JP3007962B2 - 含フッ素α−インドールプロピオン酸類、その製法とそれを有効成分とする植物成長調節剤 - Google Patents
含フッ素α−インドールプロピオン酸類、その製法とそれを有効成分とする植物成長調節剤Info
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- JP3007962B2 JP3007962B2 JP10173941A JP17394198A JP3007962B2 JP 3007962 B2 JP3007962 B2 JP 3007962B2 JP 10173941 A JP10173941 A JP 10173941A JP 17394198 A JP17394198 A JP 17394198A JP 3007962 B2 JP3007962 B2 JP 3007962B2
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- acids
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物成長調節作用
を有する新規含フッ素α−インドールプロピオン酸類、
その製造方法及びその1種又は2種以上を有効成分とし
て含有する植物成長調節剤に関するものである。
を有する新規含フッ素α−インドールプロピオン酸類、
その製造方法及びその1種又は2種以上を有効成分とし
て含有する植物成長調節剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インドール−3−酢酸(以下「IAA」
という)及びその誘導体(インドール−3−酢酸メチル
エステル、インドール−3−アセトアミドなど)が植物
の成長を促し、オーキシン活性を示すことは古くから知
られている。また、4,7−ジクロルインドール−3−
酢酸及び5,7−ジクロルインドール酢酸がアンチ・オ
ーキシン活性を有することはPlanta,140,89(1
978)において知られている。また最近になって、含
フッ素β−インドール酪酸類の化合物が開発され、それ
らの化合物、即ち4,4,4−トリフルオロ−3−(イ
ンドール−3−)酪酸(以下「TFIBA」という)、
4,4,4−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(イ
ンドール−3−)酪酸(以下「TFHIBA」とい
う)、4,4,4−トリフルオロ−3−(インドール−
3−)ブチロニトリル(以下「TFIBN」という)に
も植物種子の根の強い成長促進活性のあることが知られ
(特開平5−279331、平成5年10月26日)、
TFIBAがアンチ・オーキシン活性を有することがEx
perimentia, 51,721(1995)において明らか
にされている。置換TFIBA及びそのエステル等の誘
導体にも植物種子の根に対して更に強い成長促進作用の
あることが知られている(特許第2062393号、平
成8年6月24日)。
という)及びその誘導体(インドール−3−酢酸メチル
エステル、インドール−3−アセトアミドなど)が植物
の成長を促し、オーキシン活性を示すことは古くから知
られている。また、4,7−ジクロルインドール−3−
酢酸及び5,7−ジクロルインドール酢酸がアンチ・オ
ーキシン活性を有することはPlanta,140,89(1
978)において知られている。また最近になって、含
フッ素β−インドール酪酸類の化合物が開発され、それ
らの化合物、即ち4,4,4−トリフルオロ−3−(イ
ンドール−3−)酪酸(以下「TFIBA」という)、
4,4,4−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−3−(イ
ンドール−3−)酪酸(以下「TFHIBA」とい
う)、4,4,4−トリフルオロ−3−(インドール−
3−)ブチロニトリル(以下「TFIBN」という)に
も植物種子の根の強い成長促進活性のあることが知られ
(特開平5−279331、平成5年10月26日)、
TFIBAがアンチ・オーキシン活性を有することがEx
perimentia, 51,721(1995)において明らか
にされている。置換TFIBA及びそのエステル等の誘
導体にも植物種子の根に対して更に強い成長促進作用の
あることが知られている(特許第2062393号、平
成8年6月24日)。
【0003】世界人口の増大に伴い、植物、特に食料と
して使用される作物の増収を促進することは重要な課題
となっている。この作物の増収に関係する要件の一つと
して、作物の根を伸長させる作用が挙げられる。しか
し、IAA等のいわゆるオーキシン活性を有する従来の
植物成長調節剤やその他の植物成長調節剤は植物の根の
伸長作用が充分ではない。一方、最近になって開発され
た含フッ素β−インドール酪酸類の化合物、即ちTFI
BA、TFHIBA及びTFIBN、更には置換TFI
BA及びその誘導体は、IAA及びその誘導体と異な
り、植物種子の根に対してかなり強い成長促進作用を有
している。しかしながら、作物の増収等の実用的な用途
に利用するためには、更に幅広い作物に植物成長調節作
用を有する新たな物質の開発が望まれている。
して使用される作物の増収を促進することは重要な課題
となっている。この作物の増収に関係する要件の一つと
して、作物の根を伸長させる作用が挙げられる。しか
し、IAA等のいわゆるオーキシン活性を有する従来の
植物成長調節剤やその他の植物成長調節剤は植物の根の
伸長作用が充分ではない。一方、最近になって開発され
た含フッ素β−インドール酪酸類の化合物、即ちTFI
BA、TFHIBA及びTFIBN、更には置換TFI
BA及びその誘導体は、IAA及びその誘導体と異な
り、植物種子の根に対してかなり強い成長促進作用を有
している。しかしながら、作物の増収等の実用的な用途
に利用するためには、更に幅広い作物に植物成長調節作
用を有する新たな物質の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は鋭意研究
