JP3011320B2 - 押出成形方法 - Google Patents

押出成形方法

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JP3011320B2
JP3011320B2 JP6265265A JP26526594A JP3011320B2 JP 3011320 B2 JP3011320 B2 JP 3011320B2 JP 6265265 A JP6265265 A JP 6265265A JP 26526594 A JP26526594 A JP 26526594A JP 3011320 B2 JP3011320 B2 JP 3011320B2
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浩義 大庭
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金など
の押出プレスによる押出成形に際して、コンテナ内から
ダイスを通ってビレットが押出される前にコンテナとビ
レット間の空気をコンテナの外に脱気し、ビレットを空
気を含むことなく、効果的に無駄なく押出すとともに、
押出成形時に、コンテナ内のビレットの後端部表皮およ
び表皮付着空気のビレット後端内部への巻込みがないよ
うにした押出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンテナ内径よりも少し小径のビレット
をコンテナ内に入れた後、コンテナ内でビレットを後方
のステムでダイスに押当て、いわゆるアプセットする
と、ビレットが押しつぶされコンテナとビレットの間の
空気が圧縮される。この圧縮された空気を放出するため
にステムとコンテナを僅かに後退させ、ダイスとコンテ
ナの隙間から上記の圧縮空気を抜いて、再度コンテナと
ステムを前進させて押出を開始する。このようにして圧
縮された空気を抜くガス抜き工程をバープサイクルと呼
んでいるが、この工程があることにより、押出サイクル
に無駄な時間が発生する。
【0003】また、この方法だと、バープサイクルで脱
気してコンテナをダイスに押付けた時、コンテナ内面と
ビレット外面の間に、皮1枚程度の薄い状態で空気が大
気圧で残っており、十分な脱気は行われていない。さら
に、コンテナライナ端面とダイス端面には、しばしばア
ルミニウムかすが付着する。均一な膜状に付着すればシ
ールした時に空気の侵入はないはずだが、一般的にはか
すが不均一に付着する。このため、せっかくコンテナ内
を脱気しても、ビレットのアプセットが完了するまでに
再び空気が侵入しバープサイクルを行ったとしても完全
でなく、ブリスタが発生していた。
【0004】すなわち、押出開始前にコンテナ内の脱気
を十分に行うために、例えば、特願平5−60621号
明細書や特願平5−190340号明細書に記載したよ
うに、コンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構
によってコンテナを一時停止させ、かつ、コンテナ前面
に取付けたダイリングシールの前部でダイスの外周面を
シールした状態で、ダイス端面とコンテナのダイス側端
面を接触させないようにしてできた隙間から、ダイリン
グシールの脱気穴を介して、コンテナ内にたまっている
空気を真空吸引することが考えられている。
【0005】しかし、これでも常に十分な効果は得られ
なかった。すなわち、このような場合の装置では、図1
0(a)に示すように、コンテナ1とダミイブロック2
の間には、例えば0.1〜0.3mm程度の隙間dがあ
るので、コンテナ1の前部に取付けたダイリングシール
3から真空吸引して、コンテナ1とビレット4の間の空
間Sにある空気を脱気しようとしても、コンテナ1の後
部とダミイブロック2の間の隙間dから外気が空間Sに
侵入してきて、脱気ができないし、または、到達真空度
が近くなる。なお、図中、5はダイス、6は押出ステム
である。
【0006】そこで、図10(b)に示すように、ビレ
ット4を幾分アプセットすることによって、ダミイブロ
ック2側から、例えば50〜100mmのように、ある
程度の寸法hの範囲で、ビレット4の後部外周面をコン
テナ1の内周面に密接させ、完全にシールした後、脱気
を開始させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この時、ビレ
ット4の後部の前記hの範囲は、大気の状態でアプセッ
