JPH07290641A - ポリエチレン被覆鋼材 - Google Patents

ポリエチレン被覆鋼材

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JPH07290641A
JPH07290641A JP8306494A JP8306494A JPH07290641A JP H07290641 A JPH07290641 A JP H07290641A JP 8306494 A JP8306494 A JP 8306494A JP 8306494 A JP8306494 A JP 8306494A JP H07290641 A JPH07290641 A JP H07290641A
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polyethylene
coating
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steel material
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JP8306494A
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Hirotaka Sato
佐藤弘隆
Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Yoshihiro Miyajima
宮嶋義洋
Nobuki Yoshizaki
吉崎信樹
Hiroyuki Mimura
三村博幸
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下地処理を施した鋼材の表面に、変性ポリエ
チレン層を介して、密度が0.920〜0.955の範
囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.80の範
囲である無色ポリエチレン層と密度が0.930〜0.
940の範囲でメルトインデックスが0.10〜0.4
0の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で含有す
る着色ポリエチレン層を順次積層被覆したことを特徴と
する極低温での耐衝撃性が優れかつ被覆の残留歪みが小
さいポリエチレン被覆鋼材。 【効果】 ポリエチレン被覆鋼材はパイプラインの建設
工事に用いると−60℃の極低温で優れた耐衝撃性を発
現し、又パイプラインを高温操業する場合でも耐疵性も
優れるため、従来にない優れた防食性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼材の表面にポリエチレ
ン被覆を施した鋼材に関し、さらに詳しくは極低温の耐
衝撃性が優れかつ被覆の残留歪みが小さいポリエチレン
被覆鋼材、および高温の耐疵性が優れかつ被覆の残留歪
みが小さいポリエチレン被覆鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガスや原油のパイプラインの建設に
ポリエチレンで被覆し防食したポリエチレン被覆鋼管を
用いることがある。ポリエチレン被覆鋼管としては、下
地処理を施した鋼管の外面に、変性ポリエチレンを介し
てポリエチレンを積層した鋼管が多用されている。この
ポリエチレン被覆鋼管には、最近特に次の点が重要であ
る。まず、パイプラインの建設工事では、ポリエチレン
被覆鋼管が建設機材や他のポリエチレン被覆鋼管にぶつ
かりが疵が入ることがある。このようなとき、ポリエチ
レン被覆の残留歪みが大きいと疵部からの剥離が促進さ
れ防食性が損なわれることがあり、ポリエチレン被覆の
残留歪みの低減が最も重要である。天然ガスや原油の開
発地域が極寒冷地化し、例えば−60℃以下の極低温で
工事が行われる状況になった。このような極低温ではポ
リエチレン被覆の残留歪みの低減に加えて、極低温の耐
衝撃性が重要な課題である。採取される原油が次第に重
質油化してきたため、原油を高温で輸送するパイプライ
ンが必要になっている。このような高温操業のパイプラ
インでは、ポリエチレン被覆の残留歪みの低減に加え
て、埋設使用では土壌中の小石などに対する高温での耐
疵性の向上が重要である。また、港湾工事に使用される
ポリエチレン被覆鋼矢板の使用環境も、最近は極寒冷地
化し、極低温での被覆の耐衝撃性が重要である。
【0003】ポリエチレンはその密度によって性質が異
なる。密度が小さい低密度ポリエチレンは軟らかく、低
