JP3004845B2 - 難燃プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents
難燃プラスチック光ファイバケーブルInfo
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- JP3004845B2 JP3004845B2 JP5224457A JP22445793A JP3004845B2 JP 3004845 B2 JP3004845 B2 JP 3004845B2 JP 5224457 A JP5224457 A JP 5224457A JP 22445793 A JP22445793 A JP 22445793A JP 3004845 B2 JP3004845 B2 JP 3004845B2
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Description
して、FA、自動車などに使用される、耐熱性、難燃
性、耐油性、耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバ
ケーブルに関するものである。
イバに比べ、可撓性に富み、かつ大口径・高開口数であ
ること、端面処理や接続が容易であることなどから短距
離の光信号伝送やセンサといった分野への応用が始まっ
ている。従来実用化されているプラスチック光ファイバ
には、芯材にメタクリル酸メチルを主体とした樹脂やポ
リカーボネート樹脂を用い、鞘材にフッ化ビニリデン系
共重合体やフッ化メタクリレート系共重合体を用いたも
のがある。また、鞘の外側に低密度ポリエチレンやポリ
塩化ビニルを被覆したプラスチック光ファイバケーブル
としても使用されている。
る、ポリ塩化ビニル被覆や難燃ポリエチレン被覆を施し
た難燃プラスチック光ファイバケーブルは、耐熱温度が
せいぜい85℃までしかないうえ、引張強度はそれほど
強くないため、自動車のような高い耐熱性と引張り強さ
とを要求されるような用途では、適用可能な場所が限ら
れていた。
通常はメラミンシアヌレートを6〜8%添加する。しか
し、この難燃ポリアミド樹脂をプラスチック光ファイバ
ケーブルの被覆に使用した場合、ケーブル表面が荒れた
り、鞘層が着色して伝送損失が大きく増加したりするの
で、実用的ではなかった。
のより高い、しかも難燃性である難燃プラスチック光フ
ァイバケーブルを提供するため、被覆材の材質やケーブ
ル構造に関して鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
た。本発明は、芯と鞘とからなるプラスチック光ファイ
バ素線の外側に、少なくともフッ素原子を含む樹脂組成
物からなり、この樹脂組成物の中に含まれるフッ素原子
または他のハロゲン原子の割合が59重量%以上である
含フッ素ポリオレフィン樹脂組成物からなる第一被覆層
と、ポリアミド樹脂とからなる第二被覆層とをもつこと
を特徴とする難燃プラスチック光ファイバケーブルに関
するものである。この様なケーブル構造とすることで、
ポリアミド樹脂にメラミンシアヌレートを添加する等の
難燃化をしなくても、難燃規格に合格する難燃プラスチ
ック光ファイバケーブルを得た。
バケーブルについて、詳しく説明する。本発明において
芯を構成する樹脂組成物としては、公知のものが使用で
きる。たとえば、メタクリル酸メチル単独重合体や、メ
タクリル酸メチルを50重量%以上含んだ共重合体で、
共重合可能な成分として、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、n−アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステ
ル類、マレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、無水
マレイン酸、スチレンなどがあり、このなかから一種類
以上適宜選択して共重合させることができる。
フッ化メタクリレート系共重合体や、フッ化ビニリデン
系共重合体など、公知のものが使用できる。これらの鞘
材を芯の直径の2/1000〜300/1000の厚さ
に被覆して、プラスチック光ファイバ素線となる。製造
方法は、ごみ、ほこりのほとんどない清浄な環境下で、
特殊ノズルと二台の押出機を使用して、溶融状態にある
芯材と鞘材とを、芯−鞘の二層構造を持つ光ファイバに
成形する複合紡糸方式で行う。そして、1.3倍〜3.
