JP3008886U

JP3008886U - 換気用フィルタ

Info

Publication number: JP3008886U
Application number: JP1994008125U
Authority: JP
Inventors: 康盛浅水
Original assignee: 日本ポットクリーナー販売株式会社
Priority date: 1994-07-07
Filing date: 1994-07-07
Publication date: 1995-03-20
Anticipated expiration: 2000-07-07

Abstract

(57)【要約】【目的】吸気速度の低い流速においても、油捕集効率
のよい換気用フィルタを提供する。【構成】平面板６の要部に通気遮蔽部12aを設け、そ
の通気遮蔽部の外方に、切起し部９により形成した油採
集用の膨出部を備える多数の通気孔８を設け、この平面
部６を換気孔の入口に、空気流入方向とほぼ直交するよ
うに配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、レンジフードや調理場用換気口等の入口部に装着して、通過する空気中に含まれる油分を捕集するようにした換気用フィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の換気用フィルタとしては、ラス網、金網、又はパンチングボード等を用いたもの、あるいは金属薄板に多数のルーバー状の切起し部を形成したもの（例えば実公平2-43456号公報、実開昭62-39816号公報等参照）等、種々のものが提供されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ラス網や、針金製金網、またはパンチングボード等の単なる平面的な通気邪魔部材に、気中の油分を絡ませて捕集するようにした従来のものは、油捕集効率が悪い。

【０００４】特に、針金状の網目や、パンチングボード等からなるフィルタは、通過する油分含有空気の流れの真正面方向を、通気邪魔部材の通気孔が向いていると、油捕集効率が顕著に低下する。これは、フィルタの板面が気流の流れ方向と直交する場合である。

【０００５】そこで、通気孔をルーバー状の切起しとして、フィルタを通過する際に、空気の流れの方向を変えて、油分を採集するようにしたものもあるが、この気流の偏向板をルーバ状とした場合、通気孔が大きすぎて、油採集効果が十分に発揮できない。

【０００６】そこで、フィルタの開口部の近傍に油採集用の膨出部を設け、かつフィルタの板面を気流に対して斜にすることにより、油捕集効率を増大させるものもあるが、このフィルタは、板面を気流と直交させると油捕集効率が低下する。

【０００７】本考案の目的は、油捕集効率のよい気流と直交配置型フィルタを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案によると、上記課題は、次のようにして解決される。 (１) 薄板材を表裏に貫通する開口部の近傍に、油採集用の膨出部を有する通気孔を、平面部に多数穿設して、換気口の入口に配設される換気用フィルタにおいて、前記平面部の要部に、通気孔が穿設されていない通気遮蔽部分を設けるとともに、該平面部を換気口の入口に、空気流入方向とほぼ直交させて配設する。

【０００９】 (２) 前記１項において、通気遮蔽部が、平面部の１辺の中央部に位置している。

【００１０】 (３) 前記２項において、平面部の１辺の中央部に通気遮蔽部が位置する換気用フィルタ２枚を、両フィルタの通気遮蔽部同士が隣接するように、換気口の入口に配設する。

【００１１】 (４) 前記１項において、通気遮蔽部が、通気孔を多数穿設した平面部の中央に設けられている。

【００１２】 (５) 前記１〜４項のいずれかにおいて、通気孔が、油採集用の膨出部を通気方向の前方から後方に向けて膨出するとともに、膨出部の最も突出した所に薄板を表裏に貫通する開口部を設ける。

【００１３】 (６) 前記１〜４項のいずれかにおいて、油採集用の膨出部を、通気方向の前方から後方に向けて半球状に膨出するとともに、半球状膨出部の中央に、表裏に貫通する開口部を設ける。

【００１４】

【作用】

本考案によれば、多数の通気孔を設けたフィルタ部材のほぼ中央部を、比較的広い面積の通気遮蔽部とすることにより、その通気遮蔽部に吸込まれるべき気流を、遮蔽部の壁に沿って気流と直交する方向に移動させる。その結果、通気遮蔽部の周辺の多数の通気孔においては、気流は斜めに吹込まれることとなり、極く低速の吸気または排気時においても、高い油捕集効率を保つことができる。