した結果、下記の式(I)で示される
した結果、下記の式(I)で示される
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Yは水素又はアルキル基を示す。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 含フッ素α−インドールプロピオン酸類が、植物の種子
の根部と胚軸部の一方あるいは双方の成長を促進させる
活性を有することを見い出し、本発明を完成させた。す
なわち、本発明は、植物成長促進作用を有する新規含フ
ッ素α−インドールプロピオン酸類を提供することを目
的とするものである。また、本発明は、上記化合物の製
造方法、及び該化合物を有効成分として含有する植物成
長調節剤を提供することを目的とするものである。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 含フッ素α−インドールプロピオン酸類が、植物の種子
の根部と胚軸部の一方あるいは双方の成長を促進させる
活性を有することを見い出し、本発明を完成させた。す
なわち、本発明は、植物成長促進作用を有する新規含フ
ッ素α−インドールプロピオン酸類を提供することを目
的とするものである。また、本発明は、上記化合物の製
造方法、及び該化合物を有効成分として含有する植物成
長調節剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、以下の技術的手段からなる。 (1)下記の式(I)に示される
明は、以下の技術的手段からなる。 (1)下記の式(I)に示される
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Yは水素又はアルキル基を示す。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 含フッ素α−インドールプロピオン酸類。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 含フッ素α−インドールプロピオン酸類。
【0010】(2)下記の式(II)に示される
【0011】
【化5】
【0012】(式中、Rは水素又はアルキル基を示す。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(イ
ンドール−3−)プロピオン酸エステルを塩素化剤と反
応させた後、還元し、必要により、加熱加水分解するこ
とからなる、植物成長調節物質である前記(1)に記載
の含フッ素α−インドールプロピオン酸類の製造方法。
X1 及びX2 の一方あるいは双方が水素、アルキル基、
アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(イ
ンドール−3−)プロピオン酸エステルを塩素化剤と反
応させた後、還元し、必要により、加熱加水分解するこ
とからなる、植物成長調節物質である前記(1)に記載
の含フッ素α−インドールプロピオン酸類の製造方法。
【0013】(3)植物成長調節物質である前記(1)
に記載の含フッ素α−インドールプロピオン酸類の1種
又は2種以上を有効成分として含有する植物成長調節
剤。以下、本発明を詳細に説明する。
に記載の含フッ素α−インドールプロピオン酸類の1種
又は2種以上を有効成分として含有する植物成長調節
剤。以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】式(I)の含フッ素α−インドー
ルプロピオン酸類(以下式(I)の化合物という)は例
えば下記の反応式によって製造することができる。
ルプロピオン酸類(以下式(I)の化合物という)は例
えば下記の反応式によって製造することができる。
【0015】
【化6】
【0016】すなわち、式(II)で表される3,3,
3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(インドール
−3−)プロピオン酸エステルを、例えばジメチルホル
ムアミド(以下「DMF」という)等の極性溶媒に溶解
し、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル等の塩素化剤
と反応させた後、例えば水素化ホウ素ナトリウム等を加
えて還元することにより式(III)(式(I)のY=
Rに相当する)で示される3,3,3−トリフルオロ−
2−(インドール−3−)プロピオン酸エステルを得る
ことができる。次いで、式(III)で示される化合物
を、触媒、好ましくは酸存在下で加熱加水分解すること
により、式(IV)(式(I)のY=Hに相当する)で
示される3,3,3−トリフルオロ−2−(インドール
−3−)プロピオン酸を得ることができる。
3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(インドール
−3−)プロピオン酸エステルを、例えばジメチルホル
ムアミド(以下「DMF」という)等の極性溶媒に溶解
し、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル等の塩素化剤
と反応させた後、例えば水素化ホウ素ナトリウム等を加
えて還元することにより式(III)(式(I)のY=
Rに相当する)で示される3,3,3−トリフルオロ−
2−(インドール−3−)プロピオン酸エステルを得る
ことができる。次いで、式(III)で示される化合物
を、触媒、好ましくは酸存在下で加熱加水分解すること
により、式(IV)(式(I)のY=Hに相当する)で
示される3,3,3−トリフルオロ−2−(インドール
−3−)プロピオン酸を得ることができる。
【0017】なお、本発明の式(I)の化合物を製造す
るための原料である式(II)の化合物は、例えば A.
E. Zelenin, N.D. Ohkanikov, Yu.N. Ivanchenko, V.D.
Thachev, V.D. Rusakova, A.F. Kolomiets, and A.V.
