JP3010360B2 - 組換リシントキシン - Google Patents

組換リシントキシン

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JP3010360B2 JP61282173A JP28217386A JP3010360B2 JP 3010360 B2 JP3010360 B2 JP 3010360B2 JP 61282173 A JP61282173 A JP 61282173A JP 28217386 A JP28217386 A JP 28217386A JP 3010360 B2 JP3010360 B2 JP 3010360B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、組換技法を用いるトキシン断片の製造に
関する。さらに詳しくは、本発明は組換手段を用いるリ
シントキシン蛋白質の製造に関する。 〔従来の技術〕 リシントキシン(ricin toxin;RT、又はリシン)は、
酵素活性を有する細胞変性(cytotoxic)“A"アミノ酸
配列と、“A"配列を殺されるべき標的細胞に付着せしめ
ること及び細胞質へのA断片のトランスロケーション
(translocation)を助けることの両方を担当すると予
想される“B"配列とから成る天然トキシンである。この
ようなトキシン類の他の例にはジフテリアトキシン及び
シュードモナス・アエルギナーサ(Pseudomonas aerugi
nosa)からのエキソトキシンが含まれる。他の毒性蛋白
質、例えばフィトラッカ・アメリカーナ(Phytolacca a
mericana)由来の毒性蛋白質(PAP I、PAP II、及びPAP
−S)並びにゲロニン(gelonin)は上記のトキシンの
“A"配列に匹敵するインビトロ活性を示すが、しかし、
おそらく“B"鎖が存在しないが、インビボで活性であ
る。 この発明の“リシン”ペプチドは、ヒマとして一般に
知られているリシナス・コミュニス(Ricinus communi
s)の種子に由来する。2種類の類似の蛋白質(しばし
ばレクチンと称される)がこれらの種子から抽出され、
これらは上記のリシン及びリシン・コミュニス(Ricin
communis)アグルチニン(agglutinin)(RCA)であ
る。これら両蛋白質はA部分及びB部分を含有し、これ
らは1個のペプチドを構成しているのではなくジスルフ
ィド結合により連結されている。リシン及びRCAの両者
のA部分はインビトロにおいてリボゾームの大サブユニ
ットを触媒的に不活性化することができ、そしてリシン
のインビボ細胞変性活性はこのリボゾーム不活性化活性
に基くと信じられる。リシンとRCAは高度に相同である
がしかし差異が存在すると信じられる。RCAは劇的に毒
性が低く、そしてリシンの2量体について予想される特
徴に相当する特徴を示す様である。 ヒマ抽出物の注意深い分画操作により幾つかのリシン
−アイソトキシンの存在が示される。リシンDとリシン
Eとの区別はすでに開示されている〔Mise等、Agric.Bi
ol.Chem.(1977)41:2041−2046;Wei等、J.Biol.Chem.
(1978)253:2061−2066;Lin等、Eur.J.Biochem.(198
0)105:453−456;Genaud等、J.Immunol.Meth.(1982)4
9:323−332〕。リシンDは7.4に近いpIを有しそしてア
ガロースに対する高い親和性を有し、他方リシンEは8.
8に近いpI及びアガロースに対する低い親和性を有す
る。リシンDよりもさらに酸性形であることが示されて
いるアイソトキシンと主張されているものの幾つかの報
告が存在する〔Olsnes等、J.Biol.Chem.(1974)249:80
3−810;Ishiguro等、Toxicon(1976)14:157−165;Cawl
ey等、Arcz.Biochem.Biophys.(1978)190:744−75
5〕。 リシンD及びEの間の差異はB鎖に存するようである
〔Funatsu等、Agric.Biol.Chem.(1978)42:851−85
9〕。リシンD及びEからのリシントキシン−A鎖(RTA
鎖)は組成、pI及び見かけ分子量において同じである。
しかしながらリシンDは2つの異るRTA種、すなわちRTA
1及びRTA2をもたらす。これらのアイソエンザイムはSDS
−PAGEによる分子量及び炭水化物含量を異にし、そして
非常に狭い塩グラジエントによるイオン交換クロマトグ
ラフィーにより分離され得る〔Olsnes等、Biochemistry
(1973)12:3121−3126〕。 リシンEの今まで知られていないアイソトキシンもプ
ロシオン(Procion)色素クロマトグラフィーにより同
定された。便宜上、従来のリシンE調製物に最も類似す
るリボトキシン(ribotoxin)がリシンE1と命名され、
そして新規なリボトキシンはリシンE2と命名された。リ
シンE2はリシンE1のpIと同じpIを有する。リシンE1に比
べて、リシンE2はマウスに対して1%の毒性でありそし
て培養されたセルラインに対して2〜4%の毒性であ
り、中程度〜高イオン強度においてアガロースに一層強
く結合し、そしてSDS−PAGEにより約2kD大きい。 リシンの構成成分及びRCAの構成成分は抽出された材
料に基いてよく特徴付けられており、そしてこれらの性
質は広範に総説されている〔Olsnes,S.,Perspectives i
n Toxicology,A.W.Bernheimer編(1977)J.Wiley & So
ns,ニューヨーク,122−147頁;Olsnes,S.等、Molecular
Action of Toxins and Viruses,Cohen等編(1982)Else
rier,アムステルダム、51−105頁〕。リシンは58,000ダ
ルトンに見かけ分子量を有し、そして32,000ダルトンの
分子量を有するA鎖と34,700ダルトンの分子量を有する
B鎖とから成る。ACAは分子量32,000のAサブユニット
2個と分子量36,000のBサブユニット2個を有する4量
体である。これらの天然環境において、A鎖及びB鎖は
一般にグリコシル化されている。リシン及びRCAの両者
のAサブユニット及びBサブユニットは1個のジスルフ
ィド結合によってのみ連結されており、そしてペプチド
結合によっては連結されておらず、そして例えば、単鎖
ペプチドとして見出されるジフテリアトキシンと異る。
リシン及びRCAの両者は、A部分及びB部分について別
個のペプチドを有するが、各場合において、それぞれ単
鎖前駆体に由来することが知られている〔Butterworth,
E.H.等、Eur.J.Biochem.(1983)137:57〕。この前駆体
はA鎖(アミノ末端)配列とB鎖(カルボキシ末端)配
列との間に12個のアミノ酸の配列を含有することが示さ
れた(本発明の出願人と同じ出願人の1985年8月15日に
公開されたPCT US85/00197)。本発明は後で、リシンA
配列が265個のアミノ酸を含み、これに先行して35アミ
ノ酸のリーダー(シグナル)ペプチドが存在することを
示す。12個のアミノ酸の介在ペプチドの切り取りの後1
個のジスルフィド結合により連結されたA鎖及びB鎖が
残ることが予想される。 〔発明の概要〕 この発明に関し、3個の十分な長さのリシン関連クロ
ーンが単離され、その内の2個は既知配列の蛋白質に対
応する。pRT3の挿入部は、コードされているアミノ酸配
列において、リシンアグルチニンの一次配列に対応す
る。pRT17のcDNA挿入部は、国際特許出願TCP US85/0019
7(前掲)及び本明細書に記載されているリシンAコー
ド配列及びDNA中にコードされているリシントキシンB
鎖との間の混成体に対応する。そしてこれはリシンDの
前駆体をコードするDNAである。 他方、PRT38は新規な蛋白質をコードし、リシンDと
の比較において推定される蛋白質の予想特性の故に、リ
シンEをコードするDNAであると予想される。具体的に
は、前記のごとく、リシンEはリシンDに比べてかなり
高いpIを有し、従って、リシンD中の中性アミノ酸から
新規蛋白質中の塩基性アミノ酸への変化を含む相同性か
らの偏りは、コードされている蛋白質のこの同定と一致
する。 本発明は、リシンのA鎖、並びに2種類のリシンアイ
ソトキシンの及びRCAの十分な長さの“前駆体”鎖を得
るための組換技法を用いる手段を提供する。天然リシン
A及び天然リシンは、入手源としての植物の多様性に依
存して、類似であるがしかし完全には同一でない多数の
形態で存在するが、しかしながら1つの植物に由来する
蛋白質であっても複数の一次構造を示す。言うまでもな
く、組換生産されたリシンAは1つの所望のアミノ酸配
列の生産を許容にし、そしてその活性に必要とされる構
造的特徴の探索を可能にする。この発明の技法及び材料
はさらに蛋白質のアミノ酸配列の選択的変形を許容し、
そしてそれ故に、これらの材料の細胞変性活性を変える
ことができる性質及び他の性質を提供するための操作を
可能にする。組換リシンB鎖の生産は国際特許出願PCT
US85/00197(前掲)に開示されている。この発明は、方
向付けられた変形をも可能にする予想可能な、効率的
な、そして経済的な方法を用いてリシンA及び完全な長
さのリシンの生産を可能にすることにより、従来不可能
であった実際的な方法及び改良された方法でのこれらの
蛋白質の使用を可能にする。さらに、B鎖をコードする
DNAをも使用する適当な組換操作により、完全な長さの
リシントキシンをクローン化しそして発現せしめること
ができ、そして複数の蛋白質の部分を含有する種々のハ
イブリド蛋白質を得ることができる。 さらに、細菌分泌蛋白質のリーダー配列のためのコド
ンを用いる新規な造成物を用いることにより、可溶性で
生物学的に活性なリシンA鎖及びリシン前駆体を原核性
宿主を用いて直接得ることができ、この場合、外来蛋白
質を再折りたたみ(refold)及び可溶化のためにさらに
処理する必要がない。 この発明は1つの観点において種々のリシン成分に関
し、そして特に、組換技法を用いて製造される可溶性の
生物学的に活性な蛋白質に関する。リシンA、リシン又
はRCAのアミノ酸配列は、所望により、ヒマの特定のサ
ンプルから抽出されるリシンA、リシン又はRACペプチ
ドのアミノ酸配列と絶対的に同一であることもできる
が、しかしながら、組換生成物はその生産の環境のため
に必然的に幾分変形され、そしてさらに、アミノ酸配列
又はグリコシル化のレベルにおいて変更を含むように製
造者の意思により変形され得る。 例えばリシンAについては、E.コリMC1000λ溶原株の
ごとき原核生物により適合性のPLプロモーターの制御の
もとに生産される場合、リシンAは適当な精製法への適
用のために例えば洗剤又はチャオトロピック(chaotrop
ic)剤による可溶化を必要とする。しかしながら、この
発明の造成物は適切な宿主においては可溶性のリシンA
を直接もたらし、このリシンAは精製にかけるため及び
細胞変性活性を発揮するために追加の処理を必要としな
い。このような可溶性リシンAは、通常の機械的破砕に
より宿主から抽出されそして精製され得る。従って、こ
の発明の1つの観点はリシンA及び他のリシン関連蛋白
質の組換技法による製造のための方法及び材料、並びに
こうして製造された生成物形態に関する。 他の観点において、これらの蛋白質及びリシンAの発
現を行うことができる発現系、これらの発現系により形
質転換された宿主細胞、並びにこれらの培養物;リシン
Aもしくはリシン又はこれらの前駆体をコードする変形
されたDNA配列;並びに、変形されているか又は変形さ
れていないこれらのリシン関連断片のための発現配列に
関する。特に、この発明の観点は細胞変性活性を有する
可溶性組換リシンA並びにその製造のための方法及び材
料に関する。 この発明はさらに、リシンEのアミノ酸配列を有する
新規な蛋白質、そのリシンB部分、及びその製造のため
に有用な組換材料に関する。 さらに、組換リシンAがそれが結合している細胞材料
から溶け出すことを容易にするためにフェニルセファロ
ースを使用することができることが見出され、そしてこ
の発明の他の観点はこの技法に向けられる。 〔具体的な説明〕 “リシンA"は、ヒマの種子から抽出されるリシンAペ
プチドのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有
する蛋白質を意味する。ヒマの種子のリシンAは約265
アミノ酸の長さを有しそして約32,000ダルトンの分子量
を有する。しかしながら、正確な配列はヒマの品種によ
る異ること、及び1つの品種の中にリシンAの複数のわ
ずかに異なる形態が存在することが知られている。 “リシンB"は、ヒマの種子から抽出されるリシンBペ
プチドのアミノ酸配列と実質的に同じアミノ酸配列を有
する蛋白質を意味する。ヒマの種子のリシンBは約260
アミノ酸の長さを有し、そして約34,700ダルトンの分子
量を有する。リシンAと同様に、正確な配列はヒマの品
種により異ることが知られている。 “実質的に同一な”なる語は、問題の蛋白質がおよそ
同じ長さ(活性のために必須の特徴が一層短いペプチ
ド、すなわち“断片”中に、又は一層長い配列、すなわ
ち融合蛋白質中に存在することが知られているとしても
約10%以内)を有しなければならず、しかしさらに重要
であり且つこの定義にとって必須のことに、60Sリボゾ
ームサブユニットと相互作用しそしてこれを無能力化す
るリシンA鎖の能力を維持していなければならないこと
を意味する。この酵素活性を大きく損わない鎖の長さの
変更が包含される。蛋白質分子の機能的能力を攪乱する
ことなく蛋白質配列中の幾つかの小さな変更が可能であ
ることがよく知られている。但し、他の変形が全体とし
て破壊的である。特定の変更がいずれの範躊に属するか
をある程度確実に予想することは今日では不可能であ
る。この発明の定義は、第一の範躊に属する任意の変形
を許容する。このような変更は遺伝子配列中の偶然変異
から生ずる場合があり、又はその意図的な変更から生ず
る。要約すれば、リシンAの“酵素活性”(後記)を維
持するアミノ酸配列の変形が含まれる。 さらに、よく知られているように、蛋白質配列は翻訳
後プロセミングにより、例えば他の分子との、例えばグ
リコシド、ソピド、又はリン酸イオンのごとき無機イオ
ンとの結合により変形され得る。イオン状態もまた、媒
体のpH、又は単離形の結晶化もしくは沈澱が生じたpHに
依存して異るであろう。さらに、空気の存在が−SH基の
ごとく感受性基の酸化を生じさせるであろう。特定の一
次構造のこのような変形のすべて、すなわち、例えばグ
リコシル化形及び非グリコシル化形の両者、中性形、酸
性塩及び塩基性塩、リピド又は他のものとの結合ペプチ
ド形、酸化又は誘導体化による側鎖の変化、並びに同じ
遺伝子コドン配列によりコードされるであろうアミノ酸
配列の他の変更がリシンAの定義に含まれる。 この発明の方法により調製されたリシンA又はリシン
を記載する場合に使用される“不純物”なる語は、ヒマ
の種子において生産される蛋白質と通常関連する物質を
意味し、この場合は上記の蛋白質の変形には含まれな
い。従って、“不純物”は、アグルチニン、及びリシン
又はリシンAに非特異的に通常の場合に関連している他
のヒマ種子の細胞性物質を意味し、リシンA自体につい
ては、“不純物”はリシンBを包含する。 この明細書において使用する場合、“可溶性”なる語
は、生理的浸透圧条件下での水性緩衝液、例えば0.14M
塩化ナトリウム又はシュークロース中で、120mg/mの
蛋白質濃度において、100,000×gにて30分間の遠心の
後に上清に残る蛋白質に関連する。これらの条件は特
に、洗剤又は他の変性剤、例えばグアニジン又は尿素の
有効濃度での不存在に関する。 “リシン”は、前記のごとくA鎖及びB鎖の両者を含
有し細胞変性活性を有する蛋白質に関する。前記のごと
く、従来より、当業界においてリシンはRCAから区別さ
れる。リシンD及びリシンEの両者はA鎖及びB鎖を含
有する。これらの蛋白質間の差異はB部分に存在するよ
うである。 リシン及びRCAの両者について、“前駆体”蛋白質
は、A部分とB部分との間に“リンカー”ペプチドを含
有する単鎖蛋白質を意味する。このリンカーは、天然形
においては12量体である。この発明の特定のリシンに関
連するリンカーは、得られた3種類のリシン関連クロー
ンのすべてにおいて同一の配列を有する。この天然配列
を便利に変形して、例えばトリプシン開裂部位を得るこ
とができる。このような変形された蛋白質もまた“前駆
体蛋白質”である。さらに、前駆体蛋白質をコードする
DNAを変形して、A部分とB部分との間の配列内に翻訳
終止コドン及び翻訳開始コドンを存在せしめることがで
きる。この造成物はA部分及びB部分の別個の生産をも
たらすが、それにもかかわらずこの発明においてはこの
造成物は“前駆体蛋白質”をコードするものとして定義
される。終止コドン及び開始コドンはリンカー配列内の
任意の便利な位置に配置することができる。すなわち、
得られるA又はB部分は幾分かの追加の配列を含むこと
ができる。 “生物学的に活性な”なる語は、その天然状態にある
蛋白質の機能を象徴する酵素的又は他の生物学的挙動を
維持していることに関する。リシンAの生物学的活性
は、1つの観点において、酵素活性、すなわちラビット
網上赤血球インビトロ翻訳系(例えばベセスダ・リサー
チ・ラボラトリーズ、ロックビル、MDから市販されてい
る系)において蛋白質合成を阻害するその能力を意味す
る。酵素的に活性であることに加えて、リシンAトキシ
ンの可溶性調製物はまた、特異的結合成分、例えば免疫
グロブリンと接合してイムノトキシンを形成した場合に
特異的細胞変性活性を示すことができる。 “細胞変性活性”は、標的とされる細胞の破壊を惹起
するこれらのイムノトキシンの特異的能力に関し、生物
体に対する一般的毒性とは異る。細胞変性活性は、標的
細胞を含む細胞培養物を用いてインビトロで、又は標的
細胞の移植片又は天然に存在する群を用いてインビトロ
で証明することができる。要約すれば、リシンAの生物
学的活性は少なくとも3つの規準によって証明される。
すなわち、蛋白質合成を阻害する酵素活性、このトキシ
ンに接合された免疫グロブリンの結合成分に特異的な抗
原を含有する培養細胞がこれらの免疫接合体によって選
択的に殺される場合のインビトロ細胞変性活性、及びイ
ムノトキシンが該免疫接合体中の結合成分を構成する抗
体と反応する細胞に結合しそしてそれを選択的に殺すこ
とができる場合のインビボ細胞変性活性により証明され
る。特定の蛋白質に対して生じた抗体との免疫的交差反
応性が残っている場合でも、前記の生物学的活性のすべ
て又は幾つかが存在しない場合があることが認識され
る。 “分泌”とは、細胞膜を通しての輸送を意味する。蛋
白質が培地中に現われるか否かは細胞壁の存否に依存す
る。細胞壁が存在する場合には蛋白質はペリプラズムに
見出され、細胞壁が存在しない場合には培地中に存在す
るであろう。 “アルカリ性ホスファターゼA"(phoA)は、例えばKi
kuchi,Y.等、Nucleic Acids Res.(1981):5671−567
8により開示されているような、E.コリ(E.coli)K12の
アルカリ性ホスファターゼ構造遺伝子に関する。この構
造遺伝子はE.コリ遺伝子地図上の8.5分に位置し〔Bachm
ann,B.J.等、Microbiol Rev.(1980)44:1−56〕、そし
てその本来的な発現は比較的複雑である。しかしなが
ら、プロモーター領域及びN−末端領域は配列決定され
ており〔Kikuchi,Y.等(前掲)〕、そしてシグナルペプ
チドの配列が推定されている〔Inouye,H.等、J.Bacteri
ol.(1982)149:434−439〕。ここに記載する定義は、
特定の構造遺伝子及びその部分のみならず、他の細菌由
来の又はインビトロ合成された機能的同等物をも包含す
る。機能に影響を与えることなくヌクレオチド配列にわ
ずかな変更を行うことができること、及び異る株又は種
の原核細胞由来の配列が上記の由来の配列と絶対的に同
一ではない配列を含有する場合があり、そして確かにほ
とんど確実にそうであることが理解される。さらに、こ
の発明と関連して、適当な制限開裂部位を設けるために
この配列に機能の喪失をもたらさない変更が行われた。 アルカリ性ホスファターゼ構造遺伝子のための次の配
列、すなわちプロモーター、リボゾーム結合部位、リー
ダー配列、及び転写停止配列がこの発明と関連する。上
流の制御配列及びリーダー配列が下記の例示において使
用され、転写停止配列はB.チューリンジェンシス(B.th
uringiensis)結晶蛋白質遺伝子により代替される。Won