0倍に延伸をかけて分子を配向させ、機械的特性を向上
させて、プラスチック光ファイバ素線を得る。このよう
にして製造したプラスチック光ファイバ素線の外側に特
定の樹脂組成物を被覆して、耐熱性や機械的特性をさら
に向上させて、プラスチック光ファイバケーブルとし
て、実際に使用される。
メタクリル酸メチルを主体とした樹脂組成物のガラス転
移点に近づくので、分子配向がとれて、プラスチック光
ファイバ素線は大きく熱収縮する。このため、伝送損失
が急増したり、被覆層から大きく引っ込んで、光源や光
検出器との結合効率が大幅に減少してしまう。これを防
ぐため、鞘層の外側に、特定の被覆用樹脂組成物を被覆
することが考えられるが、鋭意検討した結果、高温下で
のプラスチック光ファイバ素線の熱収縮を防ぐには、プ
ラスチック光ファイバ素線に、硬くて、寸法安定性に優
れた樹脂を、ほとんど配向がかからないように被覆(後
述の一次被覆の仕方)することが効果的であることがわ
かった。また、難燃性にも、耐熱性にも優れたプラスチ
ック光ファイバケーブルとするには、フッ素原子や他の
ハロゲン原子の含有量が59重量%以上の含フッ素ポリ
オレフィン樹脂を第一被覆層とし、その周囲にポリアミ
ド樹脂からなる被覆層を持つ、多層構造のプラスチック
光ファイバケーブルとすれば良いことがわかった。
しては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ク
ロロトリフルオロエチレンのランダム共重合体にフッカ
ビニリデンをグラフトさせた共重合体、フッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−
クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロ
ロトリフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロ
エチレン重合体、さらには、上記含フッ素ポリオレフィ
ン樹脂どうしの混合物、フッ化ビニリデン系樹脂とメタ
クリル酸メチル系樹脂との混合物、フッ化ビニリデン系
樹脂と公知のフッ素樹脂との混合物、含フッ素ポリオレ
フィン樹脂とオレフィン系樹脂との混合物、その他、公
知の含フッ素ポリオレフィン樹脂およびそれらと他の樹
脂との混合物などが使用できる。この中でも好ましく
は、フッ化ビニリデン系共重合体や、ポリフッ化ビニリ
デンと他のフッ素樹脂との混合物など、フッ化ビニリデ
ン構造単位を含む樹脂組成物を使用するのが良い。フッ
化ビニリデン構造単位を含む樹脂組成物は、含フッ素ポ
リオレフィン樹脂組成物のなかでは比較的低温で被覆で
きる一方、鞘材との接着性が強く、そのうえ充分な硬さ
や機械的特性、難燃性、耐薬品性をもっているので、被
覆材に使用するのが好ましい。ただし、これらの含フッ
素ポリオレフィン樹脂組成物の23℃におけるショアD
硬度の値が60以上であり、さらに引張破断伸度が20
0%以上であることが好ましい。ここで、ショアD硬度
は、23℃で、ASTM D2240によって測定した
値であり、引張破断伸度は、温度23℃で、ASTM
D1708、引張速度100mm/分で測定した値であ
る。ショアD硬度の値が小さすぎると、高温下での荷重
や引張で、プラスチック光ファイバケーブルが変形しや
すく、伝送損失が大きく増加するため好ましくない。ま
た、高温下でプラスチック光ファイバ素線が縮もうとす
る力に耐えきれず、被覆層も共に縮んでしまったり、被
覆層の端面からプラスチック光ファイバ素線が大きく引
っ込んでしまい、光源や光検出器との結合効率が小さく
なってしまう。また、破断伸度が小さいと、引張や曲
げ、ねじりによってプラスチック光ファイバケーブルが
折れやすくなってしまうのでやはり好ましくない。フッ
化ビニリデン構造単位を含む樹脂組成物では、フッ化ビ
ニリデン構造単位の含有率が高いほうが、硬度が高く、
