JP3003664U - 磁着型紙葉止め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石面をシーソー可動とする磁着型紙葉止め
具を提供する。 【構成】 起立せる被着側磁性板に対し装飾用非磁性体
に装着した磁石を吸着させる磁着型紙葉止め具におい
て、装飾用非磁性体１を、該非磁性体１の左右バランス
を保つ中間部１ａに９０°〜１８０°未満の折り曲げ角
度を付けたＶ字形状２とすると共に、このＶ字形状２の
非磁性体１の外側面に添って可撓性磁石３を配設し、こ
の可撓性磁石３の中間部に形成される前記Ｖ字形状２に
対応する折り曲げ部３ｂをシーソー支点５としてなり、
被着側磁性板（吸着板）に片側の平坦磁石面を吸着させ
ておき、所定の紙葉を反対側に平坦磁石面の開口に差し
込みこの平坦磁石面をシーソー動で反転して重ね吸着さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は起立せる被着側磁性板に紙葉等を簡易吸着させる磁着型紙葉止め具 に関するもである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金属ボード，磁石黒板，冷蔵庫壁面等の被着側磁性板（金属板）に磁石 を利用し紙葉等を吸着係止する磁着型紙葉止め具（所謂マグネット画鋲）として は、文房具用品などで各種形状のものが知られている。例えば、図８に示すよう に円形状の装飾用非磁性体ａの裏面中央に焼結磁石製円形磁石ｂを装着した簡易 タイプのボタン型紙葉止め具とか、図９に示すように磁石ｂを埋設した装飾用非 磁性体ａの片側に船底形のテコ用アーム部ｃを突設した簡易離反の広幅タイプの 磁着型紙葉止め具とか、又は揺動タイプとして図１０に示すように前後部にバイ ンダー部ｄとテコ部ｅを突設した装飾用非磁性体ａの中央下面に角柱状磁石ｂを 埋設した所定幅を持つ文鎮状の磁着型紙葉止め具などがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記の如き構成の磁着型紙葉止め具では紙葉の吸着・離反作用にいま だ問題を含むものである。即ち、ボタン型の磁着型紙葉止め具では、吸着板（被 着側磁性板）ｆと磁石ｂ間に紙葉ｇを介在せしめるが、ボタン型紙葉止め具の磁 石ｂの離反動作は正面位置にあって手前側に引っ張りを行うため、極めて大きな 引張力を与えねばならず、また逆に紙葉の挟み係止に当たっては、該紙葉の止め るべき箇所の正面位置に磁石ｂを一旦対峙させ磁着力で吸着板ｆに吸着させるが 、磁石ｂをある程度近接させると急に吸着板ｆに吸着されるため、往々にして印 刷物の文字等を覆い隠してしまうことがある。特に、紙葉の取替え作業では必ず 磁着型紙葉止め具を一旦取り外してから、別途紙葉を置き再度磁着型紙葉止め具 を臨ませねばならず面倒である。また、前記簡易離反タイプの磁着型紙葉止め具 では、片側に突出のテコ用アーム部ｃを押し下げ一種のテコ作用で基端部の磁石 ｂを浮かせるため、紙葉ｇの抜き取りは容易となるが、この状態を維持しながら 再度紙葉を差し込みせねばならず面倒な扱いを要する。更に、紙葉の離反・吸着 を容易とする揺動タイプでは、紙葉ｇの係止時にバインダー部ｄと反対側のテコ 部ｅを押し下げ、この反作用でバインダー部ｄを浮かし、該バインダー部ｄと吸 着板ｆ間に紙葉ｇを介在してから前記テコ部ｅの押し下げを解く。即ち、バイン ダー部ｄの開口（浮かし）はテコ部ｅを押し下げた状態でいなければならず面倒 である。また、このタイプで悪い点は、紙葉ｇを挟むバインダー部ｄには吸着用 磁石がなく単なるプラスチック部材のため、複数枚の紙葉を重ねた係止はできな い。また、装飾用非磁性体ａの揺動は埋設の偏平状磁石ｂの端縁部ｂ′を含む非 磁性体縁部端を揺動点として行われるため、吸着板ｆに対する磁着力が弱く、特 に垂直ボード（起立壁面）の態様では動揺を繰り返すうちにずれ下がる虞れがあ った。

