JP3708237B2 - 接着芯地 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、衣服の表地に接着して用いる接着芯地に関し、特に、繊維ウエブをステッチ補強した構造を有し、薄手の表地に用いて好適な接着芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣服の保型性を保つ目的で、表地に接着するための接着芯地が広く用いられている。従来、接着芯地は、織物や不織布に、アイロン等で表地との接着を行うためのドット状やストライプ状の接着部材を形成しただけのものが主流であった。このような芯地の目付範囲として、15〜40g/m2程度のものが用いられてきたが、表地への追従性と保型性とを満足するためには、例えば120g/m2程度の表地目付に対して、20〜35g/m2程度の接着芯地が好まれてきた。
【0003】
しかしながら、衣服の着用者の自由な動きを確保するため、例えば100g/m2程度の薄手の表地が多用されるようになり、これに伴って、芯地も薄手化の要求が大きくなる傾向にある。従って、上述した接着芯地のうち、特に、価格的に有利な不織布を用いる場合には、低目付化による保型性(若しくは強度)の低下を補う技術が必要となっていた。
【0004】
このような補強技術の1つとして、短繊維や長繊維からなる繊維ウエブに従前と同様の接着部材を形成した基布に対して、種々のフィラメントでチェーンステッチを施す技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したフィラメントによる補強を行う場合、基布の薄手化を進める中で、基布とフィラメントとの視覚上のコントラストが大きくなる。このため、表地との接着後、フィラメントの配設部分が表地側から透けて見えるという問題点(以下、糸写りと称する)があった。
【0006】
さらに、表地とフィラメントで補強した芯地とを接着した後、フィラメントの配設方向にバイアスさせて引っ張った場合や、単に表地を内側にして折り曲げた場合、基布とフィラメントとの剛性上のコントラストが大きくなるため、表地表面側に規則的な凹凸(以下、糸あたりと称する)を生じるという問題もあった。
【0007】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、従って、本発明の目的は、薄手の表地に接着した場合であっても、糸写りや糸あたりを低減しつつ、基布の低目付化を図り得る接着芯地を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的の達成を図るため、本発明の接着芯地によれば、繊維ウエブに接着部を具えた基布をフィラメントによりステッチ補強してなる接着芯地において、上述した繊維ウエブの目付を5g/m 2 以上25g/m2以下とし、前述のフィラメントを、ポリエステル単糸を加工して得られたマルチフィラメントとし、かつこのマルチフィラメントの見かけ繊度を20デニール以上30デニール未満としたことを特徴としている。ここで言う「見かけ繊度」とは単糸を束ねた1本の加工糸としての繊度を表す。
【0009】
また、前述したマルチフィラメントを撚糸とすれば、単に引き揃えたのみのマルチフィラメントに比べて好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の接着芯地の実施形態につき説明する。まず、本発明の接着芯地を構成する繊維ウエブは、目付を5g/m 2 以上25g/m2以下とすることを除いては、従来なされてきたように、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維、レーヨン繊維、綿、羊毛などを単独または組み合わせで用いることができ、短繊維、長繊維を問わず、種々の繊維を用いて構成することができ、その製法もカード機やメルトブロー法など、周知のウエブ形成技術を適用することができる。この際、繊維ウエブの目付を25g/m2よりも大きくすると、フィラメントと繊維ウエブとの視覚上のコントラストが小さくなるため、本発明を適用する効果は低くなる。また、繊維ウエブの下限値は、この発明の適用範囲を限定するものではなく、繊維ウエブの均一性に帰するものであり、通常、5g/m2以上、好適には10g/m2以上とすればよい。さらに、従来周知のように、バインダによる補強、加熱ロールによるポイントシール補強、並びにニードルパンチ法や水流絡合等を適用した繊維ウエブでもよい。
【0011】
上記繊維ウエブに形成される接着部も、従来同様の構成とすることができ、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを単独または混合して、周知の技術により形成することができる。この接着部材は、繊維ウエブの表面にドット状、ストライプ状など、種々の形状を以て配設し得るが、2〜20g/m2、好ましくは3〜15g/m2とすれば、接着樹脂の染み出しを回避し、かつ十分な接着力を付与することができる。
【0012】
また、この発明の特徴となる、ポリエステル単糸からなるマルチフィラメントは、見かけ繊度を30デニール未満とすることにより、前述した目付の繊維ウエブとの視覚上のコントラストを低減するものである。例えば、マルチフィラメントの見かけ繊度が20デニールであり、これを構成する単糸の本数を6本とした場合、「20/6」と表記すれば、この発明に用いて好適な市販のマルチフィラメントとして、25/24、20/6、20/12等が挙げられる。
【0013】
さらに、上述した適用に好適なマルチフィラメントとして、仮撚りによって得られた加工糸とすることにより、糸自体に伸縮性が付与される。従って、撚糸が有する伸縮性により糸あたりを低減することができ、しかも、引き揃えた糸に比べて見かけ繊度を小さくできるため、糸写りの低減に有効である。
【0014】
上述したマルチフィラメントでステッチ補強するに当っては、ラッセル編機や単糸環縫いミシン等を利用して、チェーンステッチ、デンビステッチ或いはチュール編みを施すことにより、糸による編み構造を形成するのが好適である。特に、基布のタテ方向(生産方向)にチェーンステッチを施せば、チェーンステッチの編み目が伸びきるところまでは良好な伸縮性が得られ、伸びきったところでは糸が伸び止めと芯地の形態を安定化するため、接着芯地の補強技術として好適である。