g等、PNAS USA,83:3233−3237(1986)、及び1986年3
月に公開されたヨーロッパ特許出願No.85306183.6。プ
ロモーター、リボゾーム結合部位及びシグナル配列を含
む520bp断片のヌクレオチド配列がKikuchi,Y.(前掲)
に開示されている。Nar I部位を有する様に変形された
リーダーのヌクレオチド配列が第5図に示されている。
この変形により、アルカリ性ホスファターゼのコード配
列以外のコード配列がリーダー配列とリーディングフレ
ームを合わせて置き換えられ、そしてこの意味において
このリーダー配列がなお機能的であることを可能にす
る。しかしながら、Nar I部位への転換はアルカリ性ホ
スファターゼ自体に関してはプロセシングを防止する。
なぜなら、アルカリ性ホスファターゼ配列のN−末端の
コドンが今やプロリンに転換されるからである。Nar I
部位のこの部分は連結部において除去されるので挿入さ
れた配列に係る機能は損われない。 “終止された”リーダー配列は、リーダーペプチドを
コードするDNAがその正常なカルボキシ末端の近傍であ
ってリーディングフレーム内に終止コドンを有すること
を意味する。この発明の発現系においては終止コドンが
また発現されるべき所望の外来蛋白質のATG開始コドン
の近傍にある。従って、リーダー又は所望の“成熟”蛋
白質は、それらの天然対応物に比べて、この結合領域中
にコードされたわずかに少数の又はわずかに多数のアミ
ノ酸を有することができる。 DNA配列を記載する際に用いられる“作用可能に連結
された”なる語は、配列の機能が保存される様な態様で
の並置を意味する。すなわち、例えば、制御配列に“作
用可能に連結された”コード配列は、これらの配列がコ
ード配列を発現することができる様に配置されている。 “制御”配列は、転写及び翻訳の開始及び停止を制御
するDNA配列を意味する。例えば、原核生物系において
は、制御配列はプロモーター又はプロモーター/オペレ
ーター、及びリボゾーム結合部位をコードするヌクレオ
チドを含んで成り、真核生物系においてはプロモータ
ー、ターミネーター及びエンハンサーが関与する様であ
る。 “組換宿主細胞”は組換技法により造成されたDNA配
列により系質転換された細胞に関する。この定義は、例
えば過により又は遠心分離ペレットとして分離された
細胞、及びこれらの細胞の培養物を包含する。確かに、
“細胞”及び“細胞培養物”は、文脈が許す限り、この
明細書においては相互交換可能に使用される。さらに、
“細胞”への言及はその子孫を含む。このような子孫は
同一のゲノム構造を有するか、又は本来的な不安定性、
意図的な差異、又はゲノム構造の偶然的変化のために変
形されたゲノムを含有する。 リシンAと“会合”した細胞材料は組換リシンAに非
特異的に結合することができる不溶性断片であり、この
場合、この会合から開放された場合にリシンAは前記の
定義により可溶性であるとしても、断片が除去される場
合リシンAも沈降すると見られる。 次に、組換リシンAを得るために行われる方法を簡単
に下記する。 リンシAコード配列の検索 1.成育中のヒマの種子からmRNAを単離し、そして一般に
常法に従って対応するcDNAを調製することによりcDNAを
造成した。単鎖コピーを合成する場合のプライマーとし
てB鎖のN−末端領域(これはA鎖コドンのすぐ下流に
ある)をコードするmRANに相補的なオリゴヌクレオチド
5′−GACCATTTCGACCTACG−3′を使用し、そしてオリ
ゴdCホモポリマーテイルを3′に付加して、2本鎖化に
おけるプライマーとしてオリゴdCが使用できるようにし
た。次に、標準的テイル形成法によりcDNAに設けられた
ホモポリマーオリゴdCテイルを、開裂されたベクター上
に設けられたオリゴdGテイルとアニールせしめることに
より、前記の得られた2本鎖cDNA断片をクローニングベ
クターpBR322のPst I部位に挿入した。連絡混合物をE.
コリに形質転換した。プローブを用いるハイブリダイゼ
ションにより約5,000個の好結果の形質転換体をスクリ
ーニングした。 2.プローブとしてオリゴヌクレオチド混合物5′GCATCT
TCTTGGTTGTCNGGATGAAAGAAATAGGC−3′(ここで、Nは
A、T、G又はCである)を使用した。この配列はまず
Olsnes(前掲)による総説中に記載されているアミノ酸
配列に基いて推定され、そしてD.2.において下記するよ
うにして確認された。 3.陽性クローンを制限酵素分析及び部分的配列決定によ
り分析した。2つのcDNAが見出された。1つはリシンA
から見出されたものと予想され、そして他方は、リシン
Aから得られたものと実質的に異るためアグルチニンン
Aに関連するものと予想された。配列決定し、そして推
定されるアミノ酸配列を天然リシンAのそれと比較する
ことにより確認した場合、リシンAのための完全な配列
を含有するコロニーが得られた。このコロニーから単離
されたプラスミドDNAをpRA123と命名し、そして保存番
号CMCC2108として保存した。pRA123は1984年8月14日に
ATCCに寄託され、受託番号No.39799を有する。 なお、所望のリシンAコード配列を得るために前項に
記載した方法を繰り返す必要はない。リシンAをコード
する十分な長さのヌクレオチドが第1図に示されてお
り、そしてATCCに寄託されている。当業界において知ら
れている方法を用いて、開始コドン及び終止コドンを含
む約807ヌクレオチドを包含する適切な配列を合成する
こともできる。〔例えば、Edge,M.D.等、Nature(198
1)292:256;Nambia,K.P.等、Science(1984)223:1299;
又はJay,Erunst等、J.Biol.Chem.(1984)259:6311を参
照のこと〕。リシンA配列の所望の部分又は発現ベクタ
ーの造成のための付加配列を得るために有用な所望の配
列変更は、後で発現ベクターの造成について記載する方
法に類似する方法で、部位特異的変異誘発を用いて行う
ことができる。 リシンAの発現配列及びそれを含有するベクターの造成 4.完全なリシンA鎖のためのコード配列を含有するpRA1
23中のcDNA挿入部をプライマー指令変異誘発により変形
して、RTA配列に先行する新たに造成されるATG開始コド
ンの前にHind III部位を置き、そしてC−末端に終止コ
ドンを置く。 5.次に、リシンA鎖の適切に終るコード配列をHind III
/BamH Iカセットとして取り出し、そして適切な発現ベ
クター中に連結することができた。2種類の宿主発現ベ
クター系、すなわち、Hind III部位のすぐ前にtrpプロ
モーター及びリボゾーム結合部位を備えたpTRP3、並び
にHind III部位のすぐ上流にλPLプロモーター及びN遺
伝子リボゾーム結合部位を含有し、さらに温度により制
御されるレプリコンを含有するpPLOPを使用した。 6.他の方法として、発現配列はphoAプロモータ/オペレ
ーター及びリーダー配列並びに適当なレトロレギュレー
ター(retroregulator)を用いる。phoA上流配列及びB.
チュメファシエンス結晶蛋白質遺伝子由来のポジティブ
レトロレギュレーターを含有するpSYC1089が制御配列源
として便利に使用される。ポジティブレトロレギュレー
ターはヨーロッパ特許出願85306183.6に詳細に記載され
ており、この記載を引用によりこの明細書に組み入れ
る。pSYC1089の造成を後で記載する。 7.次に、発現ベクターを適切な宿主に形質転換した。す
なわち、pTRP3又はpSYC1089由来の発現ベクターはE.コ
リK12株MM294に形質転換し、そしてpLOP由来の発現ベク
ターをE.コリMC1000λ溶原株(下記参照のこと)に形質
転換した。次に、形質転換された宿主をリシンAの生産
のために適当な条件下で培養した。 組換蛋白質の生産 8.得られた発現ベクターpRTA1、pRAL6、及びpRAP229に
より形質転換された組換細胞により生産される異種蛋白
質が目的とするリシンAであることがウエスタンブロッ
トにより、及び部分精製された画分の酵素活性により示
された。 さらに、pRTA1、pRAP218、pRAP2210、又はpRAP229に
より形質転換されたE.コリにより生産されたリシンA蛋
白質は可溶性形であり、そして細胞内環境と会合した。
適当な分子量及び免疫反応性を示すことに加えて、ウエ
スタンブロット及び酵素活性により、pRAP229形質転換
体由来のリシンAはインビボ及びインビトロの両方にお
いて細胞変性活性を有することが示された。 9.pRAP229形質転換体により生産されたリシンAを、部
分精製された音波処理物をフェニルセファロースで処理
することを含む一連のクロマトグラフィー段階を用いて
均一に精製した。精製された材料をトランスフェリン又
は乳癌細胞と反応する抗体に接合せしめることによりイ
ムノトキシンを形成せしめた。このイムノトキシンは前
記のインビボ及びインビトロ細胞変性活性を有すること
が示された。 10.全体リシンの発現のため、pRA123のcDNA挿入部をA
鎖開始コドンの領域においてのみ変形し、そして前記5
項に記載したのと同様にして、pRAL6及びpRAT1に類似し
ているがしかしA鎖のC−末端に終止コドンを有しない
プラスミドを得る。次に、リシン配列を完成する残りの
コドンをこれらの類似のプラスミド中に挿入する。 11.分泌形のリシン又はリシンAの発現を、適切なベク
ター/宿主系、例えばリシン前駆体及びシグナル配列を
正しくプロセシングすることができる酵母、植物又は哺
乳類細胞において達成することができる。分泌を得るた
め、pRA123をプライマー指令変異誘発によって変形し、
本来のN−末端にではなく、シグナル配列に先行するAT
G開始コドンの上流にHind III部位を設ける。適当なプ
ライマーは第1図に示されている。リシン自体が発現さ
れるべき場合、これはpRA123中で行われる変形のみであ
り、リシンAが分泌されるべき場合、前記のような終止
コドンを設ける変形も行われる。次に、これらの適当に
変形されたpRA123配列を用いて、5項に記載したのと同
様の方法で、しかし真核性制御配列を導入することによ
り発現プラスミドを造成する。分泌されるリシンを生産
するように計画されたこれらのプラスミドのため、残り
のB部分コード配列を類似体にリーディングフレームを
合わせて終止コドンを伴わないで与える。 十分な長さのリシンコードクローン及びRCAコードクロ
ーンの検索 12.リシンAについて前記したのと同様にして調製した
メッセンジャーRNAを用いてcDNAライブラリーを得、そ
して次にこのライブラリーをプローブして所望のcDNA挿
入部を検索することにより、リシンD、推定上のリシン
E、及びRCAをコードする十分な長さの配列を得た。Oka
yama及びBerg〔Mol.and Cell Biol.(1983):280−28
9〕の方法を用いてライブラリーを調製し、そしてリシ
ンAコード配列のために使用したのと同じ35−merを用
いてプローブした。クローニングベクターによる数千個
の形質転換体から多数の陽性にハイブリダイズするクロ
ーンが得られた。 13.陽性にハイブリダイズするコロニーを制限分析にか
け、リシンDに対応する制限パターン、RCAに対する制
御パターン、及びどれにも対応しない第3のタイプが示
された。これら3つのタイプのそれぞれの代表的なクロ
ーンからのCDNA挿入部を配列決定した。配列情報の結果
を第12図、第13図、及び第14図に示す。第12図は、RCA
コード挿入部を表わし;第13図は、リシントキシンDを
コードする挿入部の配列、すなわちすでに開示されてい
るリシンのB鎖のそれを含有する配列を示し;そして第
14図は、リシンEの前駆体であると予想される前駆体、
すなわちリシンAに対応するトキシン部分を有するがし
かしすでに得られているリシンBのアミノ酸配列とは異
る一次アミノ酸配列を含むB鎖を有する蛋白質、をコー
ドする挿入部のヌクレオチド配列を示す。 リシンAについて前記したように、これらの配列を単
離するための方法を繰り返す必要はない。なぜなら、イ
ンビトロでの化学的手段及び酵素的手段を用いる合成的
方法により図に示すDNA配列を造成することができるか
らである。 リシン及びRCAのための発現ベクターの造成 14.リシンAについて記載したのと同様にして、前記のc
DNA挿入部を発現ベクターに入れることができる。単離
された挿入部に含まれるコード配列の連接的発現のため
には、Xho I−Xho I断片としてサブクローニングされた
挿入部を、Klenowにより平滑末端化した後、適当なM13
ベクター(例えばM13 MP18)中にSma I部位において挿
入する。リシンAについて前記したようにして成熟蛋白
質の始めにATG開始コドン及びHind III部位を置くため
に、又は適当であればリーダー配列のATGのすぐ前にHin
d III部位を置くために、部位特定変異誘発を行うこと
ができる。M13ベクターをコード配列の3′Pst I部位に
おいて開裂せしめ、Klenowにより平滑末端にし、新たに
形成された部位においてHind IIIにより消化し、そして
適当な長さの配列を単離することにより、M13ベクター
から変異したDNAを切り出すことができる。次に、単離
された断片をHind III/Bam I(平滑)消化されたpTRP3
又はpPLOPに連結して、リシンAについて前記したよう
に便利な原核細胞での発現を行うことができる。 15.挿入部のコード配列はまた、リシンAについて前記
したようにして、そして後でさらに詳細に記載するよう
にして、phoAプロモーター−オペレーター及びリーダー
配列及び適当なレトロレギュレーターを含有する発現ベ
クター、例えばpSYC1089中に連結することができる。 16.次に、リシンAについて記載したようにして、発現
ベクターを適当な宿主に形質転換し、そして培養上清又
は細胞溶解物から蛋白質を回収する。合成された前駆体
蛋白質は、幾つかの宿主内で細胞自体によって行われる
翻訳後プロセシングにより、あるいは適当な酵素又は細
胞抽出物を用いるインビトロ切り出しにより、介在する
12merを切り取ることにより開裂せしめることができ
る。 変形された前駆体ベクター 17.RCA又はリシントキシンへの前駆体の転換を促進する
ため、特にリンカー部分において変更を行ってA部分及
びB部分を切り離すための適当な手段を設けることがで
きる。2つの便利な手段は、(1)リンカーの“arg−a
rg"形(ここで、アルギニン残基に続くプロリンがもう
1つのアルギニンにより置き換えられている)を形成す
ることによるトリプシン開裂部位の造成;及び(2)A
領域及びB領域が別個にしかし同時に生産されるための
リンカー領域中での終止コドン及び開始コドンの挿入で
ある。 可溶性組換えリシンA リシンAのためのコード配列をphoAのリーダー配列を
コードするDNAに直接リーディングフレームを合わせて
配置した仮想的な融合ペプチドを形成するようにし、こ
うすることによってリーダー配列がリーダー−リシンA
キメラのN−末端部分である場合、このように配置され
たリシンA配列は分泌されない。しかしならが、DNAが
E.コリMM294において発現される場合、trpプロモーター
の制御のもとにある造成物がそうであるようにこれらの
造成物は可溶性の細胞変性物質をもたらす。これは、42
℃の温度におけるMC1000λ中PLプロモーターの制御のも
とにあるリシンA配列を有する造成物の場合と対照的で
あり、この場合得られる生成物は比較的不溶性である。
リシンAについて前記したのと同様の方法で、pRT3、pR
T17、及びpRT38中にコードされている前駆体蛋白質又は
それらの変異形をコードするDNAで含む類似の発現ベク
ターを造成することができる。この造成物はリシンAの
ためのそれと正確に同一であるが、造成に使用されるCl
a I部位から下流のDNA配列も含まれる。これらのベクタ
ーによる宿主細胞の形質転換が可溶性前駆体をもたら
す。arg−arg変形された前駆体はトリプシンにより容易
に開裂されることができ、前駆体のA部分及びB部分が
この明細書に記載する別個の蛋白質として生産され得
る。 phoA発現系において、必須構成成分は、リシンAコー
ド配列の上流にありこの配列の近傍にありそしてこの配
列のリーディングフレーム外にある終止されたphoAリー
ダー配列であり、この場合リシンAコード配列はATGコ
ドンにより開始される。 これら2つのコード配列は、言うまでもなく適合性の
細菌プロモーターを備えていなければならず、これは便
利にはリーダー配列にすでに関連しているphoAプロモー
ターでよく、しかし任意の適合性の原核性プロモーター
/リボゾーム結合部位系であってもよい。さらに、ポジ
ティブレトロレギュレーター配列の存在によって生産が
改良され、このレトロレギュレーター配列は最も有利に
はB.チュリンジェンシス結晶蛋白質と関連するポジティ
ブレトロレギュレーター配列であることができ、これは
1986年3月19日に公開されたヨーロッパ特許出願No.853
0618,6(前掲)に詳細に記載されている。この発明の上
記の発現系及び他の発現系は典型的には、レプリコン及
び選択マーカーのごとき標準的要素を含む細菌性輸送ベ
クター上に置かれる。これらの付加的要素の性質は本発
明の部分を構成しないが、これらの付加的要素の最適化
が好ましいことが理解される。 次に、このベクターを用いて適切な原核性宿主を形質
転換し、この形質転換体を選択された特定の宿主のため
に適切な条件下で、最もしばしば発現系の制御のもとに
置かれたプロモーターが抑制される条件下で増殖せしめ
る。次に、選択されたプロモーターの制御のもとで発現
を行う条件を与えることによってリシンAの生産を誘導
し、そして主成物の所望の蓄積が得られるのに十分な時
間にわたって生産を進行せしめる。次に、例えば音波処
理又は機械的手段例えばフレンチプレスにより細胞を破
砕し、そして細胞破片を除去することにより蛋白質生成
物を単離する。次に、この発明の系により生産されたリ
シンAを、自由に溶解する蛋白質に適用されるような当
業界において知られている標準的技法を用いてさらに精
製する。しかしながら、部分的に精製された抽出物をフ
ェニルセフォロースで処理することにより抽出及び精製
の効率が増強される。フェニルセファロースは、リシン
Aが非特異的に結合している細胞材料からのリシンAの
解離を助けるようである。音波処理物中のリシンAの溶
解性(膜又は他の会合している材料から分離された後)
は、該音波処理物を100,000×gにて30分間高速遠心分
離にかけて不溶性蛋白質を回転沈降させた場合に上清に
残るその能力により示される。 溶解性は、精製方法及び特異的細胞変性活性の試験に
関して特に重要である。組換蛋白質を可溶化するために
一般に使用される1つの方法は、それらを洗浄、例えば
尿素、グアニジン塩酸塩、又はSDSの存在下に置くこと
である。しかしながら、溶液中の洗剤は精製工程及び生
物学的活性試験の両者を妨害する。可溶化媒体からの洗
剤の除去は、多くの場合、そして特にリシンAの場合、
蛋白質の再沈澱をもたらし、そしてその効率的な精製を
不可能にし、そしてさらにこの材料を用いて形成された
免疫接合体を細胞変性試験において不活性なものとす
る。 この項において記載した方針の詳細及びこれに使用さ
れる手順は後の項において記載する。 C. 方法 C.1. mRANの精製 リシン、リシンアグルチニン、及びリシンAをコード
するmRNAを下記のようにして調製した。要約すれば、Be
lamy,A.R.等、Methods in Enzymology(1968)XII,Part
B:156−160の方法を幾らかの変更を加えて使用した。こ
のような1つの変更は、植物組織源からメッセンジャー
RNAを調整する場合の問題点を構成する酸化されたフェ
ノール性化合物を調製物から除去することに成功する。
他の変更は、dTアフィニティーカラムクロマトグラフィ
ーを妨害するかもしれないリボゾームRNAとmRNAとの結
合の破壊をもたらす。 酸化されたフェノール化合物を除去するため、調製物
をセファデックスG−100で処理した。ゲルは酸化され
たフェノール化合物を保持し、そしてmRNAをボイドボリ
ウム中に通過せしめる。(フェノール性化合物及びトラ
ンスファーRNAの両者が阻止された。) リボゾームRNA複合体を除去するため、前記のG−100
カラムから出たRNAの懸濁液を変性剤と反応せしめ、次
にこの調製物をdTアフィニティーカラムに適用した。 C.2. ベクター及び宿主細胞 下記の特定の具体例は、原核生物に適合性のベクター
を造成する方法及びこのベクターを原核性宿主細胞に形
質転換する方法を記載する。E.コリK12株MM294、及びE.
