JP3006630B2 - チタン酸マンガン粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

チタン酸マンガン粒子粉末及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平均径0.5〜2.0
μmであって、粒子が1個1個バラバラであり且つ粒度
が均斉なMnTiO3 粒子からなるチタン酸マンガン粒
子粉末製造法に関するものである。
【0002】その主な用途は、塗料用、トナー用黄色顔
料粉末である。
【0003】
【従来の技術】近時、省エネルギー時代における作業能
率の向上並びに塗膜物性の改良という観点から、塗料の
製造に際して顔料粒子粉末のビヒクル中での分散性、作
業性及び耐熱性の向上が益々要求されている。
【0004】分散性及び作業性の向上の為には、顔料粒
子粉末として適度な粒度を有し、且つ、粒子が1個1個
バラバラであり、しかも、粒度が均斉であることが必要
である。
【0005】耐熱性について言えば、近年、複写機器の
普及に伴って、需要が増大している現像用トナーは、そ
の製造工程において150℃以上の高温となる為、現像
用トナーの着色剤として用いられる顔料粒子粉末は、1
50℃以上の温度においても色彩が安定していることが
必要である。
【0006】従来、黄色顔料粒子粉末として黄鉛、亜鉛
黄、カドミウム黄、黄色酸化鉄粒子粉末等が広く一般に
使用されている。
【0007】一方、チタン酸マンガン粒子粉末の合成法
としては、例えば、ジャーナル オブ フィジィカル
ソサイェティ オブ ジャパン(Journalof
Physical Society of Japa
n)第13巻第10号(1958年)の第1110〜1
118頁に記載されている通り、MnOとTiO2 の混
合粉末を高温で焼成する方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】分散性、作業性及び耐
熱性に優れた黄色顔料粒子粉末は、現在最も要求されて
いるところであるが、前記の黄鉛、亜鉛黄及びカドミウ
ム黄は、それぞれ有害な鉛、クロム、カドミウムを用い
ているので製造上においても廃棄処理においても取り扱
いが困難で作業性の悪いものである。また、黄色酸化鉄
粒子粉末は、毒性はないが150℃以上の温度で変色す
るなど耐熱性において劣る。
【0009】前記チタン酸マンガン粒子粉末は、耐熱性
に優れてはいるが、その製造工程において高温加熱焼成
及び粉砕工程を経る為、粒子相互間で焼結を生起してお
り、且つ、粒度が不均斉な不定形粒子粉末である。
【0010】そこで、無毒で、黄色顔料粉末として使用
でき、粒子相互間の焼結がなく1個1個がバラバラであ
り、且つ、粒度が均斉なチタン酸マンガン粒子粉末が強
く要求されている。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、高温加熱焼成
及び粉砕工程を経ることなく、チタン酸マンガン粒子粉
末を得るべく種々検討した結果、本発明に到達したので
ある。
【0012】即ち、本発明は、3価のTi塩を含むpH
12以上のアルカリ性懸濁液を250〜300℃の温度
範囲で水熱処理することにより平均径0.5〜2.0μ
mであって、粒子が1個1個バラバラであり且つ粒度が
均斉なMnTiO3 粒子を生成させることからなるチタ
ン酸マンガン粒子粉末の製造法である。
【0013】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0014】本発明における2価のMn塩としては、硫
酸マンガン、塩化マンガン等を使用することができる。
【0015】本発明における3価のTi塩としては、三
塩化チタン等を使用することができる。
【0016】本発明におけるアルカリとしては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。
【0017】本発明における反応pHは、12以上であ
る。8未満の場合には2価のMnが沈澱せず、TiO2
(アナターゼ、ルチル)のみが沈澱する。8を越え12
未満の場合にはMnTiO3 粒子に2価のMn、4価の
Tiを含むコランダム酸化物とTiO2 (アナターゼ、
ルチル)粒子が混在してくる。
【0018】本発明における反応温度は、250〜30
0℃である。250℃未満である場合には、MnTiO
3 粒子に2価のMn、4価のTiを含むコランダム酸化
物とTiO2 (アナターゼ、ルチル)粒子が混入する。
300℃を越える場合には、MnTiO3 粒子が得られ
るが内圧が高くなり危険である。
【0019】
【作用】本発明者は、特開平1−298028号に係る
イルメナイト粒子粉末を発明しているが、その後もイル
メナイト型酸化物の湿式合成法の検討を重ね、特願平2
−167658号に係るチタン酸コバルト粒子粉末につ
いて出願している。更に、MSO4 (Mは金属塩)及び
TiCl3 の水溶液にアルカリ水溶液(NaOH又はN
2 CO3 )を加え、得られた懸濁液をオートクレーブ
により、250℃、10時間水熱処理を行なった。その
結果、Ni塩を用いた場合は、水酸化物のNi(OH)
2 が非常に安定であるため、NiTiO3 の合成はでき
なかった。また、Zn塩を用いた場合は、弱アルカリ領
域でZnTiO3 が生成するものの、大部分の2価のZ
nはZnCO3 となり、ZnTiO3 単相の合成は困難
であった。また、Mg塩を用いた場合は、アルカリ領域
においてTiO2 を形成するためMgTiO3 の合成は
できなかった。
【0020】以上に述べた検討を行なった結果、黄色顔
料粉末として有用な本発明を完成させたのである。
【0021】先ず、本発明において最も重要な点は、2
価のMn塩及び3価のTi塩を含むpH12以上のアル
