JP3011306B2 - 押出成形方法 - Google Patents

押出成形方法

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JP3011306B2
JP3011306B2 JP5190341A JP19034193A JP3011306B2 JP 3011306 B2 JP3011306 B2 JP 3011306B2 JP 5190341 A JP5190341 A JP 5190341A JP 19034193 A JP19034193 A JP 19034193A JP 3011306 B2 JP3011306 B2 JP 3011306B2
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container
billet
die
extrusion
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節夫 藤井
英樹 岩井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金等の
押出プレスによる押出成形に際して、コンテナ内からダ
イスを通ってビレットが押出される前にコンテナとビレ
ット間の空気をコンテナの外に放出し、ビレットを空気
を含むことなく、効果的に無駄なく押出すための改善さ
れた押出コンテナ内の脱気方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンテナ内径よりも少し小径のビレット
をコンテナ内に入れた後、コンテナ内でビレットを後方
のステムでダイスに押し当て、いわゆるアプセットする
と、ビレットが押しつぶされコンテナとビレットの間の
空気が圧縮される。この圧縮された空気を放出するため
にステムとコンテナを僅かに後退させ、ダイスとコンテ
ナの隙間から上記の圧縮空気を抜いて、再度コンテナと
ステムを前進させて押出を開始する。このようにして圧
縮された空気を抜くガス抜き工程をバープサイクルと呼
んでいるが、この工程が有ることにより、押出サイクル
に無駄な時間が発生する。
【0003】また、この方法だと、バープサイクルで脱
気してコンテナをダイスに押付けた時、コンテナ内面と
ビレット外面の間に、皮1枚程度の薄い状態で空気が大
気圧で残っており、充分な脱気は行われていない。さら
に、コンテナライナ端面とダイス端面には、しばしばア
ルミニウムかすが付着する。均一な膜状に付着すればシ
ールした時に空気の侵入は無いはずだが、一般的にはか
すが不均一に付着する。このため、せっかくコンテナ内
を脱気しても、ビレットのアプセットが完了するまでに
再び空気が侵入しバープサイクルを行ったとしても完全
でなく、ブリスタが発生していた。
【0004】そこで、最近では、例えば、特開平3−4
13号公報に記載されているように、ステム側から空気
を抜くために、ステムの先端に圧力パッドおよび中空押
出ステムが用いられ、ビレット押出中に空気を抜くこと
も考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た空気抜きではビレット加圧中にステム側の空気は抜け
てもコンテナ内とビレット間の大部分の空気のうち特に
ダイス側の空気は抜けにくい。
【0006】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、コンテナ内のビレットを押出す前にコンテナ内の
空気を全て放出する直前にコンテナシールを行うととも
に、ダイスからビレットを押出す前にバープサイクルと
呼んでいる前記ガス抜き工程の必要のない押出サイクル
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、押出コンテナとビレットの
間の空気を、ビレットの押出を開始する前までに脱気す
る際、コンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構
によってコンテナを一時停止させて、ダイス端面とコン
テナのダイス側端面を接触させないようにしてできた隙
間からコンテナ内のダイス側にたまっている空気を放出
させるとともに、アプセット完了直前にコンテナをダイ
スと接触開始させるようにする。
【0008】
【作用】コンテナ内のビレットをビレット後方のステム
で押込んで、ビレットをダイスに押し当てると、ビレッ
トが押しつぶされてコンテナとビレットの間の空気が圧
縮される。この圧縮された空気はビレットがダイスから
押出される前に外部に放出されなければならない。コン
テナのダイス側から空気を放出する際には、押出ステム