コリMC1000λ溶原株について特に記載する。しかしなが
ら、他の微生物株、例えばバシルス、例えばバシルス・
ズブチリス(Bacillus subtilis)、シュードモナス(P
seudomonas)の色々な種、又は他の細菌株を用いること
もできる。このような原核系において、宿主と適合性の
種に由来する複製点及び他の制御配列を含有するプラス
ミドベクターが使用される。例えば、E.コリは典型的に
は、Boliver等、Gene(1977):95によりE.コリ種から
誘導されたプラスミドであるpBR322の誘導体を用いて形
質転換される。pBR322はアンピシリン耐性及びテトラサ
イクリン耐性のための遺伝子を含有し、そしてそれ故に
所望のベクターを造成する際に維持されるか又は破壊さ
れるマーカーを提供する。転写開始配列、場合によって
はオペレーター、及びリボゾーム結合部位配列を包含す
るものとしてこの明細書において定義される一般に使用
される原核性制御配列は、β−ラクタマーゼ(ペニシリ
ナーゼ)及びラクトース(lac)プロモーター系〔chang
等,Nature(1977)198:1056〕;トリプトファン(trp)
プロモーター系〔Goeddel等,Nucleic Acids Res.(198
0):4057〕;並びにλ由来PLプロモーター及びN−遺
伝子リボゾーム結合部位〔Shimatake等,Nature(1981)
292:128〕のごとき一般に使用されるプロモーターを含
む。しかしながら、原核生物と適合性の任意の入手可能
なプロモーター系を使用することができる。 リシンA及びリシンは真核細胞に対して毒性であり、
そしてそれ故に原核性宿主が好ましい。しかしながら、
幾つかの場合には真核性宿主を使用することができ、確
かに、リシンは本来真核生物において生産されるもので
ある。すなわち、例えばシグナル配列がリシンA又はリ
シンのために保持されそして細胞により毒性が経験され
る前に分泌が可能であれば、真核性宿主を使用すること
も適当である。 これに代る場合として、ある種の真核性環境はリシン
又はリシンAの変更されたプロセシングをもたらし、こ
れらの潜在的な毒性に対して細胞を保護することができ
る。このような機構は現時点では確立されていないが、
しかしながら、対象蛋白質の適正な折りたたみ、グリコ
シル化、又は他の三次元的及び誘導体的構造への変化に
より毒性が抑制される可能性がある。 真核生物を使用する場合、真核微生物、例えば酵母を
使用することができる。パン酵母であるサッカロミセス
・セレビシエー(Saccharomyces cerevisiae)が最も一
般的に使用されるが、しかし他の多くの菌株も一般に使
用可能である。酵母での発現のために適当な多くのプラ
スミドベクターも知られている〔例えば、Stinchcomb
等,Nature(1979)282:39、及びTschempe等,Gene(198
0)10:157を参照のこと〕。酵母ベクターのためのプロ
モーターには、解糖系酵素の合成のためのプロモーター
〔Hess等,J.Adv.Enzyme Reg.(1968):149;Holland
等,Biochemistry(1978)17:4900〕が含まれる。酵母適
合性プロモーター、複製開始点及び他の制御配列を含有
するベクターが適当である。 同様に、多細胞生物由来の真核性宿主細胞培養物中で
ポリペプチドをコードする遺伝子を発現せしめることが
できることが見出されている。例えば、Tissue Culture
s,アカデミックプレス,Cruz及びPatterson編(1973)を
参照のこと。有用な宿主セルラインにはVERO細胞、HeLa
細胞、及びチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が
含まれる。このような細胞のための発現ベクターは一般
に、哺乳類細胞と適合性のプロモーター、例えば一般に
使用されるシミアンウイルス40(SV40)からの初期及び
後期プロモーター〔Fiert等,Nature(1978)273:113〕
を包含する。 最後に、高等植物からの細胞及び高等植物の部分が組
換宿主として有用であることが見出されており、そして
これらの系での発現のために適当な制御配列が入手可能
である。適当なプロモーター及びポリアデニレーション
シグナルは、A.チュメファシエンス(A.tumefaciens)T
iプラスミドpTiT37〔Bevan,M.等,Nucleic Asids Res.
(1983)11:369;Depicker.A.等,J.Mol.Appl.Genet.(19
82):5613〕のT−DNA領域中の3.2キロベース(kb)H
ind III−23DNA断片由来のノパリン・シンサーゼ(nopa
line synthase)(NOS)のそれらである。適当な植物細
胞には、タバコ、ペチュニア、及び棉に由来する細胞、
又はこれらの植物の実生が含まれる。他のプロモーター
には、アルコールデヒドロゲナーゼ−1又はアルコール
デヒドロゲナーゼ−2のためのトウモロコシプロモータ
ー〔Gerlach,W.L.等,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(198
2)79:2981〕、カリフラワーモザイクウイルスプロモー
ター〔Daubert.S.等,virology(1982)122:444〕、及び
リブロースビホフフェートカルボキシラーゼの小サブユ
ニットと関連する小麦プロモーター〔Broglie,R.等,Bio
technology(1983):55〕が含まれる。現在入手可能
な他のポリアデニレーションシグナルには、上記の遺伝
子のいずれかの上に見出されるもの、又はSchuler等〔S
chuler,M.S.等,Nucleic Acid Res.(1982)10:8225〕に
より記載されたものが含まれる。 原核細胞又は実質的な細胞壁障壁を含有する他の細胞
については、Cohen,S.N.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)
(1972)69:2110により記載されているような、塩化カ
ルシウムを用いるカルシウム処理法により形質転換が行
われる。このような細胞壁を有しない哺乳類細胞につい
ては、Graham及びvander Ed,Virology(1978)52:546の
リン酸カルシウム沈澱法が好ましい。植物細胞について
は、ポリエチレングリコールの存在下でのプロトプラス
ト調製物の直接形質転換が用いられる。Krens等,Hature
(1982)296:72。 この発明により達成される好結果の発現は、目的とす
るトキシン断片の発現を制御するための適当な制御配列
の正しい使用に依存する。従って、宿主が何であろう
と、その宿主と適合性でありそしてその宿主にふさわし
い制御配列が、目的の配列の5′に適切に配置された
“開始”コドンを用いながらコード配列に対して作用可
能に配置される。すべての“本来の”制御配列が除去さ
れる。この発明のベクターは、特定の宿主に適合性であ
るように選択された制御系から直接下流にあるATG開始
コドンのすぐ後に、リシンA又はリシンペプチドのため
のコード配列を置く。 所望の断片の良好な生産を行う場合、生産の“時期”
を、宿主に対するすべての致命的効果を最少にするよう
に調節することも重要である。最も典型的には、原核生
物についてさえ、実質的な増殖が起こるまでリシン配列
又はリシンA配列の発現を遅延せしめることによりそれ
を行う。従って、環培条件に従う制御配列を用いること
が望ましい。増殖期間中発現を抑制する条件を維持し、
そして次に所望の時点で発現を許容する条件に変えるこ
とにより、潜在的な致命的効果の不都合な観点を最少に
する。 特に好ましい方法においては、これらの調製可能な制
御配列は原核性宿主と適合性である。trpプロモーター
は調節可能なプロモーターであり、この場合作用可能に
連結された配列は培地中のトリプトファンのレベルによ
り調節され得る。増殖中に高いトリプトファンレベルを
維持することにより発現が抑制される。トリプトファン
の消耗又は競争的阻害がプロモーターをターンオンし、
そして発現を許容する。 λファージ由来のPLプロモーターは制御可能である
が、生産されるリシンAは不溶性である。このプロモー
ターは温度感受性であることができる蛋白質により制御
される。(野性形レプレッサーの変異形、例えばCI857
が存在し、このものはこの特徴を有することが当業界に
おいて知られている。)この変異形のリプレッサーを合
成することができる宿主(例えば、E.コリK12MC1000λ
ファージ溶原株N7N53CI857SusP80)中で使用される場
合、高温が変異CIレプレッサーを不活性化するため温度
が上昇した場合にPLプロモーターがスイッチオンされる
であろう。すなわち、宿主細胞は低温において、外来蛋
白質の低い生産を伴って又は生産を伴わないで増殖する
ことができる。次に、増殖が達成され、そしてリシン又
はリシンAの生産が望まれる時に温度を上昇せしめる。 phoA制御配列を使用する場合、細胞をリン酸イオンの
存在下に維持することにより発現を遅らせることがで
き、そして発現が望まれる場にリン酸レベルを消耗せし
める。 温度感受性コピー数制御を有するプラスミドを使用す
ることもできる。細胞が低温において増殖する場合プラ
スミド中に含まれるコード配列は低レベルで複製され、
高温においてはこのコピー数が増加する。従って、生産
される蛋白質の量はそのコード配列の利用可能なコピー
数を制御することにより間接的に制御される。 C.3. 使用される方法 所望のコード配列を含むmRNA断片の単離は後に詳細に
記載する。鎖型としてポリA RNAを使用して、今や当業
界においてよく理解されている手段によりcDNAライブラ
リーを造成する。ここで、このような方法の幾つかを用
いることができ、その詳細はManiatis,E.F.等,Molecula
r Cloning,コールドスプリングハーバーラボラトリーズ
(1982);及びOkayoma,H及びBerg,P.Mol.Cell.Biol.
(1983):280に言及することにより得られる。cDNAラ
イブリーを所望の配列について、Grunstein及びHognes
s,Proc.Natl.Acad.sci.(1975)72:3961の方法に準ずる
方法を用いてプローブする。 ベクターの造成には当業界において知られている連結
及び制限技法が使用される。利用可能なDNAの量は目的
とする断片をクローニングすることにより増加せしめる
ことができ、これはこの断片を適当なクローニングベク
ター、例えばpBR322、pUC13又はpUC8中に挿入し、E.コ
リ中に形質転換しそして複製せしめ、そして場合によっ
てはクロラムフェニルコール増幅を通してさらに増加せ
しめることにより又はファージ複製により行われる。次
に、所望の断片をクローニングベクター又はファージか
ら取り出し、そして遺伝子の発現において使用すること
が意図される宿主と適合性である適当なプロモーターに
連結することができる。次に、このような宿主をこれら
の発現ベクターにより形質転換し、そしてプラスミドの
安定化及び所望のトキシン断片の安全な生産のために好
都合な条件下で培養する。このような条件には、対数期
増殖のほとんどが達成されるまで制御プロモーターを抑
制し、そして次にペプチドの合成に好都合なように条件
を変えることを含む。ペプチドが分泌される場合、これ
を培地から回収することができる。そうでない場合、又
はペリプラズム空間に分泌される場合、細胞を溶解しそ
して細胞溶解物から所望の断片を回収する。 所望のコード配列及び制御配列を含有する適当なベク
ターの造成は、当業界においてよく理解されている標準
的連結及び制限技法を用いる。単離されたプラスミド、
DNA配列、又は合成されたオリゴヌクレオチドを開裂せ
しめ、加工し、そして所望の形に再連結する。 部位特異的DNA開列は1又は複数の適切な制限酵素に
より当業界において一般に理解されている条件下で行
い、この条件の詳細はこれら市販制限酵素の製造者によ
り説明されている。例えばニュー・イングランドアービ
オラブスの性カタログを参照のこと。一般に1μgのプ
ラスミド又はDNA配列を約20μの緩衝液中で1ユニッ
トの酵素により開裂せしめる。この発明の例においては
典型的には過剰の制限酵素を使用してDNA基質の完全な
消化を保証する。約37℃にて約1〜2時間のインキュベ
ーション時間が有用であるが、これと異ることもでき
る。各インキュベーションの後、フェノール/クロロホ
ルム抽出により蛋白質を除去し、次にエーテル抽出を行
い、そして次に、エタノールを用いる沈澱により、又は
ビオゲルP−6カラムに通し次に凍結乾燥によってサン
プルを濃縮することにより核酸を回収する。所望によ
り、標準的技法を用いるポリアクリルアミドゲル電気泳
動により、開裂された断片のサイズ分離を行うことがで
きる。サイズ分離の一般的記載はMethods in Enzymolog
y(1980)65:499−560中に見出される。 制限開裂された断片は、50mM Tris(pH7.6),50mM Na
C,6mM MgCl2,6mM DTT及び0.1mM dNTP中20〜25℃にて
約15〜25分間のインキュベーション時間を用い、千種類
のヌクレオチドトリホスフェート(dNTP)の存在下でE.
