JP3009860B2 - (±)2−[ 4−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその塩の製造方法 - Google Patents
(±)2−[ 4−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその塩の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下記式(I)の
(±)2−[4−(2−オキソシクロペンチルメチル)
フェニル]プロピオン酸および薬学的に許容し得る有機
または無機塩基とのその塩を工業的規模で製造する方法
に関する。
(±)2−[4−(2−オキソシクロペンチルメチル)
フェニル]プロピオン酸および薬学的に許容し得る有機
または無機塩基とのその塩を工業的規模で製造する方法
に関する。
【0002】
【化8】
【0003】上記式(I)の化合物は商標名ロキソプロ
フェン(LoxoprofenTM)としても知られてお
り、またそのナトリウム塩は、鎮痛剤や解熱剤のよう
な、胃腸の潰瘍誘発性の低い炎症抑制剤として、日本の
会社“三共”から、ロキソニン(LoxoninTM)と
いう商標名で市販されている。
フェン(LoxoprofenTM)としても知られてお
り、またそのナトリウム塩は、鎮痛剤や解熱剤のよう
な、胃腸の潰瘍誘発性の低い炎症抑制剤として、日本の
会社“三共”から、ロキソニン(LoxoninTM)と
いう商標名で市販されている。
【0004】特許や非特許文献に製法が広く記載されて
いるその他の類似の非ステロイド系抗炎症性酸類とは相
違して、ロキソプロフェンの場合には限られた数の製造
法しか記載されていない。
いるその他の類似の非ステロイド系抗炎症性酸類とは相
違して、ロキソプロフェンの場合には限られた数の製造
法しか記載されていない。
【0005】ドイツ国特許第2,814,556号は、
一般式(II)の化合物と2−オキソ−シクロペンタン
エチルカルボキシレートとの縮合(スキーム1)、或い
は、シクロペンタンエナミンまたはシクロペンタノンオ
キシムとの縮合により、加水分解後にロキソプロフェン
を与えることをクレームしているが、例証していない。
一般式(II)の化合物と2−オキソ−シクロペンタン
エチルカルボキシレートとの縮合(スキーム1)、或い
は、シクロペンタンエナミンまたはシクロペンタノンオ
キシムとの縮合により、加水分解後にロキソプロフェン
を与えることをクレームしているが、例証していない。
【0006】
【化9】
【0007】上述の文献によれば、式(II)の化合物
において、Xはハロゲンまたはスルホネートであり得
る。XがClである式(II)の化合物は前記文献に引
用されているが、その製造法は記載されていない。文献
で公知のものに鑑みて、上記生成物は相当するアルキル
−2−フェニルプロピオネートから、フォルムアルデヒ
ドおよび塩酸との従来公知のクロロメチル化反応によっ
て製造されたものであるに違いない。この反応は、非レ
ジオ選択的(オルソおよびメタアルキル化生成物も形成
する)であることに加えて、副生物として、強発癌性化
合物として知られているビス(クロロメチル)エーテル
を与える。従って、それを工業的規模で応用するには、
反応を行う際およびその後の作業を行うに際して特別の
注意を払うことが必須要件となろう。また、式(II)
の化合物と2−オキソ−シクロペンタンエチルカルボキ
シレートの間の縮合反応はロキソプロフェンの前駆物質
である油状生成物を与え、それを高真空下(175−8
℃/0.5mmHg)で蒸留することにより精製する必
要がある(収率:理論量の約61%)。最終的には引き
続く酸加水分解によって式(I)の化合物が取得される
が、それもまた高真空下(190−5℃/0.3mmH
g)の蒸留によって精製する必要がある。
において、Xはハロゲンまたはスルホネートであり得
る。XがClである式(II)の化合物は前記文献に引
用されているが、その製造法は記載されていない。文献
で公知のものに鑑みて、上記生成物は相当するアルキル
−2−フェニルプロピオネートから、フォルムアルデヒ
ドおよび塩酸との従来公知のクロロメチル化反応によっ
て製造されたものであるに違いない。この反応は、非レ
ジオ選択的(オルソおよびメタアルキル化生成物も形成
する)であることに加えて、副生物として、強発癌性化
合物として知られているビス(クロロメチル)エーテル
を与える。従って、それを工業的規模で応用するには、
反応を行う際およびその後の作業を行うに際して特別の
注意を払うことが必須要件となろう。また、式(II)
の化合物と2−オキソ−シクロペンタンエチルカルボキ
シレートの間の縮合反応はロキソプロフェンの前駆物質
である油状生成物を与え、それを高真空下(175−8
℃/0.5mmHg)で蒸留することにより精製する必
要がある(収率:理論量の約61%)。最終的には引き
続く酸加水分解によって式(I)の化合物が取得される
が、それもまた高真空下(190−5℃/0.3mmH
g)の蒸留によって精製する必要がある。
【0008】三共名義の特開昭62−161,740号
には、次のような工程からなるロキソプロフェンの改良
された製造方法が記載されている。その方法は、a)p
−メチルスチレンから出発する多段工程の方法を経て2
−[4−(メチル)フェニル]プロピオン酸を製造する
こと;b)2−[4−(メチル)フェニル]プロピオン
酸のラジカル臭素化と引き続くエステル化により式(I