温時の耐脆化性が良く、被覆の残留歪みも小さいが、高
温では耐疵性が劣る。密度が大きい高密度ポリエチレン
は硬く、低温時の耐脆化性が悪く、被覆の残留歪みも大
きいが、高温の耐疵性は良い。従来は、これらの密度の
異なるポリエチレンを用途によって選択し、下地処理を
施した鋼材の表面に単層で被覆しているのが現状であ
る。例えば寒冷地用では低密度ポリエチレンを単独で被
覆した鋼管を用いると、被覆の残留歪みは小さくなり、
−45℃までの低温での耐衝撃性は優れる。しかし、−
60℃以下の極低温での衝撃では被覆に割れが入り、耐
衝撃性が不足し、施工時の耐疵性も不十分である。原油
の高温輸送のパイプラインのために高密度ポリエチレン
を単独で被覆した鋼管を用いると、80℃までの耐疵性
は優れる。しかし、被覆の残留歪みが非常に大きくな
り、−60℃の極低温で衝撃が加わると被覆が割れ、耐
衝撃性が不足する。
【0004】上記の不具合を改善するために、例えば鋼
管の外面被覆では、特公昭59−49179号公報に提
案されているように、2種類のポリエチレンを積層被覆
する方法が考えられる。例えば、特公昭59−4179
号公報に説明されているように、下層に低密度ポリエチ
レンを、上層に高密度ポリエチレンを積層被覆すること
によって、施工時の耐疵性が改善され、−45℃までの
低温での耐衝撃性が向上する。しかし、ただ単に低密度
ポリエチレンと高密度ポリエチレンを積層被覆しただけ
では、−60℃の極低温での耐衝撃性が十分でなく、か
つ被覆の残留歪みの低減が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来技術で
は、被覆の残留歪みが小さくかつ−60℃の耐衝撃性も
優れたポリエチレン被覆鋼材や、被覆の残留歪みが小さ
くかつ80℃での被覆の耐疵性も優れた被覆鋼材の実現
が難しかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決すべく、特公昭59−49179号公報の上
層と下層のポリエチレンの構成、特にポリエチレンの物
性に最も影響するASTM D 1505で規定された
密度とASTM D 1238で規定されたメルトイン
デックス(メルトインデックスの対数は分子量にほぼ反
比例する)について鋭意検討した。その結果、図1に示
す如く、下地処理を施した鋼材1の表面に、変性ポリエ
チレン層4を介して、密度が0.920〜0.955の
範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.80の
範囲である無色ポリエチレン層5の上に密度が0.93
0〜0.940の範囲でメルトインデックスが0.10
〜0.40の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲
で含有する着色ポリエチレン層6を積層する場合だけ、
被覆の残留歪みの低減に加えて、−60℃の耐衝撃性も
向上することを見出した。図中2はクロメート被覆、3
はプライマー被覆を示す。さらに、図2に示す如く、下
地処理を施した鋼材1の表面に、変性ポリエチレン層4
を介して、密度が0.920〜0.945の範囲でかつ
メルトインデックスが0.10〜0.80の範囲である
無色ポリエチレン層5の上に密度が0.941〜0.9
50の範囲でメルトインデックスが0.10〜0.40
の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で含有する
着色ポリエチレン層7を積層する場合だけ、被覆の残留
歪みの低減に加えて、−80℃の耐疵性も優れることを
見出し、本発明に至った。図中2はクロメート被覆、3
はプライマー被覆を示す。
【0007】以下に、本発明につき詳細に説明する。
【0008】本発明に使用する鋼材とは、炭素鋼あるい
はステンレス鋼などの合金鋼でできた鋼管や鋼矢板など
である。また、炭素鋼管の内面、外面や鋼矢板の山面や
谷面に、ステンレス鋼やチタン、アルミニウム、ニッケ
ル、銅などの金属あるいはニッケル−クロム−モリブデ
ン合金、ニッケル−クロム−モリブデン−タングステン
合金などの合金鋼を積層したクラッド鋼材も使用でき
る。また、炭素鋼管の内面、外面や鋼矢板の山面や谷面
に亜鉛、アルミニウム、クロムなどの金属めっき、亜鉛
−アルミニウム、亜鉛−ニッケル、亜鉛−ニッケル、亜
鉛−ニッケル−クロムなどの合金めっき、これらの金属
めっきや合金めっきにシリカや酸化チタンなどの分散材
を分散した分散めっきを施しためっき鋼材なども使用で
きる。
【0009】本発明に使用する鋼材には、変性ポリエチ