カリ性懸濁液を250〜300℃の温度範囲で水熱処理
した場合には、水溶液中から直接MnTiO3 粒子を生
成させることができるという事実である。
【0022】本発明に係るチタン酸マンガン粒子粉末
は、平均径0.5〜2.0μmの黄色粒子粉末である。
【0023】本発明に係るチタン酸マンガン粒子粉末
は、一般式MnTiO3 で示される通り、Tiが4価で
あるにもかかわらず後出実施例及び比較例に示す通り、
4価のTi塩を使用した場合には、MnTiO3 は生成
せず、3価のTi塩を使用した場合にのみMnTiO3
が生成する。
【0024】本発明者は、3価のTi塩を使用した場合
にのみMnTiO3が生成する理由について、3価のT
i塩は強還元剤であり、高温の水溶液中において2価の
Mn塩の酸化を防止すると共に、3価のTiが溶存酸素
などにより選択的に酸化されて4価のTiが徐々に供給
される為、価数の差が大きい場合には共沈が生じ難いと
いう技術常識にもかかわらず、2価のMnと4価のTi
の共沈が可能となったことによるものと考えている。
【0025】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0026】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の平均径は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値
で示した。
【0027】実施例1 MnSO4 0.10mol,TiCl3 0.10mol
とNaOH 1.0molとを混合して全容量を300
mlとしたpH14.0のアルカリ性懸濁液をオートク
レーブに投入した後、250℃まで加熱し、機械的に攪
拌しつつこの温度に5時間保持し、黄色沈澱を生成させ
た。室温まで冷却後、黄色沈澱を常法により濾別、水
洗、乾燥した。
【0028】この黄色粒子粉末は、図1に示すX線回折
図を評価した結果、MnTiO3 であり、電子顕微鏡写
真観察の結果、平均径2.0μmの粒状粒子であり、粒
子が1個1個バラバラで粒度が均斉な粒子であった。図
1中、ピークAはチタン酸マンガンである。
【0029】実施例2 MnSO4 0.10mol,TiCl3 0.10mol
とNaOH 0.6molとを混合して全容量を300
mlとしたpH12.5のアルカリ性懸濁液をオートク
レーブに投入した後、300℃まで加熱し、機械的に攪
拌しつつこの温度に5時間保持し、黄色沈澱を生成させ
た。室温まで冷却後、黄色沈澱を常法により濾別、水
洗、乾燥した。
【0030】この黄色粒子粉末は、X線回折図を評価し
た結果、MnTiO3 であり、電子顕微鏡観察の結果、
平均径0.7μmの粒状粒子であり、粒子が1個1個バ
ラバラで粒度が均斉な粒子であった。
【0031】比較例1 TiCl3 の代わりにTiCl4 を用いた以外は、実施
例2と同様にして黄色沈澱を生成させた。室温まで冷却
後、黄色沈澱を常法により濾別、水洗、乾燥した。
【0032】この黄色粒子粉末は、X線回折図からMn
の水酸化物とコランダム酸化物、酸化チタンが混在した
混合粒子粉末であった。
【0033】比較例2 NaOH 1.0molの代わりにNa2 CO3 0.2
6molを用いてpH9.0のアルカリ性懸濁液とした
以外は、実施例1と同様にして黄色沈澱を生成させた。
室温まで冷却後、黄色沈澱を常法により濾別、水洗、乾
燥した。
【0034】この黄色粒子粉末は、X線回折図からMn
TiO3 酸化物にコランダム酸化物と少量の酸化チタン
が混在した混合粒子粉末であった。
【0035】比較例3 NaOH 1.0molの代わりにNaOH 0.20
molを用いてpH7.0の中性懸濁液とした以外は、
実施例1と同様にして白色沈澱を生成させた。室温まで
冷却後、白色沈澱を常法により濾別、水洗、乾燥した。
【0036】この白色粒子粉末は、X線回折図から酸化
チタンのみであった。
【0037】比較例4 反応温度180℃とした以外は、実施例2と同様にして
黄色沈澱を生成させた。室温まで冷却後、黄色沈澱を常
法により濾別、水洗、乾燥した。
【0038】この黄色粒子粉末は、X線回折図からチタ
ン酸マンガン粒子中にコランダム酸化物と酸化チタンが
混在した混合粒子粉末であった。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るチタン酸マンガン粒子粉末
の製造法によれば、前出実施例に示した通り、水溶液中
から直接生成させることができることに起因して粒子が
1個1個バラバラであり、且つ、粒度が均斉である為、
ビヒクル中又は樹脂中での分散性に優れ、又、平均径
0.5〜2.0μmの粒子である為、作業性に優れた粒
子であり、しかも、耐熱性に優れた粒子であるので、塗
料用、トナー用黄色顔料粉末として好適である。
【0040】また、本発明により得られたチタン酸マン
ガン粒子粉末は、周知の通り、適度の硬度を有するもの
であるから、研磨剤としての使用も期待できる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた粒子粉末のX線回折図であ
り、ピークAはチタン酸マンガンである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価のMn塩及び3価のTi塩を含むp
    H12以上のアルカリ性懸濁液を250〜300℃の温
    度範囲で水熱処理することにより平均径0.5〜2.0
    μmであって、粒子が1個1個バラバラであり且つ粒度
    が均斉なMnTiO3 粒子を生成させることを特徴とす
    るチタン酸マンガン粒子粉末の製造法。
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