JP3011384B2 - 着色ポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents

着色ポリオレフィン被覆鋼材

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JP3011384B2
JP3011384B2 JP27481092A JP27481092A JP3011384B2 JP 3011384 B2 JP3011384 B2 JP 3011384B2 JP 27481092 A JP27481092 A JP 27481092A JP 27481092 A JP27481092 A JP 27481092A JP 3011384 B2 JP3011384 B2 JP 3011384B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋、河川、港湾など
で用いられる鋼矢板、H形鋼、連壁用形鋼、鋼管杭、角
鋼管杭、鋼管矢板、鋼板などの鋼構造物部材に使用する
ポリオレフィン被覆鋼材に関し、更に詳しくは各種色彩
に着色され、光、特に紫外線による着色層の亀裂発生と
退色を同時に防止する耐候性の優れた着色ポリオレフィ
ン被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン被覆鋼材として
は、特開昭60−8058号公報に開示されている様
に、防食性の優れた黒色のポリエチレンなどのポリオレ
フィン被覆を用いている。しかしながら、最近の都市景
観あるいは河川、港湾の鋼構造物の美観に対する市場ニ
ーズの高まりから、各種の色彩に着色されて環境に調和
し、かつ防食性に優れたポリオレフィン被覆鋼材の開発
が望まれている。かかるニーズに対しては、各種着色顔
料を添加したポリオレフィンを鋼材に被覆する方法が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の着色ポリオレフィンを被覆した鋼材では、紫
外線が長期間あたると、着色ポリオレフィン被覆の表面
から亀裂が入って防食性が損なわれるとともに、色が退
色して美観が損なわれる。表面の亀裂発生と退色を防止
するために、各種ヒンダードアミン系耐候剤、紫外線吸
収剤の提案があるが、これらの耐候性添加剤を単に添加
しただけでは、例えば5年程度の屋外曝露試験で被覆の
表面から亀裂が入って防食性が損なわれるとともに、著
しい退色が起こって美観も損なわれる。このように、従
来技術をもってしては、表面亀裂の発生と退色を同時に
防ぐことが難しかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、下地処理を施した鋼
材の表面に、変性ポリオレフィン接着剤を介して黒色ポ
リオレフィンと特定の着色顔料を添加した着色ポリオレ
フィンを順次積層することによって、上述の課題が解決
できることを見いだし、本発明に至った。即ち本発明
は、例えば図1〜図8に示すごとく、鋼板、鋼矢板、H
形鋼、連壁用形鋼、鋼管杭、角鋼管杭、鋼管矢板などの
鋼材1の美観が必要な表面をブラスト処理などでスケー
ルなどを除去し、クロメート被膜2とエポキシプライマ
層3を順次積層して下地処理を施し、その表面に、変性
ポリオレフィン接着剤層4を介してカーボンブラック
0.1〜5重量%含有する黒色ポリオレフィン層5とC
o、Al、Cr、Fe、Ti、Zn、Mn、Sb、N
i、Mgの中から選んだ1種以上の元素の酸化物または
複合酸化物の単独または混合物からなる着色顔料を0.
