JP3728330B2 - 換気扇用グリスフィルタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、台所の加熱調理器具の上方に設置した換気扇用のグリスフィルタに関し、更に詳しくは、金属薄板に切り起こしの手段を施して多数の通気孔を形成した、所謂スロットフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
台所に設置された加熱調理器具の上方に取り付けるプロペラファンタイプの換気扇は、その前面開口部に、油煙,廃ガス等に含まれる油脂分を捕獲するグリスフィルタが装着される。
またこの種グリスフィルタとして、旧来のグリスフィルタに比べ比較的少ない通気抵抗でありながら高い油脂捕獲率が得られ、且つ清掃性にも優れている所謂スロットフィルタが従来から知られている(例えば、実公平2−43456号参照)。
このスロットフィルタを図8,図9を参照して説明すれば、100 は換気扇の前面開口部に装着する金属薄板で、この金属薄板100 には、多数のスリット101 ,101 …が一方向、ここでは縦方向に沿って数mmのピッチで形成され、そうした列102 を数列形成すると共に、それら各列102 におけるスリット101 ,101 相互で区画された舌片103 全体を一方向、ここでは金属薄板100 の高さ方向(図面では上下方向)に対し上側から下側に向けて下り傾斜状に屈折傾斜(切り起こし)させてその舌片103 ,103 相互間に通気孔104 を形成している。図中の矢印200 は前記した舌片103 の傾斜方向を示す。
【0003】
このような構成からなるスロットフィルタによれば、通気孔104 が舌片103 の傾斜によって斜めに開口することから、プロペラファンの回転により吸引される空気はストレートに通過できず、蛇行して通過するため油煙,廃ガス等に含まれる油脂分の捕獲効率はパンチングメタルよりも高く、しかも金属薄板に切り起こしを施して形成されるためラス網や金網からなるフィルタと比較して清掃性が良く、よって長期に渉り安定した機能を維持できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年においては、静音モータや吸音材料を用いたり、プロペラファンにおける各羽根の傾斜角度や外周縁の節弦比等を適宜に設定する等の各種手段を採用して、吸引排気する風量の低下を招くことなく、換気扇を使用する際に生じる騒音(使用音)を出来る限り小さいものにする試みがなされている。
【0005】
このような点について、上述した従来のスロットフィルタをより詳細に検討すると、以下の点に改善の余地を残していた。
すなわち、油煙,廃ガス等の吸引口である換気扇本体の前面開口部をスロットフィルタで塞いだ場合、プロペラファンの回転により吸い込まれる空気が通気孔を通過する際に一定値の風切り音が生じ、この風切り音が騒音発生の一因となる恐れがあった。
本発明は上述したような従来事情に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、換気扇の前面開口部に装着して使用するスロットフィルタにおいて、プロペラファンの回転により吸引される空気がフィルタの通気孔を通過する際に生じる風切り音を従来に比して低減させて、吸引排気する風量,油脂分の捕獲効率,清掃性の良さ等の点は従来のスロットフィルタと同等程度としながら、静音特性の向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はプロペラファンタイプの換気扇についてさらに検討を重ね、プロペラファンの回転により吸引される空気がプロペラファンの回転方向(図8中の矢印B)と反対方向に渦を巻く(同図中の矢印C参照)ようにして吸引されるのに対し、従来のスロットフィルタは多数のスリットが一方向に沿って形成され、且つ一方向に屈折傾斜させた舌片相互間に通気孔を形成しており、よって、スロットフィルタにおける正面部の特定区域(図8に示すスロットフィルタにあっては金属薄板100 の左右両側及び下側区域)では、吸引される空気の流入を阻害する方向に舌片が傾斜する(図9中の矢印D11参照)ので、該空気が通気孔を通過する際の抵抗が大きくなり、このことが風切り音発生に大きく影響することを知見した。その結果、多数の舌片夫々の傾斜方向を、吸引される空気の流入方向,フィルタ通過方向に個々に対応せしめることが、風切り音を低減させるために不可欠の要因であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、所定形状の金属薄板に、多数のスリットを所定方向に沿って数mmのピッチで形成すると共に、そうした列を数列形成し、且つそれら各列におけるスリット相互で区画された舌片全体を所定方向に屈折傾斜させてその舌片相互間を通気孔とした換気扇用グリスフィルタであって、上記金属薄板の正面部を複数に区割りすると共に、該区割りされた各区域において、上記多数のスリットからなる列を、プロペラファンの回転に伴い吸引される空気の流入方向に沿って形成し、且つ夫々の列における各舌片を、前記吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って屈折傾斜させたことを特徴とする。