I)の2−[4−(ブロモメチル)フェニル]メチルプ
ロピオネート(但し、X=Br;R=Me)を得ること
(p−メチルスチレンに関する総収率:約40%);
c)式(II)の化合物を2−オキソ−シクロペンタン
メチルカルボキシレートで処理して引き続き酸加水分解
することにより化学的に高純度のロキソプロフェンを得
ること、よりなる。この場合、式(II)の化合物(X
=Br)と2−オキソーシクロペンタンメチルカルボキ
シレートとの縮合反応は良好な収率を与えると言われ
る。しかしながら、上記の方法は極めて長く且つ煩わし
い。
には、次のような工程からなるロキソプロフェンの改良
された製造方法が記載されている。その方法は、a)p
−メチルスチレンから出発する多段工程の方法を経て2
−[4−(メチル)フェニル]プロピオン酸を製造する
こと;b)2−[4−(メチル)フェニル]プロピオン
酸のラジカル臭素化と引き続くエステル化により式(I
I)の2−[4−(ブロモメチル)フェニル]メチルプ
ロピオネート(但し、X=Br;R=Me)を得ること
(p−メチルスチレンに関する総収率:約40%);
c)式(II)の化合物を2−オキソ−シクロペンタン
メチルカルボキシレートで処理して引き続き酸加水分解
することにより化学的に高純度のロキソプロフェンを得
ること、よりなる。この場合、式(II)の化合物(X
=Br)と2−オキソーシクロペンタンメチルカルボキ
シレートとの縮合反応は良好な収率を与えると言われ
る。しかしながら、上記の方法は極めて長く且つ煩わし
い。
【0009】最後に、2−ベンジルシクロペンタノンか
ら出発するロキソプロフェンの製法を提供する別法(ス
キーム2)も記載されている(Synth.Com
m.,14,1368−9,1984)。しかしなが
ら、実験の十分な記載が無く、最終生成物の品質につい
て何らのデータも示していない(出発物質である2−ベ
ンジルシクロペンタノンに関する総収率は63%である
と述べられている)。より正確には、この論文は、式A
r−CO−Meの化合物を式Ar−CH(COOH)−
Meの化合物に変換する多段階手法を用いることによる
2−アリールアルカノイック酸の合成を報告している。
ら出発するロキソプロフェンの製法を提供する別法(ス
キーム2)も記載されている(Synth.Com
m.,14,1368−9,1984)。しかしなが
ら、実験の十分な記載が無く、最終生成物の品質につい
て何らのデータも示していない(出発物質である2−ベ
ンジルシクロペンタノンに関する総収率は63%である
と述べられている)。より正確には、この論文は、式A
r−CO−Meの化合物を式Ar−CH(COOH)−
Meの化合物に変換する多段階手法を用いることによる
2−アリールアルカノイック酸の合成を報告している。
【0010】
【化10】
【0011】また、この方法は、シアン化リチウムおよ
びジエチルクロロホスフェートのような有毒反応剤の使
用を含むので、それを工業的規模で実施することは困難
である。更に、アリールプロピオニトリルの塩基性加水
分解(還流下、EtOH中のKOHで17時間)の間に
カルボニル官能基の脱保護が生じると、上述の論文に示
されたスキームから尤もと思われるように、ロキソプロ
フェンは強アルカリ媒体中で加熱した場合に安定ではな
いから、最終工程における高収率は非常に疑わしい。こ
れに反して、脱保護が引き続く酸性化工程において生じ
るならば、シアン化水素を生成するであろう。
びジエチルクロロホスフェートのような有毒反応剤の使
用を含むので、それを工業的規模で実施することは困難
である。更に、アリールプロピオニトリルの塩基性加水
分解(還流下、EtOH中のKOHで17時間)の間に
カルボニル官能基の脱保護が生じると、上述の論文に示
されたスキームから尤もと思われるように、ロキソプロ
フェンは強アルカリ媒体中で加熱した場合に安定ではな
いから、最終工程における高収率は非常に疑わしい。こ
れに反して、脱保護が引き続く酸性化工程において生じ
るならば、シアン化水素を生成するであろう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、(i)工業的
規模で実施容易であり、(ii)現在まで開示された方
法よりも経済的に更に有利であり、(iii)有毒な生
成物の使用を含まず、(iv)発癌性副生物の形成を回
避し、(v)十分に高い化学的純度を有する式(I)の
化合物を得、該化合物の純度は、適宜な薬学的純度を有
するその化合物のナトリウム塩を、該化合物の前駆物質
を高真空下で蒸留する必要なしに製造し得る程に十分高
いものであるようなロキソプロフェンの製造法のニーズ
が依然として痛感される。
規模で実施容易であり、(ii)現在まで開示された方
法よりも経済的に更に有利であり、(iii)有毒な生
成物の使用を含まず、(iv)発癌性副生物の形成を回
避し、(v)十分に高い化学的純度を有する式(I)の
化合物を得、該化合物の純度は、適宜な薬学的純度を有
するその化合物のナトリウム塩を、該化合物の前駆物質
を高真空下で蒸留する必要なしに製造し得る程に十分高
いものであるようなロキソプロフェンの製造法のニーズ
が依然として痛感される。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、全てのこれらの
ニーズは、 a)式(V)の化合物[以下のスキーム3参照](但
し、R′は、ハロゲンまたは水酸基で任意に置換され
た、炭素数1乃至12個の線状または分岐状アルキル基