【００１５】

【実施例】

本考案の第１実施例を、図１ないし図５を参照して説明する。図１は、本考案の換気用フィルタの取付け状態を示すもので、(１)は、調理場のガスコンロ（図示略）等の直上に配設された換気用のフード本体、(２)は、フード本体(１)内における換気ダクト(３)の吸込み口(４)側に設けられた換気用ファンである。 (５)は本考案の換気用フィルタであり、フード本体(１)内における吸込み口( ４)の前下方に、おおむね水平の姿勢で取付けられている。

【００１６】図１、図２及び図５に示すように、換気用フィルタ(５)は、長方形の平面部( ６)の周縁部(７)を直角に折曲した軽合金、その他の金属製又は合成樹脂製の２枚のフィルタ材(5a)(5a)を側方に並べたものである。両フィルタ材(5a)は、同一形状同一構成であり、左右対称的に配設されているので、以下、一方のものについて詳細に説明する。

【００１７】図３及び図４に示すように、フィルタ材(5a)には、多数の通気孔(８)が、切起し部(９)と開口部(10)とにより形成されている。

【００１８】各通気孔(８)における切起し部(９)は、気流(Ａ)の上流(Ａ1)から下流(Ａ2)に向けて、かつ外側方に向けてほぼ四半球状に膨出されている。さらに、四半球状の膨出部の平面視（図４に示す）で半円の弦の部分は、平面部(６)の薄板が切断されて切込み(11)となっており、その切込み(11)部分より左側の半円部は、膨出部として切り起こされて、切込み(11)のところが開いて、開口部(10)を形成している。

【００１９】各通気孔(８)は、例えば図２、図４及び図５に示すように、縦横に格子状に整列して配置されているが、場合によっては、例えば横に隣接するもの同士を半ピッチずらした、千鳥配列としてもよく、さらに、別な配列構造としてもよい。また、行もしくは列の間隔を、一定ピッチ毎に若干広くしたり、さらにその行もしくは列の幅広の間隔部分に、油案内溝を設けたりすることもある。

【００２０】本考案において重要な点は、換気用フィルタ(５)の中央部、すなわちこの実施例では、２枚のフィルタ材(5a)(5a)を突き合せた部分に、通気孔(８)を有しない通気遮蔽部(12a)を設けてある。

【００２１】各通気孔(８)は、フィルタ材(5a)の通気遮蔽部(12a)に対して、切起し部(９) に続く開口部(10)が外方に位置するように、換言すると、内側に向けて膨出された切起し部(９)が、切込み(11)による開口部(10)に対してフィルタ(５)の中央を向くように配設されている。

【００２２】各フィルタ材(5a)における通気遮蔽部(12a)の領域の外周の形状と、フィルタ材(5a)の外形とは、ほぼ相似形をなし、通気遮蔽部(12a)は、フィルタ材(5a)の一側辺の中央に位置している。従って通気孔(８)は、通気遮蔽部(12a)の外側方にのみ設けられている。

【００２３】１対のフィルタ材(5a)(5a)を、通気遮蔽部(12a)を互いに隣接させて、図２及び図５に示すように突き合わせて配置すると、各フィルタ材(5a)における各通気孔(８)の四半球は、互いに向き合い、開口部(10)は背向することとなる。

【００２４】上記１対のフィルタ材(5a)(5a)を換気用フィルタ(５)とした図１の実施例によると、ガスコンロによる調理時に発生する湯気、油煙、燃焼ガス等を含む空気は、矢印に示すように、通気遮蔽部(12a)(12a)に衝突すると横方向にそれる。

【００２５】この通気遮蔽部(12a)をそれた空気は、図３に示すように、通気孔(８)の球面状に膨出した切起し部(９)の通気孔(10)に流入し、外向きに上方へ抜けていく。外側上方へ抜けた空気は、図４に示すように、隣接する通気孔(８)の上面に当たって、更に上方へ向かうこととなる。

【００２６】ここで注目すべき点は、左右の通気遮蔽部(12a)(12a)で左右方向にそれた空気の流れは、隣接する通気孔(８)が存在する領域の空気の流れにまで広く影響を及ぼしていることである。また、気流(Ａ)は、通気遮蔽部(12a)の下部において、前後方向にもそれている。

