JP3005769B2 - テトラフェニルポルフィリン系化合物 - Google Patents

テトラフェニルポルフィリン系化合物

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JP3005769B2
JP3005769B2 JP2241592A JP24159290A JP3005769B2 JP 3005769 B2 JP3005769 B2 JP 3005769B2 JP 2241592 A JP2241592 A JP 2241592A JP 24159290 A JP24159290 A JP 24159290A JP 3005769 B2 JP3005769 B2 JP 3005769B2
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巌 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶性を示す新規なテトラフェニルポルフィ
リン系化合物に関する。
〔従来の技術〕
ポルフィリン系化合物はポルフィリン系染料の骨格化
合物として種々利用されている。この種の化合物及びこ
の遷移金属錯体は分子内に多くの共役構造を有している
ため、光電導性を有し、有機光電材料として種々の用途
へ応用の可能性がある。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者らはポルフィリン系化合物について、検討し
た結果、テトラフェニルポルフィリンのパラ位をアルコ
キシ基に置換した4ケのアルコキシ基置換テトラフェニ
ルポルフィリン化合物は液晶性を示さないが、アルコキ
シ基をフェニル基のパラ位及びメタ位に導入し、8ケの
アルコキシ基置換テトラフェニルポルフィリンを合成し
たところ、このものが液晶性を示すことを見い出し本発
明に到達した。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、下記の一般式で表されるテトラ
フェニルポルフィリン系化合物を提供することにある。
(式中、Rは炭素数5〜22のアルキル基を示す。) 以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のテトラフェニルポルフィリン系化合物は4ケ
のフェニル基が中心のポルフィリン環平面に対して、ほ
ぼ垂直に立っている。また、各フェニル基の3−、およ
び4−位にアルコキシ基置換基を有している。前記式に
おいてRはペンチル、オクチル、ドデシル、ペンタデシ
ル、オクタデシル、エイコシル基等の炭素数5〜22の直
鎖状または分枝を有するアルキル基であり、特に炭素数
7〜22の直鎖状アルキル基が好ましい。
上記化合物の合成法としては、各ステップは公知の方
法を採用することができる。例えば次の方法が例示され
る。
まず、カテコールとRBr(Rは上記と同じものを意味
する。)で表されるアルキルブロミドをKOH等のアルカ
リ存在下、相間移動触媒、例えばAliquat 336(トリカ
プリリルメチルアンモニウムクロライド、Aldrich社
製)を用いて反応させることにより、1−位および2−
位がORで置換された1,2−ジアルコキシベンゼンを合成
する。
次いで、1,2−ジアルコキシベンゼンとCH3OCHCl2をル
イス酸、例えばTiCl4等の存在下に反応させて3,4−ジア
ルコキシベンズアルデヒドを合成する。
次いで、3,4−ジアルコキシベンズアルデヒド、ピロ
ールおよびプロピオン酸を反応させ、得られた生成物を
精製後、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキ
ノン(DDQ)と反応させ、ついで生成物を精製すること
により得ることができる。
また、本発明の化合物と遷移金属化合物と公知の方法
で反応させることにより、遷移金属錯体を合成すること
も可能である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (A−1,2−ジオクチロキシベンゼンの合成) 窒素気流中で300ml三つ入フラスコにカテコール10.00
g(90.82ミリモル)とn−オクチルブロミド38.60g(20
0.0ミルモル)および水酸化カリウム11.41g(203.4ミリ
モル)を入れ、相間移動触媒としてAliquat 336、(Al
drich社製)を触媒量加えた。メカニカルスターラーで
撹拌しながら、120℃で2時間加熱還流を行った。エー
テルで抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を無水
硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=
1.00)、続けてシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン:クロロホルム=2:1、Rf=0.40)によ
り精製して、クリーム色液体の1,2−ジオクチロキシベ
ンゼンを得た。収量は29.66gで、収率は98%であった。
以下に赤外吸収スペクトル(IR)および1H−NMRの測