であり、各R基は同一または異なっており、炭素数1乃
至10個の線状又は分岐状アルキル基であり、或いは、
共同して炭素数2乃至12個のアルキレン基を形成し、
同時にそれらに結合した−O−C−O−基と共に5〜7
員環を形成する)を加水分解して前記式(I)の化合物
を与えること;及び、 b)望むならば、薬学的に許容し得る有機または無機塩
基と式(I)の化合物の塩を形成することを含んでな
る、式(I)の(±)2−[4−(2−オキソシクロペ
ンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその薬学
的に許容し得る有機または無機塩基との塩の製造方法に
よって充足されることを確認した。
ニーズは、 a)式(V)の化合物[以下のスキーム3参照](但
し、R′は、ハロゲンまたは水酸基で任意に置換され
た、炭素数1乃至12個の線状または分岐状アルキル基
であり、各R基は同一または異なっており、炭素数1乃
至10個の線状又は分岐状アルキル基であり、或いは、
共同して炭素数2乃至12個のアルキレン基を形成し、
同時にそれらに結合した−O−C−O−基と共に5〜7
員環を形成する)を加水分解して前記式(I)の化合物
を与えること;及び、 b)望むならば、薬学的に許容し得る有機または無機塩
基と式(I)の化合物の塩を形成することを含んでな
る、式(I)の(±)2−[4−(2−オキソシクロペ
ンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその薬学
的に許容し得る有機または無機塩基との塩の製造方法に
よって充足されることを確認した。
【0014】好ましくは、上記の加水分解は、式(V)
の化合物を、先ず塩基で処理して式(VI)の化合物
[以下のスキーム3参照](但しM+ は、アルカリまた
はアルカリ土類金属カチオン、アンモニウムまたはアル
キルアンモニウムカチオンであり、Rは上記と同義であ
る)を生じ、次いで酸で処理して式(I)の化合物を得
ることにより実施する。
の化合物を、先ず塩基で処理して式(VI)の化合物
[以下のスキーム3参照](但しM+ は、アルカリまた
はアルカリ土類金属カチオン、アンモニウムまたはアル
キルアンモニウムカチオンであり、Rは上記と同義であ
る)を生じ、次いで酸で処理して式(I)の化合物を得
ることにより実施する。
【0015】また、加水分解は酸性媒体中のみで実施し
てもよいが、かくして得られた生成物の純度は、たとえ
許容可能であっても、最初にアルカリ中で行い、次い
で、酸性媒体中で行った場合程高くはない。
てもよいが、かくして得られた生成物の純度は、たとえ
許容可能であっても、最初にアルカリ中で行い、次い
で、酸性媒体中で行った場合程高くはない。
【0016】本発明方法の利点は、式(V)の新規な化
合物から式(I)の化合物への高い転化率およびかくし
て得られた式(I)の化合物の高純度にあるのみなら
ず、また、式(V)の新規な化合物を安価にして無毒の
原料と反応剤から出発して、有毒中間化合物を必要とす
ることなく、また有毒副生物を生じることもなく、工業
的規模で容易に製造可能であることにある。
合物から式(I)の化合物への高い転化率およびかくし
て得られた式(I)の化合物の高純度にあるのみなら
ず、また、式(V)の新規な化合物を安価にして無毒の
原料と反応剤から出発して、有毒中間化合物を必要とす
ることなく、また有毒副生物を生じることもなく、工業
的規模で容易に製造可能であることにある。
【0017】
【発明の実施の形態】スキーム3に、本発明による式
(I)の化合物の製造方法の概要を示す。
(I)の化合物の製造方法の概要を示す。
【0018】他方、スキーム3の全方法は、中間化合物
の精製を何ら必要とせず、全収率は出発原料ベンジルシ
クロペンタノンに関して少なくとも50%であることを
特徴とする。
の精製を何ら必要とせず、全収率は出発原料ベンジルシ
クロペンタノンに関して少なくとも50%であることを
特徴とする。
【0019】
【化11】
【0020】出発原料2−ベンジルシクロペンタノン
は、2−オキソ−シクロペンタンメチルカルボキシレー
トをベンジルクロライドでアルキル化して、引き続き加
水分解と脱カルボキシル化することにより、高収率で容
易に取得し得る。
は、2−オキソ−シクロペンタンメチルカルボキシレー
トをベンジルクロライドでアルキル化して、引き続き加
水分解と脱カルボキシル化することにより、高収率で容
易に取得し得る。
【0021】典型的には、2−ベンジルシクロペンタノ
ンと2−ハロ−プロピオニルハライド(ハロゲン=Cl
またはBr)とのフリーデル−クラフツ反応を常法によ
って行えば、式(III)の新規なジケトン類(X=C
lまたはBr)が高収率(85−98%)で得られる。
ンと2−ハロ−プロピオニルハライド(ハロゲン=Cl
またはBr)とのフリーデル−クラフツ反応を常法によ
って行えば、式(III)の新規なジケトン類(X=C
lまたはBr)が高収率(85−98%)で得られる。
【0022】また、引き続きダブルケタール化をケター
ル化学で知られた方法によって実施して式(IV)の新
規な化合物を得る。好ましくは、式(III)の化合物
をアルコール類または、更に好ましくは、ジオール類或
いはエポキシド類および酸触媒の存在下に加熱して、そ
れを実施する。反応中に形成された水は、共沸蒸留、吸
収または化学的反応による公知の方法で除去する。
ル化学で知られた方法によって実施して式(IV)の新
規な化合物を得る。好ましくは、式(III)の化合物
