JP3129001B2 - フリルピリジン誘導体およびそれを含有する殺線虫組成物 - Google Patents

フリルピリジン誘導体およびそれを含有する殺線虫組成物

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JP3129001B2
JP3129001B2 JP04305094A JP30509492A JP3129001B2 JP 3129001 B2 JP3129001 B2 JP 3129001B2 JP 04305094 A JP04305094 A JP 04305094A JP 30509492 A JP30509492 A JP 30509492A JP 3129001 B2 JP3129001 B2 JP 3129001B2
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均 西山
勝 大垣
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藤沢薬品工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下記一般式(I)で
示される新規フリルピリジン誘導体及びその塩および下
記一般式(II)で示されるフリルピリジン誘導体及び
その塩の用途に関するものである。したがって、この発
明の目的は殺線虫作用を有する新規フリルピリジン誘導
体及びその塩を提供することである。この発明の他の目
的は、下記一般式(I)で示される新規フリルピリジン
誘導体を含む下記一般式(II)で示されるフリルピリ
ジン誘導体を含有する殺線虫剤、特に植物寄生線虫に有
効な殺線虫剤を提供することである。
【0002】
【従来の技術】フリルピリジン誘導体は数多く知られて
いるが、この発明の下記一般式(I)で示されるフリル
ピリジン誘導体は知られていない。また、この発明の下
記一般式式(II)で示される化合物は公知化合物を含
む(日本化学療法学会誌15巻、246、527、53
5ページ、(1967))。しかしながらこの公知化合
物を含む化合物(II)が殺線虫作用を有することは全
く知られていなかった。
【0003】
【発明の構成】この発明のフリルピリジン誘導体(I)
は新規であり、下記一般式で示すことができる。
【化3】 [式中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基または
ハロゲン、Aは適当な置換基を有していてもよいエチレ
ン基またはエテニレン基を意味する]。
【0004】この発明のフリルピリジン誘導体(II)
は、下記一般式で示すことができる。
【化4】 (式中、Raは水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基またはハロゲン、Aは適当な置換基を有していてもよ
いエチレン基またはエテニレン基を意味する。)
【0005】この発明の新規フリルピリジン誘導体
(I)またはその塩は下記製造法によって製造すること
ができる。 製造法1
【化5】 製造法2
【0006】
【化6】 製造法3
【化7】 製造法4
【化8】 (式虫、RおよびAはそれぞれ前と同じ意味であり、R
1はハロゲン、R2は低級アルコキシ基を意味する)。
【0007】この明細書の以上および以下の記載におい
て、この発明の範囲内に包含される種々の定義の好適な
例および説明を以下詳細に説明する。「低級」とは、特
に指示がなければ、炭素原子 1ないし6個(好ましく
は1ないし4個)を意味するものとする。好適な「ハロ
ゲン」としてはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げ
られる。好適な「低級アルキル基」としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、第三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル
等の炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基
が挙げられる。低級アルキル基は適当な置換基、例えば
シアノ基等で置換されていてもよい。好適な「低級アル
コキシ基」としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t
−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネ
オペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の基が挙げられ
る。「適当な置換基を有していてもよいエチレン基また
はエテニレン基」の好適な「適当な置換基」としては、
水酸基等が挙げられる。化合物(I)、(Ia)および
(III)の好適な塩類は、慣用の無毒性の塩すなわち
酸付加塩を挙げることができる。より具体的には、無機
酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン
酸塩等)、有機カルボン酸付加塩または有機スルホン酸
付加塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸
塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)、
酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
【0008】新規フリルピリジン誘導体(I)の製造法
について次に詳細に説明する。 製造法1 化合物(Ia)またはその塩は、化合物(III)また
はその塩を化合物(IV )と反応させることにより製
造することができる。この反応は通常、リチウムジイソ
プロピルアミド、フェニルリチウム、n−ブチルリチウ
ム等のリチウム化合物および水素化ナトリウム、ナトリ
ウムアミド、ナトリウムメチラート等のナトリウム化合
物の存在下により行われる。反応は通常、ヘキサン、ジ
エチルエーテル、シクロヘキサンのような溶媒中または
それらの混合物(例えばヘキサン−ジエチルエーテル、
シクロヘキサン−ジエチルエーテル等)中で行われる
が、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればその他いか
なる溶媒でも反応を行うことができる。反応温度は特に
限定されないが、通常は冷却下ないし加熱下に反応が行
われる。
【0009】製造法2 化合物(Ib)またはその塩は化合物(Iaまたはその
塩)を脱水反応に付することにより製造することができ
る。この反応はアルコールをハロゲンまたはメタンスル
フォネート、トルエンスルフォネート等のスルフォネー
トとしトリエチルアミン、ピリジン等の塩基で脱ハロゲ
ン化水素または脱スルホン酸を行うことによって製造す
ることができる。反応は通常、無水ジクロロメタン、ジ
オキサン、クロロホルム、テトラヒドロフランのような
溶媒中たはそれらの混合物中で行われるが、反応に悪影
響を及ぼさない溶媒であればその他いかなる溶媒でも反
応を行うことができる。反応温度は特に限定されない
が、通常は室温、加温下ないし加熱下に反応が行われ
る。
【0010】製造法3 化合物(Ib)またはその塩は化合物(Ia)またはそ
の塩を還元反応に付することにより製造することができ
る。この反応に用いることのできる還元法としては、化
学還元および接触還元を挙げることができる。化学還元
に用いる好適な還元剤としては、金属(例えば錫、亜
鉛、鉄等)または金属化合物(例えば塩化クロム、酢酸
クロム等)と有機酸あるいは無機酸(例えばギ酸、酢
酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンス
ルホン酸、塩酸、臭化水素酸等)の組み合わせ、等を挙
げることができる。接触還元に使用される好適な触媒と
しては、白金触媒(例えば白金板、白金海綿、白金黒、
コロイド白金、酸化白金、白金線等)、パラジウム触媒
(例えばパラジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウ
ム、パラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素、コロ
イドパラジウム、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウ
ム−炭酸バリウム等)、ニッケル触媒(例えば還元ニッ
ケル、酸化ニッケル、ラネ−ニッケル等)、コバルト触
媒(例えば還元コバルト、ラネ−コバルト等)、鉄触媒
(例えば還元鉄、ラネ−鉄等)、銅触媒(例えば還元
銅、ラネ−銅、ウルマン銅等)等を挙げることができ
る。また水素源としてギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロ
ヘキセン、シクロヘキサジエン等を用いることも可能で
ある。還元は通常、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶
媒、例えば水、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、またはそれらの混
合物等の溶媒中で行われる。また、化学還元に用いる前
記酸が液状の場合、これらは溶媒として使用することも
できる。触媒還元に用いる好適な溶媒としては、前記溶
媒、その他の慣用の溶媒、例えばジエチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン等あるいはそれらの混合
物を挙げることができる。還元の反応温度は特に限定さ
れないが、通常、冷却ないし加熱下に反応が行われる。
【0011】製造法4 化合物(Ie)は化合物(Id)をハロゲンの低級アル
コキシ基への変換反応に付することにより製造すること
ができる。この反応は例えば実施例2に開示したような
方法にしたがって行うことができる。製造法1〜4によ
って得られる化合物は、抽出、沈殿、分別結晶、再結
晶、クロマトグラフィーといった常法により、分離、ま
たは精製される。この発明に使用する出発原料化合物
は、例えば後記の製造例に開示された方法により製造す
ることができる。
【0012】この発明の新規フリルピリジン誘導体
(I)およびフリルピリジン誘導体(II)は、殺線虫
作用、特に殺植物寄生線虫、殺土壌線虫作用を有し、し
たがってこれらの化合物は植物保護における有害生物防
除剤として農業、ぶどう栽培、果実栽培、造園および植
林の際に使用できる。
【0013】この発明により駆除することができる植物
寄生の線虫には、例えば次のものが属する。:ネコブセ
ンチュウ(root−knot nematode
s)、例えばサツマイモネコブセンチュウ(Meloi