【0008】
金属薄板の正面部を複数に区割りする形態としては、例えば、各区域が縦横方向に並ぶようにする区割り形態、各区域がプロペラファンの回転方向に沿って相互に隣接するよう放射状に区割りする形態など、種々の対応が考えられる。
また、区割りした各区域における夫々の列の形成方向の形態としては、例えば、各区域が縦横方向に並ぶようにする区割りした場合は、隣接する区域相互の一方において各列を縦方向に縦設し、他方において各列を横方向に横設することが考えられる。各区域がプロペラファンの回転方向に沿って相互に隣接するよう放射状に区割りした場合は、各区域において、夫々の列がプロペラファンの回転方向に沿って形成することが考えられる。
【0009】
【作用】
本発明の構成によれば、金属薄板の正面部の区割りされた各区域において、多数の舌片夫々が、吸引される空気の流入を阻害しない方向、換言すれば、吸引される空気の通過を可及的にガイドする方向に傾斜し、この結果、空気が通気孔を通過する際の抵抗が小さくなって風切り音が低減する。
また、通気孔の開口面積は従来と同等であり、且つ前記の如く、区割りされた各区域において夫々の舌片が空気の流入を阻害しない方向に傾斜するので、吸引排気する風量が低下する虞れはない。
さらに、夫々の通気孔は従来同様に舌片の傾斜によって斜めに開口することから、プロペラファンの回転により吸引される空気はストレートに通過できず、蛇行して通過するため油煙,廃ガス等に含まれる油脂分の捕獲効率が高く、しかも金属薄板に切り起こしを施して形成されるため清掃性が良い。
よって本発明に係る換気扇用グリスフィルタによれば、吸引排気する風量,油脂分の捕獲効率,清掃性の良さ等の点は従来のスロットフィルタと同等程度としながら、優れた静音特性を得ることが可能になる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例を図面に基づいて説明すると、図1(イ)は本実施例のグリスフィルタAの正面図を示し、該グリスフィルタAは図示しないが、換気扇の前面開口部を塞ぐよう従来周知な手段で換気扇前面側に取り付けられる。Bはその換気扇に内設されるプロペラファンの回転方向、C1 〜C4 は該プロペラファンの回転により吸引される空気の流入方向を表し、該空気C1 〜C4 は図示の如くプロペラファンの回転方向Bと反対方向に渦を巻くようにして吸引されるようになる。
またグリスフィルタAは、アルミニウム製,ステンレス製等の薄板1を所定の大きさの四角形状に裁断し、その金属薄板(平板)1に、多数のスリット2,2…を所定方向に沿って数mmのピッチで形成すると共に、そうした列aを数列形成し、且つそれら各列aにおけるスリット2,2相互で区画された舌片3全体を後述する方向に屈折傾斜(切り起こし)させてその舌片3,3相互間を通気孔4とした所謂スロットフィルタと呼称されるものである。
【0011】
上記金属薄板1はその正面部を複数に区割りされ、詳しくは、区割りされた各区域b1 〜b4 が正面視矩形状を呈すると共にそれら各区域b1 〜b4 相互が縦横方向に並び、且つ金属薄板1中央に残した正面視四角形状の閉塞部1aを前記夫々の区域b1 〜b4 によって囲むよう4分割し、さらにその区割りされた各区域b1 〜b4 において、多数のスリット2,2…からなる列aを、プロペラファンの回転に伴い吸引される空気の流入方向C1 〜C4 に沿って形成し、且つ夫々の列aにおける各舌片3,3…を、前記吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って屈折傾斜させている。
【0012】
多数のスリット2,2…からなる列aを形成する方向を図1(イ)に基づき詳述すれば、右側上段の区域b1 では、該区域b1 に対して右側から流入する空気の流れC1 に沿って各スリット2が横一列に並ぶようにし、この結果、各列aにおけるスリット2,2相互で区画された舌片3、及び、該舌片3を屈折傾斜させることにより形成される通気孔4は、流入する空気に対してほぼ直交する方向に形成されるようになる。