をアルコール類または、更に好ましくは、ジオール類或
いはエポキシド類および酸触媒の存在下に加熱して、そ
れを実施する。反応中に形成された水は、共沸蒸留、吸
収または化学的反応による公知の方法で除去する。
【0023】典型的には、式(V)(但し、Rおよび
R′は前記と同義であり、好ましくは、R′は
R′は前記と同義であり、好ましくは、R′は
【化12】 である)の新規なエステルケタールを与えるための式
(IV)の化合物の引き続く転位は、130℃から20
0℃、好ましくは140℃から160℃の温度で、バル
ク状で或いは適当な高沸点希釈剤中で、好ましくは、亜
鉛誘導体、例えば、酸化亜鉛または酢酸亜鉛あるいは塩
化亜鉛よりなる均質若しくは異種成分の触媒システムの
存在下で、加熱することによって実施し得る。
(IV)の化合物の引き続く転位は、130℃から20
0℃、好ましくは140℃から160℃の温度で、バル
ク状で或いは適当な高沸点希釈剤中で、好ましくは、亜
鉛誘導体、例えば、酸化亜鉛または酢酸亜鉛あるいは塩
化亜鉛よりなる均質若しくは異種成分の触媒システムの
存在下で、加熱することによって実施し得る。
【0024】特許および非特許文献に示されているが、
アルキル基で置換され、引き続いてケト官能性含有基で
置換される芳香環の場合を意図しなかった類似の転位と
異なり、本発明方法の特異な特徴は、相応するケタール
の上述のケト官能基への脱ケタール化が上述の転位工程
中或いは工程後に生ずることを回避するか最小限にする
転位条件にある。
アルキル基で置換され、引き続いてケト官能性含有基で
置換される芳香環の場合を意図しなかった類似の転位と
異なり、本発明方法の特異な特徴は、相応するケタール
の上述のケト官能基への脱ケタール化が上述の転位工程
中或いは工程後に生ずることを回避するか最小限にする
転位条件にある。
【0025】最後に、化合物(V)は、好ましくは水性
アルコール系溶媒中で行われる塩基性加水分解により、
式(VI)の新規な塩に変換され、その場合にケタール
としてカルボニル基を保護することはロキソプロフェン
の強アルカリ媒体中の分解を回避するのに重要であり、
次いで、脱ケタール化およびロキソプロフェン酸(I)
への変換が酸性化により行われる。このようにして得ら
れた粗生成物は、高真空下の蒸留により更に精製するこ
とができるが、十分な純度を有するから、公知の方法に
よって薬学的グレードの対応するナトリウム塩に直接変
換することができる。
アルコール系溶媒中で行われる塩基性加水分解により、
式(VI)の新規な塩に変換され、その場合にケタール
としてカルボニル基を保護することはロキソプロフェン
の強アルカリ媒体中の分解を回避するのに重要であり、
次いで、脱ケタール化およびロキソプロフェン酸(I)
への変換が酸性化により行われる。このようにして得ら
れた粗生成物は、高真空下の蒸留により更に精製するこ
とができるが、十分な純度を有するから、公知の方法に
よって薬学的グレードの対応するナトリウム塩に直接変
換することができる。
【0026】前述のように、式(III),(IV),
(V)および(VI)の中間化合物は新規化合物であ
る。従って、それらは、本発明の別の目的である。
(V)および(VI)の中間化合物は新規化合物であ
る。従って、それらは、本発明の別の目的である。
【0027】
【実施例】以下の実施例は本発明を説明するためのもの
であり、本発明を限定する意図はない。
であり、本発明を限定する意図はない。
【0028】(実施例1) 2−ブロモ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンの合成。
[式(III),X=Br] 塩化メチレン250ml中に三塩化アルミニウム11
0.6gを入れ、0℃に冷却したフラスコ中に、2−ベ
ンジルシクロペンタノン65.5gを滴下し、次いで、
−10℃で、2−ブロモ−プロピオニルブロマイド90
gを徐々に滴下した。それらの混合物を−10〜−5℃
で約2時間撹拌し、次いで、氷と32%塩酸とを以て加
水分解した。有機相を分離し、水で洗い、10%炭酸ソ
ーダの溶液で洗い、再度水で中性になるまで洗浄した。
減圧下に溶媒を除去した後、対応するオルソ異性体約5
%を含有する式(III)(但し、X=Br)の化合物
104g(収率:理論量の91%)を得た。その化合物
の構造特性は、NMRおよび質量スペクトルによって次
のように決定された。
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンの合成。
[式(III),X=Br] 塩化メチレン250ml中に三塩化アルミニウム11
0.6gを入れ、0℃に冷却したフラスコ中に、2−ベ
ンジルシクロペンタノン65.5gを滴下し、次いで、
−10℃で、2−ブロモ−プロピオニルブロマイド90
gを徐々に滴下した。それらの混合物を−10〜−5℃
で約2時間撹拌し、次いで、氷と32%塩酸とを以て加
水分解した。有機相を分離し、水で洗い、10%炭酸ソ
ーダの溶液で洗い、再度水で中性になるまで洗浄した。
減圧下に溶媒を除去した後、対応するオルソ異性体約5
%を含有する式(III)(但し、X=Br)の化合物
104g(収率:理論量の91%)を得た。その化合物
の構造特性は、NMRおよび質量スペクトルによって次
のように決定された。
【0029】1H−NMR[200MHz,CDC
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:1.40−2.
