JP3008585U - 毛皮織物地 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製造時の作業工数が少なくて済み、下地体が歪
まず、型崩れしにくい毛皮織物地を提供する。 【構成】経糸および緯糸よりなるネット状の下地体の経
糸または緯糸のいずれかに、細切りにした毛皮または細
切りにした毛皮を毛の面が表になるよう捩じってなる毛
皮ヤーンを絡めた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は細切りにした毛皮による織物地に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、細切りにした毛皮を用いてなる毛皮被服用の織物地には、細切り毛皮を ニット編みしてなるものや、緯糸に合成繊維等よりなる糸を使用し、経糸に細切 り毛皮を用いて織製したものなど種々のものがある。

【０００３】 細切り毛皮をニット編みしたものや、他の繊維糸と織製してなるものは細切り 毛皮を密にしなければならないので、織物地自体の重量が嵩み、しかも歩留が悪 かった。

【０００４】 また、図７に示すように、ネット状に形成された下地体に、細切りにした毛皮 を絡めてなる毛皮織物地がある。

【０００５】 このタイプの毛皮織物地は、下地体１１の経糸１２または緯糸１３に、細切り にした毛皮１４を、毛の面１４ａが表になるように巻き付けてあり、この織物地 を使用して例えば毛皮被服を製造する場合、毛皮生地そのものを使用する場合に 比べて毛皮の使用量が少なくて済み、したがって軽く、しかも低コストの毛皮被 服が得られる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の毛皮織物地では下地体に細切り毛皮を巻き付けているので、毛 皮の捩れの復元力で下地体が歪み、型崩れを起こし易いという問題があった。

【０００７】 また、細切り毛皮を下地体の経糸または緯糸へ巻き付けるには人手によるほか なく、作業工数が掛かり、コスト高の織物地となっていた。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案を実施するための手段は次のとおりである。

【０００９】 ＜手段１＞ 経糸および緯糸よりなるネット状の下地体の経糸または緯糸のいずれかに、細 切りにした毛皮を、毛の面が表になるよう絡めたものとする。

【００１０】 ＜手段２＞ 経糸および緯糸よりなるネット状の下地体の経糸または緯糸のいずれかに、細 切りにした毛皮を、毛の面が表になるよう捩じってなる毛皮ヤーンを絡めたもの とする。

【００１１】

【作用】

細切り毛皮は下地体の経糸や緯糸へ巻き付けられていないので、毛皮の捩れの 復元力による下地体の歪みを生じることがなく、また作業時に巻き付ける手間が 掛からない。 また、細切り毛皮を下自体の経糸または緯糸へ巻き付けてなる従来のものに比 べてさらに毛皮の使用量が少なくて済み、したがってより軽く、低コストな毛皮 織物地が得られる。

【００１２】

【実施例】

以下本考案に係る毛皮織物地を添付図面に基づいて説明する。 本考案の織物地はポリエステル繊維等の重量の軽い素材よりなる経糸２および 緯糸３で構成されたネット状の下地体１の経糸または緯糸（図では経糸２）に、 細切りにした毛皮４が、毛の面４ａが表になるようまっすぐに絡めたものとして ある。

【００１３】 細切り毛皮４は例えば下地体１の網目の１辺が８ｍｍであれば、毛足の長いビ ーバー毛皮等の場合３ｍｍ幅、毛足の短いラム毛皮等の場合５ｍｍ幅程度のもの が好適で、このようにすると図面上では下地体１の経糸の一部および緯糸が織物 地の表面に現れているが、実際の製品では毛皮４の毛が織物地の表面を覆い、経 糸や緯糸が見えることはない。

【００１４】 下地体１に編み込まれた細切り毛皮４はミシン等で巾方向に下地体へ縫い付け られてずれ止めされており、また毛皮４の端部は下地体の端縁とともに縁材５へ 縫い付けられている。

【００１５】 下地体は織物地の用途に応じて予め所定のパターンに形成しておくことができ 、織物地をコートの前身頃用に形成した被服用パーツ６の例を図３に示す。

【００１６】 上述した実施例は下地体１へ細切り毛皮４が編み込まれたものとしてあるが、 細切り毛皮４の代わりに、細切り毛皮を捩じってなる毛皮ヤーン７を編み込んだ ものとしてもよい。

【００１７】 図４、５に示すように、毛皮ヤーン７は上述の実施例における細切り毛皮４と 同様に下地体１の経糸２（または緯糸３）へ上下交互に絡められ、ミシン等で下 地体へ縫い付けられている。

【００１８】 この毛皮ヤーンは図６に示すように細切りにした毛皮が、毛の面が表となるよ う紐状に捩じられたものであり、毛皮ヤーン７を編み込まれてなる毛皮織物地に おいては毛の面７ａが上下両面に現れ、リバーシブルに使用でき、しかも保温効 果が高いという利点がある。

【００１９】

【考案の効果】

本考案に係る毛皮生地は上述した構成のものとしてあるので、次の効果を奏し 得る。 ネット状の下地体に細切りにした毛皮がまっすぐに編み込まれているので、製 造時には作業工数が少なくて済み、しかも従来の織物地のように毛皮の捩れの復 元力によって下地体が歪むようなことがなく、型崩れしにくい。

【００２０】 また、下地体へ編み込まれている毛皮の長さは、下地体の経糸または緯糸へ巻 き付けられている場合に比べて短く、したがって従来のものよりもさらに軽い織 物地を得ることができ、しかも歩留を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す平面図。

【図２】同上のＡ−Ａ線断面図。

【図３】本考案の毛皮織物地を被服用パーツに用いる例
を示す平面図。

【図４】本考案の他の実施例を示す平面図。

【図５】同上のＢ−Ｂ線断面図。

【図６】他の実施例に使用する毛皮ヤーンを示す図。

【図７】従来の毛皮織物地の一例を示す平面図。

【符号の説明】

１ 下地体 ２ 経糸 ３ 緯糸 ４ 細切り毛皮 ５ 縁材 ６ 被服用パーツ ７ 毛皮ヤーン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】経糸および緯糸よりなるネット状の下地体
   の経糸または緯糸のいずれかに、細切りにした毛皮を、
   毛の面が表になるよう絡めてなる毛皮織物地。
2. 【請求項２】経糸および緯糸よりなるネット状の下地体
   の経糸または緯糸のいずれかに、細切りにした毛皮を、
   毛の面が表になるよう捩じってなる毛皮ヤーンを絡めて
   なる毛皮織物地。