定結果を示す。
・IR(cm-1) 2950(アルキル鎖)、1600,1510(ベンゼン) 1260(R−O−Ph)、750(1,2−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.92−1.33(m、30H、−C7H15) 3.93(t、4H、−OCH2−) 6.73(m、4H、Ph) (B:3,4−ジオクチロキシベンズアルデヒドの合成) ドラフト中、窒素気流下で300ml三つ口フラスコに1,2
−ジオクチロキシベンゼン8.00g(23.9ミリモル)を乾
燥したジクロロメタンに溶かして入れた。氷浴で冷却
し、撹拌しながら4塩化チタン9.40g(49.5ミリモル)
を滴下した。ついでα,α−ジクロロメチルメチルエー
テル2.75g(23.9ミリモル)を乾燥したジクロロメタン
に溶かして滴下して、室温で80分撹拌した。反応溶液
を、氷水を入れた1000ml分液ロートに入れて撹拌した。
ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄後、その有機層
を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:クロロホルム=1:2、Rf=0.50)で精製し、うす黄
色固体の3,4−ジオクチロキシベンズアルデヒドを得
た。収量は3.24gで、収率は37%であった。
以下にIRおよび1H−HMRの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2725(−CHO)、810,860(1,2,4−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.90−1.33(m、30H、−C7H15) 4.00(t、4H、−OCH2−) 6.77−7.33(m、3H、Ph) 9.73(s、1H、−CHO) (C:5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクチロキシフ
ェニル)ポルフィリンの合成) ドラフト中100mlナスフラスコに玉付冷却管を付け、
3.4−ジオクチロキシベンズアルデヒド2.67g(7.36ミリ
モル)とピロール0.77g(11ミリモル)およびプロピオ
ン酸22mlを入れ、70分間加熱還流を行った。室温に冷却
し、水酸化ナトリウム5.04gで中和した後、エーテルで
抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、アルミナカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=1.00)で
精製した。収量は2.78gであった。この生成物に含まれ
ているクロリン誘導体を酸化して、目的の5,10,15,20−
テトラキス(3,4−ジオクチロキシフェニル)ポルフィ
リンを得るために次の反応を行った。
200mlナスフラスコに玉付冷却管を付け、クロロホル
ムに溶かした粗生成物2.78g(1.69ミリモル)と、少量
のベンゼンに溶かした2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
p−ベンゾキノン(DDQ)3.30g(14.5ミリモル)を入
れ、3時間加熱還流を行った。溶媒を除去した後、アル
ミナカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホル
ム=1:2)を行い、さらに続けてアルミナカラムクロマ
トグラフィー(n−ヘキサン/クロロホルム)により精
製し、5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクチロキシ
フェニル)ポルフィリン(以下これを(C8O)8TPPH2
略称する。)を得た。このものは紫色の液晶(Dho)で
あった。また、収量は0.65gで、収率は22%であった。
以下にIR、1H−NMRおよび可視スペクトル(VIS)の測
定結果を示す。
・IR(cm-1) 2850(アルキル鎖) 1210,1130(R−O−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) −2.70(s、2H、NH) 0.92,1.27(m、120H、アルキル鎖) 4.20(m、16H、−OCH2−) 7.23−7.80(m、12H、Ph) 8.90(s、8H、peripheral protons of porphyrin ri
ng) ・VIS(nm)、in CHCl3 λmax(logε)=424.9(5.58),518.9(4.23) 556.9(4.04),592.5(3.76) 649.5(3.72) 〔液晶性の確認〕 液晶性の確認は、元素分析のあったサンプルを使用
し、DSC測定、偏光顕微鏡観察およびX線回折測定によ
り行った。相転移スキームと格子定数を表−1にまとめ
た。またX線回折結果を表−2に示した。
5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクチロキシフェ
ニル)−ポルフィリンのバージンサンプルは室温におい