70(m,8H),1.90(d,3H),3.15−
3.25(m,1H),5.25(q,1H),7.3
0(d,2H),7.90(d,2H)。
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:1.40−2.
70(m,8H),1.90(d,3H),3.15−
3.25(m,1H),5.25(q,1H),7.3
0(d,2H),7.90(d,2H)。
【0030】質量スペクトル:310,308
(M+ ),201(100%)。
(M+ ),201(100%)。
【0031】(実施例2) 2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンの合成。
[式(III),X=Cl] 塩化メチレン6130ml中に三塩化アルミニウム13
70gを入れ、0℃に冷却したフラスコ中に、2−ベン
ジルシクロペンタノン710gを滴下し、次いで−10
℃で、2−クロロ−プロピオニルクロライド610gを
徐々に滴下した。それらの混合物を−10〜−5℃で約
2時間撹拌し、次いで、氷と32%塩酸とを以て加水分
解した。有機相を分離し、水で洗い、10%重炭酸ソー
ダの溶液で洗い、再度水で中性になるまで洗浄した。減
圧下に溶媒を除去した後、対応するオルソ異性体約5%
を含有する式(III)(但し、X=Cl)の化合物1
085g(収率:理論量の96%)を得た。その化合物
の構造特性は、NMRおよび質量スペクトルによって次
のように決定された。
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンの合成。
[式(III),X=Cl] 塩化メチレン6130ml中に三塩化アルミニウム13
70gを入れ、0℃に冷却したフラスコ中に、2−ベン
ジルシクロペンタノン710gを滴下し、次いで−10
℃で、2−クロロ−プロピオニルクロライド610gを
徐々に滴下した。それらの混合物を−10〜−5℃で約
2時間撹拌し、次いで、氷と32%塩酸とを以て加水分
解した。有機相を分離し、水で洗い、10%重炭酸ソー
ダの溶液で洗い、再度水で中性になるまで洗浄した。減
圧下に溶媒を除去した後、対応するオルソ異性体約5%
を含有する式(III)(但し、X=Cl)の化合物1
085g(収率:理論量の96%)を得た。その化合物
の構造特性は、NMRおよび質量スペクトルによって次
のように決定された。
【0032】1H−NMR[200MHz,CDC
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:1.40−2.
70(m,8H),1.70−1.75(d,3H),
3.15−3.25(m,1H),5.25(q,1
H),7.30(d,2H),7.90(d,2H)。
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:1.40−2.
70(m,8H),1.70−1.75(d,3H),
3.15−3.25(m,1H),5.25(q,1
H),7.30(d,2H),7.90(d,2H)。
【0033】質量スペクトル(主ピーク):264(M
+ ),202,201(100%),118,115。
+ ),202,201(100%),118,115。
【0034】(実施例3) 2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−オンのネオペンチル
グライコールをもったジケタールの合成。
ル)メチル]フェニル}プロパン−オンのネオペンチル
グライコールをもったジケタールの合成。
【0035】
【化13】
【0036】上記実施例2に述べたようにして製造した
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オン160g
と、ネオペンチルグライコール420gと、トルエン1
100mlと、メタンスルホン酸9.5mlとの混合物
を、生成水を共沸除去しつつ、窒素気流下で10時間還
流させた。冷却後、固形炭酸ソーダ35gをこの混合物
に徐々に加え、更に2時間撹拌した後、この混合物を、
35gの炭酸ソーダ含有水溶液(500ml)で処理し
た。水相を除去し、有機相を更に水で中性になるまで洗
った。濃縮後、214gに相当する高性能液体クロマト
グラフィー(HPLC)タイター66.4%の所望のジ
ケタールを含有する残渣322gを得た。収率は理論量
の81%であった。試料をシリカ上のクロマトグラフィ
ーにより精製してその構造特性をNMRおよび質量スペ
クトルで決定した。
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オン160g
と、ネオペンチルグライコール420gと、トルエン1
100mlと、メタンスルホン酸9.5mlとの混合物
を、生成水を共沸除去しつつ、窒素気流下で10時間還
流させた。冷却後、固形炭酸ソーダ35gをこの混合物
に徐々に加え、更に2時間撹拌した後、この混合物を、
35gの炭酸ソーダ含有水溶液(500ml)で処理し
た。水相を除去し、有機相を更に水で中性になるまで洗
った。濃縮後、214gに相当する高性能液体クロマト
グラフィー(HPLC)タイター66.4%の所望のジ
ケタールを含有する残渣322gを得た。収率は理論量
の81%であった。試料をシリカ上のクロマトグラフィ
ーにより精製してその構造特性をNMRおよび質量スペ
クトルで決定した。
【0037】1H−NMR[200MHz,CDC
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.60(s,
3H),0.80(s,3H),1.20(s,3
H),1.35(s,3H),1.45(d,3H),
1.50−1.90(m,5H),2.10−2.30
(m,2H),2.50−2.70(m,1H),3.
10−3.20(m,1H),3.40−3.70
(m,8H),4.00−4.16(q,1H),7.
25−7.40(m,4H)。
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.60(s,
3H),0.80(s,3H),1.20(s,3
H),1.35(s,3H),1.45(d,3H),
1.50−1.90(m,5H),2.10−2.30
(m,2H),2.50−2.70(m,1H),3.