コリDNAポリメラーゼの大断片(Klenow)により処理す
ることにより、平滑末端化することができる。クレノウ
断片は5′接着末端をフィルインするが、千種類のdNTP
が存在する場合でさえ、3′接着末端の1本鎖をチュー
バックする。所望により、接着末端の種類により指令さ
れる制限内で1種類のみの又は選択されたdNPPを供給す
ることにより選択的修復を行うことができる。Klenowに
より処理した後、混合物をフェノール/クロロホルムで
抽出し、エタノールで沈澱せしめそして/又はビオゲル
P−6スピンカラムに通す。 適切な条件下でのS1ヌクレアーゼによる処理がDNAの
すべての単鎖部分の急速な加水分解、及び末端で始まる
2本鎖部分のゆるやかな加水分解をもたらす。S1ヌクレ
アーゼによる加水分解は典型的には15mM酢酸ナトリウム
(pH4.5),300mM NaC及び1mM ZnSO4の緩衝液中で約20
0ユニット/μのS1ヌクレアーゼを用いて行われる。
通常、約10μgのDNAを加水分解するために50〜100ユニ
ットのS1ヌクレアーゼが使用される。 エキソヌクレアーゼIIIは2本鎖DNAを攻撃するが、し
かしヌクレオチド配列の3′末端から始まる加水分解を
行う。従って、2本鎖DNAの消化は2個の5′突出接着
末端をもたらす。加水分解は、15mM Tris(pH8),10mM
NaC,1mM MgCl2,及び0.1mM DTTを含有する緩衝液中で
約2000ユニット/μのエキソヌクレアーゼIIIを用い
て行われる。一般に、10μgのDNAと反応せしめるため
に150ユニットのエキソヌクレアーゼIIIを使用する。 合成オリゴヌクレオチドはMatteucci等〔J.Am.Chem.S
oc.(1981)103:3185−3191〕のトリエステル法により
行う。アニーリングの前の又はラベル化のためのキナー
ゼ処理は、過剰の、例えば1mmolの基質に対して約10ユ
ニットのポリヌクレオチドキナーゼを用いて、50mM Tri
s(pH7.6),10mM MgCl2,5mMジチオスレイトール、1〜2
mM ATP,1.7pmol32P ATP(2.9mCi/mmol),0.1mMスペルミ
ジン,0.1mM EDTAの存在下で行う。 連結は、正しくマッチするように末端が整えられた所
望のDNA断片のおよそ等モル量(2〜10倍過剰のリンカ
ー又は小オリゴマー)を用いて、過剰量の、すなわち典
型的な15〜30μの反応混合物中0.4〜4weissユニット
のT4 DNAリガーゼで処理することにより、そして平滑末
端連結が使用される場合には0.4〜1ユニットのRNAリガ
ーゼを用いて行われる。平滑末端連結又は接着末端連結
のため、66mM Trisを5mMマグネシウムイオン,5mMジチオ
スレイトール,1mM ATP及び0.1mg/m BSAと共に用いて
連結混合物を約pH7.6に緩衝化する。インキュベーショ
ンは約14〜25℃にて一夜行う。 “ベクター断片”を用いるベクターの造成において、
場合によってはベクター断片を細菌アルカリ性ホスファ
ターゼ(BAP)で処理して5′リン酸を除去しそしてベ
クターの再連結を防止する。BAP消化は約50mMのTris中p
H8.3において、Na+及びMg++の存在下でベクターμg当
り約1ユニットのBAPを用いて60℃にて約1時間行う。
核酸断片を回収するため、調製物をフェノール/クロロ
ホルムで抽出し、そしてエタノール沈澱せしめ、そして
ビオゲルP−6スピンカラムに適用することにより脱塩
する。他の方法として、不所望の断片の追加の制限酵素
開裂により二重消化されたベクターにおいて再凍結を防
止することができる。 オリゴヌクレオチドにより誘導される変更誘発は、所
望の変異を代表する限定されたミスマッチを除くほか変
異されるべき1本鎖ファージDNAに相補的なプライマー
合成オリゴヌクレオチドを用いて行う。要約すれば、オ
リゴヌクレオチドをプライマーとして使用してファージ
に相補的な鎖の合成を指令し、得られる2本鎖DNAをフ
ァージ支持宿主細菌に形質転換し、そして培養物を増殖
せしめる。次に、培養物をプレート上に拡げ、ファージ
を担持する単一細胞からのコロニーの増殖を可能にす
る。 理論的には、新しいコロニーの50%は1本鎖として変
異した形態を有するファージを含有し、50%はもとの配
列を有するであろう。生じたプラークをキナーゼ処理さ
れた合成プライマーと、もとの鎖と正確にマッチする場
合ハイブリダイセーションを許容するがしかしミスマッ
チはハイブリダイゼーションを回避するのに十分である
ような温度においてハイブリダイズせしめる。次に、プ
ローブとハイブリダイズするファージを含有するコロニ
ーを拾い、培養し、そしてDNAを回収する。 さらに具体的には、約1pmolのファージ1本鎖DNA鋳型
を約10pmolの合成オリゴヌクレオチドプライマーと15μ
の10mM Tris,10mM MgCl2,90mM NaC中で混合する。
この混合物を3〜5分間67℃に加熱しそして次に30分間
42℃に加熱する。次に、混合物を氷上で冷却し、そして
容積を20〜25μにするのに十分な緩衝液中500μMの
4種類のdNTP及び3〜5ユニットのポリメラーゼI(Kl
enow)を含有する冷溶液を加える。この混合物を0℃に
て5分間置き、そして次に30分間37℃にした。次に、Kl
enowを75℃にて15分間不活性化し、そして次に300μ
の細胞当り1μの反応混合物を用いてこの混合物を適
切な宿主、例えばE.コリJM103、E.コリJM105、又はE.コ
リDG98(ATCC#39768)に形質転換し、これらを酵母エ
キス−トリプトン寒天プレート上で増殖せしめる。生ず
るファージプラークをニトロセルロース上に上げること
によってフィルターに移し、そして6×SSC,5×デハー
ト,0.1%SDS,50μg/mキャリヤー(酵母RNA,サケ精子D
NA等)5m/フィルター中で所望の温度にて1〜2時間
プレ−ハイブリダイズせしめる。 次に、固定され、プレ−ハイブリダイズされたフィル
ターを2×105cpm/mのキナーゼ処理された合成プライ
マーオリゴヌクレオチド(約2〜10×107cmp/μg)と
3〜16時間ハイブリダイズせしめて、そして次に6×SS
C中で一回室温にて5分間、そして次に適当なストリン
ジェンシーの温度にて5分間洗浄する。もとのファージ
を含む同時的対照試行を用いて、変異していない鎖にハ
イブリダイゼーションが起こらないことを確認する。 下記の造成において、プラスミドの造成のための正し
い連結を、E.コリ・ゼネティック・ストック・センター
から得られるE.コリMM294株GCSC#6135、又は他の適当
な宿主を連結混合物により形質転換することにより確認
する。好結果の形質転換体を、アンピシリン耐性、テト
ラサイクリン耐性又は他の抗生物質耐性によりあるいは
プラスミドの造成の態様に従う他のマーカーを用いて、
当業界において理解されているようにして選択する。次
に、形質転換体からプラスミドを、クロラムフェニコー
ル増幅〔Clewell,D.B.,J.Bacteriology(1972)110:66
7〕後のClewell,D.B.等,Proc.Natl.Acad.Sci(1969)6
2:1159の方法に従って調製し、そして制限酵素分析によ
り分析し、そして/又はMessing等,Nucleic Acids Res.
(1981):309の方法により、又はMaxam等,Methods in
Enzymology(1980)65:499の方法により配列決定す
る。 後記の例における形質転換は、Cohen,S.N.等,Proc.Na
tl.Acad.Sci.(USA)(1972)69:2110により記載されて
いる塩化カルシウム法を用いて行った。 クローニング及びプラスミドの発現のために下記の2
つの宿主を使用した。 すなわち、クローニング及び発現のため、特に、E.コ
リMM294株(前記),Talmadge,K.等,Gene(1980)12:23
5;Meselson,M.等,Nature(1968)217:1110を宿主として
使用した。しかしながら、発現がPLプロモーター及びN
RBSの制御のもとにある場合、E.コリMC1000λ株N7N53CI
857SusP80を発現宿主として使用した。この株は、1983
年12月21日にATCC39531として寄託され、これをMC1000
−39531と称する場合がある。この株は、許容温度(30
℃〜32℃)において活性な温度感受性CIレプレッサーを
コードするλプロファージを含有する。しかしながら、
非許容温度(36℃〜48℃)においては、レプレッサーは
不活性であり、そしてPLプロモーターからの転写が起こ
り得る。上昇した温度においてプロファージが誘導に失
敗するのもの株の特徴である。 次の例はリシン及びリシンAを包含するリボトキシン
の精製方法を記載することによりこの発明を説明する。
例はまた、このようなリボトキシンの組換生産、そして
特に原核生物におけるリシンA断片及びリシンの生産の
ために適当な発現ベクターの調製を説明する。しかしな
がら、この発明のリシンペプチドをコードするDNAは他
の宿主域に適当な種種のベクターに連結され得る。但
し、真核生物においては、保持又は分泌によって毒性が
緩和されなければならない。 D. 例 調製物A ヒマからのリシン及びその成分鎖の精製 リシンE1及びリシンE2を包含するリシンのアイソトキ
シンの単離のための出発材料を次のようにして調製し
た。3℃〜6℃における蛋白質の貯蔵及び透析を除くほ
か、特にことわらない限りすべての段階を20℃〜25℃に
て行った。この精製のための一般的方式を次に示す。カ
ッコ内は少量成分を示す。 500gの全体ヒマ種子〔リシナス・コミュニス・バラエ
ティー・サングイネウス(Ricinus communis var.sangu
ineis)〕を1900mの水、500gの氷及び100mの氷酢酸
中で、非常に毒性の強い液滴が飛散しないように保護し
ながらブレンドした。一夜沈降せしめた後、抽出物をザ
イツのミルクフィルター及びワットマンGF/Bフィルター
に通し、そして50%NaOHによりpH6.0に調整し、そして
ゲルマン0.2mmフィルターカプセルに通した。700mM酢酸
ナトリウム(pH5.0)中に投入されたマトレクス(Matre
x)ゲル(アミコン社)の13カラムに適用してリシン
及びアグルチニンを吸着せしめた。このカラムを12の
10mMリン酸ナトリウム(pH6.1)により洗浄し、そして
次に段階的に溶出を行った。すなわち、20の10mMリン
酸ナトリウム及び10mMガラクトース(pH6.1)により、
リシンEにより幾分汚染されたリシンBを溶出し、そし
て次に12の10mMリン酸ナトリウム(pH7.4)、0.1M Na
C及び0.18Mラクトース(PBS−ラクトース)によりリ
シンE及びアグルチニンを溶出した。 リシンD含有画分を限外過(アミコンYM10膜)によ
り4mg/mの蛋白質濃度とし、そして10mMリン酸ナトリ
ウム(pH6.1)中で平衡化されたスルホエチルセルロー
ス(ワットマンSE−53)の500mカラムに適用した。カ
ラムを同じ緩衝液中10〜50mM NaCの3.5の直線グラ
ジエントにより溶出して3〜4mSの電気伝導度において
主ピークを純リシンDとして得た。(汚染しているリシ
ンEは同じ緩衝液中125mM NaCの段階的適用により溶
出することができる。) マトレクスゲルカラムからのリシンE含有画分を言外
過して10mg/mの蛋白質濃度とし、pH6.1に調整し、
そして水で稀釈して10mM NaC(pH6.1)と同じ電気伝
導度にした。13gの蛋白質を、同じ緩衝液中で平衡され
たワットマンSE−53の1900mカラムに適用し、そして1
0mMリン酸ナトリウム(pH6.1)中20〜100mM NaCの7
の直線グラジエントにより溶出した。ほとんどのアグ
ルチニンを含有する第1の主ピークを廃棄した。 幾つかのリシンE含有ピークをプールし、限外過し
て10mg/mの蛋白質濃度とし、0.1Nリン酸ナトリウム、
1mM EDTA(pH8.0)(Pi−EDTA)に対して透析し、そし
て酸処理された(1M HCl中50℃にて1時間、次にリン酸
ナトリウムにより洗浄)ファルマシセファロースCL−4B
の300mカラムに適用した。カラムを、Pi−EDTA中0〜
1mMラクトースの1の直線グラジエントにより溶出し
た。リシンE1の最初のピーク(これは遅れるがしかし保
持されない)の後、0.2MラクトースにおいてリシンE2の
非常に小さいピークが溶出された。(残留するリシンD
は3.5mMラクトースにより溶出され、アグルチニンは10m
Mラクトースによる段階的溶出により取り出される。) プールされたSe−53ピークからリシンD調製物の一部
分を用いてリシンA鎖及びリシンB鎖を調製した。プー
ルされた部分を限外過して6〜7mg/mの蛋白質濃度
として、そして、7.5mM Tris,10mM EDTA,2%メルカプト
エタノールにし、pH8.4に調製し、そして25℃にて90分
間インキュベートした。還元されたリシン溶液を、10mM
Tris−HCl,1mM EDTA,2%メルカプトエタノール(β−M
E)(pH8.4)により平衡化されたDEAE−セファロース
(ファルマシア)の800mカラムに負荷した。このカラ
ムを、A280が緩衝液のそれになるまでTris−EDTA−β−
MEにより洗浄した。最初の保持されないピークはRTAで
あり、これをさらに、20mM酢酸ナトリウム、2.5mM Na−
EDTA,2.0mMジチオスレイトール(pH5.5)により平衡化
されたCM−セファロース(ファルマシア)を用いて精製
した。DEAEセファロースからのRTA画分を酢酸にてpH5.0
に調製し、そして5mS未満の電気伝導度となるように稀
釈し、CM−セファロースの500mカラムに負荷し、そし
て次にカラム緩衝液中0〜200mM NaCの6の直制グ
ラジエントにより溶出して2つの主たる蛋白質含有ピー
クを得た。これは常に分離するわけではない。これらを
RTA1及びRTA2と命名した。RTA1及びRTA2は炭水化物含量
を異にするアイソエンザイムである。 RTBはDEAEセファロースから10mM Tris,2.5mM EDTA,2.
5mM DTT,2%BME,100mM NaC(pH8.45)において溶出し
た。 リシンアイソトキシンD、E1及びE2の分離 次の方法を20℃〜25℃にて7.6cm/時の溶出流速を用い
て行った。 1/5Pi−EDTAにより前もって平衡化されたブルー・ト
リスアクリル(Blue Trisacryl)Mの18mカラムに、1
/5Pi−EDTA中でダイアフィルトレートされ(アミコンYM
30,60psi,25℃)そして限外過により1.5mされた、1
2.5mのリシンD、6.0mgのリシンE2及び8.9mgのリシン
E1を含有する混合物(調製物A)を負荷した。カラムを
25mの緩衝液で洗浄し、そして次に同じ緩衝液中0〜
0.25M NaCの80mの直線グラジエントにより溶出し
た。回収率は98%であった。 溶出のプロフィールを第16A図に示す。pIを異にする
リシンE1及びE2が部分的に分離される。ピークは、第16
B図に示すように、同じカラムでの純粋な蛋白質の別の
試行、及び等電点沈澱により同定された。第1の溶出ピ
ークは純粋なリシンD(pI7.4)であり、そして残りの
ピークはリシンE(pI値8.7、8.6、及び8.25)であっ
た。リシンE1及びリシンE2はアガロースアフィニティー
カラム上でのそれらの挙動により区別された。 (ヒマ種子抽出物をこの方法にかけた場合、アグルチニ
ン及びリシンDを含む他の蛋白質が同時溶出された。) リシンD、E1、及びE2の特徴付け 第17図、第18図、及び第19図はヒマから調製されたリ
シンアイソトキシンの物理的性質及びレクチンとの比較
を示す。 第17図Aは、ヒマ(リシナス・コミュニス・バラエテ
ィー・サングイネウス)の粗抽出物を酸処理されたセフ
ァロースCL−4B(ファルマシア)のカラムに適用し、そ
して狭いラクトースグラジエントにより溶出した場合の
溶出パターンを示す。画分について行われた等電点沈澱
の結果〔第17図Bに示す〕は、ピークA及びBがそれぞ
れリシンE1及びE2として同定されるリシンEアイソトキ
シンを含有し、そしてプールCはリシンDを含有するこ
とを確立した。第1のシャープなピークは非リシン蛋白
質を含有しており、そしてヒマアグルチニン(第17図B
のプールD)は0.2Mラクトースへのステップによりグラ
ジエントの終りにおいて溶出した。ラクトースではなく
ガラクトースによる溶出がリシンE1及びリシンE2(プー
ルA及びB)の分離を改良したが、リシンE2及びD(プ
ールB及びC)の分離を破壊した。 等電点沈澱はLKB PAGプレート上で、pH3.5〜9.5に
て、8℃〜10℃に冷却されたLKBモデル2117マルチポー
ルベッドにおいてPAGプレートと共に提供された指示に
従って行った。第17図Bに示されるように、プールA及
びBはリシンEに特徴的なpI値を有し、プールCはリシ
ンDを含有する。プールD(第17図A中には示されてい
ない)はヒマアグルチニンを含有し、これはリシンとの
実質的なアミノ酸相同性を示すが毒性は低い。 第17図に示す分離は調製物Aに記載されるリシンE1及
びE2の大規模精製のための基礎を提供する。 上記のアガロース上及びプロシオン色素カラム上での
リシンD、E1及びE2の挙動は、これらのリボトキシンが
異るレクチン活性を有することを示している。リシンD
はアガロースに対する最も高い親和性及びシバクロンブ
ルー(Cibacron Blue)F3GAに対する最も低い親和性を
有し、リシンE1はシバクロンブルーF3GAに対する最も高
い親和性及びアガロースに対する最も低い親和性を有す
る。アガロースはガラクトースを含有するポリサッカラ
イドであり、プロシオン色素はアガロース及びシバクロ
ンブルーの両者に対するまだ同定されていない親和性を
模倣すると考えられる。(RTA自体はヘテロダイマーに
比べて高いプロシオンブルーに対する親和性を有する。
すなわち、RTAの結合部位は全体アイソトキシン中では
マスクされているに違いない。) 第18図Aは、調製物Aから高度に精製されたリシンE
2,E1及びDのIEFパターンを示し、リシンDは幾つかの
電荷サブクラスを包含し、これらはpH6.1におけるスル
ホエチルセルロースからのリシンDの塩グラジエント溶
出により分離され得る。リシンDのアイソトキシン、す
なわち低下するpIの順に標示されるDb〜Deの内、リシン
Dbは天然に最も豊富な形態であり、そして文献中で一般
に“リシンD"と称されるものである。第18図Aに示され
