該部分的厚肉部に補強鉄筋挿通孔を設
けたことによっても強固なコンクリートブロック護岸な
どを形成し、しかも比較的軽量なコンクリートブロック
を用い、該ブロック内を有効な魚巣として利用せしめ
る。
【0024】中間部における両端側に対設された仕切壁
の上部に切込み部を形成したことによって中間部空洞状
部分とこの仕切壁によって仕切られた部分とを相互に連
通せしめ一連の餌場と住処である魚巣との間をブロック
内で往復できるようにしてある。
【0025】中間部における両端側に対設された仕切壁
間の前面部頂部または中央部に開口部を設けたことによ
ってこの開口部を通じて外部水域との間に魚類などの出
入可能な関係を形成すると共に、採光により空間部に明
暗を作り出し、多種の魚類棲息に適した空間を提供しブ
ロック内の魚巣としての利用性を向上する。
【0026】前面の仕切壁の両側の棚部に玉石等の石材
の投入や土砂などの自然の貯によって藻類の付着や水
草等の生育が得られ、水生昆虫や甲殻類の生育場所、魚
介類の餌場を形成すると共に、隣接部の魚巣や外部水域
との出入りが自由に行われ、また、仕切壁の前面部外面
に形成された突起部が水の流れを妨げ、澱み部を形成
し、餌場や魚巣の出入りを容易化する。
【0027】前記したような何れかのコンクリートブロ
ックを多段且つ煉瓦積み状に積層した護岸壁を形成し、
それらコンクリートブロックの前後面部間に形成された
空洞状部分が中間部両端側の仕切壁間底面における開放
面において連通し、しかも前面部における仕切壁より両
端側の開放部により外部水域に開放したことにより魚巣
の隣接部に餌場を備えた護岸壁を形成し、しかも該護岸
壁の内部を適度の明暗を形成し多種の魚類に対応できる
好ましい魚巣として利用せしめる。また急勾配から緩勾
配の各種法面に自在に使用できるので適用範囲が広い。
【0028】このブロックが水中に使用され、人目に余
り触れないとしても、前面部の外面を玉石や岩等の擬石
や丸太、焼板等の擬木模様とし、適宜カラーコンクリー
トや浸透着色剤ないし塗料により着色することで天然物
の雰囲気を適切に醸し出し、自然環境により順応した構
造物とすることができる。
【0029】前記したように補強筋挿通孔を形成して仕
切壁間の両側の前面部外壁上部に部分的切欠部を形成
し、また後面部両端側の頂部又は中央部に開口部を設け
たコンクリートブロックを反転し底面部を上方とすると
共に後面部を前面側として基礎部上に設定し、補強筋挿
通孔に木材杆その他による支持柱を挿入支持せしめ、該
支持柱に丸太等の木材や粗朶で編んで柵を形成し、ブロ
ック上部と柵の間に石材を装入せしめ、該石材の空隙部
を水生昆虫や甲殻類の生息場とし、表層部を付着藻類や
水草の生育による魚介類の餌場とするようにしたことに
よって、浅瀬状の水際部分の法留めをなすと共にブロッ
ク内の空間部を魚介類の住処や避難場所とした魚巣を形
成する。
【0030】コンクリートブロックの支持壁間における
空洞状部分にコンクリートを装入充填凝結せしめて基礎
部に連結したことにより、魚巣機能を有する丸太柵や柳
枝工による水際部を形成しより自然に近い護岸とする。
【0031】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施態様を添付図面に示すものについて説明すると、本
発明による魚巣用コンクリートブロックの基本的な構成
の1つは図1に示す如くであって、外面11a、12a
が実質的に平行状態である前面部11と後面部12とを
有し、これらの前後面部11、12はそれらの内面11
b、12bが底部側を漸次肉厚とした傾斜を採った空洞
状部分14とされている。またこのような前後面部1
1、12の長さ方向中間部における両端側には仕切壁1
3、13を対設してある。
【0032】また上記のような仕切壁13、13間(即
ち長さ方向中間部)はその底面を図8などに示すように
少くとも一部において開放面15とされ、しかもこれら
の仕切壁13、13より両端側における前面部11上方
部分を開放部16としたものであり、なおこのような両
端側には底部17が形成されているが、該両端側底部1
7の両端には水抜き部18が設けられている。
【0033】図2には全般的な構成は図1のものと同じ
で、また仕切壁13の上部には切込み部19を設けたも
のであり、この図2においては前面部表面には玉石等の
自然石模様36が施され、また図3のものにおいてはの
前面部表面に擬石模様37が形成されており、更に図2
のものでは後面部12の厚さは前面部11より相当に大
とされている。しかもこのように厚さを大とされた後面
部12において仕切壁13と交点部分に補強鉄筋挿入孔