Fokin, Khim. Geterotsikl, Soedin., 1987, 1200-120
1.; V.A. Soloshonok and V.P. Kukhar, Zh.Org.Khi
m., 26, 419-425(1990). の方法を利用して製造するこ
とができる。
るための原料である式(II)の化合物は、例えば A.
E. Zelenin, N.D. Ohkanikov, Yu.N. Ivanchenko, V.D.
Thachev, V.D. Rusakova, A.F. Kolomiets, and A.V.
Fokin, Khim. Geterotsikl, Soedin., 1987, 1200-120
1.; V.A. Soloshonok and V.P. Kukhar, Zh.Org.Khi
m., 26, 419-425(1990). の方法を利用して製造するこ
とができる。
【0018】式(I)で示される化合物を植物成長調節
剤として使用する場合、使用目的に応じてそのまま使用
するか、又はその効果を助長若しくは安定化するために
農薬で通常用いられる補助剤と混合して、液剤、粉剤、
粒剤、水和剤、フロアブル剤又は乳剤のような製剤形態
にして使用することもできる。
剤として使用する場合、使用目的に応じてそのまま使用
するか、又はその効果を助長若しくは安定化するために
農薬で通常用いられる補助剤と混合して、液剤、粉剤、
粒剤、水和剤、フロアブル剤又は乳剤のような製剤形態
にして使用することもできる。
【0019】これらの製剤は実際の使用においては直接
そのまま使用するか、水又は溶剤で所定の濃度に希釈し
て使用することもできる。
そのまま使用するか、水又は溶剤で所定の濃度に希釈し
て使用することもできる。
【0020】式(I)で示される化合物は通常1×10
-9M〜1×10-2Mの濃度の範囲で使用することができ
るが、この範囲に限定されるものではない。
-9M〜1×10-2Mの濃度の範囲で使用することができ
るが、この範囲に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は当該実施例によって何ら限定されるものではな
い。 製造例1 Methyl 3,3,3-trifluoro-3-(indole-3-)propionate
(式(III),X1 =H,X2 =H,R=CH3 :式
(I)のX1 =H,X2 =H,Y=CH3 に相当する)
の製造 参考例1で合成されるMethyl 3,3,3-trifluoro
-2-hydroxy-2-(indole-3-)propionate(式(II),X
1 =H,X2 =H,R=CH3 )(1.37g,5.02mmol) を
アルゴン気流下でDMF(10ml)に溶解し、氷冷下塩
化チオニル(1.47g, 12.4mmol) を5分間で加えた。次い
で1時間後、過剰量のホウ素水素化ナトリウム(1.00g,
26.3mmol) を氷水浴中で30℃以下に維持しながら10分
間で加えた。反応後、生成物を氷水中に投入し、エーテ
ルで抽出した。得られたエーテル抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。無水硫酸ナトリウム
を除去した後、減圧下溶媒を留去して油状の粗カルボン
酸メチル(式(III),X1 =H,X2 =H,R=C
H3 )を得た。酢酸エチル/ヘキサンで再結晶化して板
状結晶のMethyl 3,3,3-trifluoro-2-(indole-3-)propio
nateを0.874g(収率 68.0%)得た。
発明は当該実施例によって何ら限定されるものではな
い。 製造例1 Methyl 3,3,3-trifluoro-3-(indole-3-)propionate
(式(III),X1 =H,X2 =H,R=CH3 :式
(I)のX1 =H,X2 =H,Y=CH3 に相当する)
の製造 参考例1で合成されるMethyl 3,3,3-trifluoro
-2-hydroxy-2-(indole-3-)propionate(式(II),X
1 =H,X2 =H,R=CH3 )(1.37g,5.02mmol) を
アルゴン気流下でDMF(10ml)に溶解し、氷冷下塩
化チオニル(1.47g, 12.4mmol) を5分間で加えた。次い
で1時間後、過剰量のホウ素水素化ナトリウム(1.00g,
26.3mmol) を氷水浴中で30℃以下に維持しながら10分
間で加えた。反応後、生成物を氷水中に投入し、エーテ
ルで抽出した。得られたエーテル抽出液を水洗し、無水
硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。無水硫酸ナトリウム
を除去した後、減圧下溶媒を留去して油状の粗カルボン
酸メチル(式(III),X1 =H,X2 =H,R=C
H3 )を得た。酢酸エチル/ヘキサンで再結晶化して板
状結晶のMethyl 3,3,3-trifluoro-2-(indole-3-)propio
nateを0.874g(収率 68.0%)得た。
【0022】m.p.:107.0〜108.5℃ IRνKBr max (cm-1):3376、1734、146
4、1439、1359、1253、1155、111
4、1008、750 MS(20ev):257(M+ 、35%)、198
(100)、148(15)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):3.73(3H,s)、4.99(1H,q,
J=8.8Hz)、6.95〜7.85(5H,m)、
10.48(1H,brs)19 F−NMR(86.46MHz、TMS、Aceto
ne−d6 ):9.25(3F,d,J=8.7Hz)
4、1439、1359、1253、1155、111
4、1008、750 MS(20ev):257(M+ 、35%)、198
(100)、148(15)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):3.73(3H,s)、4.99(1H,q,
J=8.8Hz)、6.95〜7.85(5H,m)、