同様にして、左側上段の区域b2 では、該区域b2 に対して上側から流入する空気の流れC2 に沿って各スリット2が縦一列に並ぶようにし、左側下段の区域b3 では、該区域b3 に対して左側から流入する空気の流れC3 に沿って各スリット2が横一列に並ぶようにし、右側下段の区域b4 では、該区域b4 に対して下側から流入する空気の流れC4 に沿って各スリット2が縦一列に並ぶようにし、この結果、夫々の区域b1 〜b4 において、各舌片3及び通気孔4は流入する空気に対してほぼ直交する方向に形成されるようになる。
【0013】
区割りされた各区域b1 〜b4 における舌片3の屈折傾斜方向を図1(イ)に基づき詳述すれば、右側上段の区域b1 では、該区域b1 に対して右側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向(図1(ロ)中の矢印D1 )に沿って傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b1 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では右側)から同通過方向下流側(同左側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。尚、矢印E1 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
同様にして、左側上段の区域b2 では、該区域b2 に対して上側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b2 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では上側)から同通過方向下流側(同下側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。矢印E2 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
左側下段の区域b3 では、該区域b3 に対して左側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向(図1(ハ)中の矢印D2 )に沿って傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b3 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では左側)から同通過方向下流側(同右側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。矢印E3 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
右側下段の区域b4 では、該区域b4 に対して下側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b4 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では下側)から同流入方向下流側(同上側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。矢印E4 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
【0014】
而して、以上の構成からなる本実施例のグリスフィルタAによれば、金属薄板1の正面部の区割りされた各区域b1 〜b4 において、多数の舌片3,3…夫々が、プロペラファンの回転により吸引されフィルタを通過する空気の流入を阻害しない方向、換言すれば、吸引される空気の通過を可及的にガイドする方向に傾斜し、この結果、空気が通気孔4を通過する際の抵抗が小さくなって風切り音が低減する。
また、通気孔4の開口面積は従来と同等であり、且つ前記の如く、区割りされた各区域b1 〜b4 において夫々の舌片3が空気の流入を阻害しない方向に傾斜するので、吸引排気する風量が低下する虞れはない。
さらに、夫々の通気孔4は従来同様に舌片3の傾斜によって斜めに開口することから、プロペラファンの回転により吸引される空気はストレートに通過できず、蛇行して通過するため油煙,廃ガス等に含まれる油脂分の捕獲効率はパンチングメタルよりも高く、しかも金属薄板1に切り起こしを施して形成されるためラス網や金網からなるフィルタと比較して清掃性が良い。
よって、吸引排気する風量,油脂分の捕獲効率,清掃性の良さ等の点は従来のスロットフィルタと同等程度としながら、優れた静音特性を得ることが可能になる。
【0015】
以下、本発明が要旨とする静音特性の向上とは直接的な関連はないが、本実施例においては本発明が対象とするグリスフィルタ(スロットフィルタ)における油脂分の捕獲効率を向上させるために特に有用な構成を採用しており、該構成について具体的な数値をあげて説明する。
