JP3063960B2 - 押出成形方法 - Google Patents

押出成形方法

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JP3063960B2
JP3063960B2 JP7105039A JP10503995A JP3063960B2 JP 3063960 B2 JP3063960 B2 JP 3063960B2 JP 7105039 A JP7105039 A JP 7105039A JP 10503995 A JP10503995 A JP 10503995A JP 3063960 B2 JP3063960 B2 JP 3063960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金など
の押出プレスによる押出成形に際して、コンテナ内から
ダイスを通ってビレットが押出される前にコンテナとビ
レット間の空気をコンテナの外に脱気し、ビレット中に
空気を含むことなく、効果的に無駄なく押出すための改
善された押出成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンテナ内径よりも少し小径のビレット
をコンテナ内に入れた後、コンテナ内でビレットを後方
のステムでダイスに押当て、いわゆるアプセットする
と、ビレットが押しつぶされコンテナとビレットの間の
空気が圧縮される。この圧縮された空気を放出するため
にステムとコンテナを僅かに後退させ、ダイスとコンテ
ナの隙間から上記の圧縮空気を抜いて、再度コンテナと
ステムを前進させて押出を開始する。このようにして圧
縮された空気を抜くガス抜き工程をバープサイクルと呼
んでいるが、この工程があることにより、押出サイクル
に無駄な時間が発生する。
【0003】また、この方法だと、ビレットのアプセッ
ト工程中にダイス側に閉じ込められた圧縮空気はコンテ
ナを後退させた時に放出されるが、ステム側の圧縮空気
はビレット内部に巻き込まれたままの状態となり、押出
製品にブリスタとして発生する。特に現在主流であるス
テム先端に取付けるフィックスダミイブロックを使用し
て押出を行った場合は、従来のフリーダミイブロックの
ように温度を低下させてコンテナ内径とダミイ外径との
クリアランスを十分に確保することができないためステ
ム端両側付近のエアーがステム側から十分排出せず、ス
テム端面付近のビレット内部にエアーの巻き込みが特に
見られる。
【0004】そこで、最近では、例えば、特開平3−4
13号公報に記載されているように、ステム側から空気
を抜くために、ステムの先端に圧力パッドおよび中空押
出ステムが用いられ、ビレット押出中に空気を抜くこと
も考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た空気抜きではビレット加圧中にステム側の空気は抜け
てもコンテナ内とビレット間の大部分の空気のうち特に
ダイス側の空気は抜けにくい。
【0006】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、コンテナ内のビレットをダイスから押出す際にバ
ープサイクルと呼んでいる前記ガス抜き工程の必要のな
い押出成形方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、押出コンテナとビレットの
間の空気を、ビレットの押出を開始する前までに脱気す
る際、コンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構
によってコンテナを一時停止させて、ダイス端面とコン
テナのダイス側端面を接触させないようにしてできた隙
間からコンテナ内のダイス側にたまっている空気をアプ
セット中に前記隙間から大気中に放出させるとともに、
コンテナ中に装填したビレットをダイス側に押す押出ス
テムから押出ステムの先端部に設けたフィックス型のダ
ミイブロックに至る冷却通路に冷却水を通水し、前記フ
ィックスダミイブロックを冷却しながら、前記押出コン
テナの押出ステム側の端面ではシールブロックをビレッ
トを押込中の押出ステムに対して閉じた状態で、ビレッ
トの押出しを開始する前までにコンテナ内の押出ステム
にたまっている空気を前記シールブロックの脱気穴か
ら真空脱気させるようにした。
【0008】
【作用】コンテナ内に装填したビレットをビレット後方