10.48(1H,brs)19 F−NMR(86.46MHz、TMS、Aceto
ne−d6 ):9.25(3F,d,J=8.7Hz)
【0023】製造例2 Methyl 3,3,3-trifluoro-3-(2-methylindole-3-)propio
nate (式(III),X1 =CH3 ,X2 =H,R=
CH3 :式(I)のX1 =CH3 ,X2 =H,Y=CH
3 に相当する)の製造 参考例2で合成されるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydro
xy-2-(2-methylindole-3-)propionate(式(II),X
1 =H,X2 =H,R=CH3 )(2.87g, 10.0mmol) を
アルゴン気流下で、DMF(25ml)に溶解し, 塩化チ
オニル(3.77g,31.7mmol) を氷水浴中(11℃以下)で撹
拌しながら滴下ロートより12分間で添加した。1時間
後、水素化ホウ素ナトリウム(2.15g, 56.6mmol) を氷水
浴中で12℃以下に維持しながら3時間で加えた。反応
後、生成物を氷水中に投入し、エーテルで抽出した。次
いでエーテル抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムを加
えて乾燥した。無水硫酸ナトリウムを除去した後、エバ
ポレーターでエーテルを留去させ、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開液:エーテル/ヘキサン=2/
1)により分離し、エタノール/水で再結晶化して板状
結晶のMethyl 3,3,3-trifluoro-3-(2-methylindole-3-)
propionateを2.20g (収率 81.2%)得た。
nate (式(III),X1 =CH3 ,X2 =H,R=
CH3 :式(I)のX1 =CH3 ,X2 =H,Y=CH
3 に相当する)の製造 参考例2で合成されるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydro
xy-2-(2-methylindole-3-)propionate(式(II),X
1 =H,X2 =H,R=CH3 )(2.87g, 10.0mmol) を
アルゴン気流下で、DMF(25ml)に溶解し, 塩化チ
オニル(3.77g,31.7mmol) を氷水浴中(11℃以下)で撹
拌しながら滴下ロートより12分間で添加した。1時間
後、水素化ホウ素ナトリウム(2.15g, 56.6mmol) を氷水
浴中で12℃以下に維持しながら3時間で加えた。反応
後、生成物を氷水中に投入し、エーテルで抽出した。次
いでエーテル抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムを加
えて乾燥した。無水硫酸ナトリウムを除去した後、エバ
ポレーターでエーテルを留去させ、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開液:エーテル/ヘキサン=2/
1)により分離し、エタノール/水で再結晶化して板状
結晶のMethyl 3,3,3-trifluoro-3-(2-methylindole-3-)
propionateを2.20g (収率 81.2%)得た。
【0024】m.p.:124.0〜127.0℃ IRνKBr max (cm-1):3416、2956、174
3、1453、1437、1360、1231、115
4、1117、751 MS(20ev):271(M+、33)、212(1
00)、143(10)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):2.48(3H,s)、3.68(3H,
s)、4.92(1H,q,J=9.0Hz)、6.9
0〜7.70(4H,m)、10.30(1H,br
s)19 F−NMR:(86.46MHz、TMS、Acet
one−d6 ):9.85(3F,d,J=9.3H
z)
3、1453、1437、1360、1231、115
4、1117、751 MS(20ev):271(M+、33)、212(1
00)、143(10)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):2.48(3H,s)、3.68(3H,
s)、4.92(1H,q,J=9.0Hz)、6.9
0〜7.70(4H,m)、10.30(1H,br
s)19 F−NMR:(86.46MHz、TMS、Acet
one−d6 ):9.85(3F,d,J=9.3H
z)
【0025】製造例3 Ethyl 3,3,3-trifluoro-2-(indole-3-)propionate (式
(III),X1 =H,X2 =H,R=C2 H5 :式
(I)のX1 =H,X2 =H,Y=C2 H5 に相当す
る)の製造 参考例1と同様に製造されたEthyl 3,3,3-trifluoro-2-
hydroxy-2-(indole-3-)propionate (式(II),X1
=H,X2 =H,R=C2 H5 )(1.15g, 4.01mmol) を
アルゴン気流下で、DMF(10.0ml)に溶解し、塩化チオ
ニル(1.47g, 12.4mmol) を滴下ロートより加え、氷水浴
中(14℃以下)で撹拌しながら3分間で滴下させた。
1.5時間後、水素化ホウ素ナトリウム(0.626g, 16.5m
mol)を氷水浴中で19℃以下に維持しながら1時間で加え
た。反応後、生成物を氷水中に投入し、エーテルで抽出
した。得られたエーテル抽出液を水洗し、無水硫酸ナト
リウムを加えて乾燥した後、エバポレーターでエーテル
を留去させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液:エーテル/ヘキサン=3/2)により分離し、エ
タノール/水で再結晶化して板状結晶のEthyl 3,3,3-tr
ifluoro-2-(indole-3-)propionate を0.935g(収率 83.