るように、リシンE1及びリシンE2は同一のIFFパターン
を示し、8.7,8.6及び8.2のpI値を有する。これに対し
て、すべてのリシンDアイソトキシンは有意に一層酸性
であり、その上それらのpI値のほかに機能的又は構造的
差異を示さない。 第18図Bは、リシンE2,E1、及びDbのA鎖及びB鎖のI
EFパターンを示す。リシンDbのB鎖は5.1のpIを示し、
リシンE1及びE2のB鎖のpI値8.7,8.6及び8.2と実質的に
異る。A鎖のpIパターンは3種類すべてのアイソトキシ
ンについて実質的に同一であり、リシンE2からのRTAに
ついて示されるパターンの見かけ上の相違はゲルの過剰
負荷によるものである。リシンE1及びリシンE2はpI及び
電荷サブクラスの分布において同一であるのみならず、
これらの分子電荷特性が主としてそれらのB鎖構造によ
り決定されることが明らかである。 第19図Aは、調製物AからのリシンE1及びリシンE2並
びにリシンDの種々のサブクラスを用いる非還元SDS−P
AGEの結果を示す。リシンE2以外のすべてのアイソトキ
シンは58kDのおよその分子量を示し、リシンE2は2kDだ
け重いようである。 第18図BはリシンE1,E1及びDbのA鎖及びB鎖につい
て得られた対応する結果を示す。リシンDbからのRTAは
2つのアイソエンザイムRTA1及びRTA2を含有する。RTA2
はRTA1の30%であり、そして一層重くグリコシル化され
ている。見かけ分子量に対するグリコシル化の効果はRT
A2,RTA1、及び組換RTAを比較することにより見ることが
できる。この組換RTAはシタス社においてE.コリ中にク
ローン化され、そして発現された非グリコシル化種であ
る。このRTAの非グリコシル化組換種は、1985年6月19
日に公開されたヨーロッパ特許出願No.145,111中に開示
されているリシントキシンDNA配列からRTAについて推定
されるアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有する。リシ
ンE1及びE2からのA鎖はRTA1と同じ分子量を示す。リシ
ンDb、E1及びE2のB鎖はそれぞれ34kD、31.5kD及び36kD
の見かけ分子量を有する。(RTBのレーン中の小バンド
はRTBダイマーへのわずかな酸化及び痕跡量のRTAの汚染
によるものである。) 第11図に示される結果は、リシンD,E1及びE2間の構造
的差異はそれらのB鎖に存在するという仮説を支持す
る。リシンD,E1、及びE2間のレクチンの差異もB鎖構造
の差異と一致する。リシンE1及びE2からのB鎖のIEF挙
動が同一であることは、これらのポリペプチドがアミノ
酸組成において非常に類似しているか又は同一であるこ
とを示す。 D.1. メッセンジャーRNAの単離 50gの未成熟のヒマの種子(リシナス・コミュニス)
を100mのホモジネーション緩衝液〔150mM NaC,50mM
Tris(pH8.3)、5mM EDTA及び50mMの新たに添加された
β−メルカプトエタノール〕に入れ、これに12m0.2M
バナジウム−リボヌクレオチド錯体、30mgのプロテイナ
ーゼK、及び15mの20%SDSを加えた。この混合物をワ
ーニングブレンダー中で3〜4分間高速でブレンドし、
そして次に時々ブレンドしながら室温にて2〜3時間イ
ンキュベートすることによりホモジナイズした。 (前記のバナジウム−リボヌクレオシド溶液を次の様
にして調製した。893mgVOSO4・3H2Oを320mの水に添加
し、そしてこの混合物を煮沸してバナジウム塩を溶解せ
しめた。1mmolずつのアデノシン、シチジン、グアノシ
ン及びウリジンを17mの水に溶解することにより4種
類のリボヌクレオシドを含有する溶液を調製した。加熱
を必要とする。次に、1mlの前記VOSO4溶液をリボヌクレ
オシド溶液に加え、そしてこの生成物を沸騰水溶中で攪
拌しながら10N NaOHによりpH6.5に滴定し、そして最後
に1N NaOHによりpH7とした。錯体の生成は色が明青色か
ら黒緑色に変化することにより示される。最後にこの溶
液を水で20mに稀釈した。) ホモジナイズされた前記の混合物を8000×g、5℃に
て15分間遠心し、そしてペレットを廃棄した。上清をチ
ーズクロスに通して脂質を除去し、そして液を1%の
ヒドロキシグアニジンを含有するフェノール/CHCl3/イ
ソアミルアルコール(24:24:1)で十分に抽出してバナ
ジウム塩及び蛋白質を除去し、そして水性相を0.4M NaC
及び10mM EDTAにした。2.5容量の純アルコールを加え
て核酸を沈澱せしめ、そして混合物を−20℃にて一夜貯
蔵した。 沈澱を7000×g、2℃にて15分間遠心し、そしてペレ
ットを0.25M NaC,0025M Tris(pH8)の水性溶液9.5m
+9.5mのリン酸緩衝液〔2.5M合計リン酸塩:K2HPO4:
33%のH3PO4(20:1)+9.5mの2−メトキシエタノー
ル〕中に再懸濁した。混合物を振とうし、そして時々混
合しなが氷上で3〜5分間冷却し、そして次に2000×
g、2℃にて5分間遠心した。上層を取り出し、そして
これに10mの0.2M酢酸ナトリウム及び5mの1%セチ
ルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を加え、そ
してこの混合物を氷上で10分間冷却した。生じた白色沈
澱を2000×g、2℃にて10分間の遠心により回収した。
0.1M酢酸ナトリウムを含有する70%エタノールの添加及
び2500×g、4℃にて10分間の再遠心により沈澱を洗浄
した。 上清を除去した後、ペレットを2mのG−100カラム
出発緩衝液〔20mM Tris(pH8)、1mM EDTA,0.5%SDS〕
中に再懸濁し、そして次に0.5M NaCを含有するように
調整した。2000×g、室温にて5分間遠心することによ
り固形物を除去し、そして上清をセファデックスG−10
0カラム(1.5cm×40cm)に適用し、そしてカラムに適用
した緩衝液に類似するがしかしSDSを欠く緩衝液を用い
てカラムを溶出した。OD260をモニターすることにより
溶出物をアッセイした。液過液中に所望のメッセンジャ
ーRNAを得、植物抽出物中に存在する酸化されたフェノ
ール性化合物を残した。(これらの化合物はdTカラム上
でポリA RNAと類似する挙動をし、蛋白質合成を阻害
し、そしてそれ故にmRNAのアッセイを阻害することが知
られている。) mRNAを含有する最初のピークを洗剤であるホルムアミ
ドで処理してリボゾームRNA複合体を破壊した。これを
行うため、mRNA含有画分をプールし、エタノール中で沈
澱せしめ、そして沈澱を最少量の水中に再溶解した。こ
の溶液に、20mM PIPES〔ピペラジン−N,N−ビス(2−
エタンスルホン酸〕を含有する脱イオンホルムアミド
(pH6.5〜7.0)9容量を加えた。 次に、混合物を5分間37℃に加熱し、そして10容量の
dTカラム緩衝液〔0.5M NaC,10mM Tris(pH7.5),1mM
EDTA〕を加えた。ホルムアミドの存在が存在するすべて
のリボゾーム性RNAからポリA RNAを解離せしめる。 次に、変性された混合物を当業界においてよく確立さ
れている方法に従ってオリゴdTカラムに通し、そして溶
出後約100μgのポリA RNAを回収した。 D.2. リシンA、並びにリシン及びRCAの十分な長さのD
NAの調製 D.2.a リシンA リシンAコードクローンを得るため、前記に記載した
ようにして調製したポリA mRNAを使用してManiatis等
(前掲)の方法に従ってcDNAライブラリーを得る。要約
すれば、ポリA RNAを適切な緩衝条件下、B鎖のN−末
端領域をコードするmRANに相補的な、すなわちA鎖のコ
ドンからすぐ下流のプライマー5′−GACCATTTCGACCTAC
G−3′の存在下で逆転写酵素で処理する。次に、複合
体を塩基で処理することにより残留するmRNAを除去す
る。標準的条件下でターミナルトランスフェラーゼを使
用して単鎖の3′末端にポリdCオリゴマーを付加する。
プライマーとしてオリゴ−dGを使用し逆転写酵素を使用
して、上記の単鎖cDNAを2本鎖形に転換する。次に、cD
NAにオリゴ−dCを付加しそして開裂されたベクターにオ
リゴdGを付加し次にアニールせしめることにより、2本
鎖cDNAをpBR322のPst I部位に挿入する。得られた混合
物を使用してE.コリMM294を形質転換し、そして5000個
のAmpR株を得た。 好結果のコロニーをニトロセルロースプレート上に移
し、そして32Pと共にキナーゼ処理された千種類の合成
オリゴヌクレオチド: この混合物により、Grunstein及びHognessの方法(前
掲)を用いてプローブした。この混合物はリシンA中に
含まれるアミノ酸配列のコドンに対して相補的なアンチ
センス鎖を代表し、これはほとんどのコドンのあいまい
さを含み、これはコドン配列の部分に対するプライマー
の混合物を用いて合成されたcDNAを配列決定し、そして
合成されたcDNAの実験的に決定された配列を用いること
により解決される。幾つかの代表的な陽性にハイブリダ
イズするクローンからプラスミドを単離し、そして部分
配列分析により分析した。こうして得られた2群はリシ
ンンA及びアグルチニンAに相当する様であった。各群
からの2つのプラスミドpRA123及びpRA45を挿入領域に
おいて配列決定した。 第1図及び第2図にこの配列決定の結果を示す。第1
図はpRA123中の挿入部の配列を示す。この塩基配列はこ
の図中のヌクレオチド配列のすぐ下に示されるアミノ酸
配列の推定を可能にする。これを図中にRTAとして標示
された単離された蛋白質のそれと比較することができ、
6個の残基のみ異る。これらの差異は公表された配列の
誤まり及び/又は示されたリシンA蛋白質の多様性によ
るであろう。リシンAの完全なコード配列、並びにA鎖
をB鎖に連結する12個のアミノ酸及びシグナル配列のコ
ドンが存在する。pRA123を正しい開始コドン及び終止コ
ドンを与えるように変形した後後に記載する発現ベクタ
ー中のコード配列源として使用した。 第2図は、pRAT115(第4図を参照のこと)及びpRA45
中の配列の組み合わせから推定されるリシンアグルチニ
ンAのための配列を示す。この図中にはこの混成物の塩
基配列が示されており、そしてそのすぐ下の列は推定さ
れるアミノ酸配列を示している。リシントキシンAとの
差異を示すため、この図中にはまたRTAと標示されたリ
シントキシンAの配列も含めてある。アグルチニン配列
中の位置84及び156のシスチン残基は得られたトキシン
配列からの大きな差異を示す。 D.2.b 十分な長さのリシン及びRCAのクローン リシン及びRCAの完全なポリペプチド配列をコードす
るクローンを得るため、前記の項に記載したようにして
調製されたポリA mRNAを使用して、この明細書に記載す
るベクターを用いてOkayama及びBerg(前掲)の方法に
従ってcDNAライブラリーを得る。この方法は次の点にお
いてManiatis等の方法と異る。(1)プラスミドベクタ
ーDNAは第1cDNA鎖の合成のためのプライマーとして機能
し、そして(2)第2DNA鎖はcDNA:mRNANハイブリドのニ
ック−トランスレーション修復により形成される。要約
すれば、プラスミドpcDV1を、Hind III部位から最も遠
いKpn I末端にオリゴdTテイルを付加することによりプ
ライマーDNAとして使用する。このプライマーを過剰の
ポリA mRNA及び逆転写酵素と共に適切な緩衝条件下でイ
ンキュベートすることによりcDNAの最初の鎖を生じさせ
る。プラスミド−cDNA:mRVAハイブリドの単離の後、cDN
Aの3′末端にdCテイルを付加する。これは、ベクター
ハイブリドをdCTRと共にターミナルヌクレオチジルトラ
ンスフェラーゼの存在下でインキュベートし、そして次
にこれをHind IIIで開裂せしめてオリゴ−dCテイルをも
含有するpcDV1 DNAの断片を放出せしめることにより達
成される。生ずるハイブリドベクターは部分的Hind III
部位を含有する。このプラスミドを、部分的Hind III部
位の反対側にオリゴ−dGテイルを含有するプラスミドpL
1由来のリンカーとアニールせしめ、そしてこれをE.コ
リDNAリガーゼにより連結することにより環化する。次
に、ハイブリドベクターをE.コリDNAリガーゼ、E.コリD
NA pol I、及びE.コリRNアーゼHを含有する混合物中
で、修復合成及びpal Iによるニックトランスレーショ
ンのために最適な温度条件下でインキュベートする(す
なわち、12℃及び室温でのそれぞれ1時間ずつの遂次的
インキュベーション)場合、RNAに代るcDNAの第2鎖が
生ずる。再構成されたベクターは次の重要な特徴を有す
る。(1)pBR322から、DNA複製開始点、及びアンピシ
リン耐性のための遺伝子、並びに(2)SV40から、DNA
複製開始点、前記及び後期プロモーター、16s RNAスプ
ライス連結部、及びポリA付加シグナル。このベクター
を使用してE.コリMM294を形質転換する。この方法を用
いて数千個のAmpRコロニーが得られた。 AmpRプラスミドを含有するコロニーをGrunstein及びH
ogness(前掲)の方法によりプローブとしてD.2.a.に前
記した合成オリゴヌクレオチドの混合物を用いてプロー
ブした。幾つかの代表的な陽性にハイブリダイズするコ
ロニーからプラスミドを単離し、そして制限酵素分析に
より分析した。制限酵素分析パターンに基いて、クロー
ンpRT3、pRT17及びPRT38の3つのプラスミドを選択して
挿入部領域の配列決定を行った。これらの配列を第12
図、第13図及び第14図に示す。 第12図はpRT3中の挿入部の配列を示す。この塩基配列
は図中のヌクレオチド配列のすぐ下に示すアミノ酸配列
の推定を可能にする。このアミノ酸配列と米国特許出願
No.518,121中に示されるRCAのB鎖のそれとの比較によ
りRCAとしてコードされたポリペプチドが同定された。
このヌクレオチド配列は完全なA及びB鎖並びに12個の
介在アミノ酸、並びにリーダー配列の部分をコードす
る。 pRT17中の挿入部の配列及び推定されるアミノ酸配列
を示す。このアミノ酸配列に基いて、このヌクレオチド
配列は完全なA及びB鎖、12個の介在アミノ酸配列、並
びにリシンアイソトキシンDのリーダー配列の部分をコ
ードしていると結論される。 第14図はpRT38中の挿入部の配列及びこれから推定さ
れるアミノ酸配列を示す。第15図に示すように、pRT17
及びpRT38中にコードされるアミノ酸配列の比較から、p
RT38中にコードされているポリペプチドはpRT17に対し
て15のアミノ酸置換を含有するものと決定することがで
きる。すべての置換はB鎖中に存在する。従って、pRT3
8は完全なA及びB鎖、12個の介在アミノ酸、並びにリ
シンアイソトキシンの完全なリーダー配列をコードして
いる。B鎖のpIが上昇していることを予想させる置換の
性質に基いて、pRT38中にコードされているポリペプチ
ドはリシンアイソトキシンEとして仮りに同定される。 D.3. クローニングベクターの変形 完全なリシンAコード配列を含有するpRA123を変形し
て、この配列が、アミノ酸265の後の適切な位置に終止
コドンを有しそして成熟配列にすぐ先行する位置に開始
コドンを有するHind III/BamH Iカセットとして得られ
るようにした。pRA123をBamH Iで消化し、そして約896
のbpの断片を単離し、そしてM13mp18中にこのm13ベクタ
ー中のlacプロモーターに対してアンチセンス方向にサ
グクローニングした。第1図中上列の文字(2)及び
(3)として示される配列をプライマーとして用いて、
ファージ単鎖DNAをプライマー指令変異誘発にかけた。
A鎖配列の始め近くに示されるオリゴヌクレオチド
(2)は、AトキシンN−末端アミノ酸のすぐ上流のAT
G開始コドン及びこのATGの直接上流のHind III部位を挿
入する変形をもたらす。トキシンコード配列のC−末端
の近傍のプライマー(3)はセリンのコドンをTAA終止
コドンで置き換える。生ずる変形されたファージを各変
異誘発の後に適接な上記のプライマーをプローブとして
用いて同定した。所望の造成物をHind III及びBamH Iに
より2重消化し、そして適切なリシンAコード断片を単
離した。 このベクターを用いて完全なリシン配列の発現のため
のベクターを調製すべき場合、セリンのコドンを終止コ
ドンに変えるブライマー(3)により指令される変異を
省略する。リシンA又はリシンの分泌が望ましい場合、
プライマー(2)によって指令される変異を省略し、そ
して第1図中に(1)として標示されるプライマーによ
り指令される変異をシグナル配置のための開始コドンの
領域に置換する。この変形は、シグナル配列のATGコド
ンのすぐ前にHind III部位を提供する。すなわち、細胞
内でのリシンAの生産のためのベクターの造成を可能に
する上記の変形に加えて、リシンAの分泌をもたらすベ
クターの造成、又は完全なリシン配列の細胞内生産もし
くは分泌をもたらすベクターの造成のための配列を提供
することができる。言うまでもなく、分泌のために設計
されるベクターは、前記のような適切な宿主中での発現
のために造成されなければならない。 およそ同様な方法で、pRT3、pRT17及びpRT38からの挿
入部を変形して発現ベクターに挿入するためのコード配
列を含有する所望のカセットが得られる。第1図中プラ
イマー2として前記したプライマーを用いて、前駆体N
−末端アミノ酸にすぐATG開始コドン及びすぐ上流のHin
d III部位を、3種類すべての前駆体含有コード挿入部
に入れることができる。しかしながら、前駆体DNAのB
部分は幾つかのBamH I部位を含有するので、リシンAに
ついて使用したようなBamH I部位は実際的ではなく、そ
してそれ故に他の方法が行われる。要約すれば、pRT3、
pRT17及びpRT38をXho Iで消化し、Klenowで平滑末端化
し、そして断片をSam I部位においてM13mp19に連結す
る。M13に含有される挿入部をlacZリーディングフレー
ムに対する方向について制限酵素分析により分析し、そ
してアンチ−センス方向を含有するものを選択する。こ
の方向はファージベクターのリンカー領域にPst I部位
を提供し、変形された挿入部の切り出しを便利にする。
この方向に挿入部を含有するファージベクターを、プラ
イマー2を用いて上記のようにして部位特異的変異誘発
にかけて所望の変形された挿入部を得る。次に、変形さ