すなわち、金属薄板1は、所定の大きさ、例えば通常使用される25cm直径のプロペラファンに対応せしめて350×350mm程度に裁断され、また夫々のスリット2は30mm程度の横幅をもって2〜5mm程度のピッチで形成され、さらに通気孔4は、スリット2相互で区画された舌片3全体を所定方向に屈折傾斜してスリット2相互間に平面部分を残すことなく1〜3mmの縦幅をもって開口される。
スリット2の刻設ピッチと通気孔4の縦幅を前記の如く設定することは、油脂分の捕獲効率の向上に大きく影響する。但し、繰り返すが、本発明に係るグリスフィルタにおいて、夫々のスリット2の横幅及び形成ピッチ、通気孔4の形成手段やその縦幅などはこれに限定されず、スロットフィルタとして最低限の機能を果たすものであれば良い。
【0016】
以下、図2〜図7に示す他の実施例について説明するが、図1に示す実施例と同一の部分は図中に同じ符号を付してその説明を省略し、上記実施例と異なる部分についてのみ説明する。
【0017】
図2においては金属薄板1の周縁部に縁取り部5を残した実施例を示し、詳しくは、金属薄板1の正面部の周縁部分に縁取り部5を残し、該縁取り部5で囲まれる部分を複数に区割りしており、その区割り形態は、上記実施例と同様、区割りされた各区域b1 〜b4 が正面視矩形状を呈すると共にそれら各区域b1 〜b4 相互が縦横方向に並び、且つ金属薄板1中央に残した正面視四角形状の閉塞部1aを前記夫々の区域b1 〜b4 によって囲むよう4分割したものである。
この実施例の場合、金属薄板1の大きさが図1に示すものと同じであれば、区割りされた各区域b1 〜b4 の大きさ(面積)は図1に示す実施例に比べ若干小さくなる。
【0018】
図3においては金属薄板1中央に閉塞部1aを残さない実施例を示し、詳しくは、区割りされた各区域b1 〜b4 が正面視略方形状を呈すると共にそれら各区域b1 〜b4 相互が縦横方向に並び、且つ金属薄板1中央に閉塞部1aを残さないよう4分割したものである。
この実施例の場合、金属薄板1の大きさが図1に示すものと同じであれば、区割りされた各区域b1 〜b4 の大きさ(面積)は図1に示すものに比べ若干大きくなる。
【0019】
図4においては、図3に示す区割り形態において金属薄板1中央に閉塞部1aを残した実施例を示し、詳しくは、区割りされた各区域b1 〜b4 が正面視略方形状を呈すると共にそれら各区域b1 〜b4 相互が縦横方向に並ぶよう4分割し、且つ金属薄板1中央に残した正面視四角形状の閉塞部1aを前記夫々の区域b1 〜b4 によって囲むよう、夫々の区域b1 〜b4 の角部分に方形状の切欠部6を形成したものである。
この実施例の場合、金属薄板1の大きさが図3に示すものと同じであれば、該金属薄板1中央に閉塞部1aを残した分だけ、区割りされた各区域b1 〜b4 の大きさ(面積)は図3に示すものに比べ若干小さくなる。
【0020】
図5においては、図1に示す実施例の下方に横長矩形状の区割り部分を追加した例を示す。
すなわちこの実施例では、縦長矩形状の金属薄板1’の正面部における縦方向(高さ方向)上段及び中段にあたる部分を、図1(イ)に示す区割り形態と同様、区割りされた各区域b1 〜b4 が正面視矩形状を呈すると共にそれら各区域b1 〜b4 相互が縦横方向に並び、且つ金属薄板1’中央に残した正面視四角形状の閉塞部1aを前記夫々の区域b1 〜b4 によって囲むよう4分割し、さらに前記金属薄板1’の正面部における縦方向(高さ方向)下段部分は横長矩形状の最下段区域b5 としたものである。
また追加された最下段区域b5 には、右側下段区域b4 と同様に、該区域b5 に対して下側から流入する空気の流れC5 に沿って各スリット2が縦一列に並ぶようにすると共に、該区域b5 に対して下側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1’の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って夫々の舌片3を傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b5 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では下側)から同通過方向下流側(同上側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。矢印E5 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
【0021】
図6においては、図1に示す実施例の右側に縦長矩形状の区割り部分を追加した例を示す。