5%)得た。
(III),X1 =H,X2 =H,R=C2 H5 :式
(I)のX1 =H,X2 =H,Y=C2 H5 に相当す
る)の製造 参考例1と同様に製造されたEthyl 3,3,3-trifluoro-2-
hydroxy-2-(indole-3-)propionate (式(II),X1
=H,X2 =H,R=C2 H5 )(1.15g, 4.01mmol) を
アルゴン気流下で、DMF(10.0ml)に溶解し、塩化チオ
ニル(1.47g, 12.4mmol) を滴下ロートより加え、氷水浴
中(14℃以下)で撹拌しながら3分間で滴下させた。
1.5時間後、水素化ホウ素ナトリウム(0.626g, 16.5m
mol)を氷水浴中で19℃以下に維持しながら1時間で加え
た。反応後、生成物を氷水中に投入し、エーテルで抽出
した。得られたエーテル抽出液を水洗し、無水硫酸ナト
リウムを加えて乾燥した後、エバポレーターでエーテル
を留去させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液:エーテル/ヘキサン=3/2)により分離し、エ
タノール/水で再結晶化して板状結晶のEthyl 3,3,3-tr
ifluoro-2-(indole-3-)propionate を0.935g(収率 83.
5%)得た。
【0026】m.p.:89.4〜90.0℃ IRνKBr max (cm-1):3379、1726、155
0、1459、1371、1240、1148、110
7、1017、743 MS(20ev):271(M+ ,36%)、198
(100)、148(11)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):1.20(3H,t,J=7.0Hz)、4.
21(2H,q,J=7.2Hz)、4.96(1H,
q,J=8.9Hz)、6.95〜7.85(5H,
m)、10.53(1H,brs)19 F−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):9.36(3F,d,J=9.3Hz)
0、1459、1371、1240、1148、110
7、1017、743 MS(20ev):271(M+ ,36%)、198
(100)、148(11)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):1.20(3H,t,J=7.0Hz)、4.
21(2H,q,J=7.2Hz)、4.96(1H,
q,J=8.9Hz)、6.95〜7.85(5H,
m)、10.53(1H,brs)19 F−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):9.36(3F,d,J=9.3Hz)
【0027】製造例4 3,3,3-Trifluoro-2-(indole-3-)propionic acid (式
(IV),X1 =H,X2 =H,R=H:式(I)のX
1 =H,X2 =H,Y=Hに相当する)の製造 製造例1で合成されたMethyl 3,3,3-trifluoro-2-(indo
le-3-)propionate(式(III),X1 =H,X2 =
H,R=CH3 )(1.21g, 4.71mmol) を濃塩酸12mlに
加え、4時間還流反応を行った。反応後、生成物を氷水
中に投入し、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチ
ル抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。無水硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下溶媒を留
去させ、エタノール/水で再結晶化して柱状晶の3,3,3-
Trifluoro-2-(indole-3-)propionicacid を0.810g(収
率 70.6%)得た。
(IV),X1 =H,X2 =H,R=H:式(I)のX
1 =H,X2 =H,Y=Hに相当する)の製造 製造例1で合成されたMethyl 3,3,3-trifluoro-2-(indo
le-3-)propionate(式(III),X1 =H,X2 =
H,R=CH3 )(1.21g, 4.71mmol) を濃塩酸12mlに
加え、4時間還流反応を行った。反応後、生成物を氷水
中に投入し、酢酸エチルで抽出した。得られた酢酸エチ
ル抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。無水硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下溶媒を留
去させ、エタノール/水で再結晶化して柱状晶の3,3,3-
Trifluoro-2-(indole-3-)propionicacid を0.810g(収
率 70.6%)得た。
【0028】m.p.:166.0〜168.0℃ IRνKBr max (cm-1):3482、1733、146
7、1426、1250、1159、1120、759 MS(20ev):243(M+ 、53%)、198
(100)、151(11)、148(19)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):1.55(1H,s)、5.03(1H,q,
J=8.5Hz)、7.10〜7.85(5H,m)、
8.23(1H,brs)19 F−NMR(86.46MHz、TMS、Aceto
ne−d6 ):9.32(3F,d,J=8.7Hz)
7、1426、1250、1159、1120、759 MS(20ev):243(M+ 、53%)、198
(100)、151(11)、148(19)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):1.55(1H,s)、5.03(1H,q,
J=8.5Hz)、7.10〜7.85(5H,m)、
8.23(1H,brs)19 F−NMR(86.46MHz、TMS、Aceto
ne−d6 ):9.32(3F,d,J=8.7Hz)
【0029】式(I)で示される含フッ素α−インドー
ルプロピオン酸類は、文献に未だ記載されていない新規