の押出ステムで押込んで、ビレットをダイスに押当てる
と、コンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構に
よってコンテナを一時停止させて、ダイス端面とコンテ
ナのダイス側端面を接触させないようにしてできた隙間
からコンテナ内のダイス側にたまっている空気をアプセ
ット中に前記隙間から大気中に放出させる。一方、押出
コンテナの押出ステム側では、押出ステムを先端に設け
たフィックスダミイブロックに至る冷却通路に冷却水を
通水し、フィックスダミイブロックの先端部を冷却した
押出ステムでビレットを押圧するとともに、シールブロ
ックを閉じた状態でコンテナとビレットおよび押出ステ
ム間で圧縮される前よりコンテナ内の空気を強制的に真
空吸引するので、ビレットがステムで圧縮されてからこ
の圧縮空気の吸引のための工程いわゆるガス抜き工程が
省略できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。
【0010】図1は、本発明に係る押出コンテナ用脱気
システムの一実施例を示す説明図、図2は内部冷却装置
を有した押出ステムおよびフィックスダミイブロックの
断面図、図3は図1のA〜Aからみた正面図、図4はビ
レットの先端をダイスに押当てた後コンテナの押出ステ
ム側から真空吸引する説明図、図5はコンテナシリンダ
内に設けられた一時停止機構の動作説明図、図6はコン
テナ内で加圧されるビレットのつぶれ方を示す概念図で
ある。
【0011】図1のエンドプラテン32に設置され、コ
ンテナタイヤ2とコンテナ1を摺動させるコンテナシリ
ンダ33のピストンヘッド側のB部は、図2に示すよう
に、要部は移動ストッパブロック34とストッパを兼ね
るヘッドブロック35などからなり、移動ストッパブロ
ック34が移動する範囲の最大距離Sでピストン37は
急速一時停止できるような一時停止機構30を有した構
造となっている。図5で、36はシリンダ本体の一部を
構成するシリンダチューブ、35はシリンダ本体の後部
にあるヘッドブロック、38はピストンロッドである。
ピストンロッド38の後部のピストン37のヘッド側で
ある後側の軸心部には、油通過用の連通孔39を軸方向
に千鳥状に複数個配した中空ロッド40をねじなどによ
って一体に取付けた。
【0012】シリンダのヘッドブロック35内には、シ
リンダ軸方向にS間隔移動できる移動ストッパブロック
34を摺動自在に内蔵し、移動ストッパブロック34の
軸心部には穴41を設け、前記中空ロッド40が摺動自
在に挿入できる構造とした。移動ストッパブロック34
はピストン部34aとピストン37側に向かっているロ
ッド部34bから構成し、ピストン部34aの一部に
は、半径方向に貫通し、かつ、穴41の後部とも連通し
ている油の通路42を設けた。
【0013】43はピストン37とヘッドブロック35
や移動ストッパブロック34との間の油室、44は油室
43への油の出入口、45はヘッドブロック35のプラ
グからなる後壁部の前面と移動ストッパブロック34の
後面との間の油室、46は油室45に通じているヘッド
ブロック35内の通路、47は通路42に通じているヘ
ッドブロック35内の通路である。
【0014】油室43への油の出入口44、油室45に
通じた通路46、および、通路42に通じる通路47へ
は、それぞれ、管路48、49、50を通じて作動油を
供給ないし排出できるようにした。51は管路50中に
設けた流量調整弁52と逆止弁53を平行して有する
弁、54はソレノイドSOL.Aを有する電磁切替弁、
55は管路49中に設けたパイロットチェック弁、56
はソレノイドSOL.Bを有する電磁切替弁、57は管
路48中に設けたリリーフ弁、58はソレノイドSO
L.Cを有する電磁切替弁、59はタンクであり、これ
らは図5に示すように連結され、管路48の一方は、図
示していないコンテナシリンダ33前後進用の電磁切替
弁を介して、図示していないポンプに連結されている。
【0015】図1において符号3はダイスであって、ダ
イス3の外周をダイリング5の内周面に摺動自在に嵌合
保持してある。6は隙間であってコンテナシリンダ33
内に設けた一時停止機構によってコンテナ1とダイス3
やダイリング5との間には例えば2〜3mmの隙間6が
あいているようになっている。31はコンテナ1の内周
面とビレット13の外周面との間の隙間であり、脱気空
間でもある。
【0016】一方ビレット13を押込む押出ステム14
