JP3008807U - ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要充分な強度を確保しつつも、多品種小ロ
ット製品に対して抜き型を使用することなく対応でき、
製造コストを削減することが可能なケースを提供する。 【構成】 段ボール又はこれに類する曲げ強度に一定の
方向性を有するシート材よりなる長方形のブランク２枚
を、それらの方向性を互いに交差させリーフ状突出部分
を形成して重合し、且つ、該重合部分を接合して底部を
形成すると共に、上記重合部分に連なる各突出部分を折
曲して側壁部及び蓋部を形成した。また、上記重合部分
に連なる各突出部分のうち、少なくとも対向する一対の
突出部分を折曲して筒状の対向側壁部を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製品梱包用のケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来・製品搬送時の梱包用ケースとしては、段ボールや厚紙等を素材とする平 箱が一般に用いられているが、例えば、平板カットしたプラスチックフィルムの 如きシート状の製品を多数積層して梱包する場合、比較的重量物である製品を保 護するため、箱本体の、若しくは、箱本体と上蓋の両方の側壁部の延長部分を折 り返して、隣接する側壁部からの延長部分を包み込むようにして貼合する、所謂 くるみ貼りにより平箱の剛性を確保していた。

【０００３】 このような平箱は、用済みとなった後に壊しにくいのみならず、入り組んだ形 状のブランクを打ち抜き加工するための抜き型が必要であるが、抜き型は比較的 高価であり、多品種小ロット製品には特に高コストなものとなっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は従来の技術のこのような点に鑑みて、必要充分な強度を確保しつつも 、多品種小ロット製品に対して抜き型を使用することなく対応でき、製造コスト を削減することが可能なケースを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

段ボール又はこれに類する曲げ強度に一定の方向性を有するシート材よりなる 長方形のブランク２枚を、それらの方向性を互いに交差させリーフ状突出部分を 形成して重合し、且つ、該重合部分を接合して底部を形成すると共に、上記重合 部分に連なる各突出部分を折曲して側壁部及び蓋部を形成した。また、上記重合 部分に連なる各突出部分のうち、少なくとも対向する一対の突出部分を折曲して 筒状の対向側壁部を形成した。

【０００６】

【作用】

ケースの素材となる２枚の長方形のブランクは、シート材を裁断することによ り形成される。該２枚のブランクを、それらの方向性を互いに交差させて重合す るとともに接合してなるケースの底部は、いずれの方向に対しても良好な曲げ強 度及び捩り強度を有し、ケース自体に剛性を付与する。また、筒状の対向側壁部 は、該側壁部の座屈強度と長手方向の曲げ強度を増大し、ケース自体の剛性に寄 与する。

【０００７】

【実施例】

実施例について図面と共に説明する。

【０００８】 図１及び、図２は本考案実施例のケースの形成過程を示す斜視図である。図に おいて、ケースは２枚のブランク１，２より構成されている。

【０００９】 ブランク１及び２は、いずれも段ボールを素材とし、該段ボールの波目方向を 幅方向に配置して長方形に裁断すると共に、それらの幅方向に平行に所定の間隔 で折目１１ａ，１１ｂ及び、２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄを押し型により形 成している。そして、これらのブランク１，２の波目方向が互いに直交するよう に夫々のブランク１，２を十字形に重合し、重合部分１０，２０を貼合して一体 としてケースの底部を形成する。この際、貼着部分は、必ずしも重合部分１０， ２０の全面でなくても良いが、全域に亘り均一に貼着部分が配分されることが好 ましい。

【００１０】 次いで、ブランク２の重合部分２０の両側のリーフ状突出部分２１，２１を折 線２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄに沿って順次折曲して、図２に示す如く、対 向する一対の四角筒状の側壁部２２を形成し、更に、ブランク１の重合部分１０ の両側のリーフ状突出部分１１，１１を折線１１ａ，１１ｂに沿って順次折曲し て一対の対向側壁部１２，１２、及び一対の蓋部１３，１３を形成することによ ってケースは完成される。

