JP3005588U - 魚釣用リ−ルの制動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調節体の支持がガタ付かず、制動力の強弱に
関係なく支持が安定し、微妙な制動力の調節操作が行え
ること。 【構成】 ハンドル軸５が軸承された軸受21の外側のリ
−ル側板３の側部には凹部3hが形成されて中間部材36が
回転自在に嵌合されている。調節体９には多角形の貫通
孔9aとリ−ル側板３側の凹部9bと手の指で回動操作する
操作部9cとハンドル17側の突出部9dと凹部9eとが形成さ
れている。ナット部材８は調節体９の多角形の貫通孔9a
に軸方向の前後に移動自在に嵌合されている。調節体９
の凹部9bに中間部材36が回転自在に嵌合され、調節体９
の凹部9eに他のＯリングからなる中間部材37が嵌合され
て、調節体９はハンドル軸５に螺合されたナット部材８
とリ−ル側板３の側部に嵌合された中間部材36とハンド
ル17の間に介在された中間部材37とで保持されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ハンドル軸に制動部材で回転可能に摩擦結合した駆動歯車とスプ −ルの制動力を調節する調節体を改善した魚釣用リ−ルの制動調節装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来ハンドル軸に制動部材で回転可能に摩擦結合した駆動歯車とスプ−ルの制 動力を調節する制動装置を備えた魚釣用リ−ルが例えば、実開昭63−68774 号公 報や実開平３−83069 号公報で知られている。 しかしながら、制動部材を押圧するハンドル軸に螺合される調節体は、ハンド ル軸に直接螺合又は螺合されるナットの外周に回り止め嵌合されてハンドル軸上 に支持され、調節体は回転操作されるので、制動部材を軸方向に押圧する押圧力 が弱いと螺合部のガタ付きの影響により、調節体の支持が不安定となり、円滑で かつ微妙な制動力の調節操作ができない等の問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、制動部材を軸方向に押圧する押圧力が弱いと螺合 部のガタ付きの影響により、調節体の支持が不安定となり、円滑でかつ微妙な制 動力の調節操作ができないことである。

【０００４】 本考案の目的は前記欠点に鑑み、調節体の支持がガタ付かず、制動力の強弱に 関係なく支持が安定し、微妙な制動力の調節操作が行える魚釣用リ−ルの制動調 節装置を提供することである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】

本考案は、外端部にハンドルが取り付けられるハンドル軸がリ−ル本体に回転 可能に支持され、該ハンドル軸に制動部材で摩擦結合された駆動歯車により前記 リ−ル本体に回転自在に支持したスプ−ルを巻取り回転可能とし、前記ハンドル 軸上に進退自在に設けた調節体で前記制動部材を押圧して前記駆動歯車の制動力 を調節可能とした魚釣用リ−ルの制動装置において、前記調節体の内周に前記ハ ンドル軸に螺合したナット部材の外周を軸方向移動可能に回り止め嵌合すると共 に、前記調節体の一側部を前記リ−ル本体の側部に回転自在に支持したことを要 旨とするものである。

【０００６】

【作用】

調節体９の回動でナット部材８が前進後退され、ナット部材８がカラ−22を押 圧することで制動部材が押圧されて制動力が調節される。 制動部材が押圧されて制動力が調節されるナット部材８を回動する調節体９が リ−ル側板３の側部に回動自在に支持されることにより、制動力の強弱に関係な く調節体９の支持がガタ付かない。 更にリ−ル側板３の側部と調節体９及び調節体９とハンドル17の間に隙間が出 来ない。

【０００７】

【実施例】

以下、図示の実施例によって本考案を説明すると、魚釣用リ−ルを魚釣用両軸 受型リ−ルで述べれば、図１は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図、図２は 魚釣用両軸受型リ−ルの左側側枠とリ−ル側板の要部拡大断面平面図、図３（ａ ）は軸受の保持構造を示す分解断面側面図で、（ｂ）は保持部材の正面図、図４ は魚釣用両軸受型リ−ルの右側側枠とリ−ル側板の要部拡大断面平面図、図５は 調節体の正面図と一部拡大正面図である。

【０００８】 魚釣用両軸受型リ−ルは図１で、左右両側枠１、２が支柱10とリ−ル脚11の固 定板12で平行に保持されて左右両側枠１、２の外側には夫々リ−ル側板13、３が 取り付けられている。 左右両側枠１、２間にスプ−ル14がスプ−ル軸４に固定配置され、スプ−ル軸 ４は一方の軸受15と他方の軸受16で回転自在に軸承されてクラッチ機能と歯車輪 列機構とハンドル軸５に取り付けられたハンドル17を介して回転されるように構 成されている。