21が形成され、異形棒鋼などの補強鉄筋とモルタル又
はコンクリートなどの凝結材を装入充填するようになっ
ている。
【0034】また図2のものにおいてはこのような後面
部12の頂部には嵌合突部22を形成すると共に頂部よ
り更に厚層となっている後面部底面には嵌合凹部23が
形成されていて、このようなコンクリートブロック1を
多段に積層した場合には上段ブロックの嵌合凹部23に
下段ブロックの嵌合突部22を嵌合することにより施工
時の前後左右方向の移動を防止するものであるが、何れ
にしても厚層に形成された後面部12は上記した補強鉄
筋挿入孔21における挿入凝結鉄筋と相俟って強固なブ
ロック護岸壁を構築することは明かである。
【0035】図3のものは図1と同様に後面部12の仕
切壁13との交点部分で部分的な厚肉部24を形成し、
このような厚肉部24に補強鉄筋挿入孔21を形成した
もので比較的軽量であって、しかも強固なブロック壁を
形成するように成っているが、図1、2のものは仕切壁
13、13より両端側の前面部11上方には開放部16
が形成されているが、同様に仕切壁13、13間の前面
部11における中間部に開口部10が形成されており、
図2の前面部11の頂部に形成された開口部10と同様
に空洞状部分14内への採光、通水および魚類等の出入
を図っている。
【0036】図4〜図8に示したものは、図4が平面
図、図5が正面図、図6が側面図、図7が仕切壁部の断
面図、図8が魚巣中央部の断面図であり、仕切壁13の
頂部に仕切壁嵌合突部25が形成され底部に仕切壁嵌合
凹部26を形成したもので、ブロック1の中間部におい
てそれらの突部25と凹部26による結合を図り施工時
のズレを防止すると共に全般の組立状態を安定化するよ
うにされたものである。
【0037】図9には上記したような本発明ブロックに
よる護岸壁において魚巣を構成した態様が部分的に中間
を省略した状態で示されているが、図1〜図8に示した
ようなブロック1を多段且つ煉瓦積み状に積層して護岸
壁を構成することにより仕切壁13が上下方向において
直線状に連続した状態に位置することになり、仕切壁間
空洞状部分14と仕切壁13より両端側部分が上記のよ
うな煉瓦積み状積層で両側から突き合わせ状態として形
成された皿状部分14aとが交互に位置することにな
る。即ち皿状部分14aには自然石などを装入し、また
自然貯蔵物などにより藻類9などが付着したり水草9a
が生育し魚介類の餌場となり、また石材間の空隙部は水
生昆虫、甲殻類の住処となる。しかもその上方、下方、
左右方向のそれぞれに魚巣としての空洞状部14が連結
された広い水域を形成することは明らかである。
【0038】なお仕切壁13の頂部に形成された切込み
19は上記したような皿状部分14aおよび空洞状部分
14を横方向において相互に連結し魚類などは適宜に隣
接部分14、14aに移ることが可能であってブロック
壁の全般を好ましい餌場つきの魚巣機構として利用する
ことができる。
【0039】また外水域との全般的な関係は別に図10
として示す如くであって、外水域8の魚類7は餌場の開
放部16へ、または開口部10からブロック壁内魚巣に
進入し、採餌また休憩後に外水域8に出て大きく遊泳す
ることが可能であって、魚類7などに健全な生育を得し
めることは明かである。魚巣ブロックの上方には適宜植
生用ブロック等の護岸用ブロック47を積むことにより
適宜に地上における植物類を成長せしめ、それが垂れ下
がって日影部などを形成するので、より自然環境にマッ
チした構成とすることができる。
【0040】図11と図12には本発明における緩勾配
用の魚巣ブロックが示されており、餌場の石材などが魚
巣部に入り込まないように仕切壁13より両端側の前面
壁を完全に省略し、開放域27とした本発明のコンクリ
ートブロック1が示されている。なおこのような図1
1、図12のコンクリートブロック1における中央部
分、即ち仕切壁13、13の間の部分についての断面は
別に図13として示す如くで、洪水時などの流水で貯ま
った石材等が魚巣部に入り込まないように前面部12の
底部から庇39を付けたものであり、図10までにおい
て示した底面部を図8のような全面開放部15とするこ
とに代えて部分的開放部28となし、前面部側に閉塞突
壁29を突設して魚類が餌場に出入りし易いように流水
を止めて澱み部を形成するようにすることが好ましい。
なおこのような閉塞突壁29は基本的なブロック成形型
の該閉塞突壁29相当部分に置かれた部分的アタッチメ
ントを除去することによって簡易に形成することができ
る。
【0041】上記した図11〜図13のようなコンクリ
ートブロックによる魚巣の構成状態は別に図14として
