JP2687955B2 - 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの製造方法 - Google Patents

1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの製造方法

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JP2687955B2
JP2687955B2 JP32861596A JP32861596A JP2687955B2 JP 2687955 B2 JP2687955 B2 JP 2687955B2 JP 32861596 A JP32861596 A JP 32861596A JP 32861596 A JP32861596 A JP 32861596A JP 2687955 B2 JP2687955 B2 JP 2687955B2
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tetrahydroxyanthraquinone
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,4,5,8−
テトラヒドロキシアントラキノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4,5,8−テトラヒドロキシアン
トラキノンは、色素・医薬品の合成中間体として有用な
化合物であり、これまでに知られている合成法の例とし
ては5,8−ジクロロ−1,4−ジヒドロキシアントラ
キノンから合成する方法(欧州特許公報EA38,77
7号公報)や、1,4,5,8−テトラクロロアントラ
キノンから合成する方法等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公知例は、いずれの場合も原料となる化合物が高価、あ
るいは入手困難であるという問題があった。本発明の目
的は、上記1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラ
キノンの、効率の良い合成方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、検討を重ねた
結果、窒素上にアルキル基、水酸基、またはアリール基
のうちいずれかを持つコハク酸イミドから、窒素上に置
換基を持つ2,5−ジシロキシピロールを調製し、これ
とp−ベンゾキノンを反応させることによって1,4,
5,8−テトラヒドロキシアントラキノンを安価かつ容
易に大量合成できることを見いだした。
【0005】本発明において、1,4,5,8−テトラ
ヒドロキシアントラキノンは下式に従って合成される。
【0006】
【化1】
【0007】上記反応式において、窒素上にアルキル
基、水酸基、またはアリール基のうちいずれかを持つコ
ハク酸イミドは、リチウムジイソプロピルアミドによっ
て脱プロトン化され、塩化トリメチルシランを加えるこ
とによって、窒素上に置換基を持つ2,5−ジシロキシ
ピロールへと変換される。この2,5−ジシロキシピロ
ールは、単離することなくp−ベンゾキノンとディール
ス・アルダー反応させる。ここで生じた反応生成物を希
塩酸で処理することによって、粗1,4,5,8−テト
ラヒドロキシアントラキノンを得る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の1,4,5,8
−テトラヒドロキシアントラキノンの合成例を示す。
【0009】(実施例1) 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの合
成方法(1) −78℃にて、ジイソプロピルアミン30.8ml
(0.22mol)に1.50規定のn−ブチルリチウ
ム147.0mlを加え、10分間攪拌する。この溶液
に、−78℃を保った状態でN−エチルコハク酸イミド
12.70g(0.1mol)をテトラヒドロフラン
(THF)200mlに溶解した溶液を加える。30分
間の攪拌の後、溶液を0℃として、トリメチルクロロシ
ラン27.9ml(0.22mol)を加えてさらに3
0分間攪拌する。この溶液にp−ベンゾキノン4.32
g(0.04mol)を加え、液温を50℃として30
分間攪拌の後、氷冷しながら希塩酸(3規定)200m
lをこの溶液に加え、30分間攪拌する。この溶液か
ら、有機物をエーテルで3回抽出し、無水硫酸マグネシ
ウムでエーテル層を乾燥させた後にエーテルを除去し、
残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒エーテル
/ヘキサン=1/2)で精製することにより、1,4,
5,8−テトラヒドロキシアントラキノン3.80g
(収率35%)を得た。
【0010】(実施例2) 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの合
成方法(2) −78℃にて、ジイソプロピルアミン30.8ml
(0.22mol)に1.50規定のn−ブチルリチウ
ム147.0mlを加え、10分間攪拌する。この溶液
に、−78℃を保った状態でN−メチルコハク酸イミド
11.31g(0.1mol)をテトラヒドロフラン2
00mlに溶解した溶液を加える。30分間の攪拌の
後、溶液を0℃として、トリメチルクロロシラン27.
9ml(0.22mol)を加えてさらに30分間攪拌
する。この溶液にp−ベンゾキノン4.32g(0.0
4mol)を加え、液温を50℃として30分間攪拌の
後、氷冷しながら希塩酸(3規定)200mlをこの溶
液に加え、30分間攪拌する。この溶液から、有機物を
エーテルで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムでエーテ
ル層を乾燥させた後にエーテルを除去し、残留物をカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより、1,4,
5,8−テトラヒドロキシアントラキノン4.13g
(収率38%)を得た。
【0011】(実施例3) 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの合
成方法(3) −78℃にて、ジイソプロピルアミン30.8ml
(0.22mol)に1.50規定のn−ブチルリチウ
ム147.0mlを加え、10分間攪拌する。この溶液
に、−78℃を保った状態でN−フェニルコハク酸イミ
ド17.52g(0.1mol)をテトラヒドロフラン
200mlに溶解した溶液を加える。30分間の攪拌の
後、溶液を0℃として、トリメチルクロロシラン27.
9ml(0.22mol)を加えてさらに30分間攪拌
する。この溶液にp−ベンゾキノン4.32g(0.0
4mol)を加え、液温を50℃として30分間攪拌の
後、氷冷しながら希塩酸(3規定)200mlをこの溶
液に加え、30分間攪拌する。この溶液から、有機物を
エーテルで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムでエーテ
ル層を乾燥させた後にエーテルを除去し、残留物をカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより、1,4,
5,8−テトラヒドロキシアントラキノン4.13g
(収率31%)を得た。
【0012】(実施例4) 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの合
成方法(4) −78℃にて、ジイソプロピルアミン46.2ml
(0.33mol)に1.50規定のn−ブチルリチウ
ム220.5mlを加え、10分間攪拌する。この溶液
に、−78℃を保った状態でN−ヒドロキシコハク酸イ
ミド11.51g(0.1mol)をテトラヒドロフラ
ン200mlに溶解した溶液を加える。30分間の攪拌
の後、溶液を0℃として、トリメチルクロロシラン4
1.9ml(0.33mol)を加えてさらに30分間
攪拌する。この溶液にp−ベンゾキノン4.32g
(0.04mol)を加え、液温を50℃として30分
間攪拌の後、氷冷しながら希塩酸(3規定)200ml
をこの溶液に加え、30分間攪拌する。この溶液から、
有機物をエーテルで3回抽出し、無水硫酸マグネシウム
でエーテル層を乾燥させた後にエーテルを除去し、残留
物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、
1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノン4.
13g(収率36%)を得た。
【0013】
【発明の効果】本発明によって、1,4,5,8−テト
ラヒドロキシアントラキノンを安価かつ容易に合成可能
となった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アルキル、N−ヒドロキシまたはN−
    アリールコハク酸イミドを原料として、−78℃で、液
    体窒素中でも液体の有機溶媒中でリチウムジイソプロピ
    ルアミドと反応させ、ついでトリメチルクロロシランを
    加え、中間体として得られる2,5−ジシロキシピロー
    ルを単離することなく同じ反応媒質中でp−ベンゾキノ
    ンと50℃にて反応させ、続いてこの反応溶液に希塩酸
    を加えることを特徴とする1,4,5,8−テトラヒド
    ロキシアントラキノンの製造方法。
JP32861596A 1996-12-09 1996-12-09 1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンの製造方法 Expired - Lifetime JP2687955B2 (ja)

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