1〜10重量%含む着色ポリオレフィン層6を順次積層
したことを特徴とするポリオレフィン被覆鋼材である。
【0005】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明に用いる鋼材とは、炭素鋼、スレンレス鋼などの合金
鋼でできた鋼板、鋼矢板、H形鋼、連壁用形鋼、鋼管
杭、角鋼管杭、鋼管矢板である。また、鋼材の耐食性を
向上させる目的で、表面に、亜鉛、アルミニウム、クロ
ムなどのめっき、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケル
などの合金めっき、該めっきや合金めっきに、シリカや
酸化チタンなどの無機微粒子を分散した分散めっきを施
したものも用いることができる。
【0006】本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼材を製
造する場合、鋼材の下地処理としては、鋼材の表面をグ
リットブラスト、サンドブラストなどでブラスト処理し
て除錆したのち、クロメート処理とエポキシプライマを
塗布し硬化させて下地処理を施し、次いでポリオレフィ
ンを無水マレイン酸などで変性した変性ポリオレフィン
接着剤層4を被覆した後、黒色ポリオレフィン層5を介
して本発明の着色ポリオレフィン層6を被覆するが、本
発明の骨子からして、被覆鋼材の表面に、変性ポリオレ
フィン接着剤層4と黒色ポリオレフィン層5と着色ポリ
オレフィン層6とが強固に積層被覆されていればよく、
下地処理に、従来公知のクロメート処理、エポキシプラ
イマ、りん酸塩処理、シランカップリング処理の単独、
あるいはこれらの下地処理を組み合わせて用いることが
できる。
【0007】本発明の変性ポリオレフィン接着剤層4、
黒色ポリオレフィン層5と着色ポリオレフィン層6の形
成に用いるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、あるいはプロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンな
どのα−オレフィンとエチレンの共重合体を用いる。変
性ポリオレフィン接着剤としては、ポリオレフィンを無
水マレイン酸などの酸無水物で変性した変性ポリオレフ
ィン、ポリオレフィンにエチレン−プロピレンラバーな
どのエラストマーを添加したものを酸無水物で変性した
変性ポリオレフィン、あるいはこれらの変性ポリオレフ
ィンをポリオレフィンで希釈した接着剤を用いるが、こ
れら以外のポリオレフィン系接着剤も使用できる。
【0008】紫外線による着色ポリオレフィン層の退色
と亀裂発生を同時に防止するために、黒色ポリオレフィ
ン層にはカーボンブラックを0.1〜5重量%、着色ポ
リオレフィン層にはCo、Al、Cr、Fe、Ti、Z
n、Mn、Sb、Ni、Mgの中から選んだ1種以上の
元素の酸化物または複合酸化物の単独または混合物から
なる着色顔料を0.3〜10重量%だけ各々添加する必
要がある。このうち、黒色ポリオレフィンには、カーボ
ンブラックを0.1〜5重量%の範囲で添加すると、上
部の着色ポリオレフィン層の亀裂発生と退色防止効果を
発揮する。
【0009】また着色ポリオレフィンに添加するCo、
Al、Cr、Fe、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、M
gの中から選んだ1種以上の元素の酸化物または複合酸
化物の単独または混合物からなる着色顔料としては、例
えばTiの単独酸化物(酸化チタン/白色)、シェファ
ード カラー コンパニー(Shepherd Color Company)
社製のCoの単独酸化物(CONCORD BLUE#
92/紫色)、Mnの単独酸化物(MANGANO V
IORET#11/紫色)、Co−Alの複合酸化物
(ARCTIC BLUE#3/青色、ENSIGN
BLUE#214/青色)、Co−Cr−Alの複合酸
化物(TOPAZ BLUE#9/青色、OLYMPI
C BLUE#190/青色、KINGFISHER
BLUE#211/青色)、Fe−Tiの複合酸化物
(RUSSET BROWN#8/茶色)、Fe−Al
−Tiの複合酸化物(GOLDEN BROWN#19
/茶色)、Fe−Zn−Tiの複合酸化物(AUTUM
N BROWN#156/茶色)、Fe−Cr−Zn−
Tiの複合酸化物(WALNUT BROWN#10/