引張強度が強くなるが、引張破断伸度は小さくなる。好
ましい引張破断伸度は、200%以上、より好ましくは
300%以上である。
被覆した周囲に、さらにナイロン12樹脂で被覆を行
い、本発明の難燃プラスチック光ファイバケーブルを得
る。ナイロン12は、ポリアミド樹脂のなかでは比較的
低温で被覆できる一方、含フッ素ポリオレフィン樹脂と
の密着性が強く、そのうえ充分な硬さや機械的特性、耐
薬品性をもっている。そのうえ、吸湿性が低く、吸湿に
よる寸法変化が小さいので、プラスチック光ファイバケ
ーブル向けの被覆材に使用するのが好ましい。
イバ素線に被覆する方法としては、プラスチック光ファ
イバ素線を複合紡糸法で作製した後、その外側に熱溶融
させた被覆材を被覆させるという方法をとるのが好まし
い。一次被覆の仕方は、1.5〜3倍の延伸をかけたプ
ラスチック光ファイバ素線を、電線被覆を行うようにク
ロスヘッドダイを使用して溶融樹脂を被覆する。このと
き、ファイバには多少の延伸をかけることはやむをえな
いが、大きな延伸をかけることはしない。この方法で製
造したケーブルは、鞘と一次被覆とは部分的には密着し
ているが、完全な両者の融着ではないので、鞘と一次被
覆とのズリの自由度を残している。従って、耐熱性に優
れた被覆層にはほとんど配向がかかっていないので、1
00℃以上の高温に曝されるても被覆層の熱収縮は小さ
い。よって、この様な方法で製造したケーブルは、加熱
収縮も小さく、曲げによる光ロスも小さいという優れた
特徴を持つ。
況に合わせて、適宜決定すればよい。一次被覆とプラス
チック光ファイバ素線との密着力はかなり強いので、無
理矢理に剥離させようとするとファイバが伸びたり、傷
が付いたりすることがあるので、通常は一次被覆を残し
たままファイバの端末処理をするのが妥当である。その
ため、一次被覆の厚さは難燃性を考慮しつつ、できるだ
け薄くしたほうがフェルールのサイズを汎用のものから
大きいものへ変えないですむ。こういう観点からすれ
ば、一次被覆の厚さは、0.01〜0.05mm程度が
一番好ましい。ただし、被覆層の厚みが小さすぎると、
常温でも充分な機械的特性がだせないし、100℃以上
の高温下では、プラスチック光ファイバ素線の収縮・被
覆層からの引っ込みを防げないうえ、曲げやねじり、周
囲の熱や薬品に対する耐久性が不十分である。また、厚
みが大きすぎると、高温度で溶融された被覆用樹脂組成
物からの熱のため、プラスチック光ファイバ素線が大き
く損傷を受け、伝送損失が大きく増加してしまう。好ま
しい第一被覆層の厚みは、0.01mm以上、より好ま
しくは0.02mm〜0.2mmであり、多層構造のプ
ラスチック光ファイバケーブルとして、全体で0.2m
m以上の被覆層を持つことが望ましい。
層を重ねることも可能である。この場合には、上記の含
フッ素ポリオレフィン樹脂やポリアミド樹脂の他に、公
知の樹脂組成物が使用できる。例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル、架橋ポリ
オレフィン、架橋ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン
コンパウンド、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など
である。また、補強繊維として、アラミド繊維、ポリア
セタール繊維、超高分子ポリエチレン繊維、金属繊維な
どを介在させても良い。
行う。
方法に準じて行う。温度23℃、引張速度:100mm
/分 ・伝送損失−52m−2mのカットバック法で測定。光
源に波長650nmの単色光を使用。入射開き角0.1
5ラジアン。 ・燃焼試験−UL規格VW−1の方法に従って行った。
ーブルを長さ1mに切り、所定条件の恒温恒湿槽内に1
000時間放置した後の長さを測定し、元の長さの1m
