JPH0224946B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は主として粗に編織した繊維編織物に関
するものである。

〔発明の背景〕

背広、和服等の衣服は軽いことが望ましい。そ
のためには粗に編織した生地を用いなければなら
ない。

〔従来の技術〕

繊維編織物を粗に編織すると糸相互の摩擦が小
さくなり糸抜けを生じ易い。したがつて従来は糸
抜けを防止する目止め手段として縦糸と横糸との
交差点に合成樹脂を主成分とする目止め防止剤を
塗布していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記従来技術においては目止め防
止剤が繊維編織物の風合に悪影響を及ぼしてい
た。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記従来の問題点を解決する手段とし
て、繊維編織物１に目止め手段としてバーブニー
ドル２Ａによるニードルパンチ２を施し縦糸１Ａ
と横糸１Ｂとを交差点において絡合せしめるもの
である。

〔作用〕

本発明の作用は下記の通りである。

繊維編織物にニードルパンチを施こすと、縦糸
と横糸との交差点においてニードルパンチ打込み
側の糸がバーブニードルで突上げられて他側の糸
に絡合して交差点が固定される。

〔発明の効果〕

したがつて本発明では目止め剤を必要とせずに
機械的に目止めが可能であり、繊維編織物を粗に
しても糸抜けが生じにくく軽量な生地が提供され
る。

〔実施例〕

本発明を図に示す一実施例により説明すれば１
は繊維編織物であり、主として綾織りもしくは平
織りの編織物であり、例えば羊毛95％、ポリエス
テル繊維５％の単糸もしくは双糸の混紡品であ
り、糸の番手が14＃程度のものである。

上記繊維編織物１にニードルパンチ２によりパ
ンチングを施こす。ニードルパンチ２のニードル
の番手は例えば38＃あるいは40＃程度である。こ
のようなニードルパンチを施こすと、第２図に示
すようにニードルパンチ２のバーブニードル２Ａ
の中で必らず繊維編織物の縦糸１Ａと横糸１Ｂと
の交差点を刺すものであり、該交差点においては
第３図に示すようにニードルパンチ２の打込み側
の糸（横糸１Ｂとする）がバーブニードル２Ａで
突上げられて他側の糸（縦糸１Ａとする）に絡合
する。このようにして横糸１Ｂと縦糸１Ａとの交
差点で横糸１Ｂと縦糸１Ａとが絡合することによ
つて糸抜き抵抗が大となる、その後水、洗剤液、
更に水を用いて縮充を行い糸の構造を密にする。

このようにして得られた本発明の繊維編織物は
1800×1000mm当りの重量が、例えば従来の520ｇ
に対して400ｇ程度に減小させても糸抜けが生じ
にくく実用的な生地を得ることが出来、JIS 1096
による滑脱試験方法により糸抜け強度を測定した
所60mm以下であり、従来のものと同等の値を示し
た。

上記実施例は本発明を限定するものではなく、
例えば繊維編織物としては羊毛100％品、ポリア
ミド100％品、ポリエステル100％品、あるいは木
綿、絹、麻等あらゆる種類の合成繊維、天然繊維
の混紡品あるいは100％品が用いられてよく、ま
た縮充工程は前段の水洗いを省略してもよい。

なお、本発明においてはバーブニードルの径は
糸の径よりも小さくすることが望ましい。何とな
ればバーブニードルの径を糸の径よりも大とする
と糸切れを生ずる危険性がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はニードルパンチ工程を示す側面図、第
２図はニードルパンチ工程を示す平面図、第３図
は交差点の拡大図である。 図中、１……繊維編織物、２……ニードルパン
チ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 繊維編織物に目止め手段としてバーブニード
   ルによるニードルパンチを施し縦糸と横糸とを交
   差点において絡合せしめたことを特徴とする繊維
   編織物。