すなわちこの実施例では、横長矩形状の金属薄板1’の正面部における横方向(幅方向)左側及び中央にあたる部分を、図1(イ)に示す区割り形態と同様に4分割し、さらに前記金属薄板1’の正面部における横方向(幅方向)右側にあたる部分は縦長矩形状の側方区域b6 としたものである。
また追加された側方区域b6 には、右側上段区域b1 と同様に、該区域b6 に対して右側から流入する空気の流れC6 に沿って各スリット2が横一列に並ぶようにすると共に、該区域b6 に対して右側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って夫々の舌片3を傾斜せしめ、換言すれば、当該区域b6 における空気のフィルタ通過方向上流側(図面では右側)から同通過方向下流側(同左側)へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。矢印E6 は前記した舌片3の傾斜方向を示す。
【0022】
尚、図5に示す実施例の変形例として図示しないが、図1に示す実施例の上方に横長矩形状の区割り部分を追加することも可能であり、この場合、追加された最上段区域には、左側上段区域b2 と同様に、該最上段区域に対して上側から流入する空気の流れに沿って各スリット2が縦一列に並ぶようにすると共に、該最上段区域に対して上側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1’の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って夫々の舌片3を傾斜せしめ、換言すれば、該最上段区域における空気のフィルタ通過方向上流側から同通過方向下流側へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。
【0023】
さらに、図6に示す実施例の変形例として図示しないが、図1に示す実施例の左側に縦長矩形状の区割り部分を追加することも可能であり、この場合、追加された側方区域には、左側下段区域b3 と同様に、該側方区域に対して左側から流入する空気の流れに沿って各スリット2が横一列に並ぶようにすると共に、該側方区域に対して左側から流入し、且つ通気孔4を通過して金属薄板1’の裏側へ吸引される空気の通過方向に沿って夫々の舌片3を傾斜せしめ、換言すれば、当該側方区域における空気のフィルタ通過方向上流側から同方向下流側へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を傾斜せしめる。
【0024】
さらにまた、図5及び図6に示す実施例若しくはその変形例にあっては、取付け対象となる換気扇の前面開口部が上記金属薄板1’に対応する縦長矩形状若しくは横長矩形状であることは云うまでもない。
【0025】
図7においては、各区域b1 〜b4 がプロペラファンの回転方向に沿って相互に隣接するよう放射状に区割りした実施例を示す。
すなわちこの実施例では、金属薄板1の正面部を対角線により4面に区割りし、その区割りされた上側区域b7 、左側区域b8 、下側区域b9 、右側区域b10の夫々において、多数のスリット2,2…からなる列aを、プロペラファンの回転に伴い吸引される空気の流入方向C1 〜C4 に沿って形成し、且つ夫々の列aにおける各舌片3を、前記吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って屈折傾斜させている。
【0026】
上記スリット2の列aを形成する方向を詳述すれば、上側区域b7 では、該区域b7 の左側半部に対して上側から流入する空気C2 と、該区域b7 の右側半部に対して下側から流入する空気C1 との夫々の流れに対応すべく、各スリット2が横一列で且つ所定方向に傾斜して並ぶようにする。同様にして、下側区域b9 では流入する空気C3 ,C4 の夫々の流れに対応すべく各スリット2が横一列で且つ所定方向に傾斜して並ぶようにする。また、左側区域b8 では流入する空気C2 ,C3 の夫々の流れ、右側区域b10では流入する空気C4 ,C1 の夫々の流れに対応するべく、各スリット2が縦一列aで且つ所定方向に傾斜して並ぶようにする。この結果、各区域b7 〜b10において、夫々の列aがプロペラファンの回転方向Bに沿って形成されると共に、各列aにおけるスリット2,2相互で区画された舌片3、及び、該舌片3を屈折傾斜させることにより形成される通気孔4は、流入する空気に対してほぼ直交する方向に形成されるようになる。
【0027】