トされることになり、同時に表面にあった空気は、ビレ
ット4の内部に巻込まれて、ダイス5から押出された押
出形材のブリスタになる。
【0008】一方、この状態の後のアプセット時に、比
較的熱いダミイブロックとビレットとの間で滑りが生
じ、その結果、ビレット4の後端部の表皮がビレット4
の内部へ巻込まれて行く。この巻込みは、図10(c)
に矢印で示すように生じ、アプセット時にビレット4の
後端部がコンテナ1の内面に接した時から始まり、空間
Sが完全になくなり、充填完了したアプセット完了ま
で、順次、続く。したがって、図10(b)のhで示す
シール部の範囲は、ビレット4の内部に入って行く。
【0009】そこで、本発明においては、これらの課題
の解決策として、実開平3−81214号および実開平
4−197514号のように、いずれもコンテナと押出
ステム間にフィックスダミイブロックの冷却装置を設け
て、フィックスダミイブロックの押出作用面に冷却媒体
を噴射あるいは当接するようにしているが、押出プレス
のアイドルタイム(約15〜25秒間)の間にフィック
スダミイブロックの押出作用面を約450℃から250
℃以下になるまで温度降下させることは難しいといった
問題があった。
【0010】また、フィックスダミイブロック自体を内
部冷却(内部冷却式フィックスダミイブロック)した方
が押出作用面の温度降下により降下が大きいのではない
かとの試みが一部なされているが、構造上、メタルタッ
チあるいはメタルシールでは押出ステム内部より連通し
た冷却媒体がダミイブロックを構成するコアブロックと
アウタリング間で洩れて運転や作業環境の悪化を招き、
特に押出時においては、洩れた冷却媒体がコンテナ内に
飛散、滴下するといった問題点があった。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、押出成形に際しコンテナとビレット間の空気をコン
テナの外に脱気するとともに、アプセット時に、ビレッ
ト後端部の外皮のビレット内への巻込みを防止して、ブ
リスタのない良品質の押出形材を得るようにした押出成
形方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明において
は、押出コンテナとビレットの間の空気を、ビレットの
押出を開始する前までに脱気する際、コンテナをダイス
に接触させる前に一時停止機構によってコンテナを一時
停止させるとともに、押出コンテナの押出ステム側の端
面ではシールブロックを押出ステムに対して閉じた状態
下で、ビレット押圧中のダミイブロックの内部冷却を行
いつつダイス端面とコンテナのダイス側端面を接触させ
ないようにしてできた隙間からコンテナ内および前押出
し時にシャー刃によって生じたディスカード凹部にたま
っている空気を脱気させて、アプセットの完了直前にコ
ンテナをダイスと接触開始させるようにした。
【0013】
【作用】コンテナ内のビレットをビレット後方のステム
で押込んで、ビレットをダイスに押当てると、ビレット
が押しつぶされてコンテナとビレットの間の空気が圧縮
される。この圧縮された空気はビレットがダイスから押
出される前にコンテナの両側から吸引脱気しなければな
らない。また、コンテナ内のビレットをビレット後方の
ステムで押込んで、ビレットの先端をダイスに押当てる
寸前にコンテナの両側から吸引脱気しなければならな
い。本発明ではビレットがステムで圧縮される前よりビ
レットのダイス側でコンテナ内の空気を強制的に真空吸
引するので、ビレットがステムで圧縮されてからこの圧
縮空気の吸引のための工程いわゆるガス抜き工程が省略
できる。
【0014】なお、コンテナのダイス側から空気を吸引
する際には、まず、ステム側のコンテナ端面に配設して
コンテナの軸線方向に開閉自在なシールブロックでシー
ルし、ついでコンテナ先端部に取付けたアウタリングに
係合されて軸方向に移動自在なシールリングとダイリン
グのコンテナ側端面間をシールしている状態で、ダイス
とコンテナ間の微小な間隔を通して空気を吸引するの
で、コンテナ内とビレット間の空気を完全に脱気でき、
ブリスタのない押出製品が得られる。
【0015】一方で、アプセットする時に、内部から冷
却しているダミイブロックを用いてアプセットする。し
たがって、ビレット後端部のコンテナ後端部内面および
ダミイブロックの前端面との間の滑りが少なくなる。し
たがって、アプセット時に、ビレット後端部表皮および