10−3.20(m,1H),3.40−3.70
(m,8H),4.00−4.16(q,1H),7.
25−7.40(m,4H)。
【0038】質量スペクトル(主ピーク):436(M
+ ),373(100%),287,201,141。
+ ),373(100%),287,201,141。
【0039】(実施例4) 2−ブロモ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンのネオペン
チルグライコールをもったジケタールの合成。
ル)メチル]フェニル}プロパン−1−オンのネオペン
チルグライコールをもったジケタールの合成。
【0040】
【化14】
【0041】式(IV)[但し、X=Br]の化合物
を、2−ブロモ−1−{4−[(2−オキソシクロペン
チル)メチル]フェニル}プロパン−1−オン87.5
gと、ネオペンチルグライコール118gと、ヘプタン
600mlと、メタンスルホン酸8mlとの混合物か
ら、上記実施例3に述べたと同じ方法で製造した。その
構造特性をNMRで決定した。
を、2−ブロモ−1−{4−[(2−オキソシクロペン
チル)メチル]フェニル}プロパン−1−オン87.5
gと、ネオペンチルグライコール118gと、ヘプタン
600mlと、メタンスルホン酸8mlとの混合物か
ら、上記実施例3に述べたと同じ方法で製造した。その
構造特性をNMRで決定した。
【0042】1H−NMR[200MHz,CDC
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.60(s,
3H),0.80(s,3H),1.20(s,3
H),1.40(s,3H),1.55ー1.60
(d,3H),1.50−2.70(m,6H),2.
10−2.40(m,2H),3.05−3.20
(m,1H),3.40−3.70(m,8H),4.
10(q,1H),7.20−7.40(m,4H)。
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.60(s,
3H),0.80(s,3H),1.20(s,3
H),1.40(s,3H),1.55ー1.60
(d,3H),1.50−2.70(m,6H),2.
10−2.40(m,2H),3.05−3.20
(m,1H),3.40−3.70(m,8H),4.
10(q,1H),7.20−7.40(m,4H)。
【0043】(実施例5) 3−クロロ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4−
[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プ
ロピオネートのネオペンチルグライコールをもったケタ
ールの合成。
[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プ
ロピオネートのネオペンチルグライコールをもったケタ
ールの合成。
【0044】
【化15】
【0045】上記実施例3に述べたようにして製造した
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−オン(タイター7
3.7%)のネオペンチルグライコールジケタール10
0gと、キシレン170mlと、酸化亜鉛1.4gと、
塩化亜鉛0.07gとの混合物を、窒素気流下で5時間
還流させた。冷却後、デカライト(decalite)
5gをこの混合物に加えた。次いで、この混合物を、約
20mlのキシレンでフィルター上で洗浄しつつ、濾過
した。減圧下(20mmHg)に濃縮後、60.5gに
相当するタイター56%(HPLC)の所望のケタール
エステルを含有する残渣108gを得た。収率は理論量
の82%であった。試料をシリカ上のクロマトグラフィ
ーにより精製してその構造特性をNMRおよび質量スペ
クトルで決定した。
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−オン(タイター7
3.7%)のネオペンチルグライコールジケタール10
0gと、キシレン170mlと、酸化亜鉛1.4gと、
塩化亜鉛0.07gとの混合物を、窒素気流下で5時間
還流させた。冷却後、デカライト(decalite)
5gをこの混合物に加えた。次いで、この混合物を、約
20mlのキシレンでフィルター上で洗浄しつつ、濾過
した。減圧下(20mmHg)に濃縮後、60.5gに
相当するタイター56%(HPLC)の所望のケタール
エステルを含有する残渣108gを得た。収率は理論量
の82%であった。試料をシリカ上のクロマトグラフィ
ーにより精製してその構造特性をNMRおよび質量スペ
クトルで決定した。
【0046】1H−NMR[200MHz,CDC
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.80(s,
3H),0.90(s,3H),0.95(s,3
H),1.20(s,3H),1.55(d,3H),
1.20−1.90(m,5H),2.10−2.30
(m,2H),2.45−2.60(m,1H),3.
05−3.15(m,1H),3.20−3.80
(m,8H),3.80−4.05(q,1H),7.
20(s,4H)。
l3 ,δ(TMSに関するppm)]:0.80(s,
3H),0.90(s,3H),0.95(s,3
H),1.20(s,3H),1.55(d,3H),
1.20−1.90(m,5H),2.10−2.30
(m,2H),2.45−2.60(m,1H),3.
05−3.15(m,1H),3.20−3.80
(m,8H),3.80−4.05(q,1H),7.