との比で、長さ保持率を算出する。 ・端面の突出引っ込み−プラスチック光ファイバケーブ
ルを長さ1mに切り、所定条件の恒温恒湿槽内に100
0時間放置した後に、被覆層の端面とプラスチック光フ
ァイバ素線の端面との位置の差を測定する。
成工業製の直径0.95mmのルミナス(商標)FB−
950を使用した。被覆に使用する含フッ素ポリオレフ
ィン樹脂として、フッ化ビニリデン樹脂「KYNAR
(商標)740」(エルフ・アトケム社製)と軟質フッ
素樹脂「セフラルソフト(商標) G150」(セント
ラル硝子製)とを混合して作られ、23℃におけるショ
アD硬度74、23℃における引張破断伸度400%で
あるものを用いた。
ック光ファイバ素線FB−950を導入し、上記含フッ
素ポリオレフィン樹脂を、厚さ25μmの厚さに被覆
し、直径1.00mmのプラスチック光ファイバケーブ
ルを作製した。さらにこのプラスチック光ファイバケー
ブルを、上記と同様にして、溶融押出機に直結したダイ
スに導入し、ナイロン12樹脂「宇部ナイロン 301
4B」(宇部興産製)を厚さ0.6mmの厚さで被覆
し、直径2.2mmの、本発明のプラスチック光ファイ
バケーブルを得た。
波長650nmにおける伝送損失を、測定器にファイバ
損失分光器FP−889(オペレックス社製)を用い、
52m−2mのカットバック法で測定したところ、13
0dB/kmであり、ケーブル化による損失増はほとん
どなかった。このプラスチック光ファイバケーブルを乾
熱105℃の恒温槽の中に1000時間放置して、光波
長650nmにおける伝送損失の変化を測定した。製造
時130dB/kmであったものが、1000時間放置
後でも175dB/kmであり、損失増加量は小さい。
そのうえ、長さ保持率は、99.6%とほとんど縮んで
いなく、端面におけるプラスチック光ファイバ素線の被
覆層からの引っ込みも0.1mmとほとんどなく、且つ
ケーブル自体の変形もない、優れた耐熱性を示した。ま
た、温度85℃湿度95%RHの恒温恒湿槽の中に10
00時間放置して、同様に光波長650nmにおける伝
送損失の変化を測定したところ、製造時130dB/k
mであったものが、1000時間後でも170dB/k
mであり、耐湿熱特性も優れている。
ルの引張試験を行った。測定は、引張試験機「SHIN
KOH モデルTOM−500」を使用し、ASTM
D638に準じた方法を用い、温度23℃、引張速度1
00mm/分で行った。このときの引張降伏荷重は1
7.5kg、引張破断荷重は20.0kg、破断伸度は
130%であり、充分な引張特性を示した。
ルを、難燃性の規格であるUL規格VW−1の方法に従
って燃焼試験を行ったところ、垂直燃焼試験、水平燃焼
試験ともに合格した。
成工業製の直径0.95mmのルミナスTB−950を
使用した。被覆に使用する含フッ素ポリオレフィン樹脂
として、フッ化ビニリデン樹脂「KYNAR 740」
(エルフ・アトケム社製)と軟質フッ素樹脂「セフラル
ソフト G150」(セントラル硝子製)とを混合して
作られ、23℃におけるショアD硬度74、23℃にお
ける引張破断伸度400%であるものを用いた。
ック光ファイバ素線TB−950を導入し、上記含フッ
素ポリオレフィン樹脂を、厚さ25μmの厚さに被覆
し、直径1.00mmのプラスチック光ファイバケーブ
ルを作製した。さらにこのプラスチック光ファイバケー
ブルを、上記と同様にして、溶融押出機に直結したダイ
スに導入し、ナイロン12樹脂「宇部ナイロン 301
4B」(宇部興産製)を厚さ0.6mmの厚さで被覆
し、直径2.2mmの、本発明のプラスチック光ファイ
バケーブルを得た。
波長650nmにおける伝送損失を、測定器にファイバ
損失分光器FP−889(オペレックス社製)を用い、
52m−2mのカットバック法で測定したところ、12
8dB/kmであり、ケーブル化による損失増はほとん
どなかった。このプラスチック光ファイバケーブルを乾
