JP3007763B2 - 金属フタロシアニン化合物の精製方法 - Google Patents

金属フタロシアニン化合物の精製方法

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JP3007763B2 JP5031451A JP3145193A JP3007763B2 JP 3007763 B2 JP3007763 B2 JP 3007763B2 JP 5031451 A JP5031451 A JP 5031451A JP 3145193 A JP3145193 A JP 3145193A JP 3007763 B2 JP3007763 B2 JP 3007763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属フタロシアニン化
合物の精製方法に関し、特には、優れた消臭作用を有す
る精製金属フタロシアニン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属フタロシアニン化合物を製造して精
製する方法は、例えば深田直実,日本化学雑誌第76巻
第12号に記載されている。この方法では、まず金属又
は金属塩に、4−スルホフタル酸、尿素及びホウ酸を添
加し、約230℃まで加熱して粗製金属フタロシアニン
化合物を合成する。続いて、得られた粗製固形物を水に
溶解して不溶物を除去し、得られた水溶液に塩酸を加え
て塩析し、上澄液を除去した固形物にアンモニアを加え
て不溶物を除去し、得られたアンモニア溶液からアンモ
ニアを蒸発させて除去し、そして、塩酸酸性飽和食塩水
を添加して上澄液を除去し、純度の向上した固形物を得
る。更に、この固形物を80%以上のエタノール水溶液
で洗浄し、食塩及びフタルイミド等を除去することから
なる。しかしながら、この精製法は多数の工程からなる
ので極めて煩雑であるだけでなく、以下のような欠点も
あった。すなわち、粗製固形物を水に溶解した後で、塩
酸を添加して生成させる不溶性物質は非常に微細なた
め、固液分離が困難である。また、使用する塩酸やアン
モニアによる臭気が発生する。更に、収率が10〜25
%程度の低いものになる。
【0003】また、豊玉及び小田,粉体と工業Vol.
20,No.9(1988)には、粗製の銅フタロシア
ニン化合物を、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気内にて、
減圧下で加熱し、銅フタロシアニン化合物を気化させ、
微粒子として回収する精製法が記載されている。しかし
ながら、この精製法では、真空圧を1×10-3〜1×1
-5Torrまでに減圧すること、及びフィルム上に付
着した超微粒子を取り出す工程が必要なこと等のために
多量の粗製固形物を処理するのは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の金属
フタロシアニン化合物には優れた消臭作用があり(特開
平4−141213号公報参照)、例えば、硫化水素、
メルカプタン化合物、アンモニア又はアミンなどの悪臭
を吸収除去することができる。本発明者が見出したとこ
ろによれば、この消臭活性は、金属フタロシアニン化合
物を高度に精製すればする程高くなる。従って、本発明
の目的は、簡易な操作で、比較的多量の粗製金属フタロ
シアニン化合物を精製することができ、高い消臭活性を
有する精製金属フタロシアニン化合物を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
より、金属フタロシアニン化合物の粗生成物を、1.0
×10 -1 〜1.0×10 2 Torrの減圧下で、前記金
属フタロシアニン化合物の分解温度未満の温度で加熱
し、不純物を除去することを特徴とする、前記の金属フ
タロシアニン化合物の精製方法によって達成することが
できる。
【0006】本発明方法は、粗製金属フタロシアニン化
合物から金属フタロシアニン化合物のみを蒸発させる従
来法とは異なり、逆に粗生成物に含有されている不純物
の方を蒸発ないし分解蒸発させ、金属フタロシアニン化
合物を残留させ、精製するものである。
【0007】本発明で精製する金属フタロシアニン化合
物は、特には一般式(1)
【化1】 で表される金属フタロシアニン化合物である。この一般
式(1)で表される金属フタロシアニン化合物は中心配
位子として遷移金属イオン、例えば、2価の鉄イオン、
3価のコバルトイオン、5価のバナジウムイオン、或い
は2価のマンガンイオンを含有する。また、一般式
(1)で表される金属フタロシアニン化合物は、中性な
いし酸性下で水溶性を付与する基X(以下、単に水溶性
付与基Xと称することがある)を少なくとも1個含有す
る。水溶性付与基Xとしては、例えばアミノ基、ハロゲ
ン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、スルホクロリ
ド基またはスルホンアミド基、好ましくはスルホン酸基
を挙げることができる。一般式(1)で表される金属フ
タロシアニン化合物としては、スルホン酸基4個(好ま
しくは各ベンゼン環にスルホン酸基1個づつ)を有する
化合物が、その合成が容易で安価に入手できるので、好
ましい。
【0008】本明細書において、金属フタロシアニン化
合物の粗生成物とは、金属フタロシアニン化合物を製造
するにあたり、金属又は金属塩にスルホフタル酸などを
結合させて得た粗製の反応生成物、或いは、その粗製の
反応生成物から尿素を除去した程度の、精製度の低い生
成物を意味する。最も簡単な態様では、前記出発材料か
らの固形物を用い、減圧下で精製処理を行うことができ
る。
【0009】本発明方法の処理条件、すなわち、処理圧
力、処理温度及び処理時間は、後記実施例で具体的に示