【００２７】図１において矢印で示すように、多数の通気孔(８)が設けられている部分の空気の流れは、通気遮蔽部(12a)の部分で横方向にそれた空気の流れによって、横方向に流れを変えられて、多数の通気孔(８)の下方の気流と、通気遮蔽部(12a) の下方の気流とが、一緒になって、ともに各通気孔(８)における後方へ膨出した切起し(９)に斜に進入するようになる。

【００２８】このため、通気孔(８)の部分では、少なくも通気遮蔽部(12a)の面積分だけ気流の断面積が小さくなり、その断面積の減少分に応じて、気流の上流(Ａ1)の部分に比して、換気フィルタ(５)の部分を通過する流速は、従来の通気遮蔽部を設けない場合よりも大となって通気孔(８)を通過する。また、気流の方向は、フィルタ材(5a)の板面に対して斜めとなり、かつ気流は、通気孔(８)の開口部(10)を通過する際には、膨出した四半球の切起し(９)の内壁(9a)や、開口部(10)の前方に位置する半円切起し部(９)の外壁(9b)にぶつかり、流れの方向が強制的に変更されて、油分を、内壁(9a)や外壁(9b)に付着させる。

【００２９】これにより、上流(Ａ1)の吸込み流速を極く低速に設定しても、換気用フィルタ(５)の通気孔(８)部分においては、油捕集用の膨出部たる切起し(９)を通過するときに、比較的に流速が大となって、油捕集効率を低下させることはない。

【００３０】図６に示す第２実施例では、換気用フィルタ(５)は１枚のフィルタ材(5b)で形成されている。この場合、通気遮蔽部(12b)は、フィルタ材(5b)の中央を占めており、通気孔( ８)は、長手方向と直交する中心線を境として、左右方向に、開口部(10)を外側に向けて配設されている。

【００３１】図７及び図８は、本考案における通気孔(13)の別の例を、拡大して示す。この通気孔(13)は、気流(Ａ)の流れの上流(Ａ1)から下流(Ａ2)方向に向けて、半球面状に膨出した球面部(14)の中央頂点に、開口部(15)を設けてなるものである。

【００３２】この場合、図７及び図８に矢印で示すように、半球面部(14)と開口部(15)とは、斜めの気流に対して、固有の方向性を有しないため、空気の流れは、横方向いずれの方向から来ても、膨出した半球面部(14)に均等に案内されて開口部(15)に導かれる。この点において、第１および第２実施例の通気孔(８)の切起し(９)とは異なる。

【００３３】このような通気孔(13)をフィルタ材(5c)に配設した例を、図９に示す。この実施例の場合、通気遮蔽部(12c)の長手方向に向かう気流に対しても、それと直交する横方向に向かう空気、及びこれに引きずられる空気が、通気孔(13) に効率よく入ることとなる。

【００３４】図１０に示す実施例は、通気孔(13)を、換気用フィルタ(５)を構成する正方形のフィルタ材(5d)の中央における円形の領域に設けた。

【００３５】この実施例では、気流の方向が通気遮蔽部(12d)から放射状に変えられても、油捕集機能を有する通気孔(13)が、気流の吸入方向に対する油捕集効果が無指向性であるので、換気用フィルタ(５)の外形を正方形とすることにより、中央の通気遮蔽部(12d)に当った気流が、四方に均等に拡がるので、無指向性の通気孔(13 )の機能と相乗した効果を発揮する。同様の目的で換気用フィルタ(５)を円形とすることもできる。

【００３６】

【考案の効果】

本考案は以下の効果を奏する。 (ａ) 平面部の要部に、通気孔が穿設されていない通気遮蔽部分を設けるとともに、該平面部を換気口の入口に、空気流入方向とほぼ直交させて配設するようにしたので、通気孔に気流が斜に流入して、油捕集効率が高まるとともに、通気孔を通過する気流の流速を増して、極く低速の吸込み気流に対しても油捕集効率が高くなる(請求項１)。