れた組換形のファージベクターをPst Iで消化し、Kleno
wにより平滑末端化し、そして次にHind IIIで消化す
る。正しい長さのDNAセグメントを含有する断片を単離
して発現ベクターに連結する。これらのベクターは、原
核生物に形質転換された場合、コードされている3種類
の前駆体の発現をもたらす。 リシン前駆体又はRCAプレカーサーのリシン又はRCAへ
の転換を促進するため、該プレカーサー蛋白質のA部分
及びB部分の間の12連アミノ酸配列中に蛋白質分解開裂
のための部位を設けるのが好ましい。1つの便利な方法
はリンカー中のアルギニンの下流のプロリン残基をもう
1つのアルギニン残基で置き換えてトリプシンによる開
裂部位を設けることである。これは、挿入部をファージ
ベクター中に保持しながら第13図に示すようなプライマ
ー4を用いて追加の変異誘発を行うことによって達成さ
れる。挿入部をPst I(平滑)/Hind III開裂により再び
回収する。発現ベクターにクローン化した場合、この変
形されたDNAを適当な形質転換体中で発現せしめること
によりトリプシンによる開裂に対して感受性の前駆体を
得、これからから活性形のリシンを形成することができ
る。但し、この活性形リシンはA鎖及びB鎖に付着した
追加のアミノ酸配列を含有する。 下記のごとき他の幾つかの造成のためには、M13に含
有される挿入部をプライマー4によってのみ変異せしめ
て、トリプシン開裂部位のためのarg−argを設ける必要
がある。この場合、下記のごとき別の方法によってベク
ターが造成される。リシンAの発現ベクターに匹敵す
る、トリプシン開裂形を包含する前駆体のための発現ベ
クターは、リシンAのために造成された任意の発現ベク
ターを使用し、そしてリシンAの終止されたC−末端部
分に代えて追加の所望の配列を含有する下流部分を置く
ことによっても得ることができる。これは、リシンAベ
クターをBamH Iで消化し、Klenowで平滑末端化し、そし
て次にCla Iで消化してリシンAのC−末端領域を欠く
開環されたベクターを得ることにより達成される。次
に、Cla I部位から下流の前駆体遺伝子の部分を含むpRT
3,pRT17又はpRT38中の挿入部からの、又は対応するM13
ファージ中の変異した挿入部からのCla I/Xho(平滑)
断片を前記の開環されたリシンAベクターに連結する。
Cal I部位は鎖のリシンA部分に切り込むので、これ
は、終止されたA鎖の残りの部分をこれらのベクター中
に含まれる下流部分で置き換えることを可能にする。こ
れらの造成が、Hind III変形挿入により造成されるもの
として上に記載したものと同等の発現ベクターをもたら
す。 前駆体DNAからのリシン又はリシンアグルチニンの製
造を単純化するための他の方法においては、M13〜の挿
入部を第14図に示すようなプライマー(5)を用いて変
異せしめる。このプライマーは、介在アミノ酸のコドン
をループアウトしながらA鎖のための終止コドン及びB
部分のためのATC開始コドンを提供する。次に、2種類
の蛋白質のための発現ベクターの造成を同様の方法によ
り別々に行う。 D.4. リシンA並びにリシン及びRCAの前駆体のための
発現ベクターの造成 リシンAのために前項において調製されたHind III/B
amH I断片、又は前駆体ベクター挿入部からの変形され
ているかもしくは変形されていないHind III/Pst I(平
滑)断片をHind III/BamH Iにより消化された宿主発現
ベクターpTRP3及びpPLOPに連結する。(BamH I部位は前
駆体配列の挿入のためには平滑末端化する。)pTRP3はA
TCC39946として寄託されており、ユニークHind III部位
にすぐ先行するtrpプロモーターを含有する。pPLOPはAT
CC39947として寄託されており、そして温度感受性高コ
ピー数プラスミド中にユニークHind III部位にすぐ先行
してPLプロモーター及びN遺伝子リボゾーム結合部位を
含有する。 pRTP3との連結生成物によりE.コリMM294をAmpRに形質
転換する。選択されたクローンからプラスミドを単離す
る。これらのプラスミドの内の2つ、すなわちpRAT7及
びpRTA1は完全な配列を含有することが示される。完全
なリシン変異体配列を含有するプラスミドをpRTT3、pRT
T17、及びpRTT38と称する。 pPLOPとの連結生成物をE.コリMC1000λ溶原株に形質
転換し、そしてAmpRコロニーの内の2個から単離された
プラスミドをpRAL6(ATCC39833)、及びpRAL7と命名し
た。これらもまた完全なRTAコード挿入部を含有するこ
とが示された。リシン配列を含有するプラスミドをpRTL
3、pRTL13及びpRTL38と命名する。 同様にして、分泌されるリシンA又はリシンを発現す
るために設計されたプラスミドが、第1図中のプライマ
ー1及び3を用いるプライマー指令変異誘発にかけられ
たpRA125から、並びに完全なリーダー配列を有するよう
に変形されそして同様に処理されたpRT3、pRT17及びpRT
38から(pRT3及びpRT17はそうでなければ完全なリーダ
ーを含有しない)から、上記のようにして調製されたHi
nd III/BamH I断片を用いて造成される。これらのプラ
スミドはリシンA又は前駆体蛋白質のためのコード配列
を、適当な真核性制御配列に作用可能に連結されたシグ
ナル配列と共に含有する。適切なベクター/宿主系、す
なわち、例えば酵母、植物又は哺乳動物細胞中で、これ
らのプラスミドのコード部分の発現がリシンA、リシン
前駆体又はアグルチニン前駆体、の細胞内生産及び保持
ではなく分泌をもたらす。 同様にして、完全なリシン鎖を発現するプラスミドpR
ABT及びpRABLを、プライマー2のみを用いる変異により
変形されたpRA123配列を用いて調製された中間体から調
製することができる。これらの中間体にリシンのB部分
のためのコード配列を挿入する。各場合において、上記
のようにして得られた中間体プラスミドをBamH I及びSa
l Iにより処理し、そして次にBAPにより処理して、後程
B−部分コード領域及びB−供与体ベクター配列の部分
を取り込むであろうベクター断片を得る。pRTB704をB
−部分含有断片の供与体として用いる。pRTB704は国際
特許出願PCT US/8500197中に詳細に記載されており、そ
して本発明書のD.8に適切な記載を行う。 “B"断片を得るため、pRTB704をSal Iで消化し、次に
BamH Iで部分消化し、そしてアガロースゲル電気泳動に
より断片を分離する。こうして、N−末端アミノ酸のす
ぐ3′側のBamH I部位からpUCベクター断片中のSal I部
位までのB部分配列を含有する大断片を単離する。次に
この断片を、前記のBAP処理されたベクターと連結し、
そして連結混合物をE.コリに形質転換し、そしてAmpR
ついて選択する。良結果の形質転換体を増殖せしめ、プ
ラスミドを単離し、そしてこれを用いて適当な対応する
宿主を形質転換して完全なリシン鎖の発現を行う。 要約すれば、原核性宿主での発現のために適当な代表
的なベクターは次のものを含有する。 すべてのリシンA発現ベクターは、pRT3、pRT17及びp
RT38によりコードされる前駆体蛋白質の発現のためのベ
クターに転換することができ、これは前記発現ベクター
からの短いCal I/BamH I(平滑断片を前記ベクターのCl
a I/Xho I(平滑)断片により、又はリンカー変形を含
有するファージベクターからのCla I/Pst(平滑)断片
により置き換えることにより行われる。 D.5. リシンAコード配列の発現 pRAL6、pRAL7、pRAT1及びpRAT7を、E.コリの適切な株
(pRALはMC1000−39531に、そしてpRATはMM294に)に形
質転換し、そして標準的培養条件下で細胞を増殖せしめ
た。音波処理された抽出物をウェスタンブロットを用い
て蛋白質生産について分析した。 ウェスタンブロット分析によるクローン化蛋白質生成
物の分析は、Bittner,M等,Ann.Biochem.(1980)102:45
9−471;及びErlich,H.A.等,Infect.Immun.(1983)41:6
83−690により一般的に記載されている。SDS−ポリアク
リルアミドゲル中で分離された蛋白質を市販の装置(例
えば、ビオラド社、又はヘファー・サイエンティフィッ
ク)を用いて電気泳動的に適当な膜支持体、例えばニト
ロセルロース、CNBr−活性化紙、又は市販されている種
々の誘導体化されたナイロン膜(例えば、ジーンスクリ
ーン、デュポン/ニューイングランドニュークレアー;
又はパレビオダインA、パル社)のいずれかに移す。移
行又は膜反応のための種々の方法を使用することがで
き、これらは装置及び膜の製造者により提供される。特
異的クローン化抗原が特異的抗血清、例えばラビット抗
−リシンA血清、及び二次検出系、例えば125Iプロテイ
ンA(業的に入手可能、ニューイングランドニュークレ
ア)又はホースラディッシュパーオキシダーゼ接合抗−
ラビット血清(反応を可視化するために適切に発色され
る)により検出される。 第3図は、pRAL6、pRAL7、pRAT1及びpRAT7により形質
転換された適切なE.コリ宿主からの細胞抽出物のウェス
タンブロットを示す。免疫反応はラビットにおいて天然
リシンAに対して生じた抗体を用いて得られた。図中
“recA"として標示された蛋白質精製物の移動度は、図
中リシンA1及びA2と標示された天然のグリコシル化形の
移動度との関係においてリシンAの非グリコシル化形の
それに一致する。許容されるバックグラウンド以外の免
疫反応は、リシン配列を担持しないプラスミドであるベ
クターpPLOP及びpTRP3を含有する同じ条件下で培養され
た細胞からの抽出物中には認められない。クマッシーブ
ルー染色されたSDS−ポリアクリルアミドゲル及び平行
して行われるウェスタンブロットのラジオオートグラフ
の分析が生産レベルの算定を可能にする。pRAT1形質転
換体については、組換RTAは全細胞蛋白質の約0.5%を占
める。pRAL6形質転換体については、RTAは全細胞蛋白質
の約5%であることができる。 精製された活性な蛋白質を得るため、前記の形質転換
体の培養物を音波処理により細胞溶解し、そして不溶性
材料を取り出した。この材料をチャオトロピック剤、す
なわち0.5%SDSを含有する8M尿素で処理してそれを可溶
化し、そして蛋白質凝集体を分散せしめた。得られた懸
濁液を遠心して残留不溶物をペレット化し、そして上清
をセファクリルS−200(ファルマシア社)カラムに適
用して蛋白質成分を分画した。約80%均一なリシンA蛋
白質を含有する画分をポリアクリルアミドゲル分析によ
り同定し、そしてこれらの画分をシリンAに関連する酵
素活性、すなわちラビット網状赤血球インビトロ翻訳系
(例えば、ベセスダリサーチラボラトリーズ,ロックビ
ル,マリーランド)における蛋白質合成を阻害する能
力)についてアッセイした。精製された蛋白質はこのア
ッセイにおいて生物学的に活性であった。 同様に、pRTT3、pRTT17、もしくはpRTT38を用いるE.
コリMM294への形質転換体、又はpRTL3、pRTL17、もしく
はpRTL38を用いるE.コリMC100への形質転換体はリシン
アグルチニン又はリシンアイソトキシンの細胞内生産を
もたらす。リンカー領域の変形を有する類似のベクター
を含有する形質転換体は、誘導された場合、トリプシン
により開列され得る前駆体又は活性化された蛋白質を生
産する。 D.6. 可溶性組換リシンAをもたらす造成物 前記のベクターのほかに、前に定義した意味において
可溶性である形態で組換リシンAを細胞内にもたらすベ
クターを造成した。こうして生産されたリシンAは酵素
的に活性であることに加えて、下記の細胞変性アッセイ
において活性である。次の項において、このような発現
のためのベクターの造成、リシンA配列の発現、並びに
生産されたリシンAの精製及び特徴付けを記載する。こ
の造成において使用されるすべてのベクターは、phoA及
びB.チュリンジエンシス由来の適当な制御配列を含有す
る宿主ベクターを用いる。 D.6.a. 適切な制御配列を有する宿主ベクターの造成 pSYC1089は、phoAプロモーター、リーダー配列のC−
末端にNar I部位を提供する変形を有するリーダー及び
コード配列、並びにこれに続くB.チュリンジエンシスの
ポジディブ・レトロレギュレーターを含有する。この後
のベクターの造成において使用したこのプラスミドの造
成を第6図に示す。 pSYC997:Nar I部位を含有するように変形されたphoプロ
モーター及びリーダー 2.6kbのphoA構造遺伝子をHind III/Xho I断片として
含有する25kbプラスミドpEG247をphoA遺伝子源として用
いた。このプラスミドはM.Casadabanから得たものであ
り、Groisman E.A.等,Proc,Natl.Acad.Sci.(USA)(19
84)81:1840−1843に記載されているのと同様な方法で
造成される。確かに、前記の文献に記載されている方法
を適用することにより、phoA遺伝子を任意の好ましいバ
ックボーンベクターにクローン化することができる。 pEG247からのHind III/Xho I2.6kb断片を精製し、そ
してpUC18にクローン化した。pUC18はアンピシリン耐性
マーカー及び所望の配列の便利な挿入を許容するポリリ
ンカーを含有する2.7kbプラスミドである。pUC18をHind
III/Sal Iで消化し、そしてリンカーベクターを単離さ
れたphoA断片と連結した。連結混合物を使用してE.コリ
JM103又はJM105と類似の株であるE.コリDG99をAmpRに形
質転換し、そしてpUC18への挿入部についてスクリーニ
ングされた好結果の形質転換体中の中間体プラスミドpS
YC991の造成を確認した。 所望のNar I変形を含有するpSYC997をpSYC991から部
位特定変異誘発により調製した。Pvu II/Pvu II−770塩
基対断片をpSYC991から得た。このものは、phoAプロモ
ーターの部分及び成熟アルカリ性ホスファターゼの上流
N−末端配列、並びにさらに完全なリーダー配列を含有
する。この断片をM13mp11のSma I部位に連結し、そして
単鎖ファージを変異誘発のための鋳型として調製した。
変異誘発において、次の合成26−mer: (上線はNar I部位を示す)をプライマー及びプローブ
として使用した。次に、変異したファージ粒子を使用し
て、Nar I部位を含有する所望のリーダー配列源としてR
F−DNAを調製した。 pSYC1015:CmRマーカーバックボーンベクタ クロラムフェニコール耐性、レプリコン、及びphoA遺
伝子中の適当な制限部位を提供するpSYC1015もまたpSYC
991から造成する。まずpSYC991をHind III/BamH Iで消
化し、そしてphoA遺伝子を含有する約2.6kbの断片を精
製し、そしてHind III/BamH I消化されたpACYC184から
の精製された3.65kbベクター断片と連結した。pACYC184
はATCCから入手可能であり、そしてクロラムフェニコー
ル遺伝子(CmR)、細菌レプリコン、及びテトラサイク
リン耐性遺伝子のHind III及びBamH I部位を含有する。
連結混合物を使用してE.コリMM294をCmRに形質転換し、
そしてpSYC1015の構成を制限酵素分析及び配列決定によ
り確認した。 追加のphoA含有中間体 B.チュリンジェンシスのポジティブ・レトロレギュレー
ターのために適当な宿主ベクターを得るため、第6図に
示すようにして、2つの中間体プラスミドpSYC1052及び
pSYC1078を造成した。 リーダーが変形されたpSYC997からのNar I部位及びph
oAプロモーターを含有する精製された小Hind III/BssH
II断片をHind III/BassH II消化pSYC1015(従って変形
されていないphoA配列が除去されている)に連結するこ
とによりpSYC1052を造成した。得られたベクターpSYC10
52はE.コリ形質転換体をCmRにすることが確認された。 pSYC1078は、phoAプロモーターの前のBamH I部位が除
去されたpSYC10152の変形である。このBamH I部位を除
去するために、pSYC1052をBamH Iにより部分消化し、4
種類のdNTPの存在下でDNAポリメラーゼI(Klenow)を
用いてフィルインし、そして平滑末端条件下で再連結し
た。今やphoA遺伝子のちょうど3′にユニークBamH I部
位を含有する目的とする得られたプラスミドが、好結果
のCmR形質転換体をスクリーニングした後に確認され
た。 pHCW701:レトロレギュレーター源 上流コード配列の発現を増強する、B.チュリンジエン
シスからの結晶蛋白質コード遺伝子(crp遺伝子)の
3′配列能力は公開されたヨーロッパ特許出願No.85361
85.6中に記載されている。要約すれば、これらの配列
は、約43%のシトシン−グアニン残基含量を有するステ
ム及びループ構造を形成することができる対応するRNA
転写物に転写されるDNA配列によって特徴付けられる。
この遺伝子の3′末端からの約30〜300ヌクレオチドが
連結された場合、遺伝子発現に正のレトロレギュレーシ
ョン効果が示される。ポジティブ・レトロレギュレータ
ーは400bp EcoR I/BamH I制限断片として調製され、平
滑末端化され、そしてインターロイキン−2の発現ベク
ターであるpLW1に連結された。(pLW1は、E.コリにおい
て有効なレプリコン、TetR遺伝子、E.コリtrpプロモー
ター、リボゾーム結合部位及びヒトIL−2の遺伝子を含
有する706bp Hind III/Pts I DNA断片を含むpBR322の誘
導体である。pLW1はブタペスト条件のもとにNo.39405と
してATCCに寄託されている。) すなわちpHCW701は、cry遺伝子のポジティブレトロレ
ギュレーターを含有する400bp EcoR I/BamH I断片をKle
now及び4種類のdNTPにより平滑末端化し、そしてこの
平滑末端化された断片をT4リガーゼ及びATPを用いてStu
I消化されたプラスミドpLW1に連結することにより完成
された。2つの可能性ある方向が生じ、これらは制限酵
素分析により容易に区別され得る。IL−2遺伝子の3′
末端の近傍に位置する再生されたBamH I部位を有する方
向のものをpHCW701と称し、ブタペスト条約のもとにNo.