すとおり、未精製化合物のメチルメルカプタン除去能力
を基準として、適宜調整することができる。
【0010】本発明方法における減圧の程度は被処理粗
製物の種類や他の処理条件(温度及び時間)によって若
干異なるが、特に好ましくは約0.2×10-1〜1.0
×10Torrである。例えば鉄フタロシアニン化合物
の場合には、好ましくは約0.15〜0.45Tor
r、特に好ましくは約0.2〜0.4Torrの減圧下
で実施する。約0.45Torrよりも高い圧力下で実
施すると鉄フタロシアニン化合物の熱分解が生じ易くな
り、約0.15Torrよりも低い圧力下で実施すると
不純物の除去が不充分になるので好ましくない。金属フ
タロシアニン化合物の分解温度は、常圧下で約230〜
250℃であるので、本発明方法を実施する圧力に応じ
て加熱温度を調整する。約0.15〜0.45Torr
の減圧下で鉄フタロシアニン化合物を精製する場合は、
約280〜350℃に調整するのが好ましい。約350
℃よりも高温になると鉄フタロシアニン化合物の熱分解
が生じ易くなり、約280℃よりも低温になると不純物
の除去が不充分になるので好ましくない。また、本発明
による処理時間は、被処理粗製物の種類によって異なる
が、例えば鉄フタロシアニン化合物を0.2Torr及
び320℃の条件で処理する場合には、1〜6時間の反
応時間が望ましい。処理時間が6時間を越えると鉄フタ
ロシアニン化合物の分解が始まる。減圧下での酸化分解
を抑制する目的で不活性ガス(例えば、窒素又はヘリウ
ム)を用いるのが好ましい。
【0011】本発明方法によって精製された金属フタロ
シアニン化合物は、例えば、各種工場、下水処理場、し
尿処理場又はゴミ処理場等から発生する硫化水素、メチ
ルメルカプタン又はアンモニア等の悪臭ガスの臭気除去
に用いることができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 (1)金属鉄500gに、4−スルホフタル酸(50
%)水溶液20リットル、ホウ酸150g及び尿素15
kgを添加して230℃まで加熱し、固形物として粗製の
鉄フタロシアニンテトラスルホン酸9.5kgを得た。前
記の鉄フタロシアニンテトラスルホン酸の粗生成物9.
5kgをヘリウムガス雰囲気下で、下記の表1に記載の圧
力及び温度条件で10時間処理して不純物を気化させて
除去し、3種の精製鉄フタロシアニンテトラスルホン酸
8.7kg、8.4kg及び9.0kgを得た。また、前記3
種の精製物0.02gを水200mlに溶解し、メチルメ
ルカプタン20ppmを含有する空気を600ml/mi
nで吹き込み、メチルメルカプタン除去率をほぼ100
%の水準に保持することのできる時間(保持時間)を調
べた。その結果も表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1から明らかなように、圧力が高くなり
過ぎると保持時間が短くなり(実験番号3)、また、温
度が低くなりすぎても保持時間が短くなる(実験番号
1)。これは圧力が高いと鉄フタロシアニンテトラスル
ホン酸の熱分解が生じ、また、温度が低いと不純物が十
分除去されないためと思われる。
【0015】(2)前記実施例1(1)で得た粗製の鉄
フタロシアニンテトラスルホン酸固形物を表2に示すよ
うに0.2Torrで300℃にて各種の時間にわたり
精製処理し、続いて、前記実施例1と同様の方法でメチ
ルメルカプタンの保持時間を調べた。また、比較用とし
て、前記実施例1で得た粗製の鉄フタロシアニンテトラ
スルホン酸固形物を精製処理せずにそのまま使用した。
結果を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2から明らかなように、未精製物質と比
較すると保持時間が長くなっているが、加熱時間が長く
なると保持時間が短くなる傾向にある。
【0018】実施例2 未精製物として、前記実施例1(1)で得た粗製の鉄フ
タロシアニンテトラスルホン酸固形物0.02gを水2
00mlに溶解して調製した溶液を使用した。また、精製
物としては、前記未精製物をヘリウムガス雰囲気で0.
2Torrの減圧下で、300℃にて1.3時間加熱処
理した精製物0.02gを水200mlに溶解して調製し
た液を使用した。実施例1と同様のメチルメルカプタン
含有空気を使用して、それぞれのメチルメルカプタン除
去率を比較し、結果を図1に示した。図1において、線
Aは精製物溶液の除去率であり、線Bは未精製物溶液の
除去率である。
【0019】
【発明の効果】簡易な操作で、比較的多量の粗製金属フ
タロシアニン化合物を精製し、高い消臭活性を有する精
製金属フタロシアニン化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による精製フタロシアニン化合物と未精
製化合物とによるメルカプタンの吸収効果の差を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 暁光 東京都三鷹市下連雀8−10−16 日鉄鉱 業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/22 B01D 53/38 B01D 53/81 C07F 15/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属フタロシアニン化合物の粗生成物
    を、1.0×10 -1 〜1.0×10 2 Torrの減圧下
    で、前記金属フタロシアニン化合物の分解温度未満の温
    度で加熱し、不純物を除去することを特徴とする、前記
    の金属フタロシアニン化合物の精製方法。
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