20(s,4H)。
【0047】質量スペクトル(主ピーク):436(M
+ ),407,393,201,141(100%)。
+ ),407,393,201,141(100%)。
【0048】(実施例6) 3−クロロ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4−
[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プ
ロピオネートのネオペンチルグライコールをもったケタ
ールの合成。
[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プ
ロピオネートのネオペンチルグライコールをもったケタ
ールの合成。
【0049】
【化16】
【0050】上記実施例3に述べたようにして製造した
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−オンのネオペンチル
グライコールを持ったジケタール(タイター45%)1
16gと、トルエン140mlと、酸化亜鉛1.4gと
の混合物を、溶媒を留去しつつ、窒素気流下で内部温度
が約145℃になるまで加熱し、この温度に更に3時間
保持した。冷却後、デカライト(decalite)5
gを加え、次いで混合物をフィルター上で約100ml
のトルエンで洗浄しつつ濾過した。濾液を更にトルエン
100mlで溶出しながら、約90gのシリカパネルを
通した。減圧下(20mmHg)濃縮後、50gに相当
するタイター50%(HPLC)の所望のエステルケタ
ールを含有する残渣100gを得た。収率は理論量の9
6%であった。
2−クロロ−1−{4−[(2−オキソシクロペンチ
ル)メチル]フェニル}プロパン−オンのネオペンチル
グライコールを持ったジケタール(タイター45%)1
16gと、トルエン140mlと、酸化亜鉛1.4gと
の混合物を、溶媒を留去しつつ、窒素気流下で内部温度
が約145℃になるまで加熱し、この温度に更に3時間
保持した。冷却後、デカライト(decalite)5
gを加え、次いで混合物をフィルター上で約100ml
のトルエンで洗浄しつつ濾過した。濾液を更にトルエン
100mlで溶出しながら、約90gのシリカパネルを
通した。減圧下(20mmHg)濃縮後、50gに相当
するタイター50%(HPLC)の所望のエステルケタ
ールを含有する残渣100gを得た。収率は理論量の9
6%であった。
【0051】(実施例7) ロキソプロフェン(I)およびそのナトリウム塩の合
成。 前記実施例5または6に記載したと同様な方法で製造し
た3−クロロ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4
−[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}
プロピオネートのネオペンチルグライコールケタール
(タイター60.5%)130gと、イソプロピルアル
コール520mlと、水260mlに溶解した85%K
OHの39gとの混合物を、窒素気流下で2時間還流さ
せた。冷却後、水520mlとトルエン260mlとを
この混合物に加えた。水相を分離して有機相を520m
lの水で洗った。32%塩酸を合わせた有機相にpH値
が約6.5となるまで添加し、次いでこの混合物を2×
200mlのトルエンで抽出した。合わせた有機相に次
いで500mlの水と100mlの32%塩酸とを加
え、混合物を2時間還流し続けてケタール基の加水分解
を完結した。水相を除去し、有機相を再び200mlの
水で洗って、その水も除去した。最後に、有機相に10
%重炭酸ソーダ水溶液を、pH値が約7.5になるまで
徐々に添加した。有機相を分離して、pH値が約7.5
になるまで更に水で抽出した。活性炭2.2gで脱色
後、合体した水相を、32%塩酸でpH値が約3.5に
なるまで徐々に酸性化して、ロキソプロフェンを2x2
00mlのトルエンで抽出した。最後に、トルエン抽出
物を、減圧下に濃縮して、37.2gに相応する粗ロキ
ソプロフェン(タイター96%、HPLC)の38.8
gの残渣までにした。収率は理論量の84%であった。
高真空下に蒸留して精製したサンプルは参照化合物と等
価であり、融点は109−111℃であった。
成。 前記実施例5または6に記載したと同様な方法で製造し
た3−クロロ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4
−[(2−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}
プロピオネートのネオペンチルグライコールケタール
(タイター60.5%)130gと、イソプロピルアル
コール520mlと、水260mlに溶解した85%K
OHの39gとの混合物を、窒素気流下で2時間還流さ
せた。冷却後、水520mlとトルエン260mlとを
この混合物に加えた。水相を分離して有機相を520m
lの水で洗った。32%塩酸を合わせた有機相にpH値
が約6.5となるまで添加し、次いでこの混合物を2×
200mlのトルエンで抽出した。合わせた有機相に次
いで500mlの水と100mlの32%塩酸とを加
え、混合物を2時間還流し続けてケタール基の加水分解
を完結した。水相を除去し、有機相を再び200mlの
水で洗って、その水も除去した。最後に、有機相に10
%重炭酸ソーダ水溶液を、pH値が約7.5になるまで
徐々に添加した。有機相を分離して、pH値が約7.5
になるまで更に水で抽出した。活性炭2.2gで脱色
後、合体した水相を、32%塩酸でpH値が約3.5に
なるまで徐々に酸性化して、ロキソプロフェンを2x2
00mlのトルエンで抽出した。最後に、トルエン抽出
物を、減圧下に濃縮して、37.2gに相応する粗ロキ
ソプロフェン(タイター96%、HPLC)の38.8
gの残渣までにした。収率は理論量の84%であった。
高真空下に蒸留して精製したサンプルは参照化合物と等
価であり、融点は109−111℃であった。
【0052】粗ロキソプロフェン(タイター96%)を
対応するナトリウム塩(タイター>99%,HPLC)
に変換した(収率>理論量の90%)。
対応するナトリウム塩(タイター>99%,HPLC)
に変換した(収率>理論量の90%)。
【0053】1H−NMR[200MHz,D2 O,δ
(TMSに関するppm)]:1.35(d,3H),
1.50−2.65(m,7H),2.85−3.05
(m,1H),2.45−2.60(m,1H),3.
50−3.65(q,1H),7.10−7.30(2
d,4H)。
(TMSに関するppm)]:1.35(d,3H),
1.50−2.65(m,7H),2.85−3.05
(m,1H),2.45−2.60(m,1H),3.