【０００９】 左側枠１のスプ−ル軸４位置は図１から図３のように、内側に軸筒部1aが突出 形成されている。 軸筒部1aの内側の凹部1bには前記軸受15が嵌合されて取り付けられ、軸筒部1a の内側底面にスラスト軸受18が固定されてスプ−ル軸４の一端4aが当接されてい る。 軸筒部1aの内側の開口側には凹部1bより大径の凹部1cが形成されて保持部材６ の舌片6aが係止されて軸受15が保持部材６で抜け止めされている。

【００１０】 右側枠２の左内側は図１、図４のように、軸筒部2aが突出形成され、軸筒部2a の内側に透孔2bと凹部2c、2dが形成されている。 凹部2cには前記軸受16が嵌合されて取り付けられ、凹部2dに前記と同形の保持 部材６の舌片6aが係止されて軸受16が保持部材６で抜け止めされている。 右側枠２の右外側には凹部2eが形成されて軸受19が嵌合され、前記ハンドル軸 ５の一端5aが回転自在に嵌合されて抜け止め板20で抜け止めされている。

【００１１】 リ−ル側板３には透孔3aと凹部3b、3cが形成されている。 凹部3bには軸受21が嵌合されて取り付けられ、凹部3cに前記と同形の保持部材 ６の舌片6aが係止されて軸受21が保持部材６で抜け止めされている。 軸受21でハンドル軸５が、ハンドル軸５の軸線方向に移動自在に回り止め嵌合 されたカラ−22を介して軸承されている。

【００１２】 更にリ−ル側板３に透孔3dと凹部3e、3fが形成されている。 凹部3eには軸受23が嵌合されて取り付けられ、凹部3fに前記と同形の保持部材 ６の舌片6aが係止されて軸受23が保持部材６で抜け止めされている。 軸受23にはスプ−ル軸４の細径の他端4bが軸承されている。 リ−ル側板３の右外側には軸筒部3gが突出形成されて外周に雄螺子が形成され ている。 雄螺子にはカバ−ツマミ24が螺合され、カバ−ツマミ24の内側底面にスラスト 軸受25が固定されてスプ−ル軸４の細径の他端4bが当接されている。

【００１３】 右側枠２とリ−ル側板３間のスプ−ル軸４の細径部4cにはピニオン７が軸線方 向に移動自在に嵌合され、スプ−ル軸４の係合部4dとピニオン７の係合部7aでク ラッチ機構が構成されている。 ピニオン７にはハンドル軸５に回転自在に嵌合された駆動歯車26が噛合されて いる。 駆動歯車26の左側のハンドル軸５には摩擦板27が嵌合され、その左側に爪車28 がハンドル軸５に回り止め嵌合されている。

【００１４】 駆動歯車26の右側には摩擦板29が固定されてハンドル軸５に回り止め嵌合され た摩擦円板30が当接されている。 駆動歯車26と摩擦円板30の間には湾曲発条31が挿入されている。 摩擦円板30の右側にはハンドル軸５に回り止め嵌合された押圧盤32が当接され ている。 押圧盤32の右側にはハンドル軸５に回り止め嵌合された発条33、34が当接され ている。 発条34の右側には前記カラ−22が当接されている。 カラ−22の右側にはハンドル軸５に螺合されたナット部材８が当接されている 。 ナット部材８より外側のハンドル軸５にはハンドル17が回り止め嵌合されてナ ット35で抜け止めされている。 前記摩擦板29と摩擦円板30と湾曲発条31と押圧盤32と発条33、34とカラ−22で 制動部材が構成されている。

【００１５】 ナット部材８は調節体９の多角形の貫通孔9aに軸方向の前後に移動自在に嵌合 されている。 調節体９とリ−ル側板３の側部との間に金属、合成樹脂の硬質体や硬質フェル トなどからなる中間部材36が介在され、調節体９とハンドル17との間に他のＯリ ングからなる中間部材37が介在されている。 ハンドル軸５が軸承された軸受21の外側のリ−ル側板３の側部には凹部3hが形 成されて中間部材36が回転自在に嵌合されている。 制動装置はハンドル軸５に嵌合された制動部材と、ハンドル軸５に螺合された ナット部材８と調節体９とで構成されている。

【００１６】 調節体９には図１、図４、図５のように、多角形の貫通孔9aとリ−ル側板３側 の凹部9bと手の指で回動操作する操作部9cとハンドル17側の突出部9dと凹部9eと が形成されている。 調節体９の凹部9bに中間部材36が回転自在に嵌合され、調節体９の凹部9eに中 間部材37が嵌合されて、調節体９はハンドル軸５に螺合されたナット部材８とリ −ル側板３の側部に嵌合された中間部材36とハンドル17の間に介在された中間部 材37とで保持されている。 ナット部材８は市販のナットが使用されている。