茶色、COCOA BROWN#157/茶色)、Fe
−Cr−Mn−Tiの複合酸化物(CHOCOLATE
BROWN#20/茶色)、Mn−Cr−Sb−Ti
の複合酸化物(IRONSTONE BROWN#39
/茶色)、Cr−Ni−Cu−Sb−Tiの複合酸化物
(BUCKSKIN BROWN#47/茶色)、Mn
−Sb−Tiの複合酸化物(URBAN BROWN#
153/茶色、INDIAN BROWN#221/茶
色)、Ni−Sb−Tiの複合酸化物(SUNFLOW
ER YELLOW#14/黄色、MAPLE YEL
LOW#25/黄色、PRIMROSE YELLOW
#195/黄色)、Cr−Sb−Tiの複合酸化物(H
ONEY YELLOW#29/オレンジ色、HONE
Y GOLD YELLOW#193/オレンジ色)、
Ni−Sb−Tiの複合酸化物(COLONIAL Y
ELLOW#182/オレンジ色、MARIGOLD
YELLOW#196/オレンジ色)、Ni−Co−Z
n−Tiの複合酸化物(SHAMROCK GREEN
#223/緑色)、Co−Zn−Ti−Crの複合酸化
物(CAMOFLAGE GREEN#179/緑
色)、Ni−Co−Zn−Sb−Tiの複合酸化物(J
ADE GREEN#4/緑色、SHERWOOD G
REEN#5/緑色)、Co−Cr−Mg−Al−Zn
の複合酸化物(TEAL GREEN#201/緑色)
などの単色焼成顔料の粉体の単独、またはこれらの単色
焼成顔料の粉体の混合物を用いることができる。混合す
る粉体の種類と割合は美観の点から任意に決めることが
できるが、被覆の亀裂発生と退色を防止するためには、
単色焼成顔料の粉体または単色焼成顔料の粉体の混合物
を0.1〜10重量%の範囲で添加する。該添加量が
0.1重量%未満では、被覆の亀裂発生と退色を防止す
る効果がなく、該添加量が10重量%越えると、被覆の
耐衝撃性が損なわれるので望ましくない。また、これら
の顔料以外の顔料を用いる場合、例えば有機顔料を用い
る場合には、長期間の屋外曝露試験で被覆表面に亀裂が
入り退色が起こる。また、着色ポリオレフィン層の形成
に着色ポリオレフィンシートが利用できる場合には、黒
色ポリオレフィンと該着色ポリオレフィンを二層一体で
シート状に成形し、表面から電子線を照射して架橋した
電子線架橋着色/黒色ポリオレフィン積層シートを使用
する。
【0010】次に、本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼
材の製造法についてポリオレフィン被覆鋼矢板を例にと
り説明する。まず、電子線架橋着色/黒色ポリオレフィ
ン積層シートを、図9に示すように、下層に黒色ポリオ
レフィン層5が、そして上層に着色ポリオレフィン層6
が、それぞれ配置されるように、二層Tダイ7から二層
一体でシート状に押出成形すると共に、圧接ロール8に
より圧接して、着色/黒色ポリオレフィン積層シート9
をつくる。次いで、この着色/黒色ポリオレフィン積層
シート9の表面から電子線を照射して電子線架橋着色/
黒色ポリオレフィン積層シートを製造する。次に鋼矢板
の山面または谷面をグリットブラスト処理したのち、ク
ロメート処理剤を塗布して焼き付ける。次いで、その表
面にエポキシプライマを塗布して加熱、硬化させ、直ち
に前記変性ポリオレフィン接着剤の粉体を静電塗装して
溶融する。
【0011】鋼矢板の山面を被覆する場合は、、図10
に示すように、搬送ロール10と搬送テーブル11とに
より、山面に溶融状態の変性ポリオレフィン接着剤層4
を被覆した鋼矢板12を、移動させながら、その変性ポ
リオレフィン接着剤層4の表面に、本発明の前記電子線
架橋着色/黒色ポリオレフィン積層シート9を、ウェブ
部の圧着ロール13で圧着し、次いで補助ロール14、
さらにフランジ部の圧着ロール15と16で順次圧着し
た後、水冷して、本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼矢
板を得る。
【0012】また、鋼矢板の谷面を被覆する場合は、図
11に示すように、溶融状態の変性ポリオレフィン接着
剤層4を被覆した鋼矢板12を、搬送ロール10と搬送
テーブル11で移動させながら、その変性ポリオレフィ
ン接着剤層4の表面に、本発明の前記電子線架橋着色/
黒色ポリオレフィン積層シート9を、ウェブ部の圧着ロ
ール17で圧着し、次いで補助ロール18、フランジ部
の圧着ロール19と20、さらに爪部の圧着ロール21
