JPH0592514A - 着色ポリオレフイン被覆鋼矢板 - Google Patents

着色ポリオレフイン被覆鋼矢板

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JPH0592514A
JPH0592514A JP28184491A JP28184491A JPH0592514A JP H0592514 A JPH0592514 A JP H0592514A JP 28184491 A JP28184491 A JP 28184491A JP 28184491 A JP28184491 A JP 28184491A JP H0592514 A JPH0592514 A JP H0592514A
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steel sheet
colored
sheet pile
polyolefin
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JP28184491A
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English (en)
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Nobuki Yoshizaki
信樹 吉崎
Yoshihiro Miyajima
義洋 宮嶋
Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Hirotada Kato
弘忠 加藤
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の色彩を有して美観に優れ、かつ光によ
る着色ポリオレフィン被覆表面の亀裂発生を防止し、防
食性に優れている着色ポリオレフィン被覆鋼矢板を提供
する。 【構成】 下地処理を施した鋼矢板1の山面又は谷面
に、ヒンダードアミン系紫外線安定剤,ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤,ヒンダードフェノール系酸化防止
剤,着色顔料の4成分を含有する変性ポリオレフィン接
着剤層4を介して、前記4成分を含有する電子線架橋着
色ポリオレフィン層5を順次積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海洋,河川,港湾などで
用いられる鋼構造物に使用するポリオレフィン被覆鋼矢
板に関し、更に詳しくはポリオレフィン被覆が各種色彩
を有して美観に優れ、かつ光による該被覆表面の亀裂発
生を防止し、防食性に優れたポリオレフィン被覆鋼矢板
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のポリオレフィン被覆鋼矢板には、
防食性に優れた黒色の架橋ポリエチレンなどのポリオレ
フィンシートを用いている。しかしながら、最近の都市
景観あるいは河川,港湾の鋼構造物の美観に対する市場
ニーズの高まりから、各種の色彩に着色されて環境に調
和し、かつ防食性に優れたポリオレフィン被覆鋼矢板の
開発が望まれている。かかるニーズに対しては、各種着
色顔料を添加した架橋着色ポリオレフィンを鋼矢板に被
覆する方法が適用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の架橋着色ポリオレフィンを被覆した鋼矢板で
は、紫外線が長期間当たると着色ポリオレフィン被覆の
表面から亀裂が発生し防食性が損なわれる。例えば、耐
候性促進試験の一つであるサンシャインウエザオメータ
による紫外線劣化促進試験では、8000時間程度の試
験で被覆の表面から亀裂が発生し、該亀裂が次第に内部
に進行するため、防食性が損なわれる。このように従来
技術を以ってしては、美観と防食性がともに優れた架橋
着色ポリオレフィン被覆鋼矢板を得ることが難しく、防
食性を損なう原因となっている紫外線による架橋着色ポ
リオレフィン被覆の亀裂発生防食性が必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、下地処理を施した鋼
矢板の山面または谷面に、特定のヒンダードアミン系紫
外線安定剤、特定のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と着色顔
料の4成分を必須成分とする変性ポリオレフィン接着剤
層を介して、特定のヒンダードアミン系紫外線安定剤、
特定のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定のヒン
ダードフェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成分を必
須成分とする電子線架橋着色ポリオレフィン層を積層す
ることによって、上述の問題点を解決できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、例えば図1に示す如
く、ブラスト処理した鋼矢板1の山面にクロメート被膜
2とエポキシプライマー層3を順次積層して下地処理を
施し、その表面に、特定のヒンダードアミン系紫外線安
定剤、特定のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定
のヒンダードフェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成
分を必須成分として含有する変性ポリオレフィン接着剤
層4を介して、特定のヒンダードアミン系紫外線安定
剤、特定のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定の
ヒンダードフェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成分
を必須成分とする電子線架橋着色ポリオレフィン層5を
積層したことを特徴とする着色ポリオレフィン被覆鋼矢
板、および図2に示す如く、ブラスト処理した鋼矢板1
の谷面にクロメート被膜2とエポキシプライマー層3を
順次積層して下地処理を施し、その表面に、特定のヒン
ダードアミン系紫外線安定剤、特定のベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、特定のヒンダードフェノール系酸化
防止剤と着色顔料の4成分を必須成分として含有する変
性ポリオレフィン接着剤層4を介して、特定のヒンダー
ドアミン系紫外線安定剤、特定のベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、特定のヒンダードフェノール系酸化防止
剤と着色顔料の4成分を必須成分とする電子線架橋着色
ポリオレフィン層5を積層したことを特徴とする着色ポ
リオレフィン被覆鋼矢板である。
【0006】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明に用いる鋼矢板とは炭素鋼,ステンレス鋼などの合金
鋼でできた鋼矢板である。また、鋼矢板の耐食性を向上
させる目的で、鋼矢板の山面、谷面に亜鉛,アルミニウ
ム,クロムなどのめっき、亜鉛−鉄,亜鉛−アルミニウ
ム,亜鉛−ニッケルなどの合金めっき、該めっきや合金
めっきにシリカ,酸化チタンなどの無機微粒子を分散し
た分散めっきを施したものも用いることができる。
【0007】本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼矢板を
製造する場合、鋼矢板の下地処理としては、鋼矢板の山
面または谷面をグリットブラスト,サンドブラストなど
でブラスト処理して除錆したのち、クロメート処理とエ
ポキシプライマーを塗布し硬化させて下地処理を施し、
次いでポリオレフィンを無水マレイン酸などで変性した
本発明の前記変性ポリオレフィン接着剤層4を被覆した
後、本発明の前記電子線架橋着色ポリオレフィン層5を
積層被覆するが、本発明の骨子からして、その被覆鋼矢
板の山面または谷面に、本発明の変性ポリオレフィン接
着剤層4と電子線架橋着色ポリオレフィン層5とが強固
に積層被覆されていればよく、下地処理に従来公知のク
ロメート処理剤、エポキシプライマー,りん酸塩処理
剤,シランカップリング処理の単独、あるいはこれらの
下地処理の組合せも用いることができる。
【0008】本発明の変性ポリオレフィン接着剤層4と
電子線架橋着色ポリオレフィン層5の形成に用いるポリ
オレフィンとしては、ポリエチレン,ポリプロピレン,
あるいはプロピレン,1−ブテン,4−メチル−1−ペ
ンテン,1−ヘキセン,1−オクテンなどのα−オレフ
ィンとエチレンの共重合体を用いる。変性ポリオレフィ
ン接着剤としては、ポリオレフィンを無水マレイン酸な
どの酸無水物で変性した変性ポリオレフィン,ポリオレ
フィンにエチレン−プロピレンラバーなどのエラストマ
ーを添加したものを酸無水物で変性した変性ポリオレフ
ィン、あるいはこれらの変性ポリオレフィンをポリオレ
フィンで希釈した接着剤を用いるが、これら以外のポリ
オレフィン系接着剤も使用できる。
【0009】紫外線による電子線架橋着色ポリオレフィ
ン層の亀裂発生と亀裂の内部への進行を防止するため
に、変性ポリオレフィン接着剤層と電子線架橋着色ポリ
オレフィン層の両層にヒンダードアミン系紫外線安定
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成分を必須成分と
して添加する。着色ポリオレフィン層に添加するヒンダ
ードアミン系紫外線安定剤としては、ポリ〔{6−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノー1,
3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメ
チレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)イミノ}〕(化1参照)を用いるか、
【化1】 またはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)セバケート(化2参照)を用いる。
【化2】 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(3
−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール(化3参照)を用いる
か、
【化3】 または2−{3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(化4参
照)を用いる。
【化4】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(化5参
照)を用いる。
【化5】
【0010】電子線架橋着色ポリオレフィン層の紫外線
による亀裂発生を防止するには、変性ポリオレフィン接
着剤層と電子線架橋着色ポリオレフィン層にヒンダード
アミン系紫外線安定剤を0.05〜2重量%、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤を0.05〜2重量%、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤を0.05〜2重量%各
々添加する必要がある。これらのヒンダードアミン系紫
外線安定剤,ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,ある
いはヒンダードフェノール系酸化防止剤のうち1成分を
欠く場合には、長期間の紫外線照射により電子線架橋着