39757としてATCCに寄託されている。 pSYC1089の完成 pSYC1089を完成するため、pHCW701をEcoR Iで消化
し、Klenow及び4種類のdNTPを用いてフィルインし、次
にBamH Iで消化し、そしてポジティブ・レトロレギュレ
ーターを含有する400bp断片を回収した。pSYC1078をAva
Iで消化し、Klenow及び4種類のdNTPによりフィルイン
し、そしてBamH Iで消化した。前記BamH I末端を有する
400bp断片、及びBamH I末端を有するpSCY1078消化断片
を接着末端条件下連結した。連結混合物をE.コリMM294
に形質転換し、そしてCmRを付与する5.5kbプラスミドで
ある目的プラスミドpSYC1089の造成を確認した。pSYC10
89はphoAプロモーターのための配列及びリーダー配列
(Nar I部位を伴う)、及びBamH I部位のすぐ上流の構
造遺伝子、並びにこれに続くcry遺伝子のポジティブ・
レトロレギュレーター配列を含有する。 D.6.b. pSYC1089を用いる発現ベクターの造成 リシンAコード配列を、pRA123、さらに詳しくは下記
のpRA123のM13サブクローン、及びpRAT1から得た。pRA1
23は1984年8月17日にATCC39799として寄託されてい
る。 3つの発現ベクターを造成した。2つはリーダーとリ
ーディングフレームを合わせてシリンA配列をするベク
ターであり、第7図に一般的に示されるようにして、pR
AT1及びpRA123の変形されたM13サブクローンを用いて造
成した。この発明のベクターとして代表的な第3の発現
ベクターpRAP229は、第8図に示されるようにして、pRA
T1のみに由来するコード配列を用いて造成した。 2種類のイン−フレーム(in−frame)ベクターpRAP2
18及びpRAP2210のため、(1)pSYC1089の大Nar I/BamH
Iレプリコン含有断片(B.チュリンジェンシスのポジテ
ィブ・レトロレギュレーター配列、クロラムフェニコー
ル耐性マーカー、適合性レプリコン、並びにphoAプロモ
ーター及びリーダー配列をこの順序に提供する);
(2)適切に終止されたリシンAのC−末端部分をコー
ドする500bp断片を提供するCla I/BamH I消化pRAT1;及
び(3)リシンAのアミノ末端コード部分を含む適当に
変形されたM13/pRA123サブクローンのRF−DNA中のCla I
部位の上流の350bp断片、の3方連結を用いた。 pRAP218のため、この最後の断片をプライマーとし
て: を用いる部位特定変異誘発により変形されたM13/pRA123
サブクローンから誘導した。これは、リシンAコード配
列のN−末端にMst I部位を置く。変形されたpRA123か
らの目的とする350bp Mst I/Cla I断片を3方連結混合
物として、Cla I/BamH I消化pRAT1及びNar I/BamH I消
化pSYC1089(dCTP及びdGTPの存在下でE.コリDNAポリメ
ラーゼIを用いてNar I部位を平滑末端化した後)と連
結した。生ずる融合物は、第9図(a)に示すように、
リーダーのC−末端アラニンのコドンとリーディングフ
レームを合わせて直接連結されたリシンA配列のイソロ
イシンの代りにN−末端アラニンを含有する。 pRAP2210を同様にして造成した。但し、N−末端配列
を、リシンAのN−末端にBgl II部位を置くプライマー
として: を用いて変形されたM13サブクローンからの350bp Bgl I
I/Cla I断片として得た。Bgl II開裂部位をまずKlenow
の存在下で基質としてdTTP、dATP、及びdGTPを用いて部
分的に修復し、そしてCla I/BamH I消化pRAT1及びNar I
/BamH I消化pSYC1089(ベクター断片のNar I開裂部位を
Klenowの存在下でdCTPを用いて部分的に修復した後)と
の混合物中で連結した。この連結は第9図(b)に示す
配列を与え、ここで正しい融合物はリーダーのC−末端
アラニンにリーディングフレームを合わせて融合された
もとのN−末端イソロイシンコドンを含有する。 前駆体蛋白質のためのコード配列を含有する対応する
発現ベクターを正確に上記と同様にして造成した。但
し、pSYC1089の大Nar I/BamH Iレプリコン含有断片はKl
enowにより平滑末端化されたBamH I部を有しており、そ
してpRT3、pRT17又はpRT38からのCla I/Xho I(平滑)
断片、あるいは、例えばarg−argをコードする変形又は
終止/開始コドン挿入を有する変形されたM13ファージ
からの断片を、pRATからのCla/BamH I断片の代りに使用
した。得られたベクターを一般にpR3P−218、pR17P−21
8、pR38P−218、pR3P−2210等と命名する。 リシンAのための本発明のアウト−オブ−フレーム
(out−of−frame)プラスミドを同様の3方連結により
得た。但し、N−末端配列はpRAT1からの約350bp Cla I
/Cla I断片により得、ベクター断片のNar I部位は修復
しなかった。リシンA配列はやはりpRAT1からのCla I
(部分)/BamH I切り出し断片として調製することがで
き、そしてそれが好ましいことが明らかである。得られ
る融合物は(1)イソロイシン残基に先行するリシンA
鎖の開始コドンを保持しており、(2)リーダー配列に
対して7pb分離されており、そしてそれ故にリーディン
グフレームが合っておらず(out of frame);(3)ト
リペプチドIle−Ser−LeuによりphoAリーダーを延長
し;そして(4)リシンAの開始コドンとフレームが合
っていないがしかしその近傍にあるTGAコドンにおいて
リーダー配列の終止を可能にする。pRAP229の融合部の
配列を第9図(c)に示す。前駆体のための対応するベ
クターをpR3P−229、pR17P−229、及びpR38P−229と命
名する。pRAP229は1985年3月8日にNo.53408としてATC
Cに寄託された。 この発明のアウト−オブ−フレームプラスミドpRAP22
9を同様の3方連結により得た。但し、N−末端配列をp
RAT1からの約350bpのCla I/Cla I断片として得、ベクタ
ー断片のNar I部位を修復しなかった。リシンA配列をp
RAT1からのCla(部分)/HamH I切出し断片として調製す
ることもでき、そしてそれも好ましいことが明らかであ
る。得られる融合体は(1)イソロイシン残基に先行す
るリシンA鎖の開始コドンを保持しており;(2)リー
ダー配列に対して7bp分離されており、そしてそれ故に
フレームが合っておらず;(3)トリペプチドIle−Ser
−LeuによりphoAリーダーを延長しており;そして
(4)リシンAの開始コドンとフレームが合っていない
がしかしその近傍にあるTGAコドンにおけるリーダー配
列の終止を可能にする。pRAP229の融合部の配列を第9
図(c)に示す。pRAP229は1985年3月8日にNo.53408
としてATCCに寄託された。 アウト−オブ−フレームphoAリーダーを用いてMM294
中で生産される可溶性リシンAに関してこの項に記載し
た方法は、pRAT1におけるように、trpプロモーターの制
御のもとでMM294中で生産されるリシンAを抽出するた
めにも使用することができる。抽出は8より高いpHにお
いて行われ、リシンAの収量は全細胞蛋白質の6〜8%
の範囲である。この収量は、抽出が異る条件で行われ
る、pRAT1についてD.5.に記載した収量より多い。MC100
0中でPLの制御のもとで生産されるリシンAについての
抽出条件の対応する変更は可溶化をもたらさない。 D.6.c. E.コリにおける可溶性リシンAの製造 pRAP218、pRAP2210、及びpRAP229をE.コリMM294中に
形質転換し、そして形質転換された培養物をMichaelis
等,J.Bact.(1983)154:356−365により記載されている
条件に類似する条件下で増殖せしめた。外から添加する
リン酸濃度を低下せしめることにより細胞を誘導し、そ
して培養物を16〜17時間保持した。 細胞を収得し、そして洗剤の不存在下での音波処理に
より調製された全体細胞抽出物を、天然リシンAに対す
るラビット抗血清を用いるウェスタンブロットにより、
発現についてアッセイした。この結果を、pRAP218及びp
RAP229について第10図に示す。(pRAP2210についての結
果はpRAP218についてのそれに正確に類似する。) 〔E.コリ中で生産された蛋白質がペリプラズム空間中
に存在し、そしてそれ故に“分泌される”ということの
1つの示唆は、それが浸透圧ショックにより放出され得
ることである。この試験は、Nassal及びHeppel,J.Biol.
Chem.(1966)241:3055−3062により記載されているの
と実質的に同じ方法により行った。要約すれば、誘導さ
れた細胞培養物のペレットを、50mM Tris(pH7.4)、2.
5mM EDTA、及び20w/v%シュークロースを含有する緩衝
液中に約7×109細胞/mの濃度に懸濁し、そして室温
にて10分間保持した。次に、細胞をペレット化し、そし
て氷冷水に再懸濁し、そして氷上に10分間置いた。遠心
分離の後、浸透圧処理物と称する上清、及び浸透圧細胞
ペレットと称するペレットをこの明細書に記載するよう
にしてアッセイした。〕 第10図において、レーン1及びレーン2はそれぞれ天
然のリシン及び組換リシンを示す。(組換リシンはpRAL
−6で形質転換されたE.コリMM294を用いて製造し、そ
して音波処理により調製した全体細胞抽出物を分析にか
けた。)レーン1において、天然蛋白質のグリコシル化
の程度を異にする2つの形態A1及びA2が明瞭に現われ
る。レーン2において、組換リシンAの大きな汚れたス
ポットはゲルの過剰負荷による人工的結果であるが、こ
のものは非グリコシル化リシンAのための適切な分子量
において移動する。レーン3〜8は、誘導されたpRAP21
8培養物の抽出物を示す。浸透圧処理物であるレーン3
はリシンAがペリプラズムに存在しないことを示す。浸
透圧処理ペレットであるレーン4は蛋白質が細胞内に存
在すること、又は少なくとも細胞構造成分に結合してい
ることを示す。レーン5,6及び7は3分間音波処理物の
種々の画分であり、音波処理物の画分間のの蛋白質の分
布を示す。レーン5は低速ペレットであり、レーン6は
低速上清であり、レーン7は100,000×g上清である。
レーン8は3分間音波処理+全蛋白質を放出するための
SDSに相当する。レーン9に対照であって、誘導されな
い形質転換体がリシンAを含有しないことを示す。 レーン10〜15はpRAP229により形質転換されたE.コリ
から得られた対応する結果である。やはり、浸透圧処理
物(レーン10)はリシンAを含有せず、他方細胞内成分
はリシンA蛋白質の存在を示す。レーン14において、遊
離リシンA蛋白質が100,000×gでの遠心において上清
から除去されないことに注目することが重要である。ペ
レット画分中のリシンAの存在は膜又は他の結合材料か
らのリシンAの不完全な抽出に基く。 非ブロット−クマッシーブルー染色ポリアクリルアミ
ドヂル中に存在する物質の量の算定により、イン−フレ
ームプラスミドpRAP218及びpRAP2210については、生産
は全細胞蛋白質の約1〜2%であること、及びリシンA
がプロセシングされた蛋白質(28kD)及びプロセシング
されていない蛋白質(30kD)の間にほぼ同量ずつ分布す
ることが示される。しかしながら、pRAP229について
は、分子量28kDの生成物のみが得られ、そしてこれは全
細胞蛋白質の5〜6%以上を占める。 類似の形質転換体、例えばpR3P−218、pR17P−2210及
びpR38P−229形質転換体から対応する前駆体蛋白質が得
られる。変形された前駆体コードDNAが使用される場
合、トリプシンで開裂され得る前駆体又は活性化された
蛋白質が生産される。 pRAP229形質転換体からの精製された生成物をNH2末端
配列決定により分析した。この分析は、配列決定可能な
蛋白質の約33%がN−末端にメチオニンを有し、そして
残りがイソロイシンを有することを示す。(N−ホルミ
ルメチルオニンに続くペプチドは配列決定され得な
い。) 真空系が除去されるように改良されたアプライドバイ
オシステムス・モデル470A気相シーケンサーを用いてNH
2−末端配列決定を行った。アプライド・バイオシステ
ムス02NVACプログラムを使用し、製造者により提供され
る試薬及び溶剤を使用した。20%水性トリフルオロ酢酸
を用いる自動的変換により装置内に形成されるPTH−ア
ミノ酸誘導体を逆相HPLCを用いて同定した。HPLC系はウ
オーターズWISPサンプル注入器、2台のベックマンモデ
ル112ポンプ、ベックマンモデル421コントローラー、ア
ルテックス4.6mm×15cmウルトラフフェアーODSカラム、
254nm及び313nmに設定された2個のベックマンモデル16
0検出機(タンデム配置)、キップ・アンド・ゾネン2
チャンネルレコーダー、及びスペクトラーフィジックス
・モデルSP4100コンピューター積分器から成る。PTH−
アミノ酸を25mM酢酸ナトリウム(pH4.25)中アセトニト
リル:メタノール(1:1)のグラジエントで溶出した。 D.6.d. リシンAの精製 精製のために十分なリシンA蛋白質を得るため、細胞
を10発酵槽中で増殖せしめ、そしてリン酸塩濃度の消
耗により誘導した。100mM硫酸アンモニウム,5mM KH2P
O4,1mMクエン酸ナトリウム及び1mM TK−9のオートクレ
ーブ殺菌された溶液を含有し、そして3mM MgSO4,5g/
のグルコース,20mg/の塩酸チアミン,72mM硫酸第一鉄
及び25mg/のクロラムフェニコールから成る無菌の添
加物が補充された培地中で細胞を増殖せしめた。無機塩
/グルコース培地中に増殖した形質転換体の、振とうフ
ラスコからの1mg乾物重量/を接種した。 接種の後、発酵槽の温度を37℃に維持し、そしてKOH
の添加及び同時的グルコースフィードによりpHを6.8に
調整した。溶有機酸を40%空気飽和に調節した。約20の
OD680においてリン酸塩の消耗の後誘導が起った。明瞭
な誘導の後4〜5時間目に低速で遠心分離することによ
り細胞を収得した。 40gの湿重量の細胞を、0.5M NaCを含有する緩衝液
X〔緩衝液Xは0.1M Tris(pH8.5),25mM EDTA,0.1%β
−メルカプトエタノールを含有する〕100mの存在下で
音波処理した。30分間の音波処理の後、1mのDMSO中1m
gのフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を加
え、そして音波処理した混合物を12,000×gにて30分間
遠心した。なお、遠心速度が比較的低いため、上清はこ
の明細書において定義する溶解度の規準に合致しない成
分をなす含有するであろう。 完全には透明になっていない上清を、リン酸緩衝化塩
(PBS)(pH7)で平衡化した200mのベッドボリウムを
有する。フェニルセファロース(ファルマシア社)カラ
ムに負荷した。カラムを1ベッドボリウムのPBSで押し
出し、そして次にPBS中0〜50%クロピレングリコール
グラジエントにより蛋白質を溶出した。画分をSDSゲル
電気泳動にかけ、そしてクマッシーブルーにより染色
し、pRAL6形質転換体から精製されたあらかじめ確認さ
れたリシンAの泳動により目的とするバンドを同定する
ことによりアッセイした。組換リシンAは約15%のプロ
ピレングリコールにおいてカラムから溶出した。リシン
A含有画分をプールし、そしてその後の精製段階のため
緩衝液Y〔20mM酢酸ナトリウム(pH5.5),1mM EDTA,0.1
%β−メルカプトエタノール〕中に10倍に稀釈した。 このリシンAはこの明細書に定義する規準に照らして
可溶性であった。フェニルセファロースを使用しない対
照実験は可溶性生成物をもたらしたが、しかしながら免
疫沈澱するリシンAが遠心分離の間にペレット中に沈降
する大断片と結合して残った。さらに、可溶性であると
定義されるリシンAの収量は、精製工程において吸着剤
としてフェニルセファロースを使用することにより大き
く改良された。 プールされた画分を、緩衝液Yによりあらかじめ平衡
化された200mのベッドボリウムを有するカルボキシメ
チルセファロースカラムに適用した。画分を緩衝液Y中
100〜250mM NaCのグラジエントにより溶出し、そして
画分を上記のようにしてSDSゲル/クマッシーブルー染
色を用いてアッセイした。リシンA画分は約150mM NaC
にて溶出し、そして約95%純度のリシンAが得られ
た。これは研究用として十分な純度である。 プールされたリシンA含有画分を緩衝液X中に10倍に
稀釈し、そして次にこのプールをカビクロンブルーF3GA
〔ブル・トリスアクリル(商標)LKB〕カラムに適用す
ることによりさらに精製した。画分を緩衝液X中0〜1M
NaCで溶出した。リシンA画分を、SDSゲル/クマッ
シーブルー染色により再度同定し、そして約0.5M NaC
において溶出することが示された。これらの画分は、第
11図に示すごとく、SDS−PAGE上で単一のバンドを示し
た。第11図はトリスアクリル画分からのゲルと可溶性音
波処理蛋白質画分からのそれとを対比する。トリスアク
リルカラムから溶出する物質は、ラビット網状赤血球蛋
白質合成阻害アッセイにおいて、天然リシンAとおよそ
同じレベルで活性であった(下記参照のこと)。 D.6.e. この発明のリシンAを用いるイムノトキシン 上記のようにして精製したpRAP229生成物を用いて、
ヒト−トランスフェリンリセプターに対して特異的な免
疫グロブリンであるモノクローナル抗体454A12との免疫
接合体(immunoconjugate)、及び抗−乳癌モノクロー
ナル抗体280D11との免疫接合体を調製した。接合体はリ
ンカーとしてイミノチオラン又はSPDPを使用して2つの
一般的方法により調製した。 接合体を形成するため、Bjorn,M.J.等,Biochim.Bioph
ys.Acta(1984)790:154−163に記載されている方法を
使用した。要約すれば、抗−乳癌モノクローナル抗体28
0D11、抗−トランスフェリンリセプター454A12、又は他
の所望の抗体をまずSPDPにより誘導体にし、そしてこれ
を使用してリシンAの遊離システインのスルヒドリル基
と共にジスルフィド結合を形成せしめた。PBS中20mg/m
の抗体を含有する溶液に10〜20倍モル過剰のSPDPを加
え、そして室温にて1時間インキュベートし、そして次
にPBSに対して透析して未反応SPDPを除去した。この方
法により各抗体に約2〜5のピリジル−ジスルフィド成
分が導入されたものと計算された。接合を完成するた
め、4℃にて還元剤中に貯蔵しておいたリシンA1〜2mg/
m溶液をPBS中で平衡化されたセファデックスG−25カ
ラムに通して還元剤を除去し、そしてリシンAを2〜4
倍モル過剰の細胞変性部分の量で誘導体化された抗体と