で順次圧着した後、水冷して、本発明の着色ポリオレフ
ィン被覆鋼矢板を得る。
【0013】前記クロメート処理剤の塗布方法は、ロー
ル塗布、はけ塗布、各種ブラシによるしごき塗布など、
従来公知の方法を使用できる。また、エポキシプライマ
の塗布方法は、スプレー塗装、ゴムリングやゴムベラな
どによるしごき塗布など、従来公知の方法を使用でき
る。さらにまた、変性ポリオレフィン接着剤を予め電子
線架橋着色/黒色ポリオレフィン積層シートとラミネー
トし、該ラミネートシートを被覆する方法なども使用で
きる。
【0014】図4に示す本発明の着色ポリオレフィン被
覆H形鋼は、H形鋼1の全面をサンドブラスト処理した
のち、クロメート処理剤2を塗布して焼き付ける。次い
で、その表面にエポキシプライマ被膜3を塗布して加
熱、硬化させ、その表面に、変性ポリオレフィン接着剤
層4を構成する粉体を溶射して溶融する。次いで、その
表面に黒色ポリオレフィン層5を構成する粉体を溶射し
た後、本発明の着色ポリオレフィン層6を構成する粉体
を溶射して、本発明の着色ポリオレフィン被覆H形鋼を
得る。
【0015】図5に示す本発明の着色ポリオレフィン被
覆連壁用形鋼は、連壁用形鋼1の全面をサンドブラスト
処理したのち、クロメート処理剤2を塗布して焼き付け
る。次いで、その表面にエポキシプライマ被膜3を塗布
して加熱、硬化させ、その表面に変性ポリオレフィン接
着剤層4を構成する粉体を溶射し、次いで、その表面に
黒色ポリオレフィン層5を構成する粉体を溶射する。そ
の表面の意匠性が必要な壁面の表面に、本発明の着色ポ
リオレフィン層6を構成する粉体を溶射して、本発明に
よる着色ポリオレフィン被覆連壁用形鋼を得る。
【0016】図6に示す本発明の着色ポリオレフィン被
覆鋼管杭は、鋼管1をスパイラル状に回転走行させなが
ら、外表面をグリットブラスト処理したのち、クロメー
ト処理剤2を塗布して加熱、焼き付ける。次いで、その
表面にエポキシプライマをスプレー塗装して加熱、硬化
させることにより、エポキシプライマ層3を形成する。
次にその表面に、変性ポリオレフィン接着剤層4を構成
する粉体を静電塗装し鋼管の熱で溶融し、次いで黒色ポ
リオレフィン層5と本発明の着色ポリオレフィン層6と
を、二層Tダイから二層一体でシート状に変性ポリオレ
フィン接着剤層4の上に押出被覆して、本発明による着
色ポリオレフィン被覆鋼管杭を得る。
【0017】図7に示す本発明による着色ポリオレフィ
ン被覆角鋼管杭は、角鋼管1を搬送テーブルで移送搬送
しながら、外表面をグリットブラスト処理したのち、ク
ロメート処理剤2を塗布して加熱、焼き付ける。次い
で、その表面にエポキシプライマをスプレー塗装して加
熱、硬化させることにより、エポキシプライマ層3を形
成する。次にその表面に、変性ポリオレフィン接着剤層
4を構成する粉体を静電塗装し角鋼管の熱で溶融し、次
いで黒色ポリオレフィン層5と本発明の着色ポリオレフ
ィン層6とを、角ダイスから二層一体の角筒状に押出被
覆して、本発明による着色ポリオレフィン被覆角鋼管杭
を得る。
【0018】図8に示す本発明による着色ポリオレフィ
ン被覆鋼管矢板は、鋼管矢板1の外表面をサンドブラス
ト処理したのち、クロメート処理剤2を塗布して焼き付
ける。次いで、その表面にエポキシプライマを塗布して
加熱、硬化させることにより、エポキシプライマ層3を
形成する。次にその表面に、変性ポリオレフィン接着剤
層4を構成する粉体を溶射した後、黒色ポリオレフィン
層5を構成する粉体を溶射する。次いで本発明の着色ポ
リオレフィン層6を構成する粉体を溶射して、本発明に
よる着色ポリオレフィン被鋼管矢板を得る。
【0019】本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼材は、
図1〜図8に示すごとく、鋼板、鋼矢板、H形鋼、連壁
用形鋼、鋼管杭、角鋼管杭、鋼管矢板などの鋼材1の美
観が必要な表面をブラスト処理などでスケールなどを除
去し、クロメート被膜2とエポキシプライマ層3を順次
積層して下地処理を施し、その表面に、変性ポリオレフ
ィン接着剤層4を介してカーボンブラックを0.1〜5
重量%含有する黒色ポリオレフィン層5と、Co、A
l、Cr、Fe、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、Mg
の中から選んだ1種以上の元素の酸化物または複合酸化
物の単独または混合物からなる着色顔料を0.1〜10
