JP2501290B2 - リ―ド材 - Google Patents

リ―ド材

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JP2501290B2
JP2501290B2 JP5198778A JP19877893A JP2501290B2 JP 2501290 B2 JP2501290 B2 JP 2501290B2 JP 5198778 A JP5198778 A JP 5198778A JP 19877893 A JP19877893 A JP 19877893A JP 2501290 B2 JP2501290 B2 JP 2501290B2
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lead material
copper alloy
copper
conductivity
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晴香 待鳥
真人 阪井
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Toshiba Corp
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リード材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、リード材などの導電材料として
は、導電性が優れていることから純銅が用いられてい
る。
【0003】しかし、純銅は、その強度が弱く、製造時
に伸びを生じたり、切断などの問題を生じていた。その
ため、近年クロムあるいはジルコニウムなどの添加元素
を添加し、析出硬化処理によって強度の向上を図ること
が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、強度を向上す
るために添加元素を添加し、析出硬化処理を施したクロ
ム銅あるいはジルコニウム銅などの銅合金は強度を向上
することができるが、導電率が低く、また溶体化処理や
析出処理を行うため、リード材のような大量生産には不
向きであるという欠点があった。
【0005】本発明は、上記銅合金の欠点を解消し、導
電性,強度,大量生産性をも兼ね備えたリード材を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の第1の発
明であるリード材は、重量比で、クロム0.05〜 0.3%未
満およびジルコニウム0.05〜 0.5%含有し、残部実質的
に銅であると共に、 500〜 650℃の焼鈍上りの状態にお
いて結晶粒度がJIS G 0551の粒度番号において7番以上
である銅合金を用いてなることを特徴とするものであ
る。
【0007】また、本発明の第2の発明であるリード材
は、重量比で、クロム0.05〜 0.3%未満およびジルコニ
ウム0.05〜 0.5%、けい素,ゲルマニウム,ほう素およ
びマグネシウムから選ばれた1種または2種以上を 0.0
05〜 0.1%含有し、残部実質的に銅であると共に、 500
〜 650℃の焼鈍上りの状態において結晶粒度がJIS G055
1の粒度番号において7番以上である銅合金を用いてな
ることを特徴とするものである。
【0008】本発明の最重要点は、従来析出硬化処理型
材料とされてきた銅合金を溶体化処理することなく、焼
鈍と加工を繰返すことにより結晶粒度がJIS G 0551の粒
度番号において7番以上の銅合金を初めて得るに至り、
この銅合金をリード材に用いたことにある。したがっ
て、大量生産性という点での有利さが、工業上の効果と
して存在する。
【0009】以下に、0.15重量%クロム, 0.3重量%ジ
ルコニウム,残部実質的に銅よりなる銅合金をリード材
に用いた場合を例にとり、本発明を具体的に説明する。
【0010】上記組成を溶解,鋳造後、 700〜850 ℃で
熱間加工を施し直径7〜10mmの線材とし、これを酸洗
後、冷間加工と 500〜650 ℃の焼鈍を繰返して直径0.26
mmの線材とした。
【0011】このとき、冷間加工上りの結晶粒度はJIS
G 0551の粒度番号において9番、導電率は90IACS%、引
張強さは49kg/mm2 であった。
【0012】さらに 550℃の焼鈍を行った場合の結晶粒
度はJIS G 0551の粒度番号において10番、導電率は93IA
CS%、引張強さは44kg/mm2 であった。
【0013】このように、加工上りか焼鈍上りかによっ
て導電率および強度などは種々変化するので、所望の特
性が容易に得られる。
【0014】結晶粒度は、JIS G 0551の粒度番号におい
て7以上とすることにより、従来の析出硬化処理を施し
た場合に比較し優れた特性を得ることができるが、諸特
性から8以上の粒度番号であることが好ましく、さらに
は10〜11番の粒度番号が好ましい。
【0015】この場合、あえて上限を規定した理由とし
ては、導電率および強度の点から考慮すると結晶粒度は
細かいほど(粒度番号が大きいほど)好ましいが、製造
法の経済性から考慮するとその結晶粒度は粒度番号にお
いて14番以下、さらには11番以下とすれば、比較的経済
的であるという意味であり、経済性を考慮せず、その特
性を良好とするためには、その結晶粒度の上限は規定さ
れない。