レンを被覆する前に、図1と図2に示す如く下地処理と
しては、クロメート被膜2とエポキシプライマー被膜3
からなる下地処理を施すことが好ましい。まず、ブラス
ト処理や酸洗・脱脂などでスケールなどを除去した鋼材
の表面に、クロメート処理剤をロールや刷毛などで塗布
し加熱・焼き付けして形成する。クロメート処理剤は、
例えば無水クロム酸の水溶液に有機質の還元剤などを添
加して加熱し水溶液中の6価クロムの一部を3価クロム
に部分還元した還元水溶液に、シリカの微粒子を添加・
分散した混合物、あるいは無水クロム酸とリン酸の混合
水溶液に有機質の還元剤などを添加して加熱し水溶液中
の6価クロムの一部を3価クロムに部分還元した還元水
溶液に、シリカの微粒子を添加・分散した混合物などを
用いる。エポキシプライマ−被膜3は、鋼材のクロメー
ト被膜の表面に、エポキシ、顔料と硬化剤の混合物から
なるプライマーをスプレー塗装やしごき塗布などの方法
で塗布し、加熱硬化して形成する。エポキシとしてはビ
スフェノールAまたはビスフェノールFのジグリシジル
エーテルの単独、また混合物を使用する。鋼管の使用温
度が80℃を越える場合は、エポキシプライマー被膜の
ガラス転移温度を上げるために、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂を追加混合してもよい。顔料としては、
シリカや酸化チタンなどの無機顔料を用いる。硬化剤と
しては、脂環式アミン、脂肪族アミン、ジシアンジアミ
ド、変性イミダゾールなどを用いる。
【0010】変性ポリエチレンにはエチレン単独重合
体、またはエチレンと1−ブテン、プロピレン、1−ヘ
キセンまたは1−オクテンなどのα−オレフィンを共重
合したエチレン−α−オレフィン共重合体の単独、また
はこれらの混合物を無水マレイン酸で変性した無水マレ
イン酸変性ポリエチレンを用いる。無水マレイン酸の変
性に関しては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体、またはこれらの混合物1gに対する無水マ
レイン酸の付加量が1×10-6〜1×10-4モルの範囲
になるようにする。該付加量が1×10-6モル未満およ
び1×10-4モル越えでは無色ポリエチレン層とエポキ
シプライマー層の間の接着性が悪くなり耐衝撃性が低下
する。
【0011】本発明の無色ポリエチレンには、密度が
0.920〜0.955の範囲でかつメルトインデック
スが0.10〜0.80の範囲であるエチレン単独重合
体を用いるが、エチレン単独重合体の代わりにエチレン
と1−ブテン、プロピレン、1−ヘキセンまたは1−オ
クテンなどのα−オレフィンを共重合したエチレン−α
−オレフィン共重合体の単独やエチレン単独重合体とエ
チレン−α−オレフィン共重合体の混合物も密度が0.
920〜0.955の範囲でかつメルトインデックスが
0.10〜0.80の範囲であれば利用できる。無色ポ
リエチレンの密度が0.920未満および0.955越
え、およびメルトインデックスが0.10未満および
0.80越えでは残留歪みが低減できない。
【0012】本発明の着色ポリエチレンには、極低温
(−60℃)の耐衝撃性が必要な場合には密度が0.9
30〜0.940の範囲でかつメルトインデックスが
0.10〜0.40の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量
%の範囲で含有するエチレン単独重合体を用いるが、エ
チレン単独重合体の代わりにエチレンと1−ブテン、プ
ロピレン、1−ヘキサンまたは1−オクテンなどのα−
オレフィンを共重合したエチレン−α−オレフィン共重
合体の単独やエチレン単独重合体とエチレン−α−オレ
フィン共重合体の混合物も密度が0.930〜0.94
0の範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.4
0の範囲であれば利用できる。着色ポリエチレンの密度
が0.930未満および0.940を越え、メルトイン
デックスが0.10未満および0.40越え、顔料が
0.1重量%未満および7重量%越えでは−60℃の衝
撃で被覆に割れが発生する。また、高温操業(−80
℃)が必要な場合には密度が0.941〜0.950の
範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.40の
範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で含有するエ
チレン単独重合体を用いるが、エチレン単独重合体の代