その部分の空気の巻込みが防止され、ブリスタの発生を
防止した良品質の押出形材が容易に得られる。
【0016】また、コアブロックとアウタリング間の前
方部をシール材でシールしたことによりアプセット時に
ダミイブロックからの冷却媒体の洩れを防止でき、コン
テナの寿命が高まる。
【0017】以下、本発明を図面に示す実施例に基づい
て詳細に説明する。
【0018】図1は本発明方法を実施するための一実施
例を示す縦断面図、図2は図1の押出ステム側の拡大断
面図、図3は図2のD−Dからみた正面図、図4は図1
のA−Aからみた正面図、図5はダイスとコンテナ間の
微小間隔を通して空気を吸引する吸引部の要部拡大断面
図、図6は図1のC−Cからみた正面図、図7はビレッ
トの先端をダイスに押当てた後コンテナとダイス間から
真空吸引する説明図、図8はビレットの先端をダイスに
押当てる直前にコンテナとダイス間から真空吸引する説
明図、図9はコンテナ内で加圧されるビレットのつぶれ
方を示す概念図、図10は従来の方法におけるアプセッ
ト時の作用状態を時系列に示した説明図である。
【0019】
【実施例】図1ないし図9に示した1実施例によって、
本発明を詳細に説明する。図1において、コンテナライ
ナ1aとコンテナタイヤ1bとからなるコンテナ1のダ
イス5側には、図4に示すような真空吸引装置30が設
けられている。そしてコンテナタイヤ1bのダイス5側
端面にコンテナ1と同芯状のアウタリング15がボルト
によって固設されている。また、前記アウタリング15
の内周面側に前後進可能、かつ離脱不可能に段状に係合
されたシールリング16が配設されている。
【0020】シールリング16の一部は中心方向に突設
した突部16aを有した構造となっており、コンテナ1
とダイス5に例えば2〜3mmの隙間を残してコンテナ
1を一時停止機構によって一時停止した時、ダイリング
5aのコンテナ1側端面に対して前記シールリング16
の突部16aが、ばね17(本実施例ではコンテナタイ
ヤ1bとシールリング16間に等間隔に8つのばね17
が弾装してある)によって押出方向に押圧当接され(面
シール)、クリアランスをゼロにするようになってい
る。符号Sはコンテナ1の内周面とビレット4の外周面
との間の隙間であり、脱気空間でもある。
【0021】シールリング16の上方には脱気穴18
(本実施例では2ヶ所)があり、そこから配管9や電磁
切替弁10を介して真空タンク11や真空ポンプ12に
連結されている。13はモータ、19はアウタリング1
5とシールリング16間から空気の侵入を防止する耐熱
シール材、20はアウタリング15とコンテナタイヤ1
b間から空気の侵入を防止するメタル中空リング、21
はダイリング5aとの繰返し当接によってシールリング
16の突部16aの直接摩耗と空気侵入を防止する取替
可能なシールプレートである。また、4はビレット、6
は押出ステム、2は押出ステム6の先端部に取付けられ
ていて、コンテナ1内面とほぼ密接し、かつ、ビレット
4の後端面を押すフィックス型のダミイブロックであ
る。
【0022】コンテナ1は、エンドプラテン23に取付
けたコンテナシリンダ24のピストンロッド25に取付
けられている。28はピストン、29はシリンダ本体を
構成するシリンダチューブである。コンテナシリンダ2
4のピストンヘッド側のB部は、移動ストッパブロック
26とストッパを兼ねるヘッドブロック27などからな
り、移動ストッパブロック26が移動する範囲の最大距
離でピストン28は急速に一時停止できるようになって
いる。そして、ピストン28が後端限直前で一時停止し
た時は、コンテナ1がダイス5に当たる直前で停止する
ようになっている。37は後部のプラグである。
【0023】なお、ピストン28のヘッド側である後側
の軸芯部には、油通過用の連通孔を軸方向に千鳥状に複
数個配した中空ロッド31をねじなどによって一体に取
付け、ピストン28の後退時に、中空ロッド31は移動
ストッパブロック26の前端側の穴の中に入るようにな
っている。
【0024】押出ステム6側の構造は図2に示すように
なっている。図2において、1はコンテナ、6は管状の
押出ステム、2は押出ステム6の前面に固定して設け、
かつ、コンテナ1内に摺動可能に設けたフィックス型の
ダミイブロックである。押出ステム6の後端部は、図1
に示すように、ステムホルダ53とプレッシャリング5
4を介してメインクロスヘッド55に固定されている。
【0025】押出ステム6の前面には、管状のダミイボ