化合物であり、典型的な含フッ素α−インドールプロピ
オン酸類の収率と融点を表1に示す。
ルプロピオン酸類は、文献に未だ記載されていない新規
化合物であり、典型的な含フッ素α−インドールプロピ
オン酸類の収率と融点を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】参考例1 Methyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2-(indole-3-)prop
ionate(式(II),X1 =H,X2 =H,R=C
H3 )の製造 ジムロート冷却管を付した三口フラスコ中に、アルゴン
気流下でインドール(3.51g, 30.0mmol)とクロロホル
ム(12.0ml)を加えた。次いでクロロホルム(5.0ml )
に溶解したMethyl trifluoropyruvate(7.58g, 48.6mmo
l )を滴下ロートより氷水浴中(15℃以下)で滴下し
ながら30分間撹拌反応させた。反応後、ヘキサンを加
えて析出してくるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2
-(indole-3-)propionateを5.82g (収率 71.0%)得た。
クロロホルム/ヘキサンより再結晶化して白色板状晶を
得た。
ionate(式(II),X1 =H,X2 =H,R=C
H3 )の製造 ジムロート冷却管を付した三口フラスコ中に、アルゴン
気流下でインドール(3.51g, 30.0mmol)とクロロホル
ム(12.0ml)を加えた。次いでクロロホルム(5.0ml )
に溶解したMethyl trifluoropyruvate(7.58g, 48.6mmo
l )を滴下ロートより氷水浴中(15℃以下)で滴下し
ながら30分間撹拌反応させた。反応後、ヘキサンを加
えて析出してくるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2
-(indole-3-)propionateを5.82g (収率 71.0%)得た。
クロロホルム/ヘキサンより再結晶化して白色板状晶を
得た。
【0032】m.p.:92.0〜93.1℃ IRνKBr max (cm-1):3419、3340、175
6、1620、1550、1466、1443、134
5、1263、1182、1175、1105、100
1、757 MS(20ev):273(M+ 、38)、214(1
00)、204(10)、144(79)、117(8
4)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):3.87(3H,s)、6.00(1H,
s)、6.90〜8.00(5H,m)、10.44
(1H,brs)19 F−NMR:(86.46MHz、トリフルオロ酢酸
(外部基準)、Acetone−d6):0.93(3
F,s)
6、1620、1550、1466、1443、134
5、1263、1182、1175、1105、100
1、757 MS(20ev):273(M+ 、38)、214(1
00)、204(10)、144(79)、117(8
4)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):3.87(3H,s)、6.00(1H,
s)、6.90〜8.00(5H,m)、10.44
(1H,brs)19 F−NMR:(86.46MHz、トリフルオロ酢酸
(外部基準)、Acetone−d6):0.93(3
F,s)
【0033】参考例2 Methyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2-(2-methylindole
-3-)propionate(式(II),X1 =CH3 ,X2 =
H,R=CH3 )の製造 ジムロート冷却管を付した三口フラスコ中にアルゴン気
流下で2-メチルインドール(3.93g, 30.0mmol )をクロ
ロホルム(12.0ml)に溶解し、クロロホルム(5.0ml )
に溶解したMethyl trifluoropyruvate(7.84g, 35.0mmo
l )を滴下ロートより氷水浴中で添加しながら、30分
間撹拌反応させた。反応後、ヘキサンを加えて析出して
くるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2-(2-methylin
dole-3-)propionateを7.84g (収率 91.0%)得た。クロ
ロホルム/ヘキサンより再結晶化して板状晶を得た。
-3-)propionate(式(II),X1 =CH3 ,X2 =
H,R=CH3 )の製造 ジムロート冷却管を付した三口フラスコ中にアルゴン気
流下で2-メチルインドール(3.93g, 30.0mmol )をクロ
ロホルム(12.0ml)に溶解し、クロロホルム(5.0ml )
に溶解したMethyl trifluoropyruvate(7.84g, 35.0mmo
l )を滴下ロートより氷水浴中で添加しながら、30分
間撹拌反応させた。反応後、ヘキサンを加えて析出して
くるMethyl 3,3,3-trifluoro-2-hydroxy-2-(2-methylin
dole-3-)propionateを7.84g (収率 91.0%)得た。クロ
ロホルム/ヘキサンより再結晶化して板状晶を得た。
【0034】m.p.:76.0〜84.0℃ IRνKBr max (cm-1):3376、2956、173
2、1551、1459、1436、1180、109
0、1040、748 MS(20ev):287(M+ 、43)、228(1
00)、158(61)、131(71)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):2.52(3H,s)、3.81(3H,
s)、6.32(1H,s)、6.90〜7.70(4
H,m)、10.35(1H,brs)19 F−NMR:(86.46MHz、トリフルオロ酢酸
(外部基準)、Acetone−d6 ):0.15(3
F,s)
2、1551、1459、1436、1180、109