熱105℃の恒温槽の中に1000時間放置して、光波
長650nmにおける伝送損失の変化を測定した。製造
時128dB/kmであったものが、1000時間放置
後でも140dB/kmであり、損失増加量は小さい。
そのうえ、長さ保持率は、99.5%とほとんど縮んで
いないく、端面におけるプラスチック光ファイバ素線の
被覆層からの引っ込みも0.1mmとほとんどなく、且
つケーブル自体の変形もない、優れた耐熱性を示した。
また、温度85℃湿度95%RHの恒温恒湿槽内に10
00時間放置して、同様に光波長650nmにおける伝
送損失の変化を測定したところ、製造時128dB/k
mであったものが、1000時間後でも163dB/k
mであり、耐湿熱特性も優れている。
ルの引張試験を行った。測定は、引張試験機「SHIN
KOH モデルTOM−500」を使用し、ASTM
D638に準じた方法を用い、温度23℃、引張速度1
00mm/分で行った。このときの引張降伏荷重は1
7.5kg、引張破断荷重は19.3kg、破断伸度は
110%であり、充分な引張特性を示した。
ルを、難燃性の規格であるUL規格VW−1の方法に従
って燃焼試験を行ったところ、垂直燃焼試験、水平燃焼
試験ともに合格した。
成工業製の直径1.00mmのルミナスTB−1000
を使用し、被覆材にポリ塩化ビニル樹脂を使用した。溶
融押出機に直結したダイスに、プラスチック光ファイバ
素線TB−1000を導入し、ポリ塩化ビニル樹脂を、
厚さ0.6mmの厚さに被覆し、直径2.2mmのプラ
スチック光ファイバケーブルを作製した。
波長650nmにおける伝送損失を、測定器にファイバ
損失分光器FP−889(オペレックス社製)を用い、
52m−2mのカットバック法で測定したところ、12
8dB/kmであり、ケーブル化による損失増はほとん
どなかった。このプラスチック光ファイバケーブルを乾
熱105℃の恒温槽の中に1000時間放置して、光波
長650nmにおける伝送損失の変化を測定した。製造
時128dB/kmであったものが、1000時間放置
後では数千dB/kmも伝送損失が増加しており、測定
不可能だった。長さ保持率は、87.7%しかなく、ケ
ーブルは大きく収縮して全体的にちぢれたようになって
おり、使用できる状態ではなかった。
ルの引張試験を行った。測定は、引張試験機「SHIN
KOH モデルTOM−500」を使用し、ASTM
D638に準じた方法を用い、温度23℃、引張速度1
00mm/分で行った。このときの引張降伏荷重は9.
0kg、引張破断荷重は14.3kg、破断伸度は11
0%であり、自動車向けとしては不十分であった。
成工業製の直径1.00mmのルミナスTB−1000
を使用し、被覆材に難燃ポリエチレン樹脂を使用した。
溶融押出機に直結したダイスに、プラスチック光ファイ
バ素線TB−1000を導入し、難燃ポリエチレン樹脂
を、厚さ0.6mmの厚さに被覆し、直径2.2mmの
プラスチック光ファイバケーブルを作製した。
波長650nmにおける伝送損失を、測定器にファイバ
損失分光器FP−889(オペレックス社製)を用い、
52m−2mのカットバック法で測定したところ、12
7dB/kmであり、ケーブル化による損失増はほとん
どなかった。このプラスチック光ファイバケーブルを乾
熱105℃の恒温槽の中に1000時間放置して、光波
長650nmにおける伝送損失の変化を測定した。製造
時127dB/kmであったものが、1000時間放置
後では1440dB/kmと、伝送損失が大きく増加し
ていた。長さ保持率も91.4%しかなく、ケーブルは
大きく収縮して全体的にちぢれたようになっており、使
用できる状態ではなかった。
ルの引張試験を行った。測定は、引張試験機「SHIN
KOH モデルTOM−500」を使用し、ASTM
D638に準じた方法を用い、温度23℃、引張速度1
00mm/分で行った。このときの引張降伏荷重は9.