50−3.65(q,1H),7.10−7.30(2
d,4H)。
【0054】質量スペクトル(主ピーク):245(M
+ Na+ ),201(100%),228,163,1
45。
+ Na+ ),201(100%),228,163,1
45。
【0055】(実施例8) ロキソプロフェン(I)の合成。 前記実施例6に記載したと同様な方法で製造した3−ブ
ロモ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4−[(2
−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プロピオ
ネートのネオペンチルグライコールケタール(タイター
50%)60gと、32%塩酸300mlと氷酢酸21
0mlとの混合物を、窒素気流下で10時間還流させ
た。冷却後、水500mlとトルエン500mlとをこ
の混合物に加えた。有機相を分離して250mlの水で
洗った。最後に有機相にpH値が約7.5となるまで1
0%重炭酸ソーダの水溶液を徐々に加えた。相分離後、
有機相をpH値が約7.5になるまで更に水で抽出し
た。活性炭2.2gで脱色後、合体した水相を、32%
HClでpH値が約3.5になるまで徐々に酸性化し
て、ロキソプロフェンを2×200mlのトルエンで抽
出した。最後に、トルエン抽出物を、減圧下に濃縮し
て、11.2gに相当する粗ロキソプロフェン(タイタ
ー:80%、HPLC)の14gの残渣となし(収率は
理論量の73%)、高真空下に蒸留して精製した。
ロモ−2,2−ジメチル−プロピルの2−{4−[(2
−オキソシクロペンチル)メチル]フェニル}プロピオ
ネートのネオペンチルグライコールケタール(タイター
50%)60gと、32%塩酸300mlと氷酢酸21
0mlとの混合物を、窒素気流下で10時間還流させ
た。冷却後、水500mlとトルエン500mlとをこ
の混合物に加えた。有機相を分離して250mlの水で
洗った。最後に有機相にpH値が約7.5となるまで1
0%重炭酸ソーダの水溶液を徐々に加えた。相分離後、
有機相をpH値が約7.5になるまで更に水で抽出し
た。活性炭2.2gで脱色後、合体した水相を、32%
HClでpH値が約3.5になるまで徐々に酸性化し
て、ロキソプロフェンを2×200mlのトルエンで抽
出した。最後に、トルエン抽出物を、減圧下に濃縮し
て、11.2gに相当する粗ロキソプロフェン(タイタ
ー:80%、HPLC)の14gの残渣となし(収率は
理論量の73%)、高真空下に蒸留して精製した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 69/734 C07C 69/734 Z (72)発明者 ロレンツォ デフェラ イタリア国 フロジノーネ 03010 パ トリカ ヴィア ヴァディシ 5 (72)発明者 フロリンド ダミコ イタリア国 フロジノーネ 03010 パ トリカ ヴィア ヴァディシ 5 (56)参考文献 特開 昭57−106617(JP,A) 特公 昭58−4699(JP,B2) 特公 平5−45574(JP,B2) 特公 平4−54657(JP,B2) 西独国特許出願公開2507425(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 59/86 C07C 43/313 C07C 49/813 C07C 51/373 C07C 59/72 C07C 69/734 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (7)
- 【請求項1】 a)次式(V)の化合物: 【化1】 (但し、R′は、ハロゲンまたは水酸基で任意に置換さ
れた、炭素数1乃至12個の線状または分岐状アルキル
基であり、各R基は同一または異なっており、炭素数1
乃至10個の線状又は分岐状アルキル基であり、或い
は、それらは共同して炭素数2乃至12個のアルキレン
基を形成し、同時にそれらに結合した−O−C−O−基
と共に5〜7員環を形成する)を加水分解して次式
(I)の化合物を与え、 【化2】 そして b)望むならば、薬学的に許容し得る有機または無機塩
基と式(I)の化合物の塩を形成することを含んでな
る、式(I)の(±)2−[4−(2−オキソシクロペ
ンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその薬学
的に許容し得る有機または無機塩基との塩の製造方法。 - 【請求項2】 式(V)の化合物を最初に塩基で処理し
て、次式(VI)の化合物を与え、 【化3】 次いで酸で処理して式(I)の化合物を与える請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 式(V)の化合物を酸溶液で処理して式
(I)の化合物を直接に与える請求項1の方法。 - 【請求項4】 次式(III)の化合物。 【化4】 (但し、XはClまたはBr)。
- 【請求項5】 次式(IV)の化合物。 【化5】 (但し、XはClまたはBrであり、各R基は同一また
は異なっており、炭素数1乃至10個の線状又は分岐状
アルキル基であり、或いは、それらは共同して炭素数2
乃至12個のアルキレン基を形成し、同時にそれらに結
合した−O−C−O−基と共に5〜7員環を形成す
る)。 - 【請求項6】 次式(V)の化合物。 【化6】 (但し、R′は、ハロゲンまたは水酸基で任意に置換さ
れた、炭素数1乃至12個の線状または分岐状アルキル
基であり、各R基は同一または異なっており、炭素数1
乃至10個の線状又は分岐状アルキル基であり、或い
は、それらは共同して炭素数2乃至12個のアルキレン
基を形成し、同時にそれらに結合した−O−C−O−基
と共に5〜7員環を形成する)。 - 【請求項7】 次式(VI)の化合物。 【化7】 (但し、Mは薬学的に許容し得る有機または無機塩基で
あり、また各R基は同一または異なっており、炭素数1
乃至10個の線状又は分岐状アルキル基であり、或い
は、それらは共同して炭素数2乃至12個のアルキレン
基を形成し、同時にそれらに結合した−O−C−O−基
と共に5〜7員環を形成する)。
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