の先端部にコンテナ1内面と密接し得るフィックスダミ
イブロック70が設けられている。
【0017】次に、コンテナ1内の押出ステム14側を
シールするシール装置60は、図5に示す如く押出ステ
ム14側のコンテナ1の端面に配設されている。コンテ
ナ1の押出ステム14側の端面において、2つ割のシー
ルブロック61をコンテナ1の軸線方向と直角な方向に
開閉自在に設け、シールブロック61を閉じた時、シー
ルブロック61の内周面に設けたシールパッキン62を
介して押出ステム14の外周面に密接させうるようにし
てある。
【0018】次に、コンテナ1内の押出ステム14側の
空気を排除するシール装置60は、図3および図4に示
す如く押出ステム14側のコンテナ1の端面に配設され
ている。コンテナ1の押出ステム14側の端面におい
て、2つ割のシールブロック61をコンテナ1の軸線方
向と直角な方向に開閉自在に設け、シールブロック61
を閉じた時、シールブロック61の内周面に設けたシー
ルパッキン62を介して押出ステム14の外周面に密接
させうるようにしてある。
【0019】63はガイドプレートであり、シールブロ
ック61の両ブロックはそれぞれシリンダ64で開閉で
きるようにした。符号62、65はシールパッキンであ
り、シールブロック61の一部には脱気穴66を設け、
脱気穴66には配管8aを介して真空タンク20に連結
してある。符号26は電磁切替弁、67は断熱材であり
コンテナ1を加熱した熱の一部が熱伝導によってシール
装置60に伝わらないようになっており、前述したガイ
ドプレート63は断熱材67の上面に配設したカバープ
レート68を介して配設されている。符号21は真空ポ
ンプ、22はモータ、69は押出ステム14の先端拡径
部をそれぞれ示す。
【0020】一方、押出ステム14側の構造は、図2に
示すようにフィックスダミイブロック70と押出ステム
14とをバイオネットブロック72を介してバイオネッ
ト結合した場合と、図示はしていないがフィックスダミ
イブロック70と押出ステム14とを直接、ねじ結合す
る場合とがある。
【0021】まず、フィックスダミイブロック70と押
出ステム14とをバイオネット結合した場合の構造につ
いて代表して詳述する。図2において、1はコンテナ、
14は管状の押出ステム、70は押出ステム14の前面
に固定して設け、かつ、コンテナ1内に摺動可能に設け
たフィックス型のダミイブロックである。押出ステム1
4の後端部は、図1に示すようにステムホルダ73とプ
レッシャリング74を介してクロスヘッド75に固定さ
れている。
【0022】押出ステム14の前面には、バイオネット
ブロック72が配設されており、バイオネットブロック
72内の後半部には、外径断面が円状のコネクションロ
ッド76の先端部がねじ取付けにより取付けられてい
る。コネクションロッド76の後端部は、図1に示すよ
うに大径部76aになっていて、押出ステム14の後端
部の穴の中にテーパ面で係合され、固定されている。
【0023】また、バイオネットブロック72の前半部
は、バイオネット式となっており突起部72aを例えば
等間隔に3つ配設してある。一方、装着する側のダミイ
ボス77側には前記突起部72aと係合可能な凹部77
aが等間隔に設けてあり、装着時には、バイオネットブ
ロック72の突起部72aとダミイボス77側の凹部7
7aとを係合させて挿入し、約60度ダミイボス77を
回転させることによりダミイボス77をバイオネットブ
ロック72に確実、かつ、素早く着脱できるようにして
ある。
【0024】コネクションロッド76内には、軸線方向
に貫通穴が穿設してあり、この貫通穴内に給水管78、
排水管79が設けられている。冷却管80をなす給水管
78と排水管79の先端部は、溶接により冷却管先端ブ
ロック81の穴82および83内に堅固に取付けられて
おり、後端部はプレッシャリング74内まで伸びてい
る。
【0025】給水管78の端部は、プレッシャリング7
4内のパイプによる通路84、開閉弁85、配管86を
介して、冷却水供給ポンプ(図示略)に連結されてい
る。排水管79の端部はプレッシャリング74内のパイ
プによる通路87を介して排水口88に連結されてい
る。押出ステム14の内周面とコネクションロッド76
の外周面との間には、コネクションロッド76の芯をフ
レキシブルな状態に保持しておくために、僅かな隙間を
設けている。また、コネクションロッド76の内周面と
給水管78、排水管79の外周面との間には、コネクシ