ス56が後端面を押付けられて取付けてあり、ダミイボ
ス56内の後半分には、外径断面が円状のコネクション
ロッド57の先端部がねじ取付けにより取付けられてい
る。コネクションロッド57の後端部は、図1に示すよ
うに大径部57aになっていて、押出ステム6の後端部
の穴の中にテーパ面で係合され、固定されている。コネ
クションロッド57内には、軸線方向に、2個の平行な
穴57b、57cが貫通して設けられており、各穴57
b、57c内には、給水管58、排水管59が設けられ
ている。給水管58と排水管59の先端部は、しまりば
めにより穴57b、57c内に堅固に取付けられてお
り、後端部はプレッシャリング54内まで伸びている。
【0026】給水管58の端部は、プレッシャリング5
4内のパイプによる通路60、開閉弁61を介して、冷
却媒体供給装置62に連結されている。排水管59の端
部はプレッシャリング54内のパイプによる通路63を
介して排水口64に連結されている。押出ステム6の内
周面とコネクションロッド57の外周面との間には、コ
ネクションロッド57の芯をフレキシブルな状態に保持
しておくために、わずかな隙間を設けている。また、穴
57b、57cの内周面と給水管58、排水管59の外
周面との間には、コネクションロッド57が直接冷却さ
れないように、わずかな隙間が設けられている。
【0027】この場合、コネクションロッド57の中
に、隙間を設けて給水管58と排水管59を通している
ので、コネクションロッド57は直接冷却されず、した
がって、押出ステム6とコネクションロッド57の温度
差が少なく、ダミイブロック2の芯のフレキシビリティ
が損なわれない。なお、コネクションロッド57内の穴
57bは貫通して設けられているが、穴57cの前端部
はプラグ65によって封鎖され、外周方向への開口部6
6に連通している。67は押出ステム6とダミイボス5
6間の耐熱型のパッキン、68は穴57b、57cと給
水管58、排水管59間の耐熱型のパッキンである。
【0028】ダミイボス56内の前半部内には、管状の
コネクションボルト69が配されており、コネクション
ボルト69の前側には、コアブロック70がねじ取付け
により固定されている。また、ダミイボス56の前側に
は、リング状のアウタリング71がねじ取付けにより固
定されている。コアブロック70の外周面は、アウタリ
ング71の内周面と接しているが、コアブロック70の
後端面とダミイボス56の前端面との間には、隙間が設
けられており、押出時にコアブロック70が少し後方に
押されてもコアブロック70の後端面がダミイボス56
の前端面に当たらないようにしてある。
【0029】コアブロック70、アウタリング71、ダ
ミイボス56などは、一体でダミイブロック2を構成し
ている。したがって、アウタリング71の前端側外周面
は、コンテナ1の外周面とほぼ接する大きさになってい
る。また、コアブロック70の前端外周部は前側に広が
ったテーパ面部70aになっていて、アウタリング71
の前端内周部のテーパ面部に密着し得るようになってい
る。
【0030】コネクションボルト69の軸芯穴は、冷却
水用の通路72となっており、コアブロック70の外周
面部の後側の半分以上の部分、すなわち、アウタリング
71とコアブロック70の内外径のはめ合い部には、冷
却用のリング状のプール溝73が設けられており、通路
72の先端部はコアブロック70の外表面85近傍まで
延設されている。
【0031】図3に示すように、この通路72の先端部
からアウタリング71まで外径方向に放射状に伸びる複
数個の放射状冷却孔74(本実施例では8本)が配設さ
れている。
【0032】また、プール溝73の後部は、コアブロッ
ク70とダミイボス56内に設けられている通路75に
よって、この通路75の一端部はコネクションロッド5
7の開口部66に連結され、他端部は前記放射状冷却孔
74に連結されている。そして通路75は途中プール溝
73の前部と後部とにそれぞれ連結され、往復路の冷却
水が必ずプール溝73を経由するように図2に示すよう
な個所にプラグ79、80、81、82が取付けられて
いる。76はプラグ、77、78は耐熱型Oリングなど
のパッキンである。
【0033】次に、押出ステム6側からコンテナ1内に
侵入する空気を阻止する遮閉装置60は、図7に示す如
く押出ステム6側のコンテナ1の端面に配設されてい
る。コンテナ1の押出ステム6側の端面において、2つ