重量%含む着色ポリオレフィン層6を順次積層したこと
を特徴とするポリオレフィン被覆鋼材である。前記クロ
メート被膜2は全クロム付着量換算で200〜1500
mg/m2 の付着量、エポキシプライマ被膜3は10〜1
50μmの膜厚、変性ポリオレフィン接着剤層4は10
0〜600μmの膜厚、黒色ポリオレフィン層は1〜5
mmの膜厚、着色ポリオレフィン層は0.5〜5mmの膜厚
を有していると良好な結果が得られる。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。 実施例1 鋼矢板(FSPIII 型)の山面をグリットブラスト処理
して除錆し、その山面にクロメート処理剤を全クロム付
着量が600mg/m2 になるように塗布し160℃に加
熱して焼き付けた。該クロメート処理鋼矢板をテーブル
ローラで移送搬送しながら、その表面にエポキシプライ
マを膜厚が50μになるようにスプレー塗装し、高周波
誘導加熱で190℃に加熱して硬化させた。次いで、そ
の表面に無水マレイン酸変性ポリエチレン接着剤の粉体
をその膜厚が300μになるように静電塗装し、その表
面に本発明の電子線架橋着色/黒色ポリエチレン積層シ
ート(着色ポリエチレン層の膜厚が1mm、黒色ポリエチ
レン層の膜厚が2mmでカーボンブラックの添加量が0.
1%)を被覆し本発明の着色ポリエチレン被覆鋼矢板1
〜20を製造した。被覆した電子線架橋着色/黒色ポリ
エチレン積層シートの着色ポリオレフィンには、ポリエ
チレンに表1および表2に示す本発明の着色顔料を表4
および表5に記載の量だけ添加し、さらにこれ以外にヒ
ンダードアミン系耐候剤として日本チバガイギー社製の
CHIMASSORB 944LDすなわちポリ
[{[6−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)イ
ミノ−1、3、5−トリアジン−2、4−ジイル)}
{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジルイ
ミノ}ヘキサメチレン{(2、2、6、6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ}]を0.8重量%、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤として日本チバガイギー
社製のTINUVIN 326すなわち2−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールを0.2重量%添加した。ま
た、比較例として、電子線架橋着色ポリエチレンシート
の顔料を表3の有機顔料に変えた表5に示す着色ポリエ
チレン被覆鋼矢板21〜24を製造した。これらの電子
線架橋着色ポリエチレン被覆鋼矢板を長さ1mに切断加
工して屋外曝露試験に供試した。7年間の曝露試験の
後、被覆表面の色差と表面の亀裂の発生の有無を調べた
結果を表4〜表5に示した。表4〜表5の結果から、本
発明の黒色ポリオレフィンと、Co、Al、Cr、F
e、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、Mgの中から選ん
だ1種以上の元素の酸化物または複合酸化物の単独また
は混合物からなる着色顔料を含む電子線架橋着色ポリエ
チレンを被覆した本発明の着色ポリエチレン被覆鋼矢板
は、有機顔料を添加した比較例の着色ポリエチレン被覆
鋼矢板に比較して、色差変化や亀裂の発生もなく、優れ
た防食性と美観を兼ね備える。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0021】実施例2 鋼管(SGP外径200A×長さ5m)の外面をスパイ
ラル状に回転走行させながらグリットブラスト処理し、
その表面にクロメート処理剤を全クロム付着量が600
mg/m2 になるようにブラシでしごき塗布して160℃
に加熱して焼き付け、更にその表面にエポキシプライマ
を膜厚が50μmになるようにスプレー塗装して硬化さ
せ下地処理を施した。次いで、その表面に無水マレイン
酸変性ポリエチレン接着剤、黒色ポリエチレン(カーボ
ンブラックの添加量が2.5%)と本発明の着色ポリエ
チレンを各々の膜厚が0.25mmと1mmと2mmになるよ
うに三層Tダイから三層一体で押出被覆して、本発明に
よる着色ポリエチレン被覆鋼管杭1〜40を得た。被覆