また、区割りされた各区域b7 〜b10においては、各々の区域b7 〜b10における空気のフィルタ通過方向上流側から同通過方向下流側へ向けて下り傾斜となるように各舌片3を屈折傾斜せしめる。例えば上側区域b7 では、夫々の舌片3が図中右側から左側に向けて下り傾斜となるよう屈折傾斜せしめ、これにより、該区域b7 の左側半部においては該半部に対して上側から流入し通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って各舌片3が傾斜し、右側半部においては該半部に対して上側から流入し通気孔4を通過して金属薄板1の裏側へ吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って各舌片3が傾斜するようになる。
このような構成によれば、各区域b7 〜b10の夫々の舌片3がより忠実に、プロペラファンの回転方向と反対方向に渦を巻くように吸引される空気の流入を阻害しない方向に傾斜するようになり、よって、空気が通気孔4を通過する際の抵抗がさらに小さくなって、風切り音がより大幅に低減し、静音特性をより向上せしめることが期待できる。
【0028】
次に、図1、図2、図3、図4、図5に示す各実施例と、図8に示す従来例とを用いて行った騒音値テストついて述べれば、測定方法は「JIS C9603−1976」の第7.9に示された騒音試験法に基づいて騒音値を測定した結果を表1に示す。この測定結果から、本発明に係る換気扇用グリスフィルタが、吸引排気する風量を従来と同程度としながら、静音特性に優れた効果を奏することが確認できた。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、金属薄板に切り起こしの手段を施して多数の通気孔を形成した所謂スロットフィルタにおいて、前記金属薄板の正面部を複数に区割りし、該区割りされた各区域における多数のスリットからなる列を、プロペラファンの回転に伴い吸引される空気の流入方向に沿って形成し、且つ夫々の列における各舌片を、吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って屈折傾斜させた新規な構成としたので、金属薄板の正面部の区割りされた各区域において、多数の舌片夫々が、吸引される空気の流入を可及的にガイドする方向に傾斜し、空気が通気孔を通過する際の抵抗が小さくなって、従来に比して風切り音が大幅に低減する。
よって本発明によれば、油煙,廃ガス等に含まれる油脂分の捕獲効率に優れると共に清掃性が良いというスロットフィルタの利点を有しつつ、吸引排気する風量を従来と同程度としながら、風切り音が小さく静音効果に優れた効果を奏する換気扇用グリスフィルタを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの一実施例を示し、(イ)は正面図、(ロ)は(X)−(X)線に沿う断面図、(ハ)は(Y)−(Y)線に沿う断面図。
【図2】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図3】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図4】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図5】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図6】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図7】本発明に係る換気扇用グリスフィルタの他の実施例を示す正面図。
【図8】従来の換気扇用グリスフィルタを示す正面図。
【図9】図8の(Z)−(Z)線に沿う断面図。
【符号の説明】
A:グリスフィルタ
1:金属薄板
2:スリット
3:舌片
4:通気孔
a:スリットの列
b1 〜b10:区割りされた区域
B:プロペラファンの回転方向
C1 〜C6 :吸引される空気の流れ
D1 ,D2 :吸引される空気のフィルタ通過方向
E1 〜E6 :舌片の傾斜方向
Claims (1)
- 所定形状の金属薄板に、多数のスリットを所定方向に沿って数mmのピッチで形成すると共に、そうした列を数列形成し、且つそれら各列におけるスリット相互で区画された舌片全体を所定方向に屈折傾斜させてその舌片相互間を通気孔とした換気扇用グリスフィルタであって、
上記金属薄板の正面部を複数に区割りすると共に、該区割りされた各区域において、上記多数のスリットからなる列を、プロペラファンの回転に伴い吸引される空気の流入方向に沿って形成し、且つ夫々の列における各舌片を、前記吸引される空気のフィルタ通過方向に沿って屈折傾斜させたことを特徴とする換気扇用グリスフィルタ。
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