示された如くで、ベースブロック4に対して各コンクリ
ートブロックは法面勾配が1:2以上の緩い傾斜の法面
勾配に合わせてセットされることにより連接ブロック群
内に連続した魚巣域5を形成することができ、開放域2
7は魚類の自由な通行を可能としたもので急勾配に使用
される図10の場合と同様に各ブロックに連続した好ま
しい魚巣が構成される。
【0042】図15には後面部12に部分的開放部30
を形成したものが示されており、即ち後面部12は完全
閉塞状態を一般的になすものであるが前記したようなコ
ンクリートブロックを得るための成形型において、その
部分的開放部30に相当した部分的アタッチメントをセ
ットすることにより同じ基本型を用いてこの部分的開放
部30を的確に成形することができる。
【0043】然してこのブロック1においては後面部1
2に補強鉄筋挿入孔21が形成されていることは前記し
た図1〜4または図7などのものと同じであるが、斯か
るブロック1は図16または図17のように仕切壁13
部分の前記挿入孔21に対し木材杆その他による支持柱
3を挿入し基礎部31上にその後面部12を外部水域8
に向けた前面側とした反転状態で設定し、空洞状部分な
どに適宜コンクリートなどを充填し凝結充填層32を形
成することにより強固に固定することができる。
【0044】この図16〜17に示すように支持柱3を
用いて定着されたブロック1はその後面部12における
部分的開放部30において図18に示すように外水域8
に通じた開口部を形成し、ブロック1自体を魚巣として
利用し得る。また前記支持柱3を適度にブロック1上に
突出した状態となし、このようにして配設された複数の
支持柱3、3に対して丸太等の木材や粗朶の如きを用い
て柵部33を形成し、玉石などの天然石材34を柵部3
3の背面にセットすることにより付着藻類や水草などの
生育に伴い魚介類の餌場とすると共に天然石34内空隙
部に水生昆虫や甲殻類が進入棲息棲息できる餌場つき魚
巣35とすることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
コンクリートブロックによって水生昆虫などの棲息場や
魚介類の餌場と共に魚類の住み場所や避難場所としての
棲息空間を適切に組合わせ、魚類等が自在に出入し棲息
することのできるようにした好ましい餌場つき魚巣をコ
ンクリートブロックの内部全般を利用して有利に構成
し、自然に近い棲息条件を備えた魚巣を提供し、しかも
表面に自然石材などの模様や彩色を施すことにより周囲
の景観に違和感なくマッチした護岸ブロックとなり、か
つ好ましい強度ないし安定性を確保することができるな
どの効果を有しており、工業的にその効果の大きい発明
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による魚巣用コンクリートブロックの急
勾配用に適した1つの構成を示した斜面図である。
【図2】図1に示したものの表面を玉石模様とし前面部
上部に切欠部を設けたものの斜面図である。
【図3】同じく図1に示したものの表面を岩模様とした
前面中央に開口部を設けたものの斜面図である。
【図4】図3に示したものの開口部を切欠部に加えたも
のの平面図である。
【図5】図4に示したものの正面図である。
【図6】図5に示したものの端面図である。
【図7】図5のVII …VII 線にそった断面図である。
【図8】図5のVIII…VIII線にそった断面図である。
【図9】本発明コンクリートブロックによる急勾配に適
用された護岸壁形成状態の1例を部分的に示した断面図
である。
【図10】その別の例を示した水面下部分を主体とした
断面図である。
【図11】前面部外面を玉石模様とした本発明による緩
勾配用コンクリートブロックの構成を示した斜面図であ
る。
【図12】図11に示したものの表面を岩模様とし、前
面部中央部に開口部を設けた変形構成についての斜面図
である。
【図13】図11に示したものの中央部における断面図
である。
【図14】緩傾斜面に形成された本発明コンクリート魚
巣の断面図である。
【図15】本発明による法留用の更に別の構成を示した
斜面図である。
【図16】図15に示したものによる木材杆や石材をも
併用した魚巣の仕切壁部の断面図である。
【図17】図16に示したものの仕切壁間中央部の同様
な断面図である。
【図18】ブロック内に魚類が進入し得るようにすると
共に石材をも併用した本発明の法留部に使用したコンク