dogyne incognita)、キタネコブセン
チュウ(Meloidogyne hapla)、ジャ
ワネコブセンチュウ(Meloidogyne jav
anica)、シストを形成する線虫、例えばジャガイ
モシストセンチュウ(Globodera rosto
chiensis),ヘテロデラ シャクチ(Hete
rodera schachtii)、ヘテロデラ ア
ベナエ(Heterodera avenae)、ダイ
ズシストセンチュウ(Heterodera glyc
ines)、ヘテロデラ トリホリイ(Heterod
era trifolii)、ストック−およびプレッ
テルヒエン(Steam and leef eelw
orms)、例えばナミクキセンチュウ(Dityle
nchus destructor)、ハガレセンチュ
ウ(Aphelencholdes ritzemab
osi)、ムギネグサレセンチュウ(Pratylen
chus neglectus)、キタネグサレセンチ
ュウ(Pratylenchus penetran
s)、プラチレンクス クルビタトウス(Pratyl
enchus curvitatus)、並びにチレン
コルヒンクス ドウビウス(Tylenchorhyn
chus dubius)、チレンコルヒンクス ク
ライトニ(Tylenchorhynchus cla
ytoni)、ロチレンクス ロブスタス(Rotyl
enchus robustus)、ヘリオコチレンク
ス ムルチシンクトウス(Heliocotylenc
hus multicinctus)、ラドホルス シ
ミリス(Radopholus similis)、ベ
ロノライムス ロンギカウダトウス(Belonola
imus longicaudatus)、ロンギドル
ス エロンガトウス(Longidorus elon
gatus)、ラブジチス エロングトウス(Rabd
itis elongtus)、およびトリコドルス
プリミテイブス(Trichodurusprimit
ivus)。
【0014】この発明の新規フリルピリジン誘導体
(I)を含むフリルピリジン誘導体(II)の有用性を
明らかにするための新規フリルピリジン誘導体(I)を
含むフリルピリジン誘導体(II)の線虫に対する生育
阻害試験データを以下に示す。以下の試験での”実施例
1”、”実施例3”という表現はそれぞれ実施例1、3
で製造された化合物のことである。ラブジチス エロン
グトウス(Rabditis elongtus)桿線
虫に対する生育阻害効果 1.試験方法 試験線虫の虫卵を有する雌成虫から次亜塩素酸処理によ
って、虫卵を採取する。次に24穴のプラスチックプレ
ートに試験化合物を所定の濃度になるように稀釈調整し
ておく。ここへ、先に採取した虫卵を大腸菌を添加した
培養液と共に分注する。分注後、25℃で4日間培養す
ると、虫卯からふ化した幼虫が成虫になり、やがて排卵
するという生育のサイクルが完了する。新規フリルピリ
ジン誘導体(I)を含むフリルピリジン誘導体(II)
が作用している場合はふ化した幼虫が死んでいるのが観
察できる。ふ化した幼虫あるいは成虫の状態で死んでい
る濃度をMLC、生育が遅延しているすなわち、4日間
の培養でも成虫に至るまで発育していない時の濃度をM
ECとした。
【0015】2.試験結果
【0016】
【0017】この発明の化合物の1ヘクタ−ル当たりの
線虫駆除のための使用量は、約0.03Kg〜約10K
g、特に約0.3Kg〜約6Kgである。新規フリルピ
リジン誘導体(I)を含むフリルピリジン誘導体(I
I)は、通例の処方物、例えば溶液、乳剤、スプレ−粉
末、懸濁液、粉末、徹粉剤、フォ−ム、ペ−スト、可溶
性粉末、類粒、エ−ロゾル、懸濁液−乳剤濃縮物、種粉
末、作用物質含天然−及び合成物質に変えることができ
る。
【0018】以下、実施例に従ってこの発明をさらに詳
細に説明する。 実施例1 6−フルオロ−2メチルピリジン(1.96g)の無水
テトラヒドロフラン(20ml)溶液に、リチウムジイ
ソプロピルアミドのヘキサン−エーテル(7:3)溶液
(1.55mol/l)(11.4ml)を−78℃に
冷却下25分かけて滴下し、同温で10分間攪拌した。
その溶液にフルフラール(1.46ml)を同温で滴下
しさらに2時間攪拌した。水(60ml)を加えた後室
温まで戻し酢酸エチル(30ml×3)で抽出し無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。濃縮して得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘ
キサン、酢酸エチルの混合液( 3:1V/V)で溶出
した。所望の生成物を含む溶出画分の溶媒を留去し、6
−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒドロ
キシエチル]ピリジン(2.83g)を淡黄色油状生成
物として得た。 NMR(CDCI3;δ)3.17−3.30(m,2
H),5.21(dd,1H),6.23(d,1
H),6.34(dd,1H),6.82(dd,1
H),7.08(dd,1H),7.33−7.37
(m,1H),7.70(dd,1H) EI−MS 207[M+
【0019】実施例2 6フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒドロ
キシエチル]ピリジン(2.83g)の無水ジクロルメ