わりにエチレンと1−ブテン、プロピレン、1−ヘキサ
ンまたは1−オクテンなどのα−オレフィンを共重合し
たエチレン−α−オレフィン共重合体の単独やエチレン
単独重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の混合
物も密度が0.941〜0.950の範囲でかつメルト
インデックスが0.10〜0.40の範囲であれば利用
できる。着色ポリエチレンの密度が0.941未満およ
び0.950を越え、メルトインデックスが0.10未
満および0.40越え、顔料が0.1重量%未満および
7重量%越えでは80℃の耐疵性が低下する。両者の場
合とも、使用する顔料としては、カーボンブラック
(黒)、フタロシアニングリーン(緑)の他、イソイン
ドリノンイエロー(黄)、キナクリドンレッド(赤)、
ペリノンレッド(赤)、フタロシアニンブルー(青)、
フタロシアニングリーン(緑)などの有機顔料や、酸化
チタン(白)、酸化クロム(緑)、酸化鉄(赤、黄)、
チタンイエロー(黄)、酸化コバルト(青、紫)などの
無機顔料、これらの有機顔料と無機顔料の混合物が利用
できる。
【0013】変性ポリエチレン、無色ポリエチレンと着
色ポリエチレンの被覆には、変性ポリエチレンと無色ポ
リエチレンを二層一体で二層Tダイから押出被覆し次い
で着色ポリエチレンを単層Tダイから押出被覆する方
法、変性ポリエチレンと無色ポリエチレンを二層一体で
二層丸ダイから押出被覆し次いで着色ポリエチレンを単
層丸ダイから押出被覆する方法、変性ポリエチレン、無
色ポリエチレンと着色ポリエチレンを三層丸ダイから押
出被覆する方法、変性ポリエチレンは予め静電粉体塗装
し次いで無色と着色のポリエチレンの事前成形シートを
被覆して熱融着する方法などが利用できる。
【0014】クロメート被膜は加熱・焼き付け後の全ク
ロム付着量換算で150〜1000mg/m2 の厚み、
エポキシプライマー層は30〜200μmの厚み、変性
ポリオレフィン層は80〜400μmの厚み、無色ポリ
エチレン層は1〜5mmの厚みで着色ポリエチレン層は
0.3〜3mmの厚みであると良好な結果が得られる。
【0015】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0016】
【実施例】
実施例1 鋼管(SGP100A×5500mm長さ×5.8mm
厚み)の外面をグリットブラスト処理して除錆し、クロ
メート処理剤(水溶液中の全クロムに対する3価クロム
の重量比が0.4、シリカの重量比が2.0、リン酸の
重量比が1.0)を刷毛で塗布し乾燥した。クロメート
被膜の全クロム付着量は500mg/m2 であった。ク
ロメート処理した鋼管の外面に、エポキシプライマー
(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル100重量
部、微粒子シリカ3重量部と油化シェルエポキシ社製の
脂環族アミン系硬化剤B002Wを50重量部混合した
混合物)をスプレー塗装し、鋼管を高周波誘導加熱で表
面温度が200℃になるように加熱し硬化させた。エポ
キシプライマー被膜は50μmの厚みであった。その表
面に変性ポリエチレン(エチレンの単独重合体を無水マ
レイン酸で変性した変性ポリエチレンで、変性ポリエチ
レン1gに対する無水マレイン酸の付加量が1×10-6
モル)と無色ポリエチレンを二層一体でTダイから押出
被覆した。変性ポリエチレンの厚みは200μmで、無
色ポリエチレンの厚みは2.0mmであった。次いで、
その表面に別のTダイから着色ポリエチレンを押出被覆
して冷却し、ポリエチレン被覆鋼管を製造した。着色ポ
リエチレンの厚みは0.5mmであった。該無色ポリエ
チレンと着色ポリエチレンは種類として第2表のA〜D
を用い、密度とメルトインデックスの異なるものを比較
した。無色ポリエチレンと着色ポリエチレンの構成成分
を第2表に示した。これらの被覆鋼管の被覆を周方向に
短冊状(幅10mm、長さ100mm)に切り取り、2
0℃に保定して長さ(周方向)の収縮量を測定して残留
歪みとした。また、これらの被覆鋼管をASTM G1
4の規定に従って衝撃試験し、被覆の割れ発生の有無を
観察した。衝撃試験は−60℃で行った。試験の結果を
第3表に示す。第3表から、下地処理を施した鋼材の表
面に、変性ポリエチレン層を介して、密度が0.920
〜0.955の範囲でかつメルトインデックスが0.1
0〜0.80の範囲である無色ポリエチレン層の上に、
密度が0.930〜0.940の範囲でかつメルトイン
デックスが0.10〜0.40の範囲でかつ顔料を0.