ョンロッド76が直接冷却されないように、僅かな隙間
が設けられている。また、コネクションロッド76の内
周面と冷却管先端ブロック81は芯をフレキシブルな状
態に保持しておくために僅かな隙間が設けられている。
【0026】この場合、コネクションロッド76の中
に、貫通穴を設けて給水管78と排水管79を通してい
るので、コネクションロッド76は直接冷却されず、し
たがって、押出ステム14とコネクションロッド76の
温度差が少なく、フィックスダミイブロック70の芯の
フレキシビリティが損なわれない。なお、冷却管先端ブ
ロック81内の穴82は貫通して設けられているが、穴
82の前端部は通路82aを介して放射状冷却孔98に
連通している。
【0027】ダミイボス77内の前半部内には、ダミイ
ボス77の中央貫通孔90内にコアブロック91の中央
部に設けられた小円筒状の突部92が挿入され、ダミイ
ボス77の後端側からコネクションボルト93を前記小
円筒状の突部92のねじ部に螺合させ、コネクションボ
ルト93を締め付けることによりコアブロック91をダ
ミイボス77に強く接触するようになっている。
【0028】ダミイボス77の前側外周には、円筒状の
アウタリング94が固着されている。また、コアブロッ
ク91の後端面とダミイボス77の前端面との間には、
アウタリング94の先端とコアブロック91の外表面9
5との段差に相当する隙間が設けられており、押出時に
コアブロック91が後方に押されるとコアブロック91
の後端面がダミイボス77の前端面に当たるようになっ
ている。アウタリング94は押出(加圧)中広げられる
が、押出(加圧)終了後は元の寸法に戻り、ステム後退
中にコンテナ1内で押圧充填したアルミニウムのビレッ
ト13が付着せずにスムースな作動が行えるようになっ
ている。
【0029】コアブロック91、アウタリング94を有
するダミイボス77などは、一体でフィックスダミイブ
ロック70を構成している。したがって、アウタリング
94の前端側外周面は、コンテナ1の内周面とは少し隙
間を有した大きさになっている。また、コアブロック9
1の前端外周部には前側に広がったテーパ面部96にな
っていて、アウタリング94の前端内周部のテーパ面部
96に密着し得るようになっている。
【0030】前記コアブロック91および突部92の中
央軸芯部には給水管78から吸水された冷却水を通水す
る通路82aが設けられ、この通路82aの先端部はコ
アブロック91の外表面95近傍まで延設されている。
【0031】図2に示すように、この通路82aの先端
部からアウタリング94まで外径方向に放射状に伸びる
複数個の放射状冷却孔98(本実施例では8本)が配設
されている。
【0032】この放射状冷却孔98の外周端からダミイ
ボス77からコアブロック91に至る外周近傍に軸芯方
向に向かって通路99が設けられ、開口部89に連結さ
れている。ここで符号100、101、102、103
はプラグ、105、106、107は耐熱型Oリングを
それぞれ示す。
【0033】次に、前記押出成形方法について説明す
る。
【0034】まず、ビレット13の押出し工程に入る前
に、ビレット13を間接冷却するために、冷却水供給ポ
ンプ(図示略)を起動して放射状冷却孔98に冷却水を
導入して、フィックスダミイブロック70を内部から冷
却しておく。この時、冷却水は、押出ステム14の後方
から入り、押出ステム14の中のコネクションロッド7
6の中の給水管78内を通り、通路82a、放射状冷却
孔98、通路99、開口部89から、排水管79内を通
って排水口88から排出された冷却水は配管を通ってタ
ンク(図示略)へ排出される。
【0035】次いで、コンテナ1を前進させてコンテナ
1とダイリング5間に2〜3mmの隙間6を有した状態
下で図示しないビレットローダを上昇させる。そして押
出ステム14の作用でコンテナ1内にビレット13を入
れ、まず図示していない油圧回路を通して、ピストン3
7の前面に作動油を作用させて、ピストン37を後退さ
せる(図5(1))。この時、押出ステム14も同時に
前進させる。この時、ピストン37に付いている中空ロ
ッド40の先端部Eが移動ストッパブロック34の先端
部Fまで移動する時は、SOL.BはON、SOL.A
はOFF、SOL.CはOFFで、ピストン37の後退
速度は比較的に高速である。この時、パイロットチェッ
ク弁55は逆止弁として作用をするので、移動ストッパ
ブロック34は図4に示すように前進限位置にある。ピ