てヘキサゴナルオーダードカラムナー相(Dho相)を与
え、昇温すると103℃においてゆっくりと等方正液体
(I.L.)へ転移した。表−2においてDho相におけるス
ペーシングd=5.36Åの反射は、カラム内の分子の秩序
性に相当する。偏光顕微鏡観察によれば、この等方性液
体を91℃に冷却し放置したところ、ぼやけた六角形状の
テクスチャアが観察された。また90℃でこれを押さえた
ところ、粘稠な流動性を示した。
実施例2 (A:1,2−ジドデシロキシベンゼンの合成) 窒素気流中で300ml三つ口フラスコにカテコール6.00g
(45.4ミリモル)とn−ドデシルブロミド24.90g(99.9
0ミリモル)および水酸化カリウム5.67g(101ミリモ
ル)を入れ、相間移動触媒としてAliquat 336、(Aldr
ich社製)を触媒量加えた。メカニカルスターラーで撹
拌しながら,120℃で2時間加熱還流を行った。エーテル
で抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を無水硫酸
ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=0.6
8)、続けて再結晶(イソプロピルアルコール)により
精製して、白色綿状結晶の1,2−ジドデシロキシベンゼ
ンを得た。このものの融点は45.6℃であった。収量は1
3.42gで、収率は66%であった。
以下にIRおよび1H−NMRの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2850(アルキル鎖) 1450,1500,1580(ベンゼン) 1220(R−O−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.86(m、30H、−C7H15) 1.27(m、40H、−CH2−) 3.83(t、4H、−OCH2−) 6.60(m、4H、Ph) (B:3,4−ジドデシロキシベンズアルデヒドの合成) ドラフト中、窒素気流下で200ml三つ口フラスコに1,2
−ジドデシロキシベンゼン7.00g(15.7ミリモル)を乾
燥したジクロロメタンに溶かして入れた。氷浴で冷却
し、撹拌しながら四塩化チタン5.10g(26.9ミリモル)
を滴下した。
ついで、α,α−ジクロロメチルメチルエーテル1.50
g(1.31ミリモル)を乾燥したジクロロメタンに溶かし
て滴下して、30分撹拌し、続いて室温で60分撹拌した。
反応溶液を氷水を入れた1000ml分液ロートに入れて撹拌
した。ジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄後、その
有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベンゼ
ン、Rf=0.17)で精製し、白色結晶の3,4−ジオクチロ
キシベンズアルデヒドを得た。このものの融点は70.4℃
であった。収量は4.80gで、収率は77%であった。
以下にIRおよび1H−NMRの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2850(アルキル鎖) 1440,1510,1580(ベンゼン環) 1230(R−O−Ph) 1670(−CHO) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.88(t、6H、−CH3) 1.26(m、40H、−OCH2−) 3.97(t、4H、−OCH2−) 7.13(m、3H、Ph) 9.65(s、1H、−CHO) (C:5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジドデシロキシフ
ェニル)ポルフィリンの合成) ドラフト中100mlナスフラスコに玉付冷却管を付け、
3.4−ジドデシロキシベンズアルデヒド2.78g(5.86ミリ
モル)とピロール0.46g(6.86ミリモル)およびプロピ
オン酸18mlを入れ、45分間加熱還流を行った。室温に冷
却し、水酸化ナトリウム9.17gで中和した後エーテルで
抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、アルミナカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=1.00)で
精製した。収量は2.34gであった。この生成物に含まれ
ているクロリン誘導体を酸化し、目的の5,10,15,20−テ
トラキス(3,4−ジドデシロキシフェニル)ポルフィリ
ンを得るために次の反応を行った。
100mlナスフラスコに玉付冷却管を付け、クロロホル
ムに溶かした粗生成物0.92g(0.44ミリモル)と、少量
のベンゼンに溶かした2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
p−ベンゾキノン(DDQ)0.75g(3.4ミリモル)を入
れ、3時間加熱還流を行った。溶媒を除去した後、アル
ミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=1.