割のシールブロック40をコンテナ1の軸線方向と直角
な方向に開閉自在に設け、シールブロック40を閉じた
時、シールブロック40の内周面に設けたシールパッキ
ン41を介して押出ステム6の外周面に密接させうるよ
うにしてある。
【0034】42はガイドプレートであり、シールブロ
ック40の両ブロックはそれぞれシリンダ43で開閉で
きるようにした。41、44はシールパッキンである。
47は断熱材でありコンテナ1を加熱した熱の一部が熱
伝導によって遮閉装置60に伝わらないようになってお
り、前述したガイドプレート42は断熱材47の上面に
配設したカバープレート48を介して配設されている。
【0035】次に、前記押出成形装置の作用について説
明する。
【0036】まず、ビレット4の押出成形前は電磁切替
弁10が消磁状態にあり、真空ポンプ12を駆動し真空
タンク11内を例えば0〜10Torrの真空状態にし
ておく。
【0037】次に、コンテナシリンダ24のロッド側に
圧油を供給し、ピストン28を左方向に移動させ、ダイ
ス5から離れているコンテナ1を前進させる。この時、
ピストン28に付いている中空ロッド31の先端部がス
トッパブロック26の先端部まで移動している間は、ピ
ストン28の後退速度は比較的に高速である。やがて、
中空ロッド31がストッパブロック26の穴内に入り始
め、ピストン28は減速する。
【0038】この状態で、ピストン28は後退を続け、
ピストン28の先端面部がストッパブロック26の先端
部に当たる。この時、ピストン28は、ストッパブロッ
ク26の作用により、途中位置での停止を完了する。そ
して、ストッパブロック26の作用で、ストローク途中
の停止位置の精度が十分に確保される。この時、シール
リング16の突部16aがダイリング5aに当接すると
ともに、コンテナ1とダイス5との間の隙間7は、例え
ば、2〜3mmになっている。この時の状態を図1に示
す。
【0039】この動作が終了すると次いでビレット4を
載置したままビレットローダ(図示なし)が上昇し、押
出ステム6を前進させるとビレット4がコンテナ1内に
押込まれる。この時、コンテナ1とビレット4の脱気空
間Sには空気がある。
【0040】真空タンク11内はすでに真空ポンプ12
により例えば0〜10Torrの真空状態にある。ま
ず、押出ステム6の前進に伴いビレット4がコンテナ1
内に押込まれるが、この押込み時に押出ステム6の先端
拡径部83がシールブロック40を通過するとともにコ
ンテナ1の押出ステム6側に配設された遮閉装置60の
シリンダ43を作動させて2つ割のシールブロック40
を閉じて押出ステム14とコンテナ1との間を密封する
(図6)。
【0041】この状態で電磁切替弁9を励磁するとコン
テナ1内の残存エアは真空タンク11により真空吸引が
開始される。そして、さらに押出ステム6を前進し、ビ
レット4の先端部がダイス5に当たる直前で押出ステム
6の前進を一旦停止しコンテナ1内の真空度が目標の値
まで到達したら再度サイドシリンダによって押出ステム
6を前進し、サイドシリンダ内の圧油が所定圧力になっ
た時メインシリンダ(図示なし)に切替えてアプセット
を完了することになる。
【0042】ここで押出ステム6が前進してアプセット
を開始する場合について述べる。ただし、アプセットを
開始する前に、冷却媒体供給装置62を作用させ、放射
状冷却孔74やプール溝73内に冷却水などの冷却媒体
を導入して、ダミイブロック2を内部から冷却してお
く。この時、冷却水は、押出ステム6の後方から入り、
押出ステム6の中のコネクションロッド57の中の給水
管58内を通り、通路72、放射状冷却孔74、通路7
5を通ってプール溝73の中に入り、通路75、排水管
59内を通って押出ステム6の後方から排出される。
【0043】なお、本発明においては、放射状冷却孔7
4をコアブロック70の外表面85近傍に中心部から外
方に放射状に設けているので、冷却水の通水によってア
プセット時のダミイブロック2の外表面85の温度を2
00〜230℃まで冷却できる。さらに、コアブロック
70の外周部にプール式の冷却溝を設けているので、通
路容積を比較的に大きくとることができ、その結果、コ
ンテナ1内部の熱がアウタリング71の外周面へ伝熱さ
れることが抑えられ、コアブロック70内部の冷却が促
進される。したがって、コアブロック70の温度が低く
なり強度面からも有利に作用する。ただし、本実施例で
はアイドルタイムは15秒であった。