リートブロック魚巣の断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートブロック 3 支持柱 8 外水域 9 藻類 9a 水草 10 開口部 11 前面部 11a その外面 11b その内面 12 後面部 12a その外面 12b その内面 13 仕切壁 14 空洞状部分 14a 皿状部分 16 開放部 17 両端側底部 18 水抜き部 19 切込み部(仕切壁) 21 補強鉄筋挿入孔 22 嵌合突部 23 嵌合凹部 24 部分的厚肉部 25 仕切壁嵌合突部 26 仕切壁嵌合凹部 27 開放域 28 部分的開放部 29 閉塞突壁 30 部分的開放部(後面部) 31 基礎部 32 コンクリートなどによる凝結充填層 33 柵部材 34 天然石材 35 餌場魚巣 36 自然石模様 37 擬石模様 38 大気域植物 39 庇部 47 護岸用ブロック

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面が実質的に平行状態の前面部と後面
    部を有し、それら前後面部の内面は底部側を漸次厚肉と
    した傾斜を採った空洞状部分とすると共に中間部におけ
    る両端側に仕切壁を対設し、それら仕切壁間の底面を開
    放面とし、しかもこれら仕切壁より両端側に底面部を設
    けると共に該両端側の前面部上方又は全面をも開放部と
    したことを特徴とする魚巣用コンクリートブロック。
  2. 【請求項2】 後面部を前面部より厚肉とし、該後面部
    における仕切壁との交点部分に補強鉄筋挿通孔を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の魚巣用コンクリート
    ブロック。
  3. 【請求項3】 後面部における仕切壁との交点部分を部
    分的な厚肉部とし、該部分的厚肉部に補強鉄筋挿通孔を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の魚巣用コンク
    リートブロック。
  4. 【請求項4】中間部における両端側に対設された仕切壁
    の上部に切込み部を形成し、積層したブロック間連結の
    ための凹凸を仕切壁、後面壁の何れか一方または双方に
    設けると共に仕切壁部分の前面部に突出部を形成したこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の魚巣
    用コンクリートブロック。
  5. 【請求項5】 中間部における両端側に対設された仕切
    壁間の前面部頂部または中間部に開口部を設けたことを
    特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の魚巣用コ
    ンクリートブロック。
  6. 【請求項6】 前面部の外面に擬石、擬木等の天然また
    は人工的模様を形成し、無色またはカラーコンクリート
    や表面部の浸透着色や塗料による美化層を形成したこと
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の魚巣用
    コンクリートブロック。
  7. 【請求項7】 前面部における仕切壁間の両端側頂部に
    部分的切欠部を形成し、後面部両端側の頂部または中央
    部に開口部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何
    れか1つに記載の魚巣用コンクリートブロック。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れか1つに記載したコ
    ンクリートブロックを多段且つ煉瓦積み状に法面勾配に
    即応させて積層した護岸壁を形成し、それらコンクリー
    トブロックの前後面部間に形成された空洞状部分が中間
    部両端側の仕切壁間底面における開放面において連通
    し、しかも前面部における仕切壁より両端側の開放部に
    より外部水域に開放したことを特徴とするコンクリート
    ブロック魚巣。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のコンクリートブロック
    を反転し底面部を上方とすると共に後面部を前面側とし
    て設定し、支持壁間の中間部に基礎部からのアンカー鉄
    筋を介してコンクリートで一体化し、補強筋挿通孔に木
    材杆その他による支持柱を挿入支持せしめ、該支持柱に
    丸太やそだ等によって柵を設けて石材投入部を餌場とし
    支持壁の両端の空間部を魚巣部とするようにしたことを
    特徴とするコンクリートブロック魚巣。
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