【００３７】 (ｂ) 通気遮蔽部が、平面部の１辺の中央部に位置しているので、複数のフィルタ材を組合わせて、大きな面積の換気口に適用される換気用フィルタを、容易に形成できる（請求項２、３）。

【００３８】 (ｃ) 通気遮蔽部が、通気孔を多数穿設した平面部の中央に設けられるので、１枚のフィルタ材で、換気用フィルタが容易に形成でき、その結果換気用フィルタの交換や、清掃、洗浄等が簡単になる。また、単位のフィルタ材が小面積でコスト的に安価で、作業性の面からも扱いやすいものとなる（請求項４）。

【００３９】 (ｄ) 通気孔が、油採集用の膨出部を通気方向の前方から後方に向けて膨出するとともに、最大膨出部の所に薄板の表裏に貫通する開口部を設けてあるので、通気孔に気流が斜めに流れ込み、気流に対して油捕集効率を高め、極く低速の吸込み気流に対して、一層油捕集効率が高くなる（請求項５）。

【００４０】 (ｅ) 通気孔が、油採集用の膨出部を、通気方向の前方から後方に向けて半球状に膨出するとともに、平面部と直交する軸線を有する半球状膨出部の中央に、表裏に貫通する開口部を設けてあるので、斜の気流に対して通気孔が指向性を持たないので、加工性が高まると共に、１枚のフィルタ材で完成度の高い、換気用フィルタを形成することができる（請求項６）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例のフィルタを装着した換気
装置の縦断正面図である。

【図２】図１の下面図である。

【図３】図２におけるIII−III線に沿った通気孔の拡大
縦断面図である。

【図４】図２の平面図である。

【図５】第１実施例の２枚のフィルタ材を、底面を上向
きにして示す分解斜視図である。

【図６】第２実施例のフィルタ材を、底面を上向きにし
て示す斜視図である。

【図７】通気孔の別の例を示す拡大斜視図である。

【図８】図７のＶIII−ＶIII線縦断面図である。

【図９】図２、図８に示す通気孔を備えるフィルタ材
を、底面を上向きにして示す斜視図である。

【図１０】本考案のさらに別の実施例を示す底面図であ
る。

【符号の説明】

(１) フード本体 (２) 換気用ファン (３) 換気ダクト (４) 吸込み口 (５) 換気用フィルタ (5a)(5b)(5c)(5d) フィルタ材 (６) 平面部 (７) 周縁部 (８)(13) 通気孔 (９) 切起し部 (9a) 内壁 (9b) 外壁 (10) 開口部 (11) 切込み (12a)(12b)(12c)(12d) 通気遮蔽部 (14) 球面部 (15) 開口部 (Ａ) 気流 (Ａ1) 上流 (Ａ2) 下流

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】薄板材を表裏に貫通する開口部の近傍
に、油採集用の膨出部を有する通気孔を、平面部に多数
穿設して、換気口の入口に配設される換気用フィルタに
おいて、前記平面部の要部に、通気孔が穿設されていない通気遮
蔽部分を設けるとともに、該平面部を換気口の入口に、
空気流入方向とほぼ直交させて配設するようにしたこと
を特徴とする換気用フィルタ。
【請求項２】通気遮蔽部が、平面部の１辺の中央部に
位置している請求項１記載の換気用フィルタ。
【請求項３】平面部の１辺の中央部に通気遮蔽部が位
置する換気用フィルタ２枚を、両フィルタの通気遮蔽部
同士が隣接するように、換気口の入口に配設した請求項
２記載の換気用フィルタ。
【請求項４】通気遮蔽部が、通気孔を多数穿設した平
面部の中央に設けられている請求項１記載の換気用フィ
ルタ。
【請求項５】通気孔が、油採集用の膨出部を通気方向
の前方から後方に向けて膨出するとともに、膨出部の最
も突出した所に薄板を表裏に貫通する開口部を設けてな
る請求項１〜４のいずれかに記載の換気用フィルタ。
【請求項６】通気孔が、油採集用の膨出部を、通気方
向の前方から後方に向けて半球状に膨出するとともに、
平面部と直交する軸線を有する半球状膨出部の中央に、
表裏に貫通する開口部を設けてなる請求項１〜４のいず
れかに記載の換気用フィルタ。