【0015】
【実施例】
以下、この発明の実施例につき説明する。この実施例では、基布を同一の構成とし、種々のマルチフィラメントについて検討した結果を説明する。尚、この発明の好適例を特定の条件を例示して説明するが、この発明は、これら好適例にのみ限定されるものではない。
【0016】
まず始めに、繊度1.2デニール、繊維長38mmのナイロン繊維60重量%と、繊度1.3デニール、繊維長51mmのポリエステル繊維40重量%とからなる目付20g/m2の繊維ウエブをカード機により作製した。続いて、後述する種々のマルチフィラメントでステッチ加工を施し、然る後、周知のプリント技術により、ドット密度12個/cm2、付着量10g/m2で低融点ポリアミド樹脂を上述の繊維ウエブの一方の面に接着部として形成し、試験サンプルとしての接着芯地を得た。
【0017】
比較検討用の各芯地サンプルは、後述する種々のフィラメントを用い、ラッセル編機(カールマイヤー社製、RS3MSU−V)により、3.5コース/cm、18ゲージのタテ糸補強によって作製した。
【0018】
上述の手順により種々のフィラメントで補強したサンプルを、ブラウスに用いられる表地(目付103g/m2、打込本数タテ185本/インチ、ヨコ124本/インチ、組成ポリエステル)に対してアイロン接着し、評価を行った。評価結果は、糸写りについては下記表1の評価基準、糸あたりについては表2の評価基準に従って、各々、目視により5段階に分けて表した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
これら評価基準による実施例1〜3及び比較例1〜2の評価結果とそれぞれのサンプルに用いたフィラメントの詳細につき、表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
表3からも理解できるように、見かけ繊度が小さいほど糸写りの評価は良くなる。また、同一の見かけ繊度のマルチフィラメントの比較から、引揃え糸(実施例2)に比べて撚り糸(実施例1)の方が、糸あたりの評価は良好であった。これは、前述したように、撚り糸とすることによってマルチフィラメントに伸縮性が付与されるためと考えられる。また、比較例1は、従来、タテ糸補強に使われてきた最も一般的なマルチフィラメントを用いたものであるが、見かけ繊度が大きいための糸写りのみならず、糸あたりも、実施例1〜実施例3に比べて劣っていた。このことから、見かけ繊度を30デニール未満とすることによって、さらに、当該見かけ繊度の条件と、マルチフィラメントの単糸繊度を15デニール未満、好適には1.6〜3.3デニール程度とする条件とを満足すれば、糸写りと糸あたりとの双方を満足する接着芯地を実現し得ることが理解できる。
【0024】
さらに、比較例2の結果から、見かけ繊度を小さくすることによって糸写りは低減できるが、単糸の繊度が大きい場合には、その剛性が大きくなり、糸あたりに悪影響を及ぼすと考えられる。このため、同一の見かけ繊度であれば、複数の単糸で構成されたマルチフィラメントを用いる方が有利であることが確認できた。
【0025】
【発明の効果】
上述した説明からも明らかなように、この発明の接着芯地によれば、繊維ウエブに接着部を具えた基布をフィラメントによりステッチ補強してなる接着芯地において、前述した繊維ウエブの目付を5g/m 2 以上25g/m2以下とし、前述のフィラメントをポリエステル単糸からなるマルチフィラメントとし、かつこのマルチフィラメントの見かけ繊度を20デニール以上30デニール未満としている。
【0026】
このため、この発明を適用することによって、薄手の表地に接着した場合であっても、糸写りや糸あたりを低減しつつ、基布の低目付化を図り得る接着芯地を提供することができる。
Claims (2)
- 繊維ウエブに接着部を具えた基布をフィラメントによりステッチ補強してなる接着芯地において、前記繊維ウエブの目付を5g/m 2 以上25g/m2以下とし、前記フィラメントをポリエステル単糸からなるマルチフィラメントとし、かつ該マルチフィラメントの見かけ繊度を20デニール以上30デニール未満としてなることを特徴とする接着芯地。
- 前記マルチフィラメントを撚糸としたことを特徴とする請求項1に記載の接着芯地。
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---|---|---|---|
JP19975896A JP3708237B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 接着芯地 |
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JPH1025608A JPH1025608A (ja) | 1998-01-27 |
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Family Applications (1)
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JP19975896A Expired - Fee Related JP3708237B2 (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 接着芯地 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3708237B2 (ja) |
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1996
- 1996-07-09 JP JP19975896A patent/JP3708237B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1025608A (ja) | 1998-01-27 |
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