前進によるアプセットの過程でダイスとコンテナ間の微
小な間隔を通して空気を放出し、アプセット完了の直前
にコンテナとダイスを接触(コンテナシール)させる。
この微小な間隔はコンテナシリンダの一時停止によって
微小な間隔が保たれる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明に係る押出コンテナ内の
脱気方法を実施するための装置の一実施例を示す縦断面
図、図2はコンテナシリンダ内に設けられた一時停止機
構の動作説明図、図3はコンテナ内で加圧されるビレッ
トのつぶれ方を示す概念図、図4はアプセット開始から
完了までのビレットの押込み圧力と押出ステム速度曲線
を示す。
【0010】図1のエンドプラテン32に設置され、コ
ンテナタイヤ2とコンテナ1を摺動させるコンテナシリ
ンダ33のピストンヘッド側のA部は、図2に示すよう
に、要部は移動ストッパブロック34とストッパを兼ね
るヘッドブロック35等からなり、移動ストッパブロッ
ク34が移動する範囲の最大距離Sでピストン37は急
速一時停止できるようになっている。図2で、36はシ
リンダ本体の一部を構成するシリンダチューブ、35は
シリンダ本体の後部にあるヘッドブロック、37はピス
トン、38はピストンロッドである。ピストンロッド3
8の後部のピストン37のヘッド側である後側の軸心部
には、油通過用の連通孔39を軸方向に千鳥状に複数個
配した中空ロッド40をねじ等によって一体に取付け
た。
【0011】シリンダのヘッドブロック35内には、シ
リンダ軸方向にS間隔移動できるストッパブロック34
を摺動自在に内蔵し、ストッパブロック34の軸心部に
は穴41を設け、前記中空ロッド40が摺動自在に挿入
できる構造とした。ストッパブロック34はピストン部
34aとピストン37側に向かっているロッド部34b
から構成し、ピストン部34aの一部には、半径方向に
貫通し、かつ、穴41の後部とも連通している油の通路
42を設けた。
【0012】43はピストン37とヘッドブロック35
やストッパブロック34との間の油室、44は油室43
への油の出入口、45はヘッドブロック35のプラグか
らなる後壁部の前面とストッパブロック34の後面との
間の油室、46は油室45に通じているヘッドブロック
35内の通路、47は通路42に通じているヘッドブロ
ック35内の通路である。
【0013】油室43への油の出入口44、油室45に
通じた通路46、および、通路42に通じる通路47へ
は、それぞれ、管路48、49、50を通じて作動油を
供給ないし排出できるようにした。51は管路50中に
設けた流量調整弁52と逆止弁53を平行して有する
弁、54はソレノイドSOL.Aを有する電磁切替弁、
55は管路49中に設けたパイロットチェック弁、56
はソレノイドSOL.Bを有する電磁切替弁、57は管
路48中に設けたリリーフ弁、58はソレノイドSO
L.Cを有する電磁切替弁、59はタンクであり、これ
らは図2に示すように連結され、管路48の一方は、図
示していないコンテナシリンダ33前後進用の電磁切替
弁を介して、図示していないポンプに連結されている。
【0014】符号3はダイスであって、ダイス3の外周
をダイリング5の内周面に摺動自在に嵌合保持してあ
る。6は隙間であってコンテナシリンダ33内に設けた
一時停止機構によってコンテナ1とダイス3やダイリン
グ5との間には例えば2〜3mmの隙間6があいている
ようになっている。31はコンテナの内周面とビレット
13の外周面との間の隙間であり、脱気空間でもある。
【0015】一方ビレット13を押込む押出ステム14
の先端部にコンテナ1内面と密接し得るフィックスダミ
イブロック15が設けられている。フィックスダミイブ
ロック15は押出ステム14内の軸心部に固定して設け
られた棒状部材16の先端部にねじで取付けられている
ダミイブロック後部部材17、この後部部材17の先端
外周部にねじで取付けられていて、その先端部が外径方
向に広がってコンテナ1の内周面に密接し得る外側リン
グ18である。なお、14aはステムホルダ、14bは
クロスヘッドである。
【0016】次に、前記装置の作用について説明する。
まず、コンテナ1を前進させてコンテナ1とダイリング
5間に2〜3mmの隙間6を有した状態下で図示しない
ビレットローダを上昇させる。次いで押出ステム14の
作用でコンテナ1内にビレット13を入れ、図示してい
ない油圧回路を通して、ピストン37の前面に作動油を
作用させて、ピストン37を後退させる(図2
(1))。この時、押出ステム14も同時に前進させ
る。この時、ピストン37に付いている中空ロッド40
の先端部Eがストッパブロック34の先端部Fまで移動