タン(30ml)及びトリエチルアミン(4.54m
l)に塩化メタンスルフォニル(11.4ml)を氷冷
下に滴下した。得られた溶液を室温まで戻し2時間半攪
拌した。更にトリエチルアミン(2.27ml)及び塩
化メタンスルフォニル(0.63ml)を順次加え更に
3時間攪拌した。水(100ml)を加えた後ジクロル
メタン(40ml×2)で抽出し飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮して得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
しヘキサン、酢酸エチルの混合溶液(5:1V/V)で
溶出した。所望の生成物を含む溶出画分の溶媒を留去
し、6フルオロ−2−[2−(2−フルイル)ビニル]
ピリジン(1.56g)を淡黄色結晶として得た。 NMR(CDCI3;δ)6.4−6.5(m,2
H),6.75(dd,1H),6.98(d,1
H),7.11(dd,1H),6.44(dd,1
H),7.45(dd,1H),7.73(dd,1
H) EI−MS 189[M+
【0020】実施例3 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)ビニル]ピ
リジン(0.3g)及びシクロヘキセン(0.24m
l)のメタノール(10ml)溶液に、窒素雰囲気下に
20%水酸化パラジウム−炭素(0.10g)を加えた
後8時間加熱還流を行った。その途中、4時間後、5時
間後及び7時間後にシクロヘキセン(0.24ml)ず
つを加えた。冷却後、触媒を濾去し、溶媒を留去して得
られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製しヘキサン、ジクロルメタンの混合溶液
(2:3V/V)で溶出した。所望の生成物を含む溶出
画分の溶媒を留去し、6−フルオロ−2−[2−(2−
フルイル)エチル]ピリジン(2.83g)を淡黄色油
状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)3.07(s,4H),5.
95(d,1H),6.25(d,1H),6.75
(dd,1H),6.97(dd,1H),7.29−
7.31(m,1H),7.66(dd,1H)
【0021】実施例4 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)ビニル]ピ
リジン(0.27g)のメタノール(10ml)溶液に
ナトリウムメチラート、28%メタノール溶液(4.6
ml)を加えた後24時間加熱還流を行った。溶媒を留
去した後、水(60ml)を加え酢酸エチル(20ml
×3)で抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮し
て得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製しヘキサン、酢酸エチルの混合液(1
9:1V/V)で溶出した。所望の生成物を含む溶出画
分の溶媒を留去し、2−[2−(2−フルイル)エチ
ル]−6−メトキシピリジン(0.26g)を油状生成
物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.9−3.2(m,4
H),3.92(s,3H),5.96(d,1H),
6.26(dd,1H),6.55(d,1H),6.
68(d,1H),7.29−7.32(m,1H),
7.45(dd,1H) EI−MS 203[M+
【0022】実施例5 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)エチル]ピ
リジンの代わりに、6−フルオロ−2−[2−(2−フ
ルイル)ビニル]ピリジン(0.3g)を用いた以外
は、実施例4と同様にして2−[2−(2−フルイル)
エチル]−6−メトキシピリジン(0.23g)を黄色
油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)3.99(s,3H),6.
41−6.45(m,2H),6.57(d,1H),
6.82(d,1H),6.97(d,1H),7.4
2(bs,2H),7.45−7.55(m,2H) EI−MS 201[M+
【0023】実施例6 2,3−ジメチルピリジン(1.0g)の無水エーテル
(10ml)溶液にフェニルリチウムのシクロヘキサン
/エーテル(7:3)溶液(5.2ml)を10分間か
けて滴下し、30分間加熱還流した。その溶液にフルフ
ラール(1.46ml)を氷冷下で10分間かけて滴下
し、更に2時間30分間室温で攪拌した。水(30m
l)を加えた後酢酸エチル(20ml×3)で抽出し無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮して得られた粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
ヘキサン、酢酸エチルの混合液(3:1V/V)で溶出
した。所望の生成物を含む溶出画分の溶媒を留去し、2
−[2−(2−フルイル)−2−ヒドロキシエチル]−
3−メチルピリジン(0.76g)を淡黄色油状生成物
として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.26(s,3H),3.
