JPH0224734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、耐圧強度の向上を図つた包装箱に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来段ボール等の厚紙を用いて、対向する側壁
と対向する端壁とを連設すると共に、各壁の下縁
に底フラツプを、また上縁に蓋フラツプをそれぞ
れ連設した包装箱には、品物を収納して積重ねた
場合下段のものが荷重で座屈しないようにするた
め側壁コーナに支柱を内設して補強したものがあ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように補強された包装箱に
おいては、厚紙以外に補強用支柱の別資材が必要
となり製造時支柱の固着に手間取りコスト高とな
る等の問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記のような問題点を解決するた
めに、前記側壁には、三条の縦折目線と、フラツ
プの境目にこれらの縦折目線を横断する切り目と
を設け、この縦折目線を屈曲して断面Ｖ字形状の
補強用折込壁を形成し、前記底フラツプ及び蓋フ
ラツプには前記折込壁をＶ字形状に維持させる重
合固着部を設けたものである。

〔作用〕

この考案によれば、断面Ｖ字形状折込壁が耐圧
補強用支柱の役目をなす。折込壁は側壁本体を短
縮して容易に作成でき品物収納前或いは品物収納
後の機械成形が可能である 〔実施例〕 第１図から第４図は、この考案の一実施例を示
すものである。この実施例の包装箱は、段ボール
等の厚紙から形成され、対向する側壁１と対向す
る端壁２とが折目線３を介して交互に連設され、
端の側壁１の端縁にのり代４が突設され、側壁１
及び端壁２には下縁に横折目線５を介して底フラ
ツプ６が、また上縁に横折目線７を介して蓋フラ
ツプ８がそれぞれ連設され、側壁１の中央部に捕
強用の断面Ｖ字形状折込壁となる三条の等間隔で
近接した縦折目線９が設けられ、側壁１と各フラ
ツプとの境目即ち横折目線５，７上にこれらの縦
折目線９を横断する上下対の切り目１０が設けら
れ、底フラツプ６及び蓋フラツプ８には縦折目線
９の中央のものの延長線上に、折込壁をＶ字形状
に維持させるための重合固着部（第４図参照）を
形成する切り目１１が設けられた展開状基板Ａ
（第３図参照）から屈曲作成される。

この包装箱は、基板Ａから組立てる場合、各折
目線３から各壁を屈曲しのり代４を端の端壁２内
面に接着させて四角筒体を作成し、三条の縦折目
線９で画されたところを内向きに折込んで断面Ｖ
字形状折込壁１２（第１図及び第２図参照）を作
成すると共に、この折込壁１２に連なる蓋フラツ
プ８の切り目１１のところを、側壁１を折込んだ
分だけ重ね合せて短縮し重合固着部１３（第４図
参照）を作成して出来上がる。

第５図から第７図は、この考案の他の実施例を
示すものである。この実施例の包装箱は、底フラ
ツプ６及び蓋フラツプ８の縦折目線９の延長線上
に二条の折り目１４（第７図参照）が設けられ、
三条の縦折目線９で画されたところを折込んで折
込壁１２を作成する際に、この折り目１４を折り
重ねてフラツプを短縮し重合固着部１３（第６図
参照）を作成するものである。

前記包装箱は、これを使用する場合、製函工場
で打抜成形後のり代４を端の端壁２の内面に接着
させて角筒体を作成し、これを扁平にして積重ね
て出荷し、品物収納時において各フラツプを短縮
させ重合固着部１３を形成して断面Ｖ字形状折込
壁１２を作るようにすると、製函工場から使用時
までの運搬保管中側壁１に嵩張つた折込壁が無く
て有利である。

前記包装箱は、圧縮荷重で座屈しやすい側壁に
断面Ｖ字形状折込壁が連設してあるため、この折
込壁のところで垂直方向の側壁の撓みが阻止さ
れ、少ない素材を用いて耐圧強度が上昇するよう
はなる。

なお、折込壁１２は、箱体の大きさや用途に対
応してその大きさや、側壁に付設する個数を適宜
選択することができる。

この包装箱は、側壁にここを２等分又は３等分
するように折込壁が設けられており、折込壁１２
で区画された空所に品物を収納すると、この折込
壁が仕切の役目を兼ねるようになる。またボトル
のように隅部が丸い品物の場合は折込壁を隣接す
る品物間にできる空間に一致させておくと包装箱
内に無駄な空間が生じず極めて合理的な包装とな
る。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る包装箱は、側壁
に三条の縦折目線を設けこれを屈曲して断面Ｖ字
形状の補強用折込壁を形成すると共に、これに連
なる底フラツプ及び蓋フラツプを切重ね又は折重
ねて固着短縮させたものであつて、従来品のよう
に、補強用支柱等の別資材を使用せず、少ない素
材を用いて大きな耐圧強度が得られると共に、製
作が容易で且つ安価に提供することができ、包装
箱内部に突出する折込壁を収納品物の仕切として
活用することもできる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、この考案の一実施例を示
す組立斜視図及び蓋フラツプ開口状態の斜視図、
第３図は同上の展開図、第４図は同上の要部平面
図、第５図及び第６図はこの考案の他の実施例を
示す要部斜視図及び要部平面図、第７図は同上の
要部展開図である。 １……側壁、６……底フラツプ、８……蓋フラ
ツプ、９……縦折目線、１０，１１……切り目、
１２……折込壁、１３……重合固着部、Ａ……基
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する側壁と対向する端壁とを連設すると共
   に、各壁の下縁に底フラツプを、また上縁に蓋フ
   ラツプをそれぞれ連設した包装箱において、前記
   側壁には、三条の縦折目線と、フラツプの境目に
   これらの縦折目線を横断する切り目とを設け、こ
   の縦折目線を屈曲して断面Ｖ字形状の補強用折込
   壁を形成し、前記底フラツプ及び蓋フラツプには
   前記折込壁をＶ字形状に維持させる重合固着部を
   設けたことを特徴とする包装箱。