【００１１】 上述の如く構成されたケースの底部３は、縦横いずれの方向に対しても良好な 曲げ強度と捩り強度を有しており、ケースに剛性を付与してその変形及び破損を 防止すると共に、ケースに収容される製品を保護する。

【００１２】 また、四角筒状の対向側壁部２２，２２は、該側壁部２２，２２長手方向への 曲げ強度を増大すると共にケースの厚さ方向への座屈強度を増大して、ケース自 体の剛性の向上に寄与することに加え、該側壁部２２，２２と、これに隣接する 対向側壁部１２，１２とを貼合しなくてもケース内にある程度密閉性が確保され るようにしている。

【００１３】 また、ケースのサイズは、底部３、即ちブランク１，２の重合部分１０，２０ より筒状の対向側壁部２２，２２の幅を差し引いた部分であり長方形のブランク １，２の幅を基準としている。従って、該ブランク１，２の幅と、それにより自 動的に決定さるブランク１，２の長さとを変更することにより、ケースのサイズ を任意に変更可能であり、これは、ブランク１，２の裁断位置を変更することの みによりなされ、従来の抜き型を使用する場合のように抜き型を変更したりする 必要がなく、多品種小ロット製品に対して製造コストを大幅に削減できる。

【００１４】 尚、上述の実施例においては、ブランク１，２の素材として曲げ強度に一定の 方向性を有する段ボールを用いる場合を示したが、本考案はこれに限定されず、 その他のシート材を用いることが可能であることを付言する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案のケースは、上述のとおり構成されているので、以下に記載されるよう な効果を奏する。

【００１６】 段ボール又はこれに類するシート材よりなる長方形のブランク２枚を互いに交 差させリーフ状突出部分を形成して重合し、且つ、該重合部分を接合して底部を 形成すると共に、上記重合部分に連なる各突出部分を折曲して側壁部及び蓋部を 形成したので、抜き型を使用せずに簡単な構造で必要充分な強度を有するケース が得られるのみならず、ケースのサイズ変更が容易であり、多品種小ロット製品 にも柔軟に対応でき、抜き型を用いてブランクを形成する場合に比べて製造コス トを大幅に削減することができる。

【００１７】 また、段ボール又はこれに類する曲げ強度に一定の方向性を有するシート材よ りなる長方形のブランク２枚を、それらの方向性を互いに交差させて重合したの で、底部が縦横いずれの方向にも良好な曲げ強度と捩り強度を有し、ケースの強 度を向上することが可能である。

【００１８】 上記重合部分に連なる各突出部分のうち、少なくとも対向する一対の突出部分 を折曲して筒状の対向側壁部を形成したので、ケースの強度を更に向上すること が可能であると共に、隣接する対向側壁同志を貼合しなくてもケース内にある程 度の密閉性が確保されることに加え、使用後においてはケースを容易に分解可能 である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例のケースを形成する２枚のブラン
クを重合した状態を示す斜視図である。

【図２】本考案実施例のケースの折曲過程を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１，２ ブランク ３ 底部 １１，２１ 突出部分 １１ａ，１１ｂ，２１ａ，２１ｂ，２１ｃ，２１ｄ 折
線 １２ 側壁部 １３ 蓋部 ２２ 筒状側壁部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 段ボール又はこれに類するシート材より
   なる長方形のブランク２枚を互いに交差させリーフ状突
   出部分を形成して重合し、且つ、該重合部分を接合して
   底部を形成すると共に、上記重合部分に連なる各突出部
   分を折曲して側壁部及び蓋部を形成したことを特徴とす
   るケース。
2. 【請求項２】 段ボール又はこれに類する曲げ強度に一
   定の方向性を有するシート材よりなる長方形のブランク
   ２枚を、それらの方向性を互いに交差させて重合した請
   求項１記載のケース。
3. 【請求項３】 上記重合部分に連なる各突出部分のう
   ち、少なくとも対向する一対の突出部分を折曲して筒状
   の対向側壁部を形成した請求項２記載のケース。