0、1040、748 MS(20ev):287(M+ 、43)、228(1
00)、158(61)、131(71)1 H−NMR(90MHz、TMS、Acetone−
d6 ):2.52(3H,s)、3.81(3H,
s)、6.32(1H,s)、6.90〜7.70(4
H,m)、10.35(1H,brs)19 F−NMR:(86.46MHz、トリフルオロ酢酸
(外部基準)、Acetone−d6 ):0.15(3
F,s)
【0035】試験例1 式(II)(X1 =H,X2 =H,R=CH3 )と式
(I)(X1 =H,X2=H,Y=CH3 及びY=H)
を試料として所定濃度の薬液を調製し、式(II)のα
−ヒドロキシ基を水素に置換して製造した本発明の式
(I)の化合物の活性を調べた。直径6cmのシャーレ中
に、各薬液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm)上
に白菜(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、
6, 000lux、16hr日長で3日間インキュベートし
た後、根長、胚軸長を調査した。その結果を表2に示
す。
(I)(X1 =H,X2=H,Y=CH3 及びY=H)
を試料として所定濃度の薬液を調製し、式(II)のα
−ヒドロキシ基を水素に置換して製造した本発明の式
(I)の化合物の活性を調べた。直径6cmのシャーレ中
に、各薬液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm)上
に白菜(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、
6, 000lux、16hr日長で3日間インキュベートし
た後、根長、胚軸長を調査した。その結果を表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】試験例2 式(I)(X1 =H及びC6 H5 ,X2 =H,5-C
H3 ,5-CH3 O及び5-Cl,Y=H、CH3 及びC2
H5 )を試料として所定濃度の薬液を調製し、各種置換
基による活性を調べた。直径6cmのシャーレ中に、各薬
液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm )上に白菜
(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、6,00
0lux 、16hr日長で3日間インキュベートした後、根
長、胚軸長を調査した。その結果を表3に示す。
H3 ,5-CH3 O及び5-Cl,Y=H、CH3 及びC2
H5 )を試料として所定濃度の薬液を調製し、各種置換
基による活性を調べた。直径6cmのシャーレ中に、各薬
液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm )上に白菜
(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、6,00
0lux 、16hr日長で3日間インキュベートした後、根
長、胚軸長を調査した。その結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】試験例3 式(I)(X1 =H及びC6 H5 ,X2 =H,5-C
H3 ,5-CH3 O及び5-Cl,Y=H、CH3 及びC2
H5 )を試料として所定濃度の薬液を調製し、各種置換
基による暗所下での活性を調べた。直径6cmのシャーレ
中に、各薬液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm )
上に白菜(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、
暗所下で3日間インキュベートした後、根長、胚軸長を
調査した。その結果を表4に示す。
H3 ,5-CH3 O及び5-Cl,Y=H、CH3 及びC2
H5 )を試料として所定濃度の薬液を調製し、各種置換
基による暗所下での活性を調べた。直径6cmのシャーレ
中に、各薬液5ml を加え、その中の濾紙(直径5.5cm )
上に白菜(品種:錦秋)の催芽種子を置床し、25℃、
暗所下で3日間インキュベートした後、根長、胚軸長を
調査した。その結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】試験例4 式(I)(X1 =H,X2 =H,Y=CH3 )とIAA
のメチルエステルを試料として所定濃度の薬液を調製
し、暗所下での活性に対するトリフルオロメチル基導入
による効果を比較調査した。ブラックマッペの催芽種子
10個を、直径6cmのシャーレ中に薬液を染み込ませた
濾紙(直径5.5cm )上に置床し、25℃、暗黒下で3日
間インキュベートした後、根長、胚軸長を調査した。そ
の結果を表5に示す。
のメチルエステルを試料として所定濃度の薬液を調製
し、暗所下での活性に対するトリフルオロメチル基導入
による効果を比較調査した。ブラックマッペの催芽種子
10個を、直径6cmのシャーレ中に薬液を染み込ませた
濾紙(直径5.5cm )上に置床し、25℃、暗黒下で3日
間インキュベートした後、根長、胚軸長を調査した。そ
の結果を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】試験例1の結果から明らかなように、α−
位にヒドロキシ基を有する式(II)の化合物が通常の
明暗サイクル生育条件下で、全く成長促進作用を有しな
いか阻害作用を示すのに対し、α−位のヒドロキシ基を
水素で置換することにより製造される本発明の式(I)
の化合物、即ち含フッ素α−インドールプロピオン酸類
は、植物種子からの成長に対して、根部及び胚軸部共に
促進作用を示した。試験例2の結果からもインドール環
への置換基の導入により根部あるいは胚軸部の成長を促
進し、特に2−位へのフェニル基の導入により根部の成
長を低濃度薬液でも著しく促進する活性を示した。試験
例3に示す暗所生育条件下では、インドール環に置換基
を導入することにより、根部の成長促進作用を示した。
試験例4に示すブラックマッペの暗所下での成長に対し
て、10-6〜10-7Mの低濃度領域で根部の成長を著しく促