【０００４】 本考案は上記実情に鑑み、装飾用非磁性体下面の磁石をＶ字形状とし、このＶ 字折り曲げ部を支点とし装飾用非磁性体全体をシーソー可動とすることで、前記 課題を解決する磁着型紙葉止め具を提供することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、起立せる被着側磁性板に対し装飾用非磁性体に装着した磁石を吸着 させる磁着型紙葉止め具において、装飾用非磁性体を、該非磁性体の左右バラン スを保つ中間部に９０°〜１８０°未満の折り曲げ角度を付けたＶ字形状とする と共に、このＶ字形状の非磁性体の外側面に添って可撓性磁石を配設し、該可撓 性磁石の中間部に形成される前記Ｖ字形状に対応する折り曲げ部をシーソー支点 とし、この左右の磁石面の磁力を均一とし被着側磁性板に対し交互に吸着自在と するものである。

【０００６】 また、可撓性磁石は片面着磁としている。

【０００７】

【作用】 上記のように、Ｖ字形状に折り曲げた装飾用非磁性体の下面に帯状となる可撓 性磁石を配設し、該磁石に形成された折り曲げ部をシーソー支点とすことで、こ のシーソー支点を境目として片側の磁石面と被着側磁性板（金属板）間に紙葉を 挟み、そのとき他側の磁石面をＶ字傾斜分だけ開放（開いた）状態とし、その状 態を維持する。また、紙葉を取り外すときは、前記開放された他方の非磁性体の 片側縁部を押圧すれば、該非磁性体は中央位置のシーソー支点を境目として回動 しだし紙葉を挟んだ前記磁石面が開き吸着力が弱くなると、該シーソー支点を境 目として反転し開放側であった磁石面が被着側磁性板（金属板）に吸着され、反 対に前記磁石面側が開放状態となるため、紙葉が簡単に外れ、且つ今まで開放さ れていた磁石面が被着側磁性板に吸着され停止する。即ち、手を介添えしていな くても磁着型紙葉止め具の落下はない。再度、紙葉を挟むときは前記と逆に他の 磁石面を押圧すればよい。この場合、可撓性磁石を片面着磁を用いれば大なる磁 力を得る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明すれば、次の通りである。

【０００９】 図１乃至図５は可撓性磁石を短冊形とした実施例を示し、１は適宜着色したプ ラスチック，木，ガラス，セラミック等を使用した所定長さと厚さをもつ矩形状 の装飾用非磁性体で、該装飾用非磁性体１の長手方向左右にバランスを保つ中間 部１ａに９０°〜１８０°未満（図示にあって、１６０°）の所定折り曲げ角度 を付けたＶ字形状２を形成し、このＶ字形状２の非磁性体１の外側面（裏面）１ ｂに、帯状（シート状）となる短冊形の可撓性磁石３を接着剤４をもって貼着す ると共に、該可撓性磁石３は加工自在の可撓性のためその中間部３ａを前記非磁 性体１のＶ字形状２に添う折り曲げをし、この折り曲げ部３ｂがシーソー支点５ となり、これら全体構成で装飾用非磁性体１と可撓性磁石３が積層された一体構 造の磁着型紙葉止め具６となる。この場合、可撓性磁石３は磁力が大となる片面 着磁タイプのものを用いる。勿論、このとき非着磁側を非磁性体１の裏面に貼着 させる。また、この可撓性磁石３はシーソー支点５を境目とした左右の平坦磁石 面７ａ，７ｂの面積を等しく設定し各磁力を均一とし、この点からも左右バラン スを取る構造とする。