した着色ポリエチレンにはポリエチレンに表1〜表2の
本発明の着色顔料を表6〜表8に記載の量だけ添加し、
さらにこれ以外にヒンダードアミン系耐候剤として、日
本チバガイギー社製のCHIMASSORB944LD
すなわちポリ[{[6−(1、1、3、3−テトラメチ
ルブチル)イミノ−1、3、5−トリアジン−2、4−
ジイル)}{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルイミノ}ヘキサメチレン{(2、2、6、6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]を0.8重
量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として日本チ
バガイギー社製のTINUVIN 326すなわち2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾールを0.2重量%添
加した。これらの着色ポリエチレン被覆鋼管杭を長さ1
mに切断加工して屋外曝露試験に供試した。7年間の曝
露試験の後、被覆表面の色差と表面の亀裂の発生の有無
を調べた結果を表6〜表8に示した。表6〜表8の結果
から、本発明の黒色ポリオレフィンとCo、Al、C
r、Fe、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、Mgの中か
ら選んだ1種以上の元素の酸化物または複合酸化物の単
独または混合物からなる着色顔料を0.1〜10重量%
含む着色ポリエチレンを被覆した本発明の着色ポリエチ
レン被覆鋼管杭は、色差変化や亀裂の発生もなく、優れ
た防食性と美観を兼ね備える。
【表6】
【表7】
【表8】
【0022】実施例3 H形鋼(高さ125mm×辺の長さ125mm×最大厚み9
mm)の表面をサンドブラスト処理して除錆し、その表面
にクロメート処理剤を全クロム付着量が600mg/m2
になるように塗布し160℃に加熱して焼き付けた。該
クロメート処理H形鋼の表面にエポキシプライマを膜厚
が50μになるようにスプレー塗装し、硬化させた。次
いで、その表面に無水マレイン酸変性エチレン−1−ブ
テン共重合体接着剤の粉体をその膜厚が400μになる
ように溶射し、その表面に膜厚が1mmになるように黒色
エチレンー1ープテン共重合体(カーボンブラックの添
加量が5%)の粉体を溶射した。次いでその表面に膜厚
が2mmになるように本発明の着色エチレン−1−ブテン
共重合体を溶射して本発明の着色エチレン−1−ブテン
共重合体被覆H形鋼1〜5を製造した。被覆した着色エ
チレン−1−ブテン共重合体にはエチレン−1−ブテン
共重合体に表1〜表2の本発明の着色顔料を表9に記載
の量混合添加し、さらにこれ以外にヒンダードアミン系
耐候剤として日本チバガイギー社製のCHIMASSO
RB 944LDすなわちポリ[{[6−(1、1、
3、3−テトラメチルブチル)イミノ−1、3、5−ト
リアジン−2、4−ジイル)}{(2、2、6、6−テ
トラメチル−4−ピペリジルイミノ}ヘキサメチレン
{(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}]を0.8重量%、ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤として日本チバガイギー社製のTINUVIN
326すなわち2−(3−t−ブチル−5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ールを0.2重量%添加した。これらの着色エチレン−
1−ブテン共重合体被覆H形鋼を長さ1mに切断加工し
て屋外曝露試験に供試した。7年間の曝露試験の後、被
覆表面の色差と表面の亀裂の発生の有無を調べた結果を
表9に示した。表9の結果から、本発明の黒色ポリオレ
フィンとCo、Al、Cr、Fe、Ti、Zn、Mn、
Sb、Ni、Mgの中から選んだ1種以上の元素の酸化
物または複合酸化物の単独または混合物からなる着色顔
料を0.1〜10重量%含む着色エチレン−1−ブテン
共重合体を被覆した本発明の着色エチレン−1−ブテン
共重合体被覆H形鋼は、色差変化や亀裂の発生もなく、
優れた防食性と美観を兼ね備える。
【表9】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、以上の実施例からも明