【００１７】 魚釣用両軸受型リ−ルでハンドル17が回転されると、ハンドル軸５と歯車輪列 機構を介してスプ−ル軸４とスプ−ル14が回転される。 ハンドル軸５に制動部材で回転可能に摩擦結合された駆動歯車26の制動力が調 節される時は、調節体９が回動される。 調節体９の回動でナット部材８が前進後退され、ナット部材８がカラ−22を押 圧することで制動部材が押圧されて制動力が調節される。 制動部材が押圧されて制動力が調節されるナット部材８を回動する調節体９が リ−ル側板３の側部に回動自在に支持されることにより、制動力の強弱に関係な く調節体９の支持がガタ付かない。 更にリ−ル側板３の側部と調節体９及び調節体９とハンドル17の間に隙間が出 来ない。

【００１８】 前記のように制動調節装置が構成されると、調節体９の支持がガタ付かず、制 動力の強弱に関係なく支持が安定し、微妙な制動力の調節操作が行える。 更にハンドル軸５に海水、ゴミ、砂等が付着せず、リ−ル側板３内に侵入しな いので、付着や侵入による悪影響が防止され、常時、円滑な制動力の調節操作が 行える。

【００１９】 図６は調節体と他の中間部材の変形例で、図６は魚釣用両軸受型リ−ルの右側 側枠とリ−ル側板の要部拡大断面平面図である。

【００２０】 図６で調節体９′とハンドル17の間に板バネからなる他の中間部材37が介在さ れている。 調節体９′のハンドル17側はフラットに形成されている。 他の構成は前記構成と略同一である。

【００２１】 前記説明では、他の中間部材37にＯリングと板バネを上げたが、硬質フェルト や外形台形のコイルスプリング等の弾性体としてもよい。 前記説明の中間部材36をボ−ルベヤリングやメタル又は合成樹脂軸受とし、他 の中間部材37を硬質体としてもよい。 前記説明では、魚釣用リ−ルを魚釣用両軸受型リ−ルで述べたが、他の形式の リ−ルに実施してもよい。 又、制動装置は他の形状の部材の組合せでもよい。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は前述のように構成されたから、請求項１により、制動部材が押圧され て制動力が調節されるナット部材を回動する調節体がリ−ル側板の側部に回動自 在に支持されることにより、調節体の支持がガタ付かず、制動力の強弱に関係な く支持が安定し、微妙な制動力の調節操作が行える。 更に請求項２により、リ−ル側板の側部と調節体及び調節体とハンドルの間に 隙間が出来ないので、ハンドル軸に海水、ゴミ、砂等が付着せず、リ−ル側板内 に侵入しないので、付着や侵入による悪影響が防止され、常時、円滑な制動力の 調節操作が行える等実用上優れた効果を奏する魚釣用リ−ルの制動装置を提供す ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図であ
る。

【図２】魚釣用両軸受型リ−ルの左側側枠とリ−ル側板
の要部拡大断面平面図である。

【図３】（ａ）は軸受の保持構造を示す分解断面側面図
で、（ｂ）は保持部材の正面図である。

【図４】魚釣用両軸受型リ−ルの右側側枠とリ−ル側板
の要部拡大断面平面図である。

【図５】調節体の正面図と一部拡大正面図である。

【図６】魚釣用両軸受型リ−ルの右側側枠とリ−ル側板
の要部拡大断面平面図である。

【符号の説明】

１ リ−ル本体 ５ ハンドル軸 ８ ナット部材 ９、９′ 調節体 ５、８、９、９′ 制動装置構成部品 14 スプ−ル 17 ハンドル 26 駆動歯車 29、30、31、32、33、34、22 制動部材構成部品 36、37 中間部材

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【手続補正書】

【提出日】平成６年６月１０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】軸受の保持構造を示す分解断面側面図と保持部
材の正面図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外端部にハンドルが取り付けられるハン
   ドル軸がリ−ル本体に回転可能に支持され、該ハンドル
   軸に制動部材で摩擦結合された駆動歯車により前記リ−
   ル本体に回転自在に支持したスプ−ルを巻取り回転可能
   とし、前記ハンドル軸上に進退自在に設けた調節体で前
   記制動部材を押圧して前記駆動歯車の制動力を調節可能
   とした魚釣用リ−ルの制動装置において、前記調節体の
   内周に前記ハンドル軸に螺合したナット部材の外周を軸
   方向移動可能に回り止め嵌合すると共に、前記調節体の
   一側部を前記リ−ル本体の側部に回転自在に支持したこ
   とを特徴とする魚釣用リ−ルの制動装置。
2. 【請求項２】 前記調節体とハンドルとの間に中間部材
   を介在させて前記調節体を前記ハンドル軸上に回転可能
   に支持すると共に軸方向に保持したことを特徴とする請
   求項１記載の魚釣用リ−ルの制動装置。