1kg、引張破断荷重は14.7kg、破断伸度は11
5%であり、自動車向けとしては不十分であった。
成工業製の直径1.00mmのルミナスFB−1000
を使用し、被覆材として、ナイロン12樹脂「宇部ナイ
ロン3014B」(宇部興産製)を使用した。溶融押出
機に直結したダイスに、プラスチック光ファイバ素線F
B−1000を導入し、上記ナイロン12樹脂を、厚さ
0.6mmの厚さに被覆し、直径2.2mmのプラスチ
ック光ファイバケーブルを作製した。
波長650nmにおける伝送損失を、測定器にファイバ
損失分光器FP−889(オペレックス社製)を用い、
52m−2mのカットバック法で測定したところ、48
0dB/kmであり、ケーブル化によって、伝送損失が
大きく増加してしまった。また、このナイロン12樹脂
に、難燃剤としてメラミンシアヌレートを8重量%添加
して、ルミナスFB−1000に被覆しようとしたが、
樹脂が一様には押し出されず、プラスチック光ファイバ
ケーブルの表面は凸凹になってしまった。伝送損失も、
光波長650nmで1170dB/kmと非常に大き
く、とても使用できるものではなかった。
で、ポリアミド樹脂を特に難燃化しなくても、難燃規格
に合格する難燃プラスチック光ファイバケーブルを作製
することができる。本発明のプラスチック光ファイバケ
ーブルは、被覆層に、プラスチック光ファイバ素線に悪
影響を及ぼすような難燃剤が含まれていないので、伝送
損失が低くしかも高温下でも安定し、難燃性や機械的特
性にも優れた難燃プラスチック光ファイバケーブルとす
ることができる。
は、100℃を超える高温下でも損失増加や熱収縮が非
常に小さいという優れた耐熱性を示すだけでなく、UL
規格VW−1に合格するという優れた難燃性も持ち合わ
せている。引張強度も10kgを大きく超えており、組
立時にケーブルに10kg近い、比較的大きな負荷のか
かりやすい、自動車用ハーネスに使用する場合でも、本
発明の難燃プラスチック光ファイバケーブルは伸びたり
せずに安心して使用できるだけの強さをもっている。ま
た、被覆層からのプラスチック光ファイバ素線の引っ込
みが小さいので、コネクタを付ける場合でも被覆をすべ
て剥く必要がなく、作業工程を簡素化できる。そのう
え、被覆が付いたままなので、耐熱性をあまり落とさな
いまま取り付けられるという利点がある。本発明によ
り、自動車分野といった厳しい耐熱性、機械的特性、難
燃性を要求される分野へのプラスチック光ファイバの適
用が可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯とフッ化メタクリレート系共重合体ま
たはフッ化ビニリデン系共重合体の鞘とからなるプラス
チック光ファイバ素線の外側に、フッ素原子を含む樹脂
組成物からなり、ショアD硬度が60以上であり、この
樹脂組成物の中に含まれるフッ素原子または他のハロゲ
ン原子の割合が59重量%以上である含フッ素ポリオレ
フィン樹脂組成物からなる第一被覆層と、延伸されてい
ないナイロン12樹脂からなる第二被覆層とをもつこと
を特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。 - 【請求項2】 1.5〜3.0倍に延伸を施したプラス
チック光ファイバ素線に、熱溶融した含フッ素ポリオレ
フィン樹脂組成物を0.01〜0.3mmの厚さに被覆
し、さらにその上にナイロン12樹脂を0.1〜1.0
mmの厚さに被覆した請求項1に記載のプラスチック光
ファイバケーブル。
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---|---|---|---|
JP5224457A JP3004845B2 (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 難燃プラスチック光ファイバケーブル |
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---|---|
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