1〜7重量%の範囲で含有する着色ポリエチレン層を積
層する場合だけ、被覆の残留歪みが小さくなり、かつ−
60℃の衝撃で被覆に割れが発生しない。
【0017】実施例2 鋼管(SGP100A×5500mm長さ×5.8mm
厚み)の外面をグリットブラスト処理して除錆し、クロ
メート処理剤(水溶液中の全クロムに対する3価クロム
の重量比が0.4、シリカの重量比が2.0)を刷毛で
塗布し乾燥した。クロメート被膜の全クロム付着量は5
00mg/m2 であった。クロメート処理した鋼管の外
面をガスバーナー炉で表面温度が200℃になるように
加熱、エポキシプライマー(ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテル100重量部、微粒子シリカ3重量部と
油化シェルエポキシ社製の脂環族アミン系硬化剤B00
2Wを50重量部混合した混合物)をスプレー塗装して
加熱し硬化させた。エポキシプライマー被膜は50μm
の厚みであった。その表面に変性ポリエチレン(エチレ
ンの単独重合体を無水マレイン酸で変性した変性ポリエ
チレンで、変性ポリエチレン1gに対する無水マレイン
酸の付加量が1×10-4モル)と無色ポリエチレンと着
色ポリエチレンを三層丸ダイから押出被覆し、冷却しポ
リエチレン被覆鋼管を製造した。変性ポリエチレンの厚
みは200μmで、無色ポリエチレン厚みは1.5mm
で、着色ポリエチレンの厚みは1mmであった。該無色
ポリエチレンと着色ポリエチレンは種類として第1表の
A〜Dを用い、密度とメルトインデックスの異なるもの
を比較した。無色ポリエチレンと着色ポリエチレンの構
成成分を第4表に示した。これらの被覆鋼管の被覆を周
方向に短冊状(幅10mm、長さ100mm)に切り取
り、20℃に保定して長さ(周方向)の収縮量を測定し
て残留歪みとした。また、これらの被覆鋼管を短冊状
(50mm角)に切り出し、DIN 30570の規定
に従って押込深さを測定した。押込深さの測定は80℃
で行った。試験の結果を第5表に示す。第5表から、下
地処理を施した鋼材の表面に、変性ポリエチレン層を介
して、密度が0.920〜0.955の範囲でかつメル
トインデックスが0.10〜0.80の範囲である無色
ポリエチレン層の上に、密度が0.941〜0.950
の範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.40
の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で含有する
着色ポリエチレン層を積層する場合だけ、被覆の残留歪
みが小さくなり、かつ80℃の押込深さが小さくなる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【表8】
【0026】
【表9】
【0027】
【表10】
【0028】
【表11】
【0029】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
ポリエチレン被覆鋼材はパイプラインや港湾の建設工事
に用いると、被覆の残留歪みが小さくかつ−60℃の極
低温で優れた耐衝撃性を発現し、高温操業のパイプライ
ンの防食に用いると被覆の残留歪みが小さくかつ80℃
の耐疵性も優れるため、従来にない優れた防食性を発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエチレン被覆鋼材の一部断面を示
す図。
【図2】本発明のポリエチレン被覆鋼材の一部断面を示
す図。
【符号の説明】 1…基材、鋼矢板などの鋼材 2…クロメート被
膜 3…プライマー被膜 4…変性ポリエチ
レン層 5…密度が0.920〜0.955の範囲でかつメルト
インデックスが0.10〜0.80の範囲である無色ポ
リエチレン層 6…密度が0.930〜0.945の範囲でかつメルト
インデックスが0.10〜0.40の範囲でかつ顔料を
0.1〜7重量%の範囲で含有する着色ポリエチレン層 7…密度が0.941〜0.950の範囲でかつメルト
インデックスが0.10〜0.40の範囲でかつ顔料を
0.1〜7重量%の範囲で含有する着色ポリエチレン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉崎信樹 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 三村博幸 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地処理を施した鋼材の表面に、変性ポ
    リエチレン層を介して、密度が0.920〜0.955
    の範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.80
    の範囲である無色ポリエチレン層と密度が0.930〜
    0.940の範囲でメルトインデックスが0.10〜
    0.40の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で
    含有する着色ポリエチレン層を順次積層被覆したことを
    特徴とする極低温での耐衝撃性が優れかつ被覆の残留歪
    みが小さいポリエチレン被覆鋼材。
  2. 【請求項2】 下地処理を施した鋼材の表面に、変性ポ
    リエチレン層を介して、密度が0.920〜0.955
    の範囲でかつメルトインデックスが0.10〜0.80
    の範囲である無色ポリエチレン層と密度が0.941〜
    0.950の範囲でメルトインデックスが0.10〜
    0.40の範囲でかつ顔料を0.1〜7重量%の範囲で
    含有する着色ポリエチレン層を順次積層したことを特徴
    とする高温の耐疵性が優れかつ被覆の残留歪みが小さい
    ポリエチレン被覆鋼材。
JP8306494A 1994-04-21 1994-04-21 ポリエチレン被覆鋼材 Withdrawn JPH07290641A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010511536A (ja) * 2006-12-08 2010-04-15 ヴィーラント ウェルケ アクチーエン ゲゼルシャフト プラスチック被覆部を固着させた金属製導管の製造方法
JP2016032874A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 Jfeスチール株式会社 ポリエチレン被覆鋼管及びその製造方法

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JP2016032874A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 Jfeスチール株式会社 ポリエチレン被覆鋼管及びその製造方法

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