【００１０】 いまこの作用を説明すると、この磁着型紙葉止め具６の使用に際し、適宜の紙 葉Ａを挟み係止させる被着側磁性板（以下、吸着板という）８は、例えば磁石黒 板とか冷蔵庫の壁面などの各種金属の垂直ボード面を想定するものである。

【００１１】 ここにおいて、先ず垂直（起立）態様の吸着板８の所望箇所に、全体としてＶ 字形状を呈す磁着型紙葉止め具６の可撓性磁石３を、この中央位置のシーソー支 点５を境目とした片側となる平坦磁石面７ａを吸着（磁着）させる。この場合、 平坦磁石面７ａより上方（垂直使用にあって）となる反対側の平坦磁石面７ｂは Ｖ字傾斜で吸着板８に対し開口となっている。ここで、平坦磁石面７ｂ側の装飾 用非磁性体１の末端部１ｄを吸着板８へ向け押せば、前記平坦磁石面７ａがシー ソー支点５を支点とし磁着力に抗して回動し、或る角度（Ｖ角度の1/2 となるバ ランス位置）を過ぎ反対側の平坦磁石面７ｂが吸着板８に近接し、その磁着力て 該吸着板８に吸着される。即ち、磁着型紙葉止め具６はシーソー支点５を境目と して反転するため平坦磁石面７ａと吸着板８間に挟み空隙ｓが生じる。このとき 、反対側の平坦磁石面７ｂは吸着板８に面吸着された状態を維持するため、手で 持っている必要がなく、且つ磁着型紙葉止め具６自体もずれ下がらない。

【００１２】 この状態にて、磁着型紙葉止め具６の開いた平坦磁石面７ａと吸着板８間の挟 み空隙ｓに紙葉Ａを差し込みセットする（図４参照）。この後、平坦磁石面７ａ 側の装飾用非磁性体１の末端部１ｃを押し下げれば、平坦磁石面７ａがシーソー 支点５を境目として反転回動し吸着板８に吸着されるため、紙葉Ａが吸着板８と 平坦磁石面７ａ間に挟まれ係止される（図５参照）。この場合、シーソー支点５ は磁着型紙葉止め具６の裏面（外側面）で左右に連続敷設の可撓性磁石３の中央 に形成した磁石構成のため、反転動作時においても絶えず吸着板８に吸着された 状態となり離反がなく、この点からも位置ずれを招かない。

【００１３】 次に、再度この紙葉Ａを取り外すときは、前記と逆に反対側で開口の平坦磁石 面７ｂの装飾用非磁性体１の末端部１ｄを押し倒せばよい。

【００１４】 即ち、この磁着型紙葉止め具６はＶ字形状２とし装飾用非磁性体１の左右バラ ンスと可撓性磁石３の左右バランスとが保持されるように整合され、且つシーソ ー支点５を可撓性磁石３の中心に設けたことにより、シーソー原理が働きワンタ ッチ操作で可撓性磁石３の動揺開閉ができる。

【００１５】 図６は磁着型紙葉止め具を横長タイプとした他の実施例を示す。この場合は、 装飾用非磁性体１を横長形状とすると共に、該装飾用非磁性体１自体を前記同様 に前後に所定角度の折り曲げＶ字形状２を形成し、且つ装飾用非磁性体１の外側 面１ｂの両端部１ｅ，１ｅにそれぞれ可撓性磁石３，３をＶ字形状の折り曲げを して貼着し横長の磁着型紙葉止め具６とする。ここにおいても、紙葉Ａの係止操 作は前記同様で、一方の装飾用非磁性体１の末端部１ｄを押して反対側の平坦磁 石面７ａを吸着板８に吸着させれば、広幅の紙葉Ａの左右２点が吸着係止される 。

【００１６】 また、図７は１枚の帯状可撓性磁石の代わりに２個の焼結磁石を用いた他の実 施例を示す。この場合も基本的には装飾用非磁性体１自体はＶ字形状２を形成し 、該Ｖ字形状２の外側面１ｂに磁石３′，３′を、前記Ｖ字形状２を境目とした 両側の外側面１ｂ，１ｂにあって双方の端部が突き合うように配設すれば、この 突き合わせ点がシーソー支点５となり、前記実施例と同様な効果を得る。