混合した。接合は放出されるピリジン−2−チオールの
分光測定により、及びSDS−PAGEにより確認した。 他の方法においては、適切なモノクローナル抗体(>
30mg/m)を4℃にて100容量の100mMリン酸ナトリウム
(pH8),1mM EDTA(P−EPTA)に対して透析した。抗体
溶液を1mM 5,5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)
(DNTB)とし、そして次に2.5当量の2−イミノチオラ
ン(水中10mMストック溶液)を加えた。反応を0℃にて
24時間進行させた。2−イミノチオランにより導入され
そして次にDNTBによりブロックされたチオールの数をチ
オニトロ安息香酸の放出により分光光度計により決定し
た(吸光係数:412nmにて13,600/M)。過剰の2−イミノ
チオラン及びDTNBを3×100容量のP−EDTAに対する4
℃での透析により除去した。接合されるべきリシンA
(>10mg/m)を4℃にて100容量のP−EDTAに対して
透析し、そして遊離チオール/リシンAの数値をDTNBを
用いて分光光度計により決定した。抗体とリシンAとの
カップリングを、抗体のブロックされたチオールに対し
て1.2倍過剰のリシンA遊離チオールを添加することに
より実施した。反応を412nmにて連続的にモニターし
た。この反応は2時間以内に完了した。 この発明のリシンA、洗剤中でのみ可溶性である組換
(pRAL6)リシンA、及び天然リシンAを用いて接合体
を調製した。イムノトキシンは下記のインビトロ及びイ
ンビボの細胞変性アッセイにおいて試験することができ
る。 アッセイのため、イムノトキシンのいくらかをまず製
精した。組換(pRAL6)リシンA由来の免疫接合体は、
やはり洗剤中でのみ可溶性であり、精製することが不可
能であった。本発明の可溶性リシンAの接合体及び天然
リシンAの接合体を、まずブルー・トリスアクリル上で
の分画とPCA−44上でのサイズ分離との組合わせにより
精製した。遊離抗体、遊離リシンA、及び接合体を含有
するもとの混合物をまず、リシンA及びその接合体の両
者に対して親和性を有するブルー・トリスアクリルによ
る処理にかけた。次に、カラムから溶出されたリシンA
及びリシンA接合体を含有する混合物をACA−44を用い
るサイズ分画にかけて未接合リシンAを分離した。得ら
れる接合体は、下記のアッセイにおいて使用した場合約
>95%の純度であった。 インビトロアッセイはBjorn等(前掲)に記載の方法
に従った。典型的な方法において、ヒト乳癌細胞(MCF
−7)を8mのガラスバイアルに接種し、そして免疫接
合体の稀釈物を添加した。37℃にて22時間インキュベー
トした後、培地を除去し、そして未ラベルのメチオニン
を欠くがしかし1μCiの35Sメチオニンが補充された培
地で置換した。2時間のパルスの後、培地を吸引除去
し、1mg/mのメチオニンを含有する10%トリクロロ酢
酸により単層を2回洗浄し、そしてバイアルを乾燥し
た。20v/v%のトリトンX−100を含有する4a20(商標)
シンチレーション液(リサーチ・プロダクツ・インター
ナショナル・コーポレーション)3mを添加した後、バ
イアルを計数した。毒性を、蛋白質合成を50%阻害する
ために必要な蛋白質の濃度(TCID50)として表現した。 インビボアッセイにおいて、腫瘍が移植された動物を
対象として使用し、そして接合体を注射して腫瘍の増殖
に対するそれらの効果を評価する。結果を、対象と比較
して実験動物における腫瘍の増殖の%として計算するこ
とができる。 リシンA及びその接合体をさらに、Balb/Cマウスへの
IV注射により毒性について試験した。本発明の組換可溶
性リシンAの接合体及び天然リシンAの接合体の両者に
ついてLD50値を決定した。不溶性組換(pRAL6)リシン
Aから調製された接合体については毒性を決定すること
ができなかった。なぜなら、これらの接合体は十分な量
で得られず、精製することができず、そして洗剤を含有
していたからである。 酵素活性並びに前記のインビトロ及びインビボ活性試
験の結果を第1表に後記する。 第1表に示す酵素活性は、市販のラビット網状赤血球
インビトロ翻訳系における蛋白質合成を50%阻害するの
に必要なリシンAの量(ng/m)に関する。 毒性は、Balb/CマウスへのリシンAの1回のIV注射か
ら得られるLD50値として算出した。 上記のようにして調製したリシンA蛋白質とのイムノ
トキシンを用いて細胞変性をインビトロで測定した。未
接合天然リシンA又はpRAP229リシンAを用いる対照は
およそ20nMの細胞変性活性を示した。 アッセイ法は上記の通りとした。感受性セルラインと
してMCF−7を使用し、そして表に示す結果は感受性セ
ルラインの50%殺滅を惹起することができる接合体の濃
度(nM)である。対照非感受性セルライン、例えばCC95
は典型的には100nMより高いこのアッセイの免疫接合体
のTCID50値を示した。 この発明の可溶性pRAP229リシンAは実験誤差の範囲
内において、天然リシンAの性質に匹敵する性質を有
し、この性質には酵素活性及び特異的細胞変性接合体の
形成が含まれる。インビボアッセイにおける予備的な結
果は、可溶性pRAP229リシンAと共に形成された免疫接
合体が、腫瘍の増殖を阻害するその活性において、天然
リシンAと共に形成された免疫接合体に匹敵することを
示唆する。 D.7. pRTB704の調製 pRTB704はCMCC No.1950であり、1984年9月14日ATCC
に寄託された。pRTB704はPLプロモーターNRBSの制御の
もとにリシンB配列を有する発現プラスミドである。こ
れは、リシンBコード配列を含有するpRTB601及びPLN
RBSを含有するpFC5から造成される。pFC5はNo.39864と
してATCCに寄託されている。pRTB704を造成するため、p
RTB601をHind IIIで消化してリシンBコード配列を切り
出し、FunD IIで処理してベクターのAmpR領域を破壊
し、そしてT4DNAリガーゼを用いてpFC5のHind III消化
物と連結した。この混合物をE.コリMM294に形質転換
し、そしてAmpRを選択し、そして正しい造成を配列決定
により確認した。 pRTB601 D.1に記載したようにして調製したポリA mRNAを使用
して、次のようにしてcDNAライブラリーを得た。ポリA
mRNAの部分を適切な緩衝液条件下で逆転写酵素により処
理し、そして塩基で処理して残留するmRNAを破壊した。
生ずる単鎖cDNAを4種類のdNTPの存在下でE.コリのポリ
メラーゼIを用いて修復し、そして生ずる“ヘアーピ
ン”をT4リガーゼを用いてSal Iリンカー(ニューイン
グランドビオラブスから得られる)に連結した。S1ヌク
レアーゼによる処理及びKlenowによる修復の後、T4リガ
ーゼを用いて平滑末端をEcoR Iリンカーに連結した。次
にEcoR I及びSal Iで消化した後、両端にEcoR I及びSal
I制限部位を有する2本鎖DNA断片を、pUC13(ミネソタ
大学J.Messingより自由に入手することができる)のEco
R I/Sal I消化されBAP処理された調製物に連結した。pU
C13はpBR322の変形体であってAmp耐性(AmpR)を付与す
ることができ、そして便利な制限部位を有するリンカー
の上流に1acプロモーター制限配列を有し、これらの制
限部位には挿入において使用されるSal I部位から下流
のEcoR I及びPst Iを含有し、これらの部位は類似のM13
ファージクローニングベクターのそれと同じである。得
られる連結混合物を用いてE.コリMM294を形質転換し、
そしてAmpR株を選択した。 好結果のコロニーをニトロセルロースプレートに移
し、そしてGrunstein及びHogness(前掲)の方法を用い
て、32Pでキナーゼ処理された16個の合成オリゴヌクレ
オチド: の混合物によりプローブした。この混合物は、アミノ酸
配列: のコドンに相補的なアンチセンス鎖である。プローブさ
れた約5000個のコロニーの内約1%がプローブにハイブ
リダイズした。これらのコロニーの幾つかの代表からプ
ラスミドを単離し、そして制限分析及びMaxam−Gilbert
配列決定により分析した。3種類のプラスミドpRTB4、p
RTB5、及びpRTA115を挿入領域において配列決定した。
その結果を第4図に示す。 pRTB5の塩基配列から推定されるアミノ酸配列は、幾
らかのくい違いは存在するが、リシンBと高レベルの対
応を示す。これらは公表されている配列の誤まりに基
き、そして示されているリシンB鎖蛋白質の多様性に基
く。pRT5中には最初の11のアミノ酸を除くリシンBの完
全なコード配列が存在する。pRTB5を発現ベクター中の
多くのコード配列源として使用した。pRTA115挿入部は
リシンB遺伝子の上流コード領域を含有する。pRTA115
はRCA前駆体蛋白質と関連すると信じられるが、pRTA115
からRCAについて推定されるアミノ酸配列はN−末端を
完成するために必要とされる11個のアミノ酸についての
リシンBのそれと一致する。従って、これらの配列は欠
けている11個のN−末端コドンをコードするオリゴヌク
レオチドの造成のためのモデルとして使用され、そして
RCAの、そしておそらくリシンA及びBの単鎖ペプチド
前駆体中の12個のアミノ酸のペプチドのアミノ酸配列の
推定を可能にする。 pRTB5のコード配列はpUC13中に挿入された場合にlac
プロモーターの制御のもとに発現されないように配置さ
れている。従って、pRTB5をEcoR I及びPst Iで切断し、
そしてベクターをBstN Iにより複数の断片に開裂せしめ
た。挿入断片を、標準的条件下でT4リガーゼを使用して
EcoR I/Pst I消化したpUC8と連結した。pUC8はミネソタ
大学Messing,J.から自由に入手である他方の変形された
pBR322ベクターである。pUC8はEcoR I及びPst I部位を
有し、これらの部位はEcoR I/Pst I挿入部をβ−ガラク
トシダーゼの最初の5〜8アミノ酸との融合蛋白質をコ
ードするように1acプロモーターの制御のもとにおく。
このものはまた、Pst I部位のすぐ下流にHind III部位
を含む。連結混合物をE.コリMM294に形質転換し、そし
て形質転換体をアンピシリン耐性について選択した。プ
ラスミドDNAを幾つかのコロニー中の好結果の形質転換
体から単離し、そして制限部位のマッピングにより分析
した。適切な制限パターンを示すコロニーを選択した。
pRTB151と称する1つのコロニーを融合蛋白質のための
遺伝子の発現について試験した。ウェスタンブロットに
おいて、交差反応する蛋白質は生産されていたが目的と
する分子量に対応する蛋白質バンドは見出されなかっ
た。このプラスミドはβ−ガラクトシダーゼ配列及びリ
シンB配列を異る位相で有するように設計されたため
に、リーディングフレームが不適切であることが予想さ
れる。 10μgのpRTB151のDNAをEcoR Iで完全消化し、60μ
のS1緩衝液に溶解し、そして1分間当たりデュプレック
スDNAの約1塩基対を除去する条件下で室温にて4分間
消化した。前記の緩衝液から回収されたDANを60μの
エキソヌクレアーゼIII緩衝液中に溶解し、そして室温
にて4分間消化した。これに続く分析は、プラスミドDN
Aがハイブリダイゼーションのために利用し得る5′末
端を残して各3′末端を約120塩基失ったことを示し
た。エキソヌクレアーゼIII緩衝液から回収されたDNAを
50μの水中に溶解し、そして20μを下記の連結/修
復反応に使用した。 すなわち、20μのサンプル(2p mol)を20p molず
つ合成オリゴヌクレオチド: と混合した。これらのオリゴヌクレオチドは上に示すよ
うに相補的配列を有し、そしてオリゴ2は第5図(a)
中に示されるようにATG開始コドンの上流にHind III部
位をコードする。オリゴ1の5′末端はpRTB151の5′
末端の15塩基に相補的であり、そしてリシンB配列の隣
接する欠失コドンに相補的である。オリゴ2の5′末端
はエキソヌクレアーゼ処理されたpRTB151のベクター残
基の5′接着末端に相補的である。 混合物を60℃に5分間加熱して単鎖DNAの対合を完全
に変性し、5分間37℃に冷却して相補鎖をハイブリダイ
ズせしめ、そして氷上で冷却した。この溶液をポリメラ
ーゼI(Klenow)緩衝液条件にし、そして50μMずつの
4種類のdNTP,0.1mM NAD,0.3ユニット/μのKlenow及
び0.08ユニット/μのE.コリDNAリガーゼの存在下で1
2℃にて2時間反応せしめた。この連結混合物を使用し
てコンピテントE.コリMM294を直接形質転換し、そして
数千個のAmpRコロニーを見出した。これらの内数百個を
レプリカし、そしてニトロセルロースフィルター上に増
殖せしめ、そしてプローゼとして32Pキナーゼ処理オリ
ゴ−2を用いて標準的コロニーハイブリダイゼーション
にかけた。プローブとハイブリダイズする2個のクロー
ンを制限分析により分析し、そして配列決定し、そして
正しい造成物をpRTB601と命名した。従って、pRTB60は
リシンBコード配列をHind IIIカセットとして含有す
る。上流Hind III部位はオリゴ−2中のATGコドンのす
ぐ上流に導入されており、そして下流Hind III部位はpU
C8ベクタープラスミドに由来する。 下記のプラスミドが、特許手続上の微生物の寄託の国
際的承認に関するブタペスト条約及びその規則(ブタペ
スト条約)の規定のもとにアメリカン・タイプ・カルチ
ュア・コレクション(ATCC),米国,マリーランド,ロ
ックビルに寄託されており、そして維持され、ブタペス
ト条約の規定に従って入手可能にされる。これらの菌株
の入手可能性は、いずれかの政府の権威のもとにその特
許法に従って認められた権利に反してこの発明を実質す
る許諾であると解してはならない。これらのプラスミド
はまた、米国,カリホルニア,エメリービル,シタス・
コーポレーションのマスター・カルチュア・コレクショ
ン(CMCC)に寄託されCMCC寄託番号が付与された。
【図面の簡単な説明】 第1図は、完全なRTA蛋白質をコードするpRA123のクロ
ーン化された挿入部の完全配列を示す。さらに、推定さ
れるリシンAの対応する配列、単離された天然RTAの配
列、及びプライマー指令変異誘発により変形されるヌク
レオチド配列の部分を示す。 第2図は、RCA−A鎖コード配列に対応するプラスミドp
RTA115及びpRA45中のcDNA挿入部のヌクレオチド配列の
混成体、これらから推定されるアミノ酸配列、並びに天
然RTAの配列を示す。 第3図は、この発明のプラスミドにより形質転換された
E.コリMM294及びE.コリMC1000λ溶原株からの抽出物の
ウェスタンブロットを、リシンAの対照を用いて示す。 第4図は、リシンBをコードする配列についてcDNAライ
ブラリーをプローブすることにより得られたcDNA挿入部
を含有する3個のプラスミドのヌクレオチド配列を示
す。 第5図は、phoAオペロンの5′配列、及びリーダーのC
−末端にNar I部位を設けるための変形を示す。 第6図は、この発明の蛋白質の発現のための宿主ベクタ
ーであるpSYC1089の造成を示す。 第7図は、pRAP2210及びpRAP218の造成を示す。 第8図は、pRAP229の造成を示す。 第9図は、第7図及び第8図中に示されるプラスミドの
連結領域を示す。 第10図は、pRAP218及びpRAP229により形質転換されたE.
コリの抽出物を用いて得られるウェスタンブロットの結
果を示す。 第11図は、pRAP229で形質転換され細胞の粗波処理物及
び精製されたリシンAから得られた比較のためのSDS−
ゲルを示す。 第12図は、pRT3のRCAコード挿入部のDNA配列及び推定さ
れるアミノ酸配列を示す。“X"はベクターの部分ではあ
るがコード配列ではないヌクレオチドを示す。 第13図は、pRT17のリシンDコード挿入部のDNA配列及び
推定されるアミノ酸配列を示す。 第14図は、pRT38のリシンEコード挿入部のDNA配列及び
推定されるアミノ酸配列を示す。 第15図は、pRT17及びpRT38によりコードされるアミノ酸
配列の比較を示す。 第16図A及び第16図Bは、リシンアイソトキシンD、E1
及びE2を分離するブルー・トリスアクリル(Blue Trisa
cryl)Mクロマトグラフィーからの溶出物の溶出プロフ
ィール及び等電点沈澱による分析を示す。 第17図A及び第17図Bは、リシンD、リシンE1、リシン
E2、及びヒマ−アグルチニンを分離するアガロースアフ
ィニティークロマトグラフィーからの溶出物の溶出のプ
ロフィール及び等電点沈澱パターンを示す。 第18図A及び第18図Bは、リシントキシン類並びにそれ
らのA鎖及びB鎖の等電点沈澱パターンを示す。 第19図は、リシントキシン類及び第10図の成分のSDS−P
AGEにより決定された分子量の比較を示す。 第12図、第13図及び第14図のコードされた蛋白質のリー
ダー配列は同一である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) 微生物の受託番号 ATCC 67027 微生物の受託番号 ATCC 39946 微生物の受託番号 ATCC 39947 前置審査 (56)参考文献 特開 昭60−102188(JP,A) 特表 昭60−500701(JP,A) 欧州公開169006(EP,A1) Eur.J.Biochem,Vo l.148,No.2(1985)P.265− 270 Gene,Vol.39,No.2−3 (1985)P.247−254 Nucleic Acids Res eqrch,Vol.13,No.2 (1985)P.8019−8033 The Journal of Bi ological Chemistr y,Vol.260,No.29(1985)P. 15682−15686 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.細菌細胞において組換え生産されたグリコシル化さ
    れていない細胞内で可溶性で且つ生物学的に活性な蛋白
    質であって、次のアミノ酸配列:を有するリシンA鎖。 2.グリコシル化されていない細胞内で可溶性の生物学
    的に活性な蛋白質の製造方法であって、次のアミノ酸配
    列:を有するリシンA鎖をコードし前記可溶性蛋白質の発現
    のために適切な制御配列に作用可能に連結されているDN
    Aを含んで成る発現ベクターにより形質転換された細菌
    細胞を培養することを特徴とする前記蛋白質の製造方
    法。 3.前記発現ベクターがtrpプロモーター又はphoAプロ
    モーターを含有する、請求項2に記載の方法。 4.前記発現ベクターがphoAリーダー配列をコードする
    DNA配列をさらに含有する、請求項2又は3に記載の方
    法。
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