00)を行った。続いて、アルミナカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/ジクロロメタン=2:1、Rf=0.40)を
行い、さらに続けてアルミナカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム、Rf=1.00)を3回行って精製し、目的
とする5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジドデシロキシ
フェニル)ポルフィリン(以下これを(C12O)8TPPH2
略称する。)を得た。このものは紫色の液晶(Dhd)で
あった。収量は0.65gで、収率は22%であった。
以下にIR、1H−NMRおよびVISの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 3330(−NH) 2920,2870(アルキル鎖) 1460(−CH3) 1350(ベンゼン環) 1230,1130(R−O−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) −2.76(s、2H、NH) 0.83,0.90(t、t、24H、CH3) 1.2−1.6(m、144H,アルキル鎖) 1.88,2.03(m、m、8H、8H、−OCH2−) 4.12、4.29(t、t、16H、−OCH2−) 7.2−7.8(m、12H、Ph) 8.90(s、8H、peripheral protons of porphyrin ri
ng) ・VIS(nm)、in CHCl3 λmax(logε)=425.4(5.72),518.9(4.26) 557.0(4.06),592.5(3.75) 649.3(3.75) 〔液晶性の確認〕 液晶性の確認は、元素分析のあったサンプルを使用
し、DSC測定、偏光顕微鏡観察およびX線回折測定によ
り行った。相転移スキームと格子定数は、表1にまとめ
た。またX線回折結果を表−2に示した。
5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジドデシロキシフェ
ニル)ポルフィリンのバージンサンプルは室温において
ヘキサゴナルディスオーダードカラムナー相(Dhd相)
を与えた。これを昇温すると66℃においてゆっくりとデ
ィスコティックラメラ相(DL相)へ転移し、さらに昇
温すると、96℃でゆっくりと等方性液体(I.L.)へと転
移した。したがって5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジ
ドデシロキシフェニル)ポルフィリンは、ヘキサゴナル
カラムナー相(Dhd)とディスコティックラメラ相(D
L)を有する液晶物質として、我々が知る限り初めての
例である。
実施例3 (A:1,2−ジオクタデシロキシベンゼンの合成) 窒素気流中で300mlの三つ口フラスコにカテコール5.0
0g(45.4ミリモル)とn−オクタデシルブロミド31.21g
(93.61ミリモル)および水酸化カリウム5.70g(102ミ
リモル)を入れ、相間移動触媒としてAliquat 336、
(Aldrich社製)を触媒量加えた。メカニカルスターラ
ーで撹拌しながら、120℃で3時間加熱還流を行った。
エーテルで抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を
無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、
再結晶(メタノール)を行い、さらにシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=0.95)により
精製して、白色結晶の1,2−ジオクタデシロキシベンゼ
ンを得た。このものの融点は59℃であった。収量は6.86
gで、収率は25%であった。
以下にIRおよび1H−NMRの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2930,2870(アルキル鎖) 1600,1510,(ベンゼン) 1260(R−O−Ph) 720(1,2−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.90−1.63(m、70H、−C17H35) 3.93(t、4H、−OCH2−) 6.73(m、4H、Ph) (B:3,4−ジオクタデシロキシベンズアルデヒドの合
成) ドラフト中、窒素気流下で200ml三つ口フラスコに1,2
−ジオクタデシロキシベンゼン4.00g(6.50ミリモル)
を乾燥したジクロロメタンに溶かして入れた。氷浴で冷
却し、撹拌しながら四塩化チタン2.50g(13.2ミリモ
ル)を滴下した。
ついで、α,α−ジクロロメチルメチルエーテル0.85
g(7.39ミリモル)を乾燥したジクロロメタンに溶かし
て滴下して、室温75分撹拌した。反応溶液を、氷水を入
れた500ml分液ロートに入れて撹拌した。ジクロロメタ
ンで抽出し、食塩水で洗浄後、その有機層を無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、再結晶(イ
ソプロピルアルコール)を行い、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ベンゼン、Rf=0.35)で精製し、白色
固体の3,4−ジオクタデシロキシベンズアルデヒドを得
た。このものの融点は83.7℃であった。収量は1.67g
で、収率は40%であった。
以下にIRおよび1H−NMRの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2850(アルキル鎖) 1580(ベンゼン環) 1260(R−O−Ph) 1670(−CHO) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) 0.88−1.23(m、70H、−C17H35) 4.02(t、4H、−OCH2−) 7.25(m、3H、Ph) 9.75(s、1H、−CHO) (C:5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクタデシロキ
シフェニル)ポルフィリンの合成) ドラフト中、100mlナスフラスコに玉付冷却管を付
け、3.4−ジオクタデシロキシベンズアルデヒド1.20g
(2.53ミリモル)とピロール0.30g(4.5ミリモル)およ
びプロピオン酸7mlを入れ、50分間加熱還流を行った。
室温に冷却し、水酸化ナトリウム3.80gで中和したる後
エーテルで抽出し、食塩水で洗浄後、そのエーテル層を
無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去した後、
アルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf
=1.00)で精製した。収量は0.79gであった。この生成
物に含まれているクロリン誘導体を酸化して、目的の5,
10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクタデシロキシフェ
ニル)ポルフィリンを得るために次の反応を行った。
100mlナスフラスコに玉付冷却管を付け、クロロホル
ムに溶かした粗生成物0.79g(0.29ミリモル)と、少量
のベンゼンに溶かした2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
p−ベンゾキノン(DDQ)0.46g(2.0ミリモル)を入
れ、3時間加熱還流を行った。溶媒を除去した後、アル
ミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム、Rf=1.