19−3.26(m,2H),5.31(dd,1
H),6.22(d,1H),6.33(dd,1H)
7.0(dd,1H),7.37−7.39(m,1
H),7.46(d,1H),8.34(d,1H)
【0024】実施例7 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]ピリジンの代わりに2−[2−(2−フ
ルイル)−2−ヒドロキシエチル]−3−メチルピリジ
ン(0.76g)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピ
リジン(0.25g)を黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.42(s,3H),6.
41−6.46(m,2H),7.04(dd,1
H),7.24(d,1H),7.40−7.46
(m,2H),7.58(d,1H),8.43(d,
1H)
【0025】実施例8 2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピリ
ジン(0.22g)のメタノール(10ml)溶液に、
窒素雰囲気下に10%パラジウム−炭素(0.1.0
g)を加えた後、水素置換し常温常圧で5時間攪拌し
た。触媒を濾去し溶媒を留去して得られた粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製しヘキサ
ン、ジクロルメタンの混合液(1:5V/V)で溶出し
た。所望の生成物を含む溶出画分の溶媒を留去し、2−
[2−(2−フルイル)エチル]−3−メチルピリジン
を油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.25(s,3H),3.
00−3.20(m,4H),5.97(d,1H),
6.27(dd,1H),7.04(dd,1H),
7.30−7.33(m,1H),7.40(d,1
H),8.39(d,1H) EI−MS 187[M+
【0026】実施例9 6−フルオロ−2−メチルピリジンの代わりに2,4−
ジメチルピリジン(3.0g)、リチウムジイソプロピ
ルアミドのヘキサン−エーテル(7:3)溶液の代わり
にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(17.1ml)
を用いた以外は、実施例1と同様にして2−[2−(2
−フルイル)−2−ヒドロキシエチル]−4−メチルピ
リジン(4.2g)を淡黄色結晶として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.32(s,3H),3.
18−3.26(m,2H),5.17(dd,1
H),6.23(d,1H),6.30(d,1H),
6.95−7.02(m,2H),7.35−7.38
(m.1H),8.34(d,1H) EI−MS 203[M+
【0027】実施例10 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]ピリジンの代わりに2−[2−(2−フ
ルイル)−2−ヒドロキシエチル]−4−メチルピリジ
ン(4.17g)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て2−[2−(2−フルイル)ビニル]−4−メチルピ
リジン(1.61g)を黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.35(s,3H),6.
42−6.46(m,2H),6.96(d,1H),
7.02(d,1H),7.12(s,1H),7.4
3(bs,1H),7.47(d.1H)8.43
(d,1H) EI−MS 185[M+
【0028】実施例11 2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピリ
ジンの代わりに、2−[2−(2−フルイル)ビニル]
−4−メチルピリジン(4.17g)を用いた以外は、
実施例8と同様にして2−[2−(2−フルイル)エチ
ル]−4−メチルピリジン(0.18g)を油状生成物
として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.30(s,3H),3.
07(s,4H),5.97(d,1H),6.26
(dd,1H),6.93(bs,2H),7.28−
7.32(m,1H),8.39(d,1H) EI−MS 187[M+
【0029】実施例12 6−フルオロ−2−メチルピリジンの代わりに2,5−
ジメチルピリジンを用いた以外は、実施例1と同様にし
て2−[2−(2−フルイル)−2−ヒドロキシエチ
ル]−4−メチルピリジン(4.13g)を淡黄色結晶
として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.32(s,3H),3.
21−3.28(m,2H),5.17(dd,1
H),6.22(d,1H),6.30(dd,1
H), 7.05(d,1H),7.35−7.37
(m,1H),7.45(dd,1H),8.33(b
s,1H) EI−MS 203[M+
【0030】実施例13 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]ピリジンの代わりに、2−[2−(2−
フルイル)−2−ヒドロキシエチル]−5−メチルピリ
ジン(4.10g)を用いた以外は、実施例2と同様に
して2−[2−(2−フルイル)ビニル]−5−メチル
ピリジン(1.94g)を黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.32(s,3H),6.
42−6.48(m,2H),7.04(d,1H),
7.20(d,1H),7.35−752.(m,3
H),8.39(bs1H) EI−MS 185[M+
【0031】実施例14 2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピリ
ジンの代わりに2−[2−(2−フルイル)ビニル]−
5−メチルピリジン(0.4g)を用いた以外は、実施
例8と同様にして2−[2−(2−フルイル)エチル]
−5−メチルピリジン(0.17g)を油状生成物とし
て得た。 NMR(CDCI3;δ)2.29(s,3H),3.