する時は、SOL.BはON、SOL.AはOFF、S
OL.CはOFFで、ピストン37の後退速度は比較的
に高速である。この時、パイロットチェック弁55は逆
止弁として作用をするので、ストッパブロック34は図
4に示すように前進限位置にある。ピストン37の高速
後退時には、油室43内の油は、ほとんど管路48を通
じて排出されるが、油の一部は穴41、通路42、4
7、管路50、流量調整弁52、電磁切替弁54を通っ
てタンク59に排出され得る。
【0017】中空ロッド40の先端部Eがストッパブロ
ック34の先端部Fにさしかかると、SOL.BはO
N、SOL.AはOFFはそのままとしておき、SO
L.CをONに切替える。そうすると、リリーフ弁57
が作動して管路48内に少し圧力が発生し、ピストン3
7はやや低速になるため、出入口44からの吐出に圧力
がかかり始める。
【0018】中空ロッド40が穴41内に入り始め、ピ
ストン37の先端面部Dがストッパブロック34の先端
部Fまで移動する間は、そのまま、SOL.BはON、
SOL.CはON、SOL.AはOFFとしておく。そ
うすると、油通過用の連通孔39がつぎつぎにふさが
れ、油室43内の油圧は滑らかに増圧し、ピストン37
の後退速度も減速される。この状態で、ピストン37は
後退を続け、ピストン37の先端面部Dがストッパブロ
ック34の先端部Fに当る。この時、ピストン37は、
ストッパブロック34の作用により、途中位置停止を完
了する。そして、ストッパブロック34の作用で、スト
ローク途中の停止位置の精度が充分に確保される。この
時、コンテナ1とダイス3との間の隙間6は、例えば、
2〜3mmになっている。この時の状態を図2(2)に
示す。この時、図1に示すようにコンテナ1とビレット
13との間の脱気空間31には空気がある。
【0019】この動作が終了すると次いでビレット13
を載置したままビレットローダ(図示なし)が上昇し、
押出ステム14を前進させるとビレット13がコンテナ
1内へ押込まれてビレット13はダイス3側端面に当接
する。さらに押出ステム14が前進してアプセットが開
始される(図3(1))。この状態を続けると押出ステ
ム14側のビレット13がコンテナ1に密着する頃に真
空タンク10の作用で、ダイス3側より脱気空間31の
エアは吸引される。図3(1)、(2)、(3)に示す
ようにコンテナ1とビレット13の間の脱気空間31は
押出ステム14でダイス3方向にビレット13がS1
らS3 まで順次加圧されていけば、この脱気空間31は
ダイス3側に押しせばめられるのが分かる。この状態を
図4を用いてさらに詳細に説明するとアプセット開始時
は図示しないサイドシリンダへ圧油を供給して押出ステ
ム14を等速(V1 )前進させながらビレット13をつ
ぶし、ビレット13の押込み圧力がP1 になった時点で
サイドシリンダからメインシリンダ(図示なし)へ切換
えて押出ステム14を減速前進させる。
【0020】この後、押出ステム14を、休むことなく
再度、等速(V2 )前進させてビレット13の押込み圧
力がP2 になった時点でさらに押出ステム14を減速後
等速(V3 )前進させる。アプセット開始後ビレット1
3の押込み圧力は漸増し続け、押込み圧力がP3 になっ
た時、コンテナシール(ダイス3とコンテナ1を接触さ
せる)を開始し、P4 に到達した時アプセットを完了す
るとともにコンテナシールも完了させる(図3
(4))。アプセット完了後は押出速度(V4 )にてダ
イス3から製品の押出しが行われる。
【0021】このようにアプセット完了直前になるとコ
ンテナ1がダイス3側へ前進してコンテナ1とダイス3
の隙間6はゼロになる。この隙間6の減少は図2に示さ
れる移動ストッパブロック34の後退移動によるもので
ある。すなわち、ピストン37をさらに後退させる時
は、SOL.AをOFFにしたままで、SOL.BとS
OL.CもOFFとする。そうすると、電磁切替弁56
が切替わり、電磁切替弁56を通してパイロット圧PP
がパイロットチェック弁55に作用し、逆止作用がなく
なるので、油室45内の作動油はパイロットチェック弁
55を通って排出される。また、電磁切替弁58も切替
わり、リリーフ弁57の設定圧力が0kg/cm2 とな
りタンク59に通じるので、油室43の作動油は容易に
排出される。したがって、ストッパブロック34はピス
トン37に押されて後退する。そして、ストッパブロッ
ク34の後方への移動に伴い、ピストン37の先端面部
Dがストッパブロック34の先端部FからGに移動し、
ピストン37は後退動作を完了する。
【0022】なお、ピストン37を前進させる場合は、
SOL.BはOFFとしたままで、SOL.AはON、
SOL.CはONにする。SOL.BをON、SOL.