進するが、10-4〜10-3Mの高濃度領域では、IAAエス
テルと同様な根部の膨潤が認められた。このように、2-
位のヒドロキシ基を還元して製造される含フッ素α−イ
ンドールプロピオン酸類は、置換基あるいは使用薬液濃
度を選ぶことにより、根部と胚軸部の一方あるいは双方
の成長を促進する新たな化合物群を提供する。
位にヒドロキシ基を有する式(II)の化合物が通常の
明暗サイクル生育条件下で、全く成長促進作用を有しな
いか阻害作用を示すのに対し、α−位のヒドロキシ基を
水素で置換することにより製造される本発明の式(I)
の化合物、即ち含フッ素α−インドールプロピオン酸類
は、植物種子からの成長に対して、根部及び胚軸部共に
促進作用を示した。試験例2の結果からもインドール環
への置換基の導入により根部あるいは胚軸部の成長を促
進し、特に2−位へのフェニル基の導入により根部の成
長を低濃度薬液でも著しく促進する活性を示した。試験
例3に示す暗所生育条件下では、インドール環に置換基
を導入することにより、根部の成長促進作用を示した。
試験例4に示すブラックマッペの暗所下での成長に対し
て、10-6〜10-7Mの低濃度領域で根部の成長を著しく促
進するが、10-4〜10-3Mの高濃度領域では、IAAエス
テルと同様な根部の膨潤が認められた。このように、2-
位のヒドロキシ基を還元して製造される含フッ素α−イ
ンドールプロピオン酸類は、置換基あるいは使用薬液濃
度を選ぶことにより、根部と胚軸部の一方あるいは双方
の成長を促進する新たな化合物群を提供する。
【0044】
【発明の効果】本発明により、前記式(I)で示される
新規含フッ素α−インドールプロピオン酸類及びその製
造方法が提供される。本発明の含フッ素α−インドール
プロピオン酸類は、根部と胚軸部の一方あるいは双方の
成長を促進する作用を有し、植物成長促進剤の有効成分
として有用である。
新規含フッ素α−インドールプロピオン酸類及びその製
造方法が提供される。本発明の含フッ素α−インドール
プロピオン酸類は、根部と胚軸部の一方あるいは双方の
成長を促進する作用を有し、植物成長促進剤の有効成分
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−68354(JP,A) 特開 平7−133260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/18 C07D 209/30 C07D 209/34 A01N 43/38 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の式(I)に示される 【化1】 (式中、Yは水素又はアルキル基を示す。X1 及びX2
の一方あるいは双方が水素、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、ハロゲン基を示す。)含フッ素α−イ
ンドールプロピオン酸類。 - 【請求項2】 下記の式(II)に示される 【化2】 (式中、Rは水素又はアルキル基を示す。X1 及びX2
の一方あるいは双方が水素、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、ハロゲン基を示す。) 3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(イ
ンドール−3−)プロピオン酸エステルを塩素化剤と反
応させた後、還元し、必要により、加熱加水分解するこ
とからなる、植物成長調節物質である請求項1に記載の
含フッ素α−インドールプロピオン酸類の製造方法。 - 【請求項3】 植物成長調節物質である請求項1に記載
の含フッ素α−インドールプロピオン酸類の1種又は2
種以上を有効成分として含有する植物成長調節剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10173941A JP3007962B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 含フッ素α−インドールプロピオン酸類、その製法とそれを有効成分とする植物成長調節剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10173941A JP3007962B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 含フッ素α−インドールプロピオン酸類、その製法とそれを有効成分とする植物成長調節剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11349569A JPH11349569A (ja) | 1999-12-21 |
JP3007962B2 true JP3007962B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=15969914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10173941A Expired - Lifetime JP3007962B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | 含フッ素α−インドールプロピオン酸類、その製法とそれを有効成分とする植物成長調節剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3007962B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019038747A (ja) * | 2015-12-10 | 2019-03-14 | 株式会社 東北テクノアーチ | インドール酢酸誘導体 |
-
1998
- 1998-06-04 JP JP10173941A patent/JP3007962B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11349569A (ja) | 1999-12-21 |
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