07(bs,4H),5.96(dd,1H),6.2
5(dd,1H),6.99(d,1H),7.29−
7.31(m,1H),7.40(dd,1H)8.3
7(bs,1H) EI−MS 187[M+
【0032】実施例15 6−フルオロ−2−メチルピリジンの代わりに2,6−
ジメチルピリジン(3.0g)を用いた以外は、実施例
1と同様にして2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]−6−メチルピリジン(5.31g)を
淡黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.53(s,3H),3.
17−3.27(m,2H),5.17(dd,1
H),6.24(d,1H),6.30(dd,1
H), 6.95(d,1H),7.03(d,1H)
7.34−7.37(m,1H),7.52(dd,1
H) EI−MS 203[M+
【0033】実施例16 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]ピリジンの代わりに、2−[2−(2−
フルイル)−2−ヒドロキシエチル]−6−メチルピリ
ジン(5.24g)を用いた以外は、実施例2と同様に
して2−[2−(2−フルイル)ビニル]−6−メチル
ピリジン(1.94g)を黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.57(s,3H),6.
40−6.48(m,2H),6.99(d,1H),
7.05(d,1H),7.12(d,1H),7.4
4(d,1H),740−7,45.(m,1H),
7.52(dd,1H) EI−MS 185[M+
【0034】実施例17 2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピリ
ジンの代わりに2−[2−(2−フルイル)ビニル]−
6−メチルピリジン(206mg)、メタノールの代わ
りにメタノールと酢酸との混合液(1:1V/V)(2
0ml)を用いた以外は、実施例8と同様にして2−
[2−(2−フルイル)エチル]−6−メチルピリジン
(57mg)を油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)2.55(s,3H),2.
96−3.17(m,4H),5.96(d,1H),
6.26(d,1H),6.90(dd,1H),6.
98(d,1H),7.29−7.31(m,1H),
7.47(dd,1H)
【0035】実施例18 6−フルオロ−2−メチルピリジンの代わりに6−クロ
ロ−2−メチルピリジン(3.0g)を用いた以外は、
実施例1と同様にして6−クロロ−2−[2−(2−フ
ルイル)−2−ヒドロキシエチル]ピリジン(4.50
g)を淡黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)3.20−3.30(m,2
H),5.20(dd,1H),6.24(dd,1
H),6.31(dd,1H),7.09(d,1
H),7.20(d,1H),7.36−7.39
(m,1H),7.58(dd,1H) EI−MS 223[M+
【0036】実施例19 6−フルオロ−2−[2−(2−フルイル)−2−ヒド
ロキシエチル]ピリジンの代わりに6−クロロ−2−
[2−(2−フルイル)−2−ヒドロキシエチル]ピリ
ジン(4.47g)を用いた以外は、実施例2と同様に
して6−クロロ−2−[2−(2−フルイル)ビニル]
ピリジン(2.88g)を黄色油状生成物として得た。 NMR(CDCI3;δ)6.40−6.51(m,2
H),6.97(d,1H),7.08−7.20
(m,3H),7.42−7.61(m,3H), EI−MS 205[M+
【0037】実施例20 2−[2−(2−フルイル)ビニル]−3−メチルピリ
ジンの代わりに6−クロロ−2−[2−(2−フルイ
ル)ビニル]ピリジン(2.42g)を用いた以外は、
実施例8と同様にして6−クロロ−2−[2−(2−フ
ルイル)エチル]ピリジン(0.24g)を油状生成物
として得た. NMR(CDCI3;δ)2.96−3.17(m,4
H),5.96(d,1H),6.25(dd,1
H),7.00(d,1H),7.16(d,1H),
7.29−7.31(m,1H),7.52(dd,1
H) EI−MS 207[M+
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭45−35059(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 405/06 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】 【化1】
  1. 【請求項1】 式: [式中、Rは低級アルキル基、低級アルコキシ基または
    ハロゲン、Aは適当な置換基を有していてもよいエチレ
    ン基またはエテニレン基を意味する]で示される化合物
    およびその塩。 【化2】
  2. 【請求項2】式: [式中、Raは水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
    基またはハロゲン、Aは適当な置換基を有していてもよ
    いエチレン基またはエテニレン基を意味する]で示され
    る化合物またはその塩を含有する土壌線虫または植物に
    寄生する線虫防除剤
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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