【００１７】 なお、上記Ｖ字形状の折り曲げ角度を９０°〜１８０°未満に設定したことは 、下限となる９０°以下（鋭角）では装飾用非磁性体の末端部への押圧動作が難 しく所謂テコ動作を得にくくなる。また、上限の１８０°未満は紙葉が薄いため 、少なくとも片側の平坦磁石面が反転した開口に紙葉が差し込められる角度をも てばよいためである。

【００１８】

【考案の効果】

上述の様に、本考案の磁着型紙葉止め具は、表面部材とする装飾用非磁性体を ９０°〜１８０°未満の角度に折り曲げＶ字形状とし、この外側面に可撓性磁石 を積層し、該可撓性磁石の中間部に前記Ｖ字形状に対応した折り曲げ部をシーソ ー支点としたので、被着側磁性板となる吸着板に対しＶ字形状の左右平坦磁石面 が交互に吸着されるため、起立壁面にあっても紙葉係止時，開放時の取扱いが容 易となり、且つ左右の平坦磁石面の反転をシーソー支点によるシーソー原理にて 行うため、指１本の軽い押圧操作で吸着板への着脱が自在で、所謂ワンタッチ操 作ができる。また、磁着型紙葉止め具は左右どちらかの磁石面が傾斜した浮き状 態（開口）となるため、この傾斜片部が一種の撮み部材となり磁着型紙葉止め具 自体の取り外しが簡単となる。また、装飾用非磁性体に装着する磁石を可撓性磁 石としたため、シーソー支点が装飾用非磁性体のＶ字形状に添う折り曲げだけで 簡単に形成され製作が容易となる。また、このシーソー支点は可撓性磁石の一部 で磁着力を持つ構造のため、シーソー可動時にも吸着板に対する離反がなく、所 定の吸着位置がずれることがない。しかも、紙葉の吸着係止は、開口した平坦磁 石面の下部に紙葉を差し込み、その状態で該平坦磁石面を反転させ重ねるだけで 良く、紙葉の印刷面が意に反して隠れる虞れもない等の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の磁着型紙葉止め具の実施例を示す斜
視図である。

【図２】同裏面から見た斜視図である。

【図３】磁着型紙葉止め具を構成するＶ状形状の装飾用
非磁性体と帯状可撓性磁石の斜視図である。

【図４】磁着型紙葉止め具における紙葉のセット状態を
示す説明図である。

【図５】同紙葉を挟み係止した説明図である。

【図６】横長タイプとなる磁着型紙葉止め具の他の実施
例を示す斜視図である。

【図７】磁石を焼結磁石使用とした他の実施例の斜視図
である。

【図８】従来のボタン型の磁着型紙葉止め具の説明図で
ある。

【図９】同テコ用アーム付き磁着型紙葉止め具の説明図
である。

【図１０】同揺動タイプの磁着型紙葉止め具の説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 装飾用非磁性体 ２ Ｖ字形状 ３ 可撓性磁石 ５ シーソー支点

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 起立せる被着側磁性板に対し装飾用非磁
   性体に装着した磁石を吸着させる磁着型紙葉止め具にお
   いて、装飾用非磁性体を、該非磁性体の左右バランスを
   保つ中間部に９０°〜１８０°未満の折り曲げ角度を付
   けたＶ字形状とすると共に、このＶ字形状の非磁性体の
   外側面に添って可撓性磁石を配設し、該可撓性磁石の中
   間部に形成される前記Ｖ字形状に対応する折り曲げ部を
   シーソー支点とし、この左右の磁石面の磁力を均一とし
   被着側磁性板に対し交互に吸着自在とする磁着型紙葉止
   め具。
2. 【請求項２】 可撓性磁石が、片面着磁である実用新案
   登録請求の範囲１項記載の磁着型紙葉止め具。