AをOFF、SAOL.CをOFFとすれば、ストッパ
ブロック34が油圧力で復帰し、図1に示した位置に戻
る。本実施例ではアルミサッシ用の押出プレス装置を用
いて種々繰返し実験を重ねた結果、約4秒のアイドルタ
イムを短縮することができ高速のダブルヘッドプラーを
採用するメリットがでる。さらに、本実施例ではバープ
サイクルを行わなくても製品押出材中のブリスタの発生
をほぼゼロにすることができた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明に係る押出成形方法によれば、押出コンテナ
とビレットの間の空気を、ビレットの押出を開始する前
までに脱気する際、コンテナをダイスに接触させる前に
一時停止機構を有するコンテナシリンダでコンテナを一
時停止させて、ダイス端面とコンテナのダイス側端面を
接触させないようにしてできた隙間からコンテナ内のダ
イス側にたまっている空気を放出させるとともに、アプ
セット完了直前にコンテナをダイスに接触させるように
したことにより、ビレットがコンテナ内でアプセット完
了されるまでダイス側からコンテナ内の脱気空間に滞留
する空気をほぼ完全に排出することができる。そして、
バープサイクルの削減に加え、コンテナシリンダによる
コンテナの急速一時停止技術の確立により、押出プレス
のハイサイクル化ができる。さらに、脱気空間に滞留す
る空気の脱気に真空装置を用いないため、装置が簡素化
され装置への寄付きも容易となる。また、脱気空間に滞
留する空気をほぼ完全に自然排出できブリスタの発生を
低く押さえられるため、押出製品の歩留りが大幅に向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る押出コンテナ内の脱気方法を実施
するための装置の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】コンテナシリンダ内に設けられた一時停止機構
の動作説明図である。
【図3】コンテナ内で加圧されるビレットのつぶれ方を
示す概念図である。
【図4】アプセット開始から完了までのビレットの押込
み圧力と押出ステム速度曲線である。
【符号の説明】
1 コンテナ 3 ダイス 4 ダイリングシールリング 5 ダイリング 6 隙間 13 ビレット 14 押出ステム 15 フィックスダミイブロック 18 外径リング 31 脱気空間 33 コンテナシリンダ 34 移動ストッパブロック 35 ヘッドブロック 37 ピストン 39 連結孔 40 中空ロッド 41 穴 48、49、50 管路 51 弁 52 流量調整弁 53 逆止弁 54、56、58 電磁切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 27/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出コンテナとビレットの間の空気を、
    ビレットの押出を開始する前までに脱気する際、コンテ
    ナをダイに接触させる前に一時停止機構によってコンテ
    ナを一時停止させて、ダイス端面とコンテナのダイス側
    端面を接触させないようにしてできた隙間からコンテナ
    内のダイス側にたまっている空気を放出させるととも
    に、アプセット完了直前にコンテナをダイスと接触開始
    させるようにしたことを特徴とする押出成形方法。
JP5190341A 1993-07-30 1993-07-30 押出成形方法 Expired - Lifetime JP3011306B2 (ja)

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