色ポリオレフィン層に亀裂が発生する。また、これら以
外のヒンダードアミン系紫外線安定剤,ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤,あるいはヒンダードフェノール系
酸化防止剤を用いる場合にも、長期間の紫外線照射によ
り電子線架橋着色ポリオレフィン層に亀裂が発生する。
【0011】電子線架橋着色ポリオレフィン層5と変性
ポリオレフィン接着剤層4には、美観を付与するために
各種着色顔料を添加する必要がある。添加する着色顔料
は、一般に市販の酸化チタン,酸化鉄黒,チタンイエロ
ー,各種焼成顔料などの無機顔料,フタロシアニングリ
ーン,フタロシアニンブルー,キナクリドンレッド,ペ
リノソオレンジ,イソインドリノソイエローなどの有機
顔料を利用し、これらの顔料の1種または2種以上を混
合して調色する。
【0012】次に、本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼
矢板の製造法について説明する。鋼矢板の山面または谷
面をグリットブラスト処理しクロメート処理剤を塗布し
焼き付ける。次いで、その表面にエポキシプライマーを
塗布して加熱・硬化させ、直ちに本発明の前記変性ポリ
オレフィン接着剤を静電粉体塗装して溶融する。その表
面に、本発明の前記電子線架橋着色ポリオレフィンシー
トを被覆し水冷して本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼
矢板を製造する。前記クロメート処理剤の塗布方法は、
ロール塗布,はけ塗布,各種ブラシによるしごき塗布な
どの従来公知の方法を使用できる。また、エポキシプラ
イマーの塗布方法は、スプレー塗布,ゴムリングまたは
ゴムベラなどによるしごき塗布などの従来公知の方法を
使用できる。変性ポリオレフィン接着剤を予め電子線架
橋着色ポリオレフィン層とラミネートし、該ラミネート
シートを被覆する方法などを利用できる。
【0013】本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼矢板
は、図1に示す如く、ブラスト処理した鋼矢板1の山面
にクロメート被膜2とエポキシプライマー被膜3を順次
積層して下地処理を施し、その表面に特定のヒンダード
アミン系紫外線安定剤、特定のベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤
と着色顔料の4成分を必須成分として含有する変性ポリ
オレフィン接着剤層4を介して、特定のヒンダードアミ
ン系紫外線安定剤、特定のベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤と着
色顔料の4成分を必須成分として含有する電子線架橋着
色ポリオレフィン層5を積層したことを特徴とする着色
ポリオレフィン被覆鋼矢板、及び図2に示す如く、ブラ
スト処理した鋼矢板1の谷面にクロメート被膜2とエポ
キシプライマー被膜3を順次積層して下地処理を施し、
その表面に特定のヒンダードアミン系紫外線安定剤、特
定のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定のヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成分を必須
成分として含有する変性ポリオレフィン接着剤層4を介
して、特定のヒンダードアミン系紫外線安定剤、特定の
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定のヒンダード
フェノール系酸化防止剤と着色顔料の4成分を必須成分
として含有する電子線架橋着色ポリオレフィン層5を積
層したことを特徴とする着色ポリオレフィン被覆鋼矢板
である。前記クロメート被膜2は全クロム付着量換算で
200〜1500mg/m2 の付着量、エポキシプライマ
ー被膜3は10〜150μmの膜厚、変性ポリオレフィ
ン接着剤層4は100〜1000μmの膜厚、電子線架
橋着色ポリオレフィン層5は1〜8mmの膜厚を有してい
ると良好な結果が得られる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。鋼
矢板(FSPIII 型)の山面をグリットブラスト処理し
て除錆し、その山面にクロメート処理剤を全クロム付着
量が600mg/m2 になるように塗布し160℃に加熱
して焼付けた。該クロメート処理鋼矢板をテーブルロー
ラ上で移送搬送しながら、その表面にエポキシプライマ
ーを膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、高周
波誘導加熱で190℃に加熱して硬化させた。次いで、
その表面に変性ポリオレフィン接着剤層をその膜厚が4
00μmになるように静電粉体塗装し、その上に膜厚2
mmの電子線架橋着色ポリオレフィンシートを被覆し本発
明の着色ポリオレフィン被覆鋼矢板1〜22を製造し
た。
【0015】使用した変性ポリオレフィン接着剤、電子
線架橋着色ポリオレフィンの内容を表1ないし表8に示
す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】 また変性ポリオレフィンと電子線架橋着色ポリオレフィ
ンに添加したヒンダードアミン系紫外線安定剤、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤およびヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を表9ないし表11に示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【0016】これらの本発明の着色ポリオレフィン被覆
鋼矢板を切断加工して、70mm巾×150mm長さ×3.