【0044】なお、放射状冷却孔74も前記プール溝7
3と同様に冷却水が蒸気化しにくく、かつ、構造がシン
プルである。
【0045】したがって、このような状態でアプセット
を開始する時、ダミイブロック2と接触しているビレッ
ト4の後端部は冷却される。アプセットを開始すると同
時に、真空ポンプ12などの真空吸引装置30を作用さ
せ、コンテナ1とダイス5の間の隙間7を通してコンテ
ナ1内の空気を吸引し、コンテナ1内を十分に真空状態
にする。
【0046】上記アプセットを行う時は、ビレット4の
後端部は冷却されていて流動性がかなり悪くなっている
ので、ダミイブロック2の前端面との間の摩擦度合が大
きくなり、ビレット4の後端部の外表皮の付着、不純物
や空気などの内部への巻込みが防止される。このよう
に、ダミイブロック2の冷却によるビレット4の後端部
表皮と空気の内部への巻込防止と、それより前方ダイス
5側のビレット4の表面の脱気により、ブリスタの原因
となる空気を十分に取除くことができる。
【0047】特に、本実施例では種々実験を行いダミイ
ブロック2の前端面が250℃以下になればビレット4
の後端部側の流動性が悪くなりビレット4の後端部の外
表皮の内部への巻込みが防止され製品押出形材中のブリ
スタの発生を防止できる。
【0048】アプセット中は、押出ステム6は休むこと
なく前進を続け、ビレット4は押しつぶされ、ビレット
4のダイス5側端面が変形し始めると、コンテナ1をダ
イス5側に前進させ、コンテナ1とダイス5の隙間7は
ゼロになる。この隙間7の減少は、移動ストッパブロッ
ク26の後退移動によって行われる。
【0049】なお、隙間7が減少していく過程でも、ダ
イリングシール3の脱気穴8からは真空引きされてお
り、ビレット4が完全にコンテナ1内面にアプセットさ
れる直前には脱気空間でもある隙間S部は例えば0〜3
0Torrまでに真空引きされている。ビレット4がダ
イス5から押出され始めたら、電磁切替弁10を閉じて
ダイス5側からの真空引きを停止する。ただし、そのま
ま真空引きを続けておいてもよい。
【0050】ここで、押しつぶされる状態を図9に示
す。これらの図で、コンテナ1とビレット14の間の脱
気空間Sは押出ステム6でダイス方向にビレット4がS
1 からS3 まで順次加圧されていけば、この脱気空間S
はダイス側に押しせばめられるのが図9より分かる。
【0051】吸引脱気し始めてからも、押出ステム6は
休むことなく前進を続け、ビレット4をつぶす。そして
コンテナ1内にビレット4を充満させ、アプセットを完
了する。次に引続いて押出しに入り、ダイス5から製品
が押出される。なお、本実施例ではコンテナ1を一時停
止させるのに一時停止機構をコンテナシリンダ24内に
設けたが、これに限定されず他の方法によってコンテナ
1を一時停止するようにしてもよい。
【0052】さらに、本実施例では本発明の構造のフィ
ックス型のダミイブロック2を用いた場合でも、別に冷
却装置を設けてダミイブロック2の外表面85(押出作
用面)に冷却水を噴射するとさらに効果があり、アイド
ルタイム内で約3秒間噴射冷却した場合、160〜18
0℃まで温度を下げることが可能である。
【0053】また、本実施例では本発明の構造のフィッ
クス型のダミイブロック2を用いた場合でも、ビレット
4をビレットローダ(図示なし)上に載置してコンテナ
1と押出ステム6間に位置させた状態で、冷却装置を用
いて冷却水をスプレしビレット4の後端部に約3〜5秒
間吹付けると、ビレット4の後端部は押出直前に約25
0〜300℃まで温度降下する。
【0054】この後、押出ステム6を前進させてビレッ
ト4をコンテナ1内に装填すると、本発明の押出ステム
6内に設けた冷却装置による外表面85の冷却との相乗
効果により、ビレット4の後端部はより冷却されて、ビ
レット4の後端部の流動性を抑制することができるため
ビレット4の後端部の外表皮の内部への巻込みが防止で
きる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明においては、押出コンテナとビレットの間の
空気を、ビレットの押出を開始する前までに脱気する
際、コンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構に
よってコンテナを一時停止させるとともに、押出コンテ
ナの押出ステム側の端面ではシールブロックを、内部冷
却を行いつつビレット押圧中の押出ステムに対して閉じ