ストン37の高速後退時には、油室43内の油は、ほと
んど管路48を通じて排出されるが、油の一部は穴4
1、通路42、47、管路50、流量調整弁52、電磁
切替弁54を通ってタンク59に排出され得る。
【0036】中空ロッド40の先端部Eが移動ストッパ
ブロック34の先端部Fにさしかかると、SOL.Bは
ON、SOL.AはOFFはそのままとしておき、SO
L.CをONに切替える。そうすると、リリーフ弁57
が作動して管路48内に少し圧力が発生し、ピストン3
7はやや低速になるため、出入口44からの吐出に圧力
がかかり始める。
【0037】中空ロッド40が穴41内に入り始め、ピ
ストン37の先端面部Dが移動ストッパブロック34の
先端部Fまで移動する間は、そのまま、SOL.BはO
N、SOL.CはON、SOL.AはOFFとしてお
く。そうすると、油通過用の連通孔39がつぎつぎにふ
さがれ、油室43内の油圧は滑らかに増圧し、ピストン
37の後退速度も減速される。この状態で、ピストン3
7は後退を続け、ピストン37の先端面部Dが移動スト
ッパブロック34の先端部Fに当る。この時、ピストン
37は、移動ストッパブロック34の作用により、途中
位置停止を完了する。そして、移動ストッパブロック3
4の作用で、ストローク途中の停止位置の精度が充分に
確保される。この時、コンテナ1とダイス3との間の隙
間6は、例えば、2〜3mmになっている。この時の状
態を図5(2)に示す。この時、図1に示すようにコン
テナ1とビレット13との間の脱気空間31には空気が
ある。
【0038】この動作が終了すると次いでビレット13
を載置したままビレットローダ(図示なし)が上昇し、
押出ステム14を前進させるとビレット13がコンテナ
1内へ押込まれるが、この状態でコンテナ1の中へビレ
ット13を押出ステム14の前進動作で装入し、ビレッ
ト13の先端面をダイス3に当てる。この状態を図6
(1)に示す。この時、コンテナ1とビレット13の脱
気空間31には空気がある。
【0039】次に、押出ステム14の前進に伴ってビレ
ット13がコンテナ1内に押込まれるとともに、コンテ
ナ1の押出ステム14側に配設されたシール装置60の
シリンダ64を作動させて2つ割のシールブロック61
を閉じて押出ステム14とコンテナ1との間を密封す
る。
【0040】コンテナ1内に押込まれビレット13がダ
イス3に当接するとサイドシリンダ(図示なし)の圧力
が上昇し始めると同時に電磁切替弁26を励磁してコン
テナ1内と真空タンク20とを通気可能な状態にし真空
吸引が行われる。
【0041】押出ステム14の前進は休むことなくサイ
ドシリンダからメインシリンダ(図示なし)に切換えて
行われ、押出ステム14が前進してアプセットを開始す
る。この状態を続けると押出ステム14側のビレット1
3がコンテナ1に密着する頃に真空タンク20の作用
で、押出ステム14側の密閉空気は2つ割シールブロッ
ク61の一部に設けられている脱気穴66を通り、配管
8aの上の電磁切替弁26を介して真空タンク20へ吸
引排出される。
【0042】一方、押出ステム14が前進してアプセッ
トが開始され押出ステム14側のビレット13がコンテ
ナ1に密着する頃から脱気空間31は図6(2)に示す
ようにダイス3側と押出ステム14側に分離され、ダイ
ス3側の脱気空間31の空気はアプセットの進行に伴い
隙間6から大気中に自然放出される。
【0043】図6(1)、(2)、(3)に示すように
コンテナ1とビレット13の間の脱気空間31は押出ス
テム14でダイス3方向にビレット13がS1 からS3
まで順次加圧されていけば、この脱気空間31はダイス
3側に押しせばめられるのが分かる。
【0044】吸引脱気し始めてからも、押出ステム14
は休むことなく前進を続け、ビレット13をつぶす。そ
してコンテナ1内にビレット13を充満させ、アプセッ
トを完了する。なお、アプセット完了直後にコンテナ1
をダイス3に当接するのである(図6(4))。次に引
続いて押出しに入り、ダイス3から製品が押出される。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、押出コンテナとビレットの間の空気
を、ビレットの押出を開始する前までに脱気する際、コ
ンテナをダイスに接触させる前に一時停止機構によって
コンテナを一時停止させて、ダイス端面とコンテナのダ
イス側端面を接触させないようにしてできた隙間からコ