らかなように、下地処理を施した鋼材の表面に、変性ポ
リオレフィン接着剤層を介して黒色ポリオレフィンと着
色ポリオレフィン層を順次積層した被覆鋼材において、
黒色ポリオレフィン層がカーボンブラックを0.1〜5
重量%、着色ポリオレフィン層がCo、Al、Cr、F
e、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、Mgの中から選ん
だ1種以上の元素の酸化物または複合酸化物の単独また
は混合物からなる着色顔料を0.1〜10重量%含むの
で、本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼材は、太陽光線
中の紫外線による着色ポリオレフィン被覆表面の亀裂発
生と退色を同時に防止できるため、従来にない優れた防
食性と美観を兼ね備える。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆を施した本発明の鋼板を示す断面図であ
る。
【図2】山面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆を施した本発明の鋼矢板を示す断面図であ
る。
【図3】谷面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆を施した本発明の鋼矢板を示す断面図であ
る。
【図4】表面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆した本発明のH形鋼を示す断面図である。
【図5】片表面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフ
ィンを積層被覆した本発明の連壁用形鋼を示す断面図で
ある。
【図6】外面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆した本発明の鋼管杭を示す断面図である。
【図7】外面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆した本発明の角鋼管杭を示す断面図であ
る。
【図8】外面に黒色ポリオレフィンと着色ポリオレフィ
ンを積層被覆した本発明の鋼管矢板を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の着色/黒色ポリオレフィン積層シート
の製造法の一例を示す図である。
【図10】鋼矢板の山面に本発明の黒色ポリオレフィン
と着色ポリオレフィンの積層被覆を施す方法の一例を示
す図である。
【図11】鋼矢板の谷面に本発明の黒色ポリオレフィン
と着色ポリオレフィンの積層被覆を施す方法の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1 ブラスト処理を施した鋼板、鋼矢板、H形鋼、連壁
用形鋼、鋼管杭、角鋼管杭、鋼管矢板などの鋼材 2 クロメート被膜またはクロメート処理剤 3 エポキシプライマ被膜またはエポキシプライマ層 4 変性ポリオレフィン接着剤層 5 黒色ポリオレフィン層 6 着色顔料を含有する着色ポリオレフィン層 7 二層Tダイ 8 圧接ロール 9 黒色ポリオレフィン積層シート 10 搬送ロール 11 搬送テーブル 12 鋼矢板 13 圧着ロール 14 補助ロール 15 圧着ロール 16 圧着ロール 17 圧着ロール 18 補助ロール 19 圧着ロール 20 圧着ロール 21 圧着ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 103 C23C 28/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地処理を施した鋼材の表面に変性ポリ
    オレフィン接着剤層を介して黒色ポリオレフィンと着色
    ポリオレフィン層を順次積層した被覆鋼材において、黒
    色ポリオレフィン層がカーボンブラックを0.1〜5重
    量%、着色ポリオレフィン層がCo、Al、Cr、F
    e、Ti、Zn、Mn、Sb、Ni、Mgの中から選ん
    だ1種以上の元素の酸化物または複合酸化物の単独また
    は混合物からなる着色顔料を0.1〜10重量%含むこ
    とを特徴とする着色ポリオレフィン被覆鋼材。
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