た状態下で、ダイス端面とコンテナのダイス側端面を接
触させないようにしてできた隙間からコンテナ内および
前押出し時にシャー刃によって生じたディスカード凹部
にたまっている空気を脱気させて、アプセットの完了直
前にコンテナをダイスと接触開始させるようにしたこと
により、コンテナと押出ステム間およびコンテナとダイ
スとの間をシールしてコンテナ内の空気を確実容易に脱
気することができる。したがって、空気のまき込みのな
い押出製品を容易に得ることができる。また、所定の真
空度に到達してコンテナシールした後も、ダイス側から
の脱気行為は押出開始直後まで続けているので、空気が
再びシール面から逆流して入りこむ恐れはない。
【0056】さらに、ビレットに当接しているダミイブ
ロックを、外表面(押出作用面)に近くかつ冷却能の大
きい放射状冷却孔で冷却した状態でアプセットすること
ができる。すなわち、複数個の放射状冷却孔は比較的大
きな容積を有し、冷却水が蒸気化しにくく、有効な冷却
が得られる。その結果、アプセット時に、ビレット後端
部を適度に冷却してダミイブロックに対する滑りをなく
すようにすることができ、ビレットの後端部表皮と表皮
に付着している空気の後端内部への巻込みを防止するこ
とができ、押出形材にブリスタが生じないようにするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一実施例を
示す縦断面図である。
【図2】図1の押出ステム側の拡大断面図である。
【図3】図2のD〜Dからみた正面図である。
【図4】図1のA〜Aからみた正面図である。
【図5】ダイスとコンテナ間の微小間隔を通して空気を
吸引する吸引部の要部拡大断面図である。
【図6】図1のC〜Cからみた正面図である。
【図7】ビレットの先端をダイスに押当てた後コンテナ
とダイス間から真空吸引する説明図である。
【図8】ビレットの先端をダイスに押当てる直前にコン
テナとダイス間から真空吸引する説明図である。
【図9】コンテナ内で加圧されるビレットのつぶれ方を
示す概略図である。
【図10】従来の方法におけるアプセット時の作用状態
を時系列に示した説明図である。
【符号の説明】
1 コンテナ 2 ダミイブロック 3 ダイリングシール 4 ビレット 5 ダイス 6 押出ステム 7 隙間 8 脱気穴 12 真空ポンプ 15 アウタリング 16 シールリング 16a 突部 17 ばね 18 脱気穴 23 エンドプラテン 24 コンテナシリンダ 25 ピストンロッド 26 ストッパブロック 27 ヘッドブロック 28 ピストン 30 真空吸引装置 31 中空ロッド 56 ダミイボス 57 コネクションロッド 58 給水管 59 排水管 60 遮閉装置 62 冷却媒体供給装置 69 コネクションボルト 70 コアブロック 71 アウタリング 72、75 通路 73 プール溝 74 放射状冷却孔 83 先端拡径部 85 外表面(押出作用面) S 脱気空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−75823(JP,A) 実開 平5−5214(JP,U) 特公 昭54−31986(JP,B2) 特公 昭55−13811(JP,B2) 実公 昭55−19605(JP,Y2) 実公 昭55−38569(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 27/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出コンテナとビレットの間の空気を、
    ビレットの押出を開始する前までに脱気する際、コンテ
    ナをダイスに接触させる前に一時停止機構によってコン
    テナを一時停止させるとともに、押出コンテナの押出ス
    テム側の端面ではシールブロックを押出ステムに対して
    閉じた状態下で、ビレット押圧中のダミイブロックの内
    部冷却を行いつつダイス端面とコンテナのダイス側端面
    を接触させないようにしてできた隙間からコンテナ内お
    よび前押出し時にシャー刃によって生じたディスカード
    凹部にたまっている空気を脱気させて、アプセットの完
    了直前にコンテナをダイスと接触開始させるようにした
    ことを特徴とする押出成形方法。
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