ンテナ内のダイス側にたまっている空気をアプセット中
に前記隙間から大気中に放出させるとともに、コンテナ
中に装填したビレットをダイス側に押す押出ステムから
押出ステムの先端部に設けたフィックス型のダミイブロ
ックに至る冷却通路に冷却水を通水し、前記フィックス
ダミイブロックを冷却しながら、前記押出コンテナの押
出ステム側の端面ではシールブロックをビレット押込中
の押出ステムに対して閉じた状態で、ビレットの押出し
を開始する前までにコンテナ内の押出ステム側にたまっ
ている空気を真空脱気するため、空気がシール面から逆
流して入り込む恐れはなく、また、フィックスダミイブ
ロックを冷却していることにより、押出ステム端面付近
のビレット外周部のアプセット時のメタルの流れがフィ
ックスダミイブロックを冷却しない場合と比較し、より
押出ステム端面に沿うようになり、ビレット内部へのエ
アーの巻き込みが防止されて押出の残材として排出さ
れ、かつ、フィックスダミイブロックを冷却することに
よりコンテナ内径とフィックスダミイブロック外径との
間に温度差による熱膨張代の差異拡大によりクリアラン
スがより一層確保され、押出ステム側からの真空脱気が
容易に行われるために、押出製品中に空気を巻き込むこ
とがなくブリスタのない押出製品が得られる。また、ダ
イス側の脱気空間の空気はアプセットの進行に伴ってダ
イスとコンテナ間の隙間から大気中に自然放出されるた
め、仮にダイス端面側のコンテナ内コーナ部に残留空気
があっても最後はディスカード(金属の押粕)として排
除され、押出製品中のブリスタの発生がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る押出コンテナ用脱気システムの一
実施例を示す説明図である。
【図2】内部冷却装置を有した押出ステムおよびフィッ
クスダミイブロックの断面図である。
【図3】図1のA〜Aからみた正面図である。
【図4】ビレットの先端をダイスに押当てた後コンテナ
の押出ステム側から真空吸引する説明図である。
【図5】コンテナシリンダ内に設けられた一時停止機構
の動作説明図である。
【図6】コンテナ内で加圧されるビレットのつぶれ方を
示す概念図である。
【符号の説明】
1 コンテナ 2 コンテナタイヤ 3 ダイス 6 隙間 13 ビレット 14 押出ステム 20 真空タンク 21 真空ポンプ 26 電磁切替弁 30 一時停止機構 31 脱気空間 33 コンテナシリンダ 34 移動ストッパブロック 35 ヘッドブロック 37 ピストン 39 連通孔 40 中空ロッド 51 弁 52 流量調整弁 53 逆止弁 54、56、58 電磁切替弁 60 シール装置 61 シールブロック 62、65 シールパッキン 63 ガイドプレート 64 シリンダ 66 脱気穴 67 断熱材 68 カバープレート 70 フィックスダミイブロック 72 バイオネットブロック 73 ステムホルダ 74 プレッシャリング 75 クロスヘッド 77 ダミイボス 78 給水管 79 排水管 88 排水口 91 コアブロック 93 コネクションボルト 94 アウタリング 95 外表面 96 テーパ面部 98 放射状冷却孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出コンテナとビレットの間の空気を、
    ビレットの押出を開始する前までに脱気する際、コンテ
    ナをダイスに接触させる前に一時停止機構によってコン
    テナを一時停止させて、ダイス端面とコンテナのダイス
    側端面を接触させないようにしてできた隙間からコンテ
    ナ内のダイス側にたまっている空気をアプセット中に前
    記隙間から大気中に放出させるとともに、コンテナ中に
    装填したビレットをダイス側に押す押出ステムから押出
    ステムの先端部に設けたフィックス型のダミイブロック
    に至る冷却通路に冷却水を通水し、前記フィックスダミ
    イブロックを冷却しながら、前記押出コンテナの押出ス
    テム側の端面ではシールブロックをビレット押込中の押
    出ステムに対して閉じた状態で、ビレットの押出しを開
    始する前までにコンテナ内の押出ステム側にたまってい
    る空気を前記シールブロックの脱気穴から真空脱気させ
    るようにしたことを特徴とする押出成形方法。
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