2mm厚みの切り板とし、カーボンアーク灯式のサンシャ
インウエザオメータ〔ブラックパネル温度:63℃,相
対湿度50%〕によりこれらの切り板に紫外線照射し、
表面からの亀裂発生の有無を調査した。該試験の試験時
間は10000時間であった。本発明のヒンダードアミ
ン系紫外線安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤および着色顔料
の4成分を必須成分として含有する変性ポリオレフィン
接着剤層と、前記4成分を含有する電子線架橋着色ポリ
オレフィン層を積層被覆した表1〜8に示す着色ポリオ
レフィン被覆鋼矢板1〜22は、何れも、サンシャイン
ウエザオメータによる10000時間の促進試験後も、
電子線架橋着色ポリオレフィン層の表面に亀裂が発生し
ないため、防食性が極めて優れている。
【0017】次に比較例について説明する。実施例と同
じ方法で、変性ポリオレフィン接着剤層または電子線架
橋着色ポリオレフィン層がヒンダードアミン系紫外線安
定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤のうち一つを欠く比較例の着色
ポリオレフィン被覆鋼矢板1〜6と、変性ポリオレフィ
ン接着剤層または電子線架橋着色ポリオレフィン層が、
本発明以外のヒンダードアミン系紫外線安定剤、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤を含む比較例の着色ポリオレフィン被覆鋼矢
板7〜24を各々製造した。比較例の着色ポリオレフィ
ン被覆鋼矢板1〜24における変性ポリオレフィン接着
剤層および電子線架橋着色ポリオレフィン層の組成を表
12ないし表19に示す。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0018】比較例における変性ポリオレフィンおよび
電子線架橋着色ポリオレフィンに添加したヒンダードア
ミン系紫外線安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤を、前記表
9ないし表11に示す。これらの比較例の着色ポリオレ
フィン被覆鋼矢板1〜24を切断加工して70mm巾×1
50mm長さ×3.2厚みの切り板とし、カーボンアーク
灯式のサンシャインウエザオメータ〔ブラックパネル温
度:63℃,相対湿度50%〕によりこれらの切り板に
紫外線照射し、表面からの亀裂発生の有無を調査した。
該試験の試験時間は10000時間であった。この試験
結果によると、変性ポリオレフィン接着剤層と電子線架
橋着色ポリオレフィン層とが本発明の必須成分であるヒ
ンダードアミン系紫外線安定剤、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤またはヒンダードフェノール系酸化防止剤
のうち何れか一つを欠くか、本発明とは異なる種類のも
のを用いた場合は、サンシャインウエザオメータによる
10000時間の促進試験後に、電子線架橋着色ポリオ
レフィン被覆表面に亀裂が発生し、防食性が悪くなる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、以上の実施例からも明
らかなように、下地処理を施した鋼矢板の山面または谷
面に、特定のヒンダードアミン系紫外線安定剤、特定の
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特定のヒンダード
フェノール系酸化防止剤および着色顔料の4成分を必須
成分として含有する変性ポリオレフィン接着剤層と、前
記4成分を含有する電子線架橋着色ポリオレフィン層を
順次積層したので、本発明の着色ポリオレフィン被覆鋼
矢板は、紫外線による電子線架橋着色ポリオレフィン被
覆の亀裂の発生を防止すると共に、その亀裂の内部への
進行を防止することができ、そのため、従来にない優れ
た鋼矢板防食性を有し、かつ鋼矢板の美観が優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】山部に着色ポリオレフィン被覆を施した本発明
の鋼矢板を示す断面図である。
【図2】谷部に着色ポリオレフィン被覆を施した本発明
の鋼矢板を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブラスト処理を施した鋼矢板 2 クロメート被膜 3 エポキシプライマー被膜 4 ヒンダードアミン系紫外線安定剤,ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤,ヒンダードフェノール系酸化防止
剤および着色顔料の4成分を必須成分として含有する変
性ポリオレフィン接着剤層 5 ヒンダードアミン系紫外線安定剤,ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤,ヒンダードフェノール系酸化防止
剤および着色顔料の4成分を必須成分として含有する電
子線架橋着色ポリオレフィン層
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E02D 5/04 6654−2D // C08K 5/00 KFB 7167−4J C08L 23/00 (72)発明者 加藤 弘忠 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地処理を施した鋼矢板の山面または谷
    面に、下記の〜の4成分を必須成分として含有する
    変性ポリオレフィン接着剤層を介して、下記の〜の
    4成分を必須成分として含有する電子線架橋着色ポリオ
    レフィン層を順次積層したことを特徴とする着色ポリオ
    レフィン被覆鋼矢板。 ヒンダードアミン系紫外線安定剤 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 着色顔料
  2. 【請求項2】 ヒンダードアミン系紫外線安定剤が、ポ
    リ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イ
    ミノー1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
    {2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イ
    ミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチ
    ル−4−ピペリジル)イミノ}〕またはビス(2,2,
    6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートで
    あって、かつベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が、2
    −(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェ
    ニル)−5−クロロベンゾトリアゾールまたは2−
    {3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
    −5−クロロベンゾトリアゾールであって、かつヒンダ
    ードフェノール系酸化防止剤が、1,3,5−トリメチ
    ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
    −ヒドロキシベンジル)ベンゼンであることを特徴とす
    る請求項1の着色ポリオレフィン被覆鋼矢板。
  3. 【請求項3】 鋼矢板の下地処理として、ブラスト処理
    した鋼矢板の外面にクロメート被膜とエポキシプライマ
    ー層を順次積層したことを特徴とする請求項1の着色ポ
    リオレフィン被覆鋼矢板。
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