【0016】また、その結晶粒形状は、 500〜 650℃の
焼鈍上りにおいては比較的円板状に近くなる。
【0017】なお、従来の析出処理を施した場合の銅合
金の結晶粒度はJIS G 0551の粒度番号において5〜6
番、導電率は70〜85IACS%、引張強さは50〜60kg/mm2
である。
【0018】次にこの銅合金をリード線として使用した
場合は、純銅を用いる場合の製造時における断線や伸び
すぎるという問題は生じない。このような断線や伸びす
ぎるという問題は、本発明者らの研究によれば、耐力と
伸線性に関係するのであり、この点で本発明においては
耐力および伸線性に優れており、リード材として好適で
ある。
【0019】以上の説明においは、クロム,ジルコニウ
ム銅合金をリード材に用いた場合について述べたが、上
述の技術思想は従来析出効果型として知られている銅合
金をリード材として用いた場合においても適用できるこ
とは、容易に理解できるであろう。
【0020】本発明のリード材の具体的な用途として
は、耐力,耐摩耗性,繰返し曲げ,熱伝導,導電性,耐
酸化性,耐食性などの特性が要求される架線用のより
線,リード線の用途が好ましい。
【0021】また、繰返し曲げ,導電性,熱伝導,耐食
性などの特性が要求される半導体装置のリードフレーム
などの用途がさらに好ましい。
【0022】本発明組成の銅合金を容体化処理すること
なく、 500〜 650℃の焼鈍上りの状態において結晶粒度
がJIS G 0551の粒度番号において7番以上に調整するこ
とにより、導電性,繰返し曲げ,熱伝導,耐酸化性,耐
力,疲労,ラプチャー,フレキシブル性,メッキ性,伸
線性などの改良がなされ、従来、純銅の利用されている
リード材の分野において有効な改善がもたらされる。
【0023】また、けい素,ゲルマニウム,ほう素およ
びマグネシウムは、強度および結晶粒粗大化の抑制など
に対し有効な元素である。
【0024】
【実施例】以下に、リード材の一実施例として、0.15重
量%クロム, 0.3重量%ジルコニウム,残部実質的に銅
よりなる銅合金をリード線に材に用いた場合を説明す
る。
【0025】上記組成を溶解,鋳造後、 700〜850 ℃で
熱間加工を施し直径10mmの線材とし、これを酸洗後、直
径2mmまで冷間加工と 500〜650 ℃の焼鈍を繰返し、さ
らに冷間加工を施して直径0.26mmの線材とした。さらに
550℃で焼鈍を行った焼鈍上りの状態および冷間加工上
りの状態で特性を評価したところ、表1の通りであっ
た。
【0026】また、比較として、純銅および通常の析出
硬化処理を行った場合のものと比較して、耐力,伸線性
ともに優れていることが理解できる。
【0027】表1における、各評価法は次の方法によっ
た。
【0028】(1) 導電率:比抵抗を室温で測定し、0.72
41(国際標準銅比抵抗値)を 100として換算したもの
(IACS%) (2) 熱伝導:単位面積あたりを一定時間に通る熱量を与
える物質常数( cal/cm・deg ) (3) 耐酸化性: 400℃で30時間加熱した場合の酸化増量
(mg/cm2 ) (4) 耐力: 0.2%歪んだ時の強度(kg/mm2 ) (5) 繰返し曲げ:重荷 250grをかけ、 0.3Rで90°曲げ
を繰返した場合の切断までの回数(回) (6) フレキシブル性:より線とした場合のフレキシブル
性の有無 (7) メッキ性:Ag,Au,Sn,Ni,はんだ等のメ
ッキ加工性の良否 (8) 伸線性:伸線加工の容易性(耐切断性:純銅に比較
して) (9) 結晶粒度:JIS G 0551の粒度番号
【0029】
【表1】 上記表1より明らかなように、本発明は、導電性,繰返
し曲げ性など、各種の特性に優れている。
【0030】次に、本発明のリード材として用いられる
銅合金の各種特性を表2に示す。
【0031】
【表2】 上記、表2より明らかなように、本発明のリード材に用
いられる銅合金は、導電性および強度の双方を兼備する
と共に、その他の特性(熱伝導率,耐酸化性,メッキ
性,伸線性等)も優れている。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、導電性,強度,大量生
産性をも兼ね備えたリード材を提供することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、クロム0.05〜 0.3%未満およ
    び/またはジルコニウム0.05〜 0.5%含有し、残部実質
    的に銅であると共に、 500〜 650℃の焼鈍上りの状態に
    おいて結晶粒度がJIS G 0551の粒度番号において7番以
    上である銅合金を用いてなることを特徴とするリード
    材。
  2. 【請求項2】 重量比で、クロム0.05〜 0.3%未満およ
    び/またはジルコニウム0.05〜 0.5%、けい素,ゲルマ
    ニウム,ほう素およびマグネシウムから選ばれた1種ま
    たは2種以上を 0.005〜 0.1%含有し、残部実質的に銅
    であると共に、500〜 650℃の焼鈍上りの状態において
    結晶粒度がJIS G 0551の粒度番号において7番以上であ
    る銅合金を用いてなることを特徴とするリード材。
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