00)を2回行った。続いて、アルミナカラムクロマトグ
ラフィー(n−ヘキサン/クロロホルム=4:1、続いて
n−ヘキサン/クロロホルム=1:1、次にクロロホル
ム)を行い、さらに続けてアルミナカラムクロマトグラ
フィー(n−ヘキサン、続いてクロロホルム)により精
製し、目的とする5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオ
クタデシロキシフェニル)ポルフィリン(以下これを
(C18O)8TPPH2と略称する。)を得た。このものは紫色
の液晶(Drd)であった。収量は0.18gで、収率は10%で
あった。
以下にIR、1H−NMRおよびVISの測定結果を示す。
・IR(cm-1) 2840(アルキル鎖) 1220,1130(R−O−Ph) ・1H−NMR(CCl4):δ(ppm) −2.70(s、2H、NH) 0.93,1.23(m、280H,アルキル鎖) 4.17(m、16H、−OCH2−) 7.17−7.70(m、12H、Ph) 7.2−7.8(m、12H、Ph) 8.80(s、8H、peripheral protons of porphyrin ri
ng) ・UV(nm)、in CHCl3 λmax(logε)=425.5(5.35),463.3(4.06) 517.4(4.06),557.3(3.87) 591.9(3.71),696.3(4.56) 〔液晶性の確認〕 液晶性の確認は、元素分析のあったサンプルを使用
し、DSC測定、偏光顕微鏡観察およびX線回折測定によ
り行った。相転移スキームと格子定数は、表−1にまと
めた。またX線回折結果を表−3に示した。
5,10,15,20−テトラキス(3,4−ジオクタデシロキシ
フェニル)ポルフィリンのバージンサンプルは室温にお
いてレクタンギュラーディスオーダードカラムナー相
(Drd相)を与えた。このDrd相を室温で押さえると粘ち
ょうな流動性を示した。これを昇温すると58℃において
別のDrd′相へ転移した。Drd′相も押さえると粘稠な流
動性を示した。さらに昇温すると、79℃でヘキサゴナル
ディスオーダードカラムナー相(Dhd相)へと転移し、
ここで押さえると粘度の低い流動性を示した。続いて昇
温すると、96℃において等方性液体(I.L.)へと転移し
た。
〔発明の効果〕 本発明のテトラフェニルポルフィリン系化合物は、温
度によりヘキサゴナルカラムナー相とディスコティック
ラメラ相等の液晶性を有し、また分子内に多くの共役構
造を有するので有機光電材料、例えば表示材料、光電導
性材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Zhurnal Obshchej Khimii,Vol.54,No.7, p.1599−1603(1984) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/22 C09K 19/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で表されるテトラフェニルポ
    ルフィリン系化合物。 (式中、Rは炭素数5〜22のアルキル基を示す。)
JP2241592A 1990-09-11 1990-09-11 テトラフェニルポルフィリン系化合物